転生小魚、龍道を征く   作:半目真鱈

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第26話 アガロの進化

 俺とアガロは森の奥深くにまで足を踏み入れた。その場所は奇しくもあの毒鬼と最初に出会った場所で会った。そして、いきなり出てくる気配に対して俺はすぐさまアガロに伝える。

 

「右側から来る。気を付けろ。」

「了解しました。」

 

 アガロと俺が警戒していると、やはりと言うべきか…毒鬼が現れた。それも前の個体と同程度の実力を誇る個体だ。今のアガロには厳しいやも知れん。

 

「アガロ。危なくなったら逃げろよ。」

「大丈夫です。」

 

 アガロのその言葉に対して、俺はかなり緊張していた。何せゴブリン以外で初めての人型の仲間なのだ。俺はかなり心配していた。だが、アガロはやれば出来る人物だったと知らされる事となった。

 

「〈気闘術〉〈魔闘術〉…これで互角。」

 

 強化された身体能力でもって毒鬼と切り結ぶ姿が其処には会った。だが、アイツの気力・魔力量は俺以下だ。そんなに長時間扱えないだろう。

 

「援護する。〈麻痺剣〉」

「ありがとうございます。〈二段切り〉」

 

 麻痺を司る剣を毒鬼の背後から飛ばす。それにより一瞬の隙を晒した毒鬼の右手を切り、更に二回目の斬撃で左手を切り落とす。それによりただの達磨と化した毒鬼の足を切り落とす。

 

「油断はしません。〈スラッシュ〉」

「成ったな。俺とお前ならこの森でも最強の名を轟かせるだろう。それで、進化だろう?一体どんな種族へと進化する?」

 

 俺が語り掛けると同時にアガロは俺の傍に近寄って俺に体重を乗せてきた。それを確認すると共にアガロが眠ったのを確認した。どうやら進化の眠りに入ったらしい。

 

 ————————————

 名前 アガロ・メイタール

 種族 ゾンビ・ソルジャーLv1/Lv15

 体力 70/70

 気力 65/65

 魔力 55/55

 攻撃力 95(修行+15)(剛撃+10)

 防御力 77(修行+2)

 魔法力 55

 抵抗力 70

 速度力 83(修行+5)(速度強化+3)

 ランク F-

 種族スキル

 新鮮Lv3.感染Lv2.瘴気生成Lv1

 汎用スキル

 暗視Lv7.訓練Lv4.直感Lv1.ジャマル言語Lv6

 戦闘スキル

 体術Lv7.剣術Lv5.格闘Lv4.気力感知Lv5.気力操作Lv4.気力循環Lv2.劣再生Lv1

 戦技スキル

 気闘術Lv1.魔闘術Lv1.気力撃Lv1.スラッシュLv2.二段切りLv1

 強化スキル

 剛撃Lv1.速度強化Lv3.回復強化Lv3

 魔力スキル

 魔力感知Lv3.魔力操作Lv2.魔力循環Lv2

 耐性スキル

 状態異常無効.飢餓耐性Lv1.神聖弱化Lv10.聖銀弱化Lv10.治癒弱化Lv10

 称号スキル

 名無しの眷族.努力家Lv4.根性Lv2

 SP 13

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 ふむ…新しいスキルは瘴気生成と劣再生辺りだな。まぁ瘴気の方は既に判明している。死霊魔術のレベル2魔術の〈瘴気生成〉で、主に魔に属する生物にとっての酸素と同義…らしい。

 

「それを作り出すと言う事は一端の魔物になったって事か?」

「凄まじい力を感じます。…私を信じて下さってありがとうございます。」

 

 どうやら進化の眠りから覚めたらしい。アガロは手をグッパーさせている。どうやら新たな力に慣れていないみたいだった。それを確認しつつ俺とアガロは仕留めた毒鬼を食べていく。

 

「因みにこの剣は…普通の剣だな。魔刀の類じゃ無さそうだし。俺が収納しても良いか?」

「えぇ。大丈夫です。二刀流には明るくありませんし。」

 

 それから毒鬼を食べた後、俺とアガロは毒鬼が来た方向に向かって歩き出した。もしかしたら毒鬼の集落があるかも知れない。そう思い俺は隠者を発動させて、アガロは静かに歩き出した。

 

「どうやら隠密のスキルを習得できたようです。」

「よし、それじゃあ隠れていくぞ。見つかったら面倒だ。」

 

 それから毒鬼が現れた場所にまで来た。そうすると更に奥の方から、夥しい数の気配が現れた。その全てが俺たちの方向を向いている訳じゃ無いが、それでもかなりの数がこちらに攻めてきた。

 

「不味い…こっちも応戦するぞ。」

「分かりました。」

 

 それから毒鬼との壮絶な戦いが始まった。最初は俺とアガロの連携もあり数を減らしていったが、蛆のように湧いて出る毒鬼に痺れを切らしていた。

 

「クソッ…アガロの魔力も残り少ない…これは、賭けに出ざるを得ないな。アガロは下がれ。広範囲魔術を使う」

「了解しました。」

 

 アガロが俺の後ろに下がるのを感知した瞬間に、魔術の行使を始める。これまでは使い勝手の悪さと火力の高さと、長い詠唱が必要な点から使っていなかったが、この局面においてはこれが最も頼もしくなる。

 

「――静寂を裂き、焔の理を呼び覚ます。」

 

 瞬間…辺りを静寂が包んだ。そのまま魔術式が構築されてゆく。

 

「炎素、集束開始。循環路、安定。

 魔術式構築……干渉率、臨界へ到達。

 熱量演算、上昇中――制御域、保持。

 魔力圧縮、限界突破。」

 

 機械的な詠唱を挟み…どんどんと魔術式が構築されてゆくと同時に、辺りを炎の幻影が包む。

 

「さあ、燃えよ、紅蓮の核。

 我の魔力を対価とし、万象を灰へと還せ。―〈爆炎〉!」

 

 瞬時に辺りを爆発が包み込む。俺とアガロは最初から安全になる様に計算に入れていたが、他の毒鬼は違う。一先ず俺の感知範囲内に敵は居なかった。だが、その感知の範囲外から凄まじい量の敵を確認した。

 

「こりゃあ不味い。逃げるぞ」

「分かりました。」

 

 

 

「いやぁ…凄まじい量でしたね。」

「あぁ…ゴブリンには知能が合ったのに可笑しいな。スマンが遠話に集中する。護衛は頼んだ。」

「分かりました」

 

 それから俺は念話をポイズンゴブリンの元長に繋ぐ。どうやら効果の範囲内らしい。多少の雑音は聞こえるが、まぁ許容範囲内だ。

 

(聞こえるか?メルバよ)

(何でございましょうか?何か問題がありましたか?)

 

 それから俺は毒鬼の異常性について説明した。そうすると暫く考え耽った後に、ポツリポツリと語りだした。

 

(もしかしたらキング種が生まれたのやも知れません)

(キング種?それは一体どういった存在だ?)

 

 それからメルバが説明してくれたのは悲しき種族のサガだった。どうやらゴブリンやオーガを始めとした魔物にはキング種と言うのが時折生まれるらしい。

 

 そのキング種が生まれた瞬間、その魔物の群れは、その悉くが動く骸と化し知能を捨て全てを主に捧げる。

 

(…って事で良いのか?)

(はい…もしかしたらそのキング種の差し金やもしれません。気を付けてください。何かあったら直ぐに駆けつけますので。)

(あぁ…頼もしいよ)

 

 それから念話を止めてアガロとの作戦会議を始めた。それは仮称毒鬼王をどうするか…この森を安全に探索するのとレベルアップの為にどうやって狩りをするか?それが問題だった。

 

「取り合えず俺のレベルがカンストしたから進化に入る。守りは任せたぞ。」

「了解しました主よ」

 

 

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