転生小魚、龍道を征く   作:半目真鱈

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第19話 猛毒蜥蜴

 あれから数日…すっかり主として担がれた俺は元長の家を間借りする事となった。俺の場合は体がデカいし水球移動法をしているしで、家なんていらないと言ったが、ゴブリンたちがどうしてもと言うから、仕方なく間借りしている形だ。

 

「と言うかお前たちの種族ってゴブリンで良いのか?」

「えぇ…我らはポイズンゴブリン…毒に精通したゴブリン…の筈でしたが、主ほどのレベルには到達できそうにありません。」

 

 へぇ…ポイズンゴブリンねぇ…それってどういう種族なの?解析さん頼む。

 

 ポイズンゴブリン・毒と暗殺に精通したゴブリンであり、通常種のゴブリンよりも知能が高く戦闘能力も高い。最も腕の高い治癒士が主として担ぎ上げられるが故に、継続戦闘能力も高く注意が必要。

 

 へぇ…結構物騒なんだな。と言うか俺って主だけどほぼ何にもして無くね?大体の仕事と言えば毒の治癒だけど、それは元長の…フ・メルバさんがやってくれるから、俺ってただの置物なんじゃぁ…。

 

「大変です。グレートポイズンスパイダーの大量発生です。」

「なに…去年までよりだいぶ早いぞ。とにかく戦えるものは武器を取れ。早速撃ちに行くぞ」

 

 グレートポイズンスパイダー?この森は毒毒毒の毒尽くしかよ。と言うよりもこのメルバさんの焦った表情…よっぽど不味い事態だと見た。これは俺のレベル上げのチャンスだな。

 

「その魔物。俺が狩ろう。」

「ですが危険です。主が前に出るなど。」

 

 そうか…こいつ等の生体で考えると治癒士は後ろに引っ込んで戦士を癒すためにあるのか…。

 

「そう言うがな。俺はもう少しでレベル限界なんだ。これが分かるな。」

「はっ…でしたら護衛だけでも」

 

 それから護衛を付けてもらってグレートポイズンスパイダーとの会敵を待った。そうすると直ぐに出会った。2メートル程だろうか?全身が毒々しい紫色をしている。しかも解析したらあのカエルの毒よりも強力な毒を吐くって…。

 

「短期決戦だな。〈六発装填・水弾〉」

「おぉ…凄まじい魔術だ。」

 

 護衛がその仕事を放って観戦を始めた。どうやら俺が使う魔術が目新しいらしい。と言うかそうしていてくれると助かる。俺の魔術制御は未だにレベル1…操作するには多少のラグがある。

 

「さて…お前を忘れた訳じゃ無いぞ。〈大水刃〉」

 

 大水刃で相手を怯ませると直ぐに近接に切り替えて相手に噛みつく。そうすると直ぐに毒が侵入したのか、かなり苦しみだした。それと共に俺は蜘蛛の首を大水刃で切り落とす。

 

「凄まじい魔術でした。では、これから蜘蛛狩りを?」

「あぁ…進化まで2レべだからな。」

 

《レベルが1上昇しました》

《SPを1習得しました》

《レベルが1上昇しました》

《SPを1習得しました》

 

 それから進化の時が来た。予め俺は水の中で進化の眠りの準備をする。今回の進化先はこの〇つだ。

 

 猛毒魚─F+

 猛毒蜥蜴─F-

 フィッシュ・ローメイジ─F-

 

「これは蜥蜴一択だな。何時までの水球移動法じゃきついからな。」

 

《猛毒蜥蜴に進化します》

《SPを1取得しました》

 

 

「ふむ…体長は1メートル程か…前よりは小さくなったな。でも、一番大きいのは陸上で小回りが利くって所だよね。」

「素晴らしいお姿です。」

 

 声を掛けてきたのは俺の進化を見守るというゴブリンだった。その姿からは心の底から崇めていると言う感情を窺い知れた。それに対してちょっとだけ恥ずかしい思いをしつつも、俺は元長の家へと帰った。

 

「それで…これはどういうことかね?」

「何かお困りでしょうか?」

「いや…お困りごとって言うか…現在進行形で困ってるんだけど…。」

 

 俺が座している場所は元長の家とは比べ物にならない程に豪勢な建物だった。原始的で…でもどこか神秘的な建物が其処には聳え立っていた。どうやらここが俺の屋敷らしい。

 

「それで…何でこんな豪勢な家なんだ?元長の家のサイズで充分なんだけど。」

「それは行けません。主様は何れこの魔毒の森の支配者になるであろうお方なれば。この程度の贅は尽くさなくては」

 

 魔毒の森…この森の正式名称で、ゴブリンたちの元長曰、大国がすっぽり入る位の大きさの森なんだとか…そして、俺の湖やゴブリンたちの集落は比較的浅い場所に点在しているらしい。

 

「いや…この森を支配って…まぁ良い。」

 

 俺は説得することをあきらめた。詳しい話を聞くにこの魔毒の森では可笑しな予言が残っている様だった。それが、今より先の時代、あらゆる毒を支配せし邪竜が世界を制する。

 

「それで、俺がその邪竜だと?」

「えぇ…予言ではこの月読の湖から生まれるとの話が確かに伝わっておりますので。」

 

 何だかなぁ…何かトントン拍子に上手く事が運んでいる様だけど、兎に角はこのまま強く成れって事で良いか。

 

《スキル〈ゴブリン言語Lv4〉が〈ゴブリン言語Lv5〉に上昇しました》

《スキル〈念話Lv4〉が〈念話Lv5〉に上昇しました》

 

 念話とゴブリン言語をずっと使っている影響か随分とスキルレベルが上がったモノだ。もう半分でカンストだ。ゴブリン言語の方はそのままとしても、念話のスキルは一体どういう進化をするのか…実に楽しみだ。

 

 

 

 

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