なろう系と呼ぶには、冒涜的すぎる   作:おさわHSM

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結局何も話が進んでないので最終回です


四話・子供の頃の夢はスパイでした

バイトを終え、制服の上着を脱ぎながら心の中で考える。

――PLだった記憶がある俺には、これから起こることの大まかな流れが見えている。

でも、今はまだ誰にも言わない。見てる読者向けのささやきだけだ。

「ここから先は、ちょっと面白くなるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「兄ちゃん、この街にある廃墟の話、知ってるか?」

 

俺は軽く肩をすくめて、「いや、名前だけなら」と答えると、おっさんは目を細め、顔を近づけて囁くように話し始めた。

 

「数年前からさ、人が消えるんだよ、あの廃墟の近くで」

「最初は酔っぱらいかと思ったけど、ちゃんと調べた奴もいた」

「化け物を見たって奴もいる。いや、化け物って言っても、形容しづらい奴だ。人じゃない、でも人みたいな…」

 

――普通の高校生だったら、この話だけで足がすくむところだろう。

でも俺は違う。知ってるから。PLとしての記憶があるから、こういう怪しい場所の匂いはすぐに分かる。

 

人型。次元を彷徨う物だろうか?いや、悪霊の家ならコービットの可能性もある。この世界で悪霊の家が誰かに攻略されてなかったらの話だが。

 

「へぇ。そんなヤバい所があるんスね!」

俺は小さく笑いながらグラスを戻す。

 

おっさんは笑いながら軽く肩をすくめる。

「帰り道気をつけろよぉ、兄ちゃん」

俺は軽く手を挙げて返す。

「あはは、友達と帰るんで大丈夫ッスよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

居酒屋を出ると、街は夜の帳に包まれつつある。

風が頬を撫で、路地の匂いが鼻をくすぐる。

あの廃墟――誰も近寄らない、朽ち果てた建物。

化け物が出ると噂される...シナリオの舞台が、目の前にある。

 

靴を履き直し、懐中電灯をポケットに忍ばせる。

街灯の影が長く伸び、路地の暗がりに入り込む。

「さて、行くか……」

軽く肩をすくめ、俺は歩き出す。

――普通の高校生男子の帰り道、ではない。今夜はこの家の秘密を解き明かす、ちょっと危険な探検の始まりだ。

 

路地を曲がると、廃墟が見えた。壁は崩れ、窓ガラスは割れ、草が建物を呑み込んでいる。

息を整えながら近づくと、空気が一変した。湿った土と古い鉄の匂い。

――あ、ここだ。俺の感覚がざわつく。

PLの記憶が、ここで何かが起こることを告げている。

でも、俺は知っている。ここからが本番だってことを。

 

懐中電灯の光を建物の中に差し込み、ゆっくりと足を踏み入れる。

木の床はきしみ、埃が舞い上がる。

――ああ、神話生物か、ただのイタズラか。違いはすぐにわかる。

俺は手にした小ナイフをぎゅっと握る。

――いや、今のところはまだ神話的事象はない。人間の事件の可能性が先だ。

 

暗がりの中、微かに何かが動いた。

――来たか。シナリオの第一歩。

俺はゆっくり、でも確実に、その気配に向かって進む。

「さて、どう動くか……お前ら(読者)も見てるだろう?」

心の中で小さくつぶやきながら、廃墟の奥へ足を踏み入れた。

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