俺達、ツインテールになりました。   作:白き翼

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第十三話 秘密と正体と動き出す龍

 

「だ、大丈夫ですか?レナさん」

「・・・すみません、お恥ずかしいところ見せちゃって・・・」

「気にすんなよ」

 

泣き始めてしばらくしてようやくレナが泣き止んでくれたので、ホッとする零と優子。

謝ってくるレナに対し頭を撫でながらも返す優子。

 

「ありがとうございます・・・優子さんのもなるべく早く準備しますね」

「おぅ、頼むぜ?」

 

「あ、そうだ・・・レナさん。もう一つ伺いたいことがあります」

「っ?まだあるのか?」

 

撫でられていたレナが微笑んだので優子も微笑み返しながらも返していると零が再び何か質問しようとする。

それを聞いて、他に聞く事なんかあったのだろうかと思い尋ねる優子に頷きながらも零は続ける。

 

「あの・・・スターウィングを開発したのってトゥアールさんなんですか?さっき『用意されていた』って言いましたけど」

「いえ、一応スターウィングの設計と開発をしたのは私なんです・・・トゥアールさんに内緒で作っていたんですが、いつの間にか完成されていた状態だったんです」

 

「って、事は・・・完成できたのはレナさん以外にも作っていたのがいたからなんですか?」

『そうだ。このスターウィングをレナに内緒で完成させて、スターウィングのAIであるスターこと僕を作ったのは・・・ヒカルなんだ』

 

「ヒカル・・・?」

「ヒカルって・・・まさか、俺達と出会った日に零が飯作っている時に俺に話した幼馴染か!?」

 

零の疑問の答えをレナの代わりにスターが答える。

聞き覚えのない名前に首を傾げる零に対し、その名前を知っていた優子は驚く。

 

そんな彼女を見て頷いた後、レナは思わぬ言葉を口にした。

 

「実は・・・ヒカル君は私と一緒にトゥアールさんの助手であり戦友・・・・初代テイルレッドでもあるんです」

 

「初代テイルレッドだと!?」

「っ!?ま、待ってください!初代のテイルレッドって・・・まさかっ!?」

 

「・・・はい、初代テイルレッドは・・・テイルブラッドと名乗ったテイルレッドそっくりの戦士の事です。間違いありません」

「えっ?何で間違いないって・・・あ、そうか。テイルギアやテクターテイルに搭載されてる認識攪乱装置はその正体を知ってる奴には効果ないんだったな」

 

「はい・・・テイルブラッドの姿を見た時、ヒカル君の姿が重なっちゃったんで確信できました」

 

ヒカルが初代テイルレッドの正体だという事実だけでなく、その初代テイルレッドがテイルブラッドだと言うレナ。

何故分かるのかと気になったが、すぐに認識攪乱装置の事を思い出す優子にレナが頷いた。

 

「・・・でも、あの様子だと総二達とも別行動を取ってますよね?」

「えぇ・・・ヒカル君は私より先にあの人の元を離れてしまったので・・・」

 

「っ?どうして・・・まさか、ヒカルって奴もセクハラを受けていたのか!?」

「いや、そうではないんです・・・けど、理由が良く分からないんです」

 

「っ?分からない?」

「はい、突然出て行ってしまったので・・・」

 

そんな中、別行動を取っていることについての零の疑問にレナが答える。

それを聞いてトゥアールならやらかすと思い優子が尋ねるが、分からないと返されてしまう。

 

その時のレナは何やら少し辛そうにしていた事に気づいた零だったのだが詳しくは聞こうとはしなかった。

とにかく、今日はここで解散と言う事となるのだが、優子は優子のテイルギアについての話をレナとするために残る事となり零だけが先にスターウィングから零の家に転送されていった。

 

零がいなくなってすぐに、レナと優子は優子のテイルギアについて話を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

『良かったのか?名前しか名乗らなかったが・・・』

「大方、コバルトは俺の正体には気づいていただろう。認識攪乱は正体が知っている人間には効果は無いからな」

 

どこかから響いた声にテイルブラッドは変身を解除する。

そして、その姿を白衣姿の赤い髪の青年『ヒカル』へと変えた。

 

「それに、余りあいつと関わっていたら・・・俺のやろうとしている事を知られるわけにもいかないしな」

『コバルトはお前の戦友であり幼馴染なのだろ?それに、彼女と一緒に戦っていたテイルゼロも比較的に友好的だから協力してくれそうだが・・・』

「確かにそうだが、あいつ等を巻き込みたくない。奴との決着は俺がつける」

『・・・そうか』

 

「・・・奴の事はアルティメギルも奴の事は気づいているはずだ。だから、奴に食われる前に先にツインテール属性を回収しようとオルトロスギルディの様に強力なエレメリアンを送り込むに違いない・・・」

『そうなった場合、どうする気だ?』

 

「援護はする、だが・・・ツインテール属性を奴等に奪われる訳にはいかない、もしも奪われそうになった場合・・・これを使ってでもそれを阻止する」

 

どこかから響く声に答えながらも、ヒカルはとあるものの前に立つ。

それは、機械でできた輪っかの形状をした何かの装置を思わせる代物であった。

 

「これも奴等の技術で作られたものだ・・・実験してはいないが、回収はできるはず」

『だが、それはあくまで最終手段にしておけよ?下手をすると、色んな奴を敵に回しかねないからな』

「それくらい承知しているさ」

 

どこかから聞こえる声に返しながらも、ヒカルは何かの装置から離れて椅子に座ると左腕に装備していたテイルブレスを外して机に置く。

そのままヒカルは懐から取り出した黒いスターパッドに良く似たものを取り出すと同時にそのアイテムから無数のコードが伸びてテイルブレスに刺さっていく。

 

「何時戦うことになるかわからないから、調整をとっとと済ませとくか。ちょっとの欠陥が命取りになるからな」

 

そう呟いた後、スターバッドに良く似たものを操作し始めると同時に出て来たディスプレイを見ながらもテイルブレスの調整を始めるのであった。

 

(・・・今度こそ、奴の手から護って見せる。どんな手段を使ってでも・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アルティメギル基地 会議室~

 

「まさか、オルトロスギルディまでやられるとは・・・!」

「むぅ、ここまでやるとは・・・ツインテールの戦士達め・・・!」

 

一方その頃、アルティメギルは会議の真っ最中であった。

その内容はもちろん、テイルレッドやテイルゼロ達の事であった。

 

「今の所、我々が手に入れた属性力は皆無・・・こちらが次々と敗れていってしまっている状態か・・・」

「今までの世界と違い、この世界の戦士は多い。テイルレッドもそうだが、テイルゼロとテイルコバルト、そしてテイルブラッドも厄介だ。ツインテールの輝きはテイルブルーよりも劣るが、その強さはテイルレッドと互角、いや下手をすればそれ以上かもしれない・・・」

「テイルブルーも劣るが攻撃に一切の迷いがない、まるで破壊神のような娘だからなぁ・・・」

 

「こうなれば、属性力だけを素早く回収して奴らに出くわす前に撤退するとかどうだ?」

「それでは彼女たちに恐れを抱いて、逃げているだけではないか!?」

 

あーだこーだと言い合い始めるエレメリアン達を見ながらもドラグギルディは冷静そうである。

だが、彼も内心焦りを覚えていた。

 

同胞が倒され続けていることもそうであるが、アルティメギルにも脅威と言ってもいい存在がこの世界に向かってきていると言うのだ。

その存在がどんなに危険なものかと言うのはアルティメギルの中では知らないものがいないと言うほどのものである。

 

(奴は危険すぎる・・・奴にツインテールの戦士達の属性力を奪われでもすれば、もはや手が付けられなくなりかねない・・・!)

 

思わずギリ、と歯ぎしりを立ててしまうドラグギルディを見て騒がしくなっていたホールが静まる。

それに気づいたドラグギルディは椅子から立ち上がって、ホールにいるエレメリアンに対して声を上げる。

 

「・・・確かに彼女たちは強い、生半可なものをぶつけても彼女たちには勝てずに負け、その結果我々が消耗し続けると言う事になる。ここからは勇者のみに許されし聖戦である!我こそはと志願する者はいるか!!」

「はっ!それなら、私が!!」

「隊長!俺も行かせてくださいっ!!」

 

ドラグギルディの言葉に対し、二つの声が響くと共にドラグギルディに駆け寄ってきた。

その一人は以前テイルゼロと戦ったワスプギルディ、もう一人は白鳥を思わせる白き体のエレメリアン『スワンギルディ』であった。

 

「おおっ!看護服(ナース)属性の申し子、スワンギルディか!」

「それに、前にテイルゼロと互角にやり合ったワスプギルディまで!」

 

「あの二人ならいけるかもしれないぞ・・・!」

 

スワンギルディとワスプギルディの二人を見て賛同の声を上げ始める他のエレメリアン達。

そんな中、ドラグギルディも頷いて答えた。

 

「ふむ・・・よかろう!だが、スワンギルディ。お前は少しテストをさせてもらうぞ?ワスプギルディ、少し離れていろ」

「はっ!」

 

ドラグギルディに言われてワスプギルディが少し離れる。

 

直後、ドラグギルディは自身の剣を振るうとスワンギルディの顔に触れる寸前の位置で止められる。

だが、それに対しスワンギルディは微動だりしていなかった。

 

「ほぉ、肝は座っているようだ・・・よし、もう少しテストをさせてもらおう。アレを持てっ!!」

「モケー」

 

ドラグギルディの声に合わせて一人のアルティロイドが何かを持ってくる。

それは一台のパソコンであった。

 

「っ?パソコン・・・?」

「そ、それは私の部屋のパソコン・・・ま、まさかっ!?」

「っ、そうか。エロゲ・ミラ・レイターか・・・」

 

持ってこられたパソコンを見て首を傾げるワスプギルディに対し、何をされるのか理解したスワンギルディが怯えた様子で声を上げる。

その様子を見ていたワスプギルディは納得しながらも、スワンギルディを心配そうに見ているのを見ながらもドラグギルディはマウスを操作し始める。

 

マウスが静かに鳴り響く音が響く中、パソコンの映像がホールにあるモニターに映される。

その様子にスワンギルディはひっと怯えた声を上げる中、パソコンの映像ががらりと変わる。

 

映像は・・・明らかに就職しているというには幼いナース服を着た少女達が映ったゲームのタイトル画面であった。

しかも、これはただのゲームではない・・・いわゆるエロゲーと呼ばれる代物である。

 

「これは確か、つい最近発売されたばかりのものだったな・・・ほぉ、すでにコンプリートしているのか?卑しい奴め・・・」

「ど、ドラグギルディ様!お許しを!これ以上はぁぁぁぁっ!!」

 

スワンギルディの叫びを無視しながらもドラグギルディがセーブデータを見てみる。

すると、肌色ばかりのサムネイルの中で一つだけ異なるものがあった為に何かあると瞬時に考えてそれをクリック。

 

それと同時に主人公の部屋での少女とのやり取りが始まる。

帆を赤くした少女との会話シーンだったが特に何もなく場面が変わっていった。

 

「なるほど・・・最初の会話の内容からして、幼馴染が部屋に遊びに来た所で空気が変わったと感じで睦事が起こるのではないかと期待してセーブしたのだな・・・だが、何もそれらしいことは起こらかったから落胆した、と言ったところか」

 

「「「「あぁー・・・あるある・・・」」」」

「・・・あるのか?」

 

「ぐはぁぁぁぁっ!!?」

「っ、スワンギルディッ!!」

 

ドラグギルディの発言に同じ経験があるのかどうかは分からないが納得した様子で数人が頷き、エロゲーをしたことがないワスプギルディは首を傾げる。

そんな中でスワンギルディが気を失って倒れそうになるのを、ワスプギルディが慌てて受け止める。

 

「フッ・・・この程度で気絶する者が、ツインテールの戦士達と戦おうなど・・・笑止!」

 

ワスプギルディに受け止められたスワンギルディを見て厳しい言葉を投げかけるドラグギルディ。

それからすぐにスワンギルディはアルティロイドに連れて行かれていくのだが、その時ドラグギルディの目には部下を慈しむものが見て取れた事にワスプギルディが気付く。

 

そんな時、ドラグギルディがここにいる面々が思ってもいなかった発言をした。

 

「ワスプギルディ・・・我と共に行くぞ」

 

「なっ!?」

 

「ど、ドラグギルディ様自らですか!?」

「そ、そんな!?あなたが行かれるなどっ!!」

 

「くどいっ!!」

 

ドラグギルディの言葉に驚きを隠せないワスプギルディを余所に他のエレメリアン達はそれを止めようとするものの、一言でそれを黙らせる。

会議室がシンとなる中でドラグギルディは一人この場を後にしようとした為にワスプギルディが慌てて付いて行こうと追いかける。

 

「ワスプギルディ」

「はっ、何でしょうか」

「・・・テイルゼロはお前に任せる」

「っ!?」

 

廊下を二人きりで歩くワスプギルディとドラグギルディ。

そんな中でドラグギルディはワスプギルディに声をかける。

 

「決着をつけたいのだろう?思う存分戦うがいい」

「・・・ありがとうございます」

 

ドラグギルディの言葉に驚くワスプギルディにフッと笑みを浮かべて続けるドラグギルディ。

それに対し、その言葉に静かに礼を言うワスプギルディ。

 

そんな時、慌てた様子で一体のアルティロイドが駆け寄って来た。

 

「どうした?そんなに慌てて・・・」

「モケッ!モケケモケモッケーッ!」

 

「っ!?ラビットギルディが勝手に出撃しただと!?」

「何っ!?」

 

ワスプギルディに対し慌てた様子で話すアルティロイド。

その言葉に驚くワスプギルディにドラグギルディも驚きを隠せなかった。

 

「くっ、あいつの実力ではツインテールの戦士達には歯が立たないだろうにっ!」

「急ぐぞ!ワスプギルディ!」

 

「はっ!!」

 

ドラグギルディに声をかけられたワスプギルディは頷いて答える。

そのまま二人はその場から駆け出していくのであった。

 

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