転生小魚、龍道を征く   作:半目真鱈

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第22話 毒鬼戦

「ふぅ~…さてと、久方ぶりに魔石でも食うか。確か此奴のスキルがこんな感じだったかな?」

 

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 種族スキル

 蜘蛛糸Lv3.毒付与Lv2

 汎用スキル

 暗視Lv3.直感Lv2

 戦闘スキル

 毒牙Lv3

 耐性スキル

 毒耐性Lv4

 称号スキル

 ゴブリンイーターLv3.毒使いLv2

 ————————————

 

 こんな感じだけど、まぁ、魔力は増えるしもしかしたら他の良いスキルが習得できるかもしれないし。

 

《条件を達成しました。新しく種族系スキル〈蜘蛛糸Lv1〉を習得しました》

《スキル〈幸運Lv1〉が〈幸運Lv2〉に上昇しました》

《条件を達成しました。新しく称号〈捕食者〉を習得しました》

 

 おっと…幸運のスキルレベルアップに引き続きなんか新しい称号も習得した様だな。どれどれ…どういった効果なんだ?

 

 捕食者・魔石を喰らう者に送られる称号。効果・魔石を喰らう時にスキルを習得する

 

「よっしゃチートスキルキタコレ。これで俺ツエエェェになったか?」

 

 とか考えていた俺がバカだった。この森は怪しく輝く毒の森…俺よりも遥かに強い奴らが居ても可笑しくは無かった。だが、この時の俺は浮かれていた。それが近寄っているとも知らずに。

 

「っていうか蜘蛛糸ってどうやって出すんだ?う~ん…あぁ、手の先から出るのね。ここはなんだかマジカル味を感じる。」

 

 それから森の中を探索していると、本当に多種多様の毒を見つける。今まで喰らった毒もあるが、殆どの毒は完全に初見の毒だった。それらを喰らいつつ森の奥深くに足を踏み入れると、何やら不思議な力の波動を感じる。

 

「さて…ここいらでアガロのレベルアップとスキルレベルの上昇を目指すか。取り合えず俺が相手になるから、思いっきり来い。」

 

 陽光を反射して銀糸のように輝く長髪が、風に乗って揺れる。その髪の奥から覗くのは、血のように深い紅の瞳。真っすぐに相手を射抜くその眼差しは、戦場では恐怖を、日常では神秘を纏っていた。

 

 鍛え抜かれた長身の肢体は、女性らしい柔らかさを決して失わず、鎧の下からでもその豊満な胸と張りのある臀部が形を主張する。剣を携えて立つその姿は、まるで女神が戦場に降り立ったかのような威厳を放っていた。

 

 抜き身の剣が俺を射殺さんと睨みつける。俺とアガロはそれを試合の合図として、お互いの攻防が始まった。最初はスラッシュによる攻撃だ。隙の無い抜刀術は見る者すべてを虜にするようだ。

 

 スキルとは魂に宿るのか肉体に宿るのか?その答えを言い表したかのような彼女は、再び剣を持ち直す。

 

「まぁ…良い考察にはなる。肉体にはスキルの残滓が宿る。…うん、自分で言うのも何だが結構良い線行っているかもな。」

 

 そして、こういう戦いは実入りも多い、今までは毒と魔術でゴリ押ししてきたが、こうして近接をしてみると思ったよりも自分の弱さを知れる。

 

《新しく戦闘スキル〈体術Lv1〉を習得しました》

《新しく戦闘スキル〈格闘Lv1〉を習得しました》

 

 うん…今までの自分とは全く違う自分へと変化しているのが分かる。毒無効のある此奴ならば幾らでも戦える。それを理解しているからか、奴は問答無用で向かって来る。

 

「もしかしてアンデットにしたのに怒っているのか?」

「…」

 

 まぁ、今はどうでも良い話だ。此奴との模擬戦では意外と新しいスキルも収集できるし、今後の日課にしても良いかもな。

 

 さて…ここいらで良いか。と言うか初めて模擬戦してみたけど意外と追い詰められてビックリしたな。もう少し有利に進めると思っていたけど、どうやら昼夜を問わずにスキルの特訓をしていたようだな。

 

 俺とアガロは仕留めた蜘蛛を並んで食べつつも、お互いの距離感を掴めないでいた。と言うか女子と会話するの何て俺の記憶じゃ初めてだからな。

 

「さて…俺だけは一方的に話す事になるが、許して欲しい。君は言語系のスキルを習得していない事を恨んでくれ。それとも今ここで習得するか?習得する場合は、俺が習得しているゴブリン言語かジャマル言語だと助かる」

「…これで…良い?」

 

 そうか…ジャマル言語か…確か少しだけ聞いた結果習得したんだっけ?それでも、何とか会話にはなるな。

 

「そうか…その選択をしたか。まぁ良い。それで?俺に何か聞きたいことでも有るか?」

「別に…貴方は主…それだけで良い」

 

 そうか…まぁ、傭兵と思えばこれも楽なモノか。だが、ここから先は正に地獄…何が起こるかは俺自身にも分からん。もしかしたらドラゴンが攻めてくるかも知れない。

 

「お互い強くなるぞ」

「えぇ…分かったわ」

 

 蜘蛛の死骸を食べ尽くした俺とアガロは森の探索を進めていた。元々の種族の恩恵で大抵の毒が無効のアガロと、多種多様な毒を摂取し生成する俺は、この森で安全に狩りをすることが可能となった。

 

 俺とアガロが初めて会話した日より数日が経過した。俺とアガロは相も変わらず狩りと模擬戦を繰り返していた。だが、そんな日常に罅を入れる存在が入ってきた。それは一匹の鬼だった。

 

「いつも通り、アガロは前衛を頼む」

「了解しました」

 

 アガロの凶刃が鬼へと振り下ろされる。だが、その攻撃を日本刀で弾いた。だが、恐るべきはその速度だった。俺が見れない程の高速の抜刀術を前に、俺は恐れおののいていた。

 

「いや…撤退だ。此奴には勝てそうにない。俺が殿を務める。お前はさっさと逃げろ。このレベルの戦いにゃ早すぎる」

「いえ…主一人を置いて逃げるなどできません。」

 

 嬉しい事を言ってくれるが、相手は恐らく格上の相手…だが、毒さえ打ち込めば勝機はある。取りあえずはアガロを下がらせるのが先だ。直ぐに殺されかねん。

 

「だが、これは命令だ。下がれ」

「…了解」

 

 鬼との一対一の決闘が始まった。鑑定結果は毒鬼…ポイズンゴブリンの元となった種族らしいが、知性の欠片も見えん。何かあったのか?…って、本当に早いな。

 

「俺の速度100だぞ。此奴の速度はどんなモノなんだよ。」

 

 ————————————

 名前 ロミ・カイツ

 種族 毒鬼Lv3/Lv20

 職業 剣士Lv2/Lv10

 体力 120/120

 気力 110/110

 魔力 100/100

 攻撃力 150(鬼力+30)

 防御力 140(鬼力+30)

 魔法力 90

 抵抗力 95

 速度力 230(鬼力+30)

 ランク F

 種族スキル

 帯毒Lv4.鬼力Lv3

 汎用スキル

 暗視Lv4.直感Lv3.観察Lv2.ジャマル言語Lv4

 戦闘スキル

 体術Lv5.格闘Lv3.剣術Lv4.抜刀術Lv2

 戦技スキル

 魔闘術Lv2.抜刀Lv2.スラッシュLv3.二段切りLv1

 魔力スキル

 魔力感知Lv4.魔力操作Lv2.無魔術Lv1

 耐性スキル

 毒耐性Lv7.斬撃耐性Lv2

 称号スキル

 ロミ族所属.剣士の才Lv1.

 ————————————

 

 職業?確かゴブリンを鑑定した時も無かったぞ。何か毒鬼特有の強化方法か?でも…此奴凄く早い。俺が目で追えないのも納得の速さだな。全てのステータスが格上なくせに、スキルも満遍なく育ってやがる。

 

「クソ…本当に早い、そこだ〈致死弾〉」

 

 魔術を放った瞬間に確信した。これは無理だと言う事が。魔術を放った途端に刀を鞘に戻したかと思いきや、先ほども見せた抜刀術…それにより魔術を切ったのだ。

 

「普通に考えて魔術が切れるかよ。…おい、聞こえるか?」

 

 俺は今までの様な日本語では無く、此奴の習得しているジャマル言語でもって問い詰める。だが、それを聞く耳持たずに襲ってくる様からは獣を見た。クソッ…もの凄く早い。

 

「敵…殺す」

「喋ったと思ったらそれかい…本当に獣の様だな。」

 

《スキル〈体術Lv2〉が〈体術Lv3〉に上昇しました》

《スキル〈格闘Lv3〉が〈格闘Lv4〉に上昇しました》

《スキル〈回避Lv5〉が〈回避Lv6〉に上昇しました》

 

「隠者発動…〈麻痺剣〉」

 

 隠者を瞬間的に発動する。本来なら直ぐに発見される意味の無い手段だ。だが、0.1秒…それが欲しかった。魔術を構築し、叩き込む瞬間が欲しかった。

 

「ググッ…グガァ~」

 

 打ち込んだ麻痺剣が効果を発揮して、毒鬼はその場に倒れ伏した。そのまま獣を狩るべく魔術の準備をする。麻痺が切れない様に注意しつつも魔術に意識を向ける。それがダメだった。

 

「グォオォォオ~」

「なに…」

 

 ザンバラリンと刀が振り下ろされる。それがスローモーションに見える。だが、それを回避する術も、回避する時間も無い。あるのはただ…そうだ、これがある。

 

「魔術式暴走…魔力充填率安全域解除…疑似魔術〈魔術爆破〉」

 

 爆風が周囲をなぎ倒す。瞬時に魔術式を暴走させ、魔力を限界以上に込める事で起こした大爆発…これには流石の毒鬼もかなりのダメージを負ったのか、起き上がる様子は無かった。

 

「さてと…逃げるぞアガロ」

「はい」

 

 俺達は一目散に逃げた。逃げて逃げて逃げまくった。背後を確認する術も無く、俺達はただひたすらに走った。

 

 

 

 

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