それから森の中をくまなく探索してみると、意外と新しい発見があるモノで、新たにゴブリンの集落を発見した。その中の様子を隠者のスキルを発動しつつ、どうするか考えているのが今だ。
「と言うがゴブリンって何を話してんだ?」
と言う事で頼みますよ解析さん。あのゴブリンたちが何言っているのか解析してちょ。
「水…汚染」「病人…死ぬ」「回復…長老」「長老…」「子供が…」「聖女様…助け」「来ない…帰ってこない」
《新しく汎用系スキル〈ゴブリン言語Lv1〉を習得しました》
「あ~…スゥ~、これは…俺の仕業だな。と言うかあそこの水ってゴブリンたちが飲んでるのね。」
ヤバい…一気に罪悪感が込み上げてきた。こういう時ってどうすれば良いの?回復…そうだ回復だ。何か長老が回復魔術を使える的な事を言っているみたいだし、ちょっくら解析させてもらえんだろうか。
《新しく魔力系スキル〈回復魔術Lv1〉を習得しました》
《条件を達成しました。新しく称号〈治癒士Lv1〉を習得しました》
おっと…解析できたみたいだな。そして…とにかく回復魔術の精度を高めるのが先決だな。とにかく頑張って解析さん。
おっと…何々、毒に耐性のある俺の肉体を魔術式に落して、新たな回復魔術を作るねぇ…うん。これで行こう。
「おい…お前たち」
「なんだ?…魚…帰れ」
やはり門前払いを受けるか…でも、ここは押し通ろう。取りあえず回復魔術を見せれば何とかなるでしょ?
「回復…早く、来て」
「けが人…出せ」
それから間もなく、俺は毒の患者の前に通された。此処までに六度見くらいはされたが、それを無視して患者の前に来た。どうやら毒で相当弱っている様だ。今さっき習得したばかりの〈治癒〉じゃあどうやっても歯が立ちそうにないな。
「そう…他の人間の治癒じゃね。でも、この毒を俺は知っている。この身で喰らった事がある。だからこそ、この毒に関しては右に出る者はいない。〈毒癒〉×3」
俺の毒を癒す魔術を3発当てた。これにより毒状態から回復して、俺は次の患者の所へと運ばれた。
「おぉ…奇跡だ。」「ありがたやありがたや」
う~ん、このマッチポンプよ。と言うか俺が原因だって事は言わない方が良いな。墓場まで持って行こう。取り合えず今は回復が先決だ。俺はゴブリンが案内してくれる場所にまで赴き回復魔術を使う。
《スキル〈回復魔術Lv1〉が〈回復魔術Lv2〉に上昇しました》
《称号〈治癒士Lv1〉が〈治癒士Lv2〉に上昇しました》
《スキル〈ゴブリン言語Lv1〉が〈ゴブリン言語Lv2〉に上昇しました》
《スキル〈念話Lv1〉が〈念話Lv2〉に上昇しました》
それから何人もの患者を診て、治癒して、そして新たなる患者の前へ…それを数度繰り返して、俺はこのゴブリン集落を完全に救うに至った。と言うか俺が原因でこうなったのだ。せめて癒すのが筋ってものだ。
「ありがとうございます。貴方様のお陰で我らは救われました。」
「いやぁ…ハハハ…スゥ~、そう大したことはしていませんよ」
と言うか俺が原因だからな。こう敬われると俺が最低のマッチポンプ野郎と思われるやも知れん。と言うか絶対なってる。
《新しく汎用スキル〈詐欺Lv1〉を習得しました》
《条件を達成しました。新しく称号〈詐欺師Lv1〉を習得しました》
ほら…世界の声にも詐欺って言われた。と言うか尊敬のまなざしが痛い。どうにもこの感じは苦手だ。それ以上に胃に穴が開きそうだ。もしもバレたら絶対に恨まれる。
「それでは、俺はこの辺で…」
「いえいえ…どうか我らを導いてください。我らが主よ。」
はぁ?主…主って何それ?俺はただ自分のケツを吹いただけなのにどうして主って敬われるんだ?何かした?
「主とはどういう意味だ?」
「我らフ族…最も素晴らしき治癒士が主に相応しいとの習わしがあります。儂にも成し遂げられなかった毒の治癒を成し遂げた貴方様が主に相応しいのです。」
う~ん…話は分かった。でも、俺が主に何てなって良いのか?と言うか俺が原因でこの集落は毒に陥ったんだぞ。それを打ち明けるべきか…。よし
「実は…お前たちを苦しめていた毒の原因は俺なんだ。」
俺は白状した。あの湖に毒をバラまいたのは俺の軽率な判断が原因だという事をバラした。それでも、ゴブリン共の輝かしいまなざしが痛かった。
「では…貴方様が数多くの毒をその身に宿したと?」
「あぁ…この森の毒物を摂取して生成された毒をうっかりして湖にバラまいた。こんな俺が主として相応しいわけない。」
それを言うと一瞬だけ考えた様な表情を見せた。どうやら目が覚めたらしい。それを感じて俺は立ち去ろうとした。でも、一匹のゴブリンの声が俺を引き留めた。
「ですが…貴方様は我らを治療してくださった。その恩を返したい。それに、この森の毒物を喰らったと言う事は、この危険な森での活動に大きなプラスとなります」
グゥ…でもなぁ、俺に主何て務まる訳が無いしなぁ…でも、こいつ等の表情…主と慕うこいつ等に対してまだ湖汚染の件に対する贖罪が残っている。それまでだ。
「分かった。仮にだが、俺が主としてお前たちを守ろう」
「ありがたや…」
う~ん…何かトントン拍子に事が進んだけど、これで良いのか?レベルアップして進化するだけなら、ここを放って旅に出るのが一番だ。でも、こいつ等への贖罪もあるし、暫くはこの集落に身を寄せるかね。