「何故だ、何故分からぬ!?寂しいと死んでしまうと言う儚さをその身に宿した天使の・・・」
「グランドブレイザーッ!!」
とある山中に響くテイルレッドの叫び。
その叫びと共に、テイルレッドはオーラピラーで拘束された兎を思わせる姿をした『ラビットギルディ』を炎を纏うブレイザーブレイドで切り裂き、ラビットギルディはそのまま爆発する。
そして、爆発と共に飛んできたラビットギルディの持っていた属性力こと『兎耳(ラビット)属性』の属性玉が飛んできたのをキャッチするテイルレッド。
「ふぅ・・・にしても、今回の奴は何でこんな所に出て来たんだ?」
飛んできた属性玉を回収した後に周りを見ながらも首を傾げるテイルレッド。
今まで出て来た敵の中でフォクスギルディ以外は人が多い場所に出現して騒ぎを起こしてきた。
けれども、今回出て来たラビットギルディは人が来そうにない山中に出て来て来たのだがフォクスギルディのように精神的な攻撃も何もしなかったためにあっさりと撃破することができたのだ。
だが、余りにもあっさりすぎて逆に何か違和感を覚えてしまったテイルレッドの近くで光が起こったかと思うと、その光の中からテイルゼロが姿を現した。
「ありゃ、もう終わっちゃったのか・・・」
「ゼロ、って今日は一人なのか?」
「うん、ちょっとコバルトは用事があってね・・・僕だけで来たんだ」
『ゼロッ!上だっ!!』
「っ!?レッド!」
「うわっ!?」
会話をしていたテイルゼロにスターから通信が入る。
その通信を聞いた途端に急に自分たちの周りに影が出来た為に慌ててテイルレッドを抱えてテイルゼロがその場から離れると同時に何かが落ちて来た。
派手な音を立てて落ちた為に煙が発生してしまい見えなくなると、落ちて来たものが何なのかとテイルレッドを降ろしながらもテイルゼロが落ちて来たものを前にして警戒する。
テイルレッドも何事かと思う中、煙の中から落ちて来たものことドラグギルディが姿を現した。
「っ、あいつはっ!?」
「アルティメギルが宣戦布告をしてきたときに映ってたエレメリアンッ!?」
「・・・馬鹿者、勝手な真似をしよって・・・!」
テイルゼロとテイルレッドが身構える中でドラグギルディはラビットギルディが爆発した場所をチラリと見た後に二人を見ながら声を上げた。
「我が名はドラグギルディ!全世界全宇宙においてツインテールを愛する心は我の右にいないと自負しているっ!今までは不甲斐無い部下達が退屈させてしまっていたようだが、不甲斐無くても大事な同胞である事には変わりはないっ!仇は取らせてもらおう!!」
「ふざけるなっ!勝手に侵略をしてきておいて何が仇だっ!」
ドラグギルディの言葉に反論しながらもテイルレッドはブレイザーブレイドを構えるのに合わせてテイルゼロも構える。
それに合わせるかのようにドラグギルディが剣を構えた。
「いざ、参るっ!!」
「なっ!?うわぁっ!?」
「っ!?」
ドラグギルディが瞬時にテイルレッドと距離を詰めたかと思うとそのまま剣を振るってテイルレッドを弾き飛ばした。
その速さに驚いているテイルゼロを余所にドラグギルディの剣を何とか防いでいたテイルレッドはすぐに体勢を整えるが、ドラグギルディはそのままテイルレッドに対して攻撃を続け始める。
「レッド!」
「させるかっ!!」
すぐにテイルゼロはテイルレッドを援護しようとテイルゼロスラッガーをドラグギルディ目掛けて投げつける。
その時、テイルゼロの前に何処からかワスプギルディが現れてテイルゼロスラッガーを弾いてしまう。
「っ!?ワスプギルディ!」
「すまないなテイルゼロ!お前の相手はこの俺だ、あの時の勝負の決着を今ここでつけてやるっ!!」
「っと!?」
弾かれて戻ってきたテイルゼロスラッガーを手に取ると同時に構えた途端に、ワスプギルディがテイルゼロに対し言い放ちながらも剣を構えて突きを放ってくる。
慌ててかわすテイルゼロだがそのままワスプギルディはテイルゼロへと攻撃を仕掛け続けるが、テイルゼロは何とかテイルゼロスラッガーを使って剣の攻撃を防いでいく。
「ふっ、少しは強くなっているようだなっ!テイルゼロッ!!」
「命あるものは常に前に進むものさっ!前の僕と一緒にしないでよっ!!」
「くっ、やっぱり手強いな・・・」
「レッド!ゼロッ!大丈夫!?」
一旦距離を置いたテイルゼロはテイルゼロスラッガーを構えながらも呟く。
そんな中テイルブルーが現れたかと思うと、近くにいたテイルゼロの方を助太刀しようとしてきたのでテイルゼロがそれに気づいて慌てて声をかける。
「ブルー!レッドの方に援護に行ってあげて!!」
「えっ、だ、大丈夫なの!?前にそいつと戦って、苦戦していたって聞いたけど・・・」
「大丈夫っ!!」
「・・・分かった。だったら私はレッドの方に行くわ!絶対負けんじゃないわよ!」
テイルゼロの言葉にトゥアールから聞いていた話を思い出して心配そうに見るが、テイルゼロはあっさりと返してきた。
それを見て、一瞬ぽかんとなってしまったテイルブルーは笑みを浮かべながらも声をかけると、テイルレッドの方に走っていく。
その様子を黙って見ていたワスプギルディがテイルゼロに声をかけて来た。
「・・・行かせて良かったのか?」
「心配いらないよ、負けるつもりなんてないから・・・それにお前は僕との一対一の真剣勝負を望んでるんでしょ?」
「・・・心遣い、感謝する。では・・・再開するとしようかっ!!」
「あぁっ!とっとと倒して二人の助太刀に行かせてもらうっ!!」
ワスプギルディの言葉に心配ないと返しながらもテイルゼロスラッガーを構えるテイルゼロ。
それを見たワスプギルディはフッと笑みを浮かべながらも剣を構えながらも駆け出したのを合図としてテイルゼロとワスプギルディは戦闘を再会する。
「くそっ!?こいつ、今までの奴と違いすぎるっ!!」
「ふふっ、こそばゆいな・・・我にじゃれ付いているのか?そら、もっと速くするぞっ!!」
「くっ!?」
その頃、テイルレッドとドラグギルディの戦いはテイルレッドが苦戦している状態となっていた。
そんな最中ドラグギルディは攻撃の手を休めるどころか段々と勢いを増してきてしまうもののテイルレッドは何とか攻撃を防いでいる中である事に気づく。
「っ?この太刀筋・・・まさか・・・!」
「ほぉ、どうやら気づいたようだな!」
短く会話を終えると同時に両者が同時に剣を振るってぶつかり合った衝撃を利用して互いに距離を置いた。
そして相手を見ながらも自身の武器を構える中、テイルレッドがドラグギルディに尋ねた。
「ドラグギルディ・・・お前の剣は・・・」
「そうだ、我が振るいし剣は・・・」
「レッド、大丈夫・・・」
「「ツインテールの剣っ!!」」
二人揃って大真面目に叫んだ発言を聞いて、テイルレッドに駆け寄ろうとしていたテイルブルーがズッコケた。
ズッコケたと言ってもヘッドスライディングのような感じで地面を滑ったので何とかテイルレッドの傍に行けたのだが、少し疲れた様子で立ち上がる。
「・・・な、なるほど、今回の奴は総二系か・・・こりゃヤバそうだわ」
「あぁ、手強いぞ・・・って、総二系ってなんだ?」
「・・・何でもない、気にしないで」
疲れた様子のテイルブルーが呟くのに答えながらも首を傾げる。
そんな彼女に短く返しながらもテイルブルーを余所にドラグギルディは剣の切っ先をテイルレッドに向ける。
「ふっ・・・テイルレッド、恐るべき幼女よ!我が神速の斬撃をこうも早く見破ったのはお前が初めてだっ!!」
「見くびるなよドラグギルディ!どんなに速かろうが心の形をなぞられたのなら見えるぜ!俺はどんなときであろうと心にツインテールを思い描いて生きているんだからなっ!!」
「敵ながら天晴れ!ならば、我が極めた刃の冴えを・・・とくと味わってみるがいい!」
「うぉぉぉぉぉっ!!」
突っ込んできたドラグギルディ目掛けて突撃するテイルレッド。
そしてそのまま互いの剣を振るい、激しくぶつかり合う。
先ほどとは違い、テイルレッドはドラグギルディの勢いが増した攻撃を全て難なく受け切っている。
「フハハハハッ!!近くで見れば見るほど、見事なツインテールだ!お前とは敵として出会いたくはなかったっ!!」
「それは俺も同じだ!お前みたいにツインテールについて熱く語れる奴が友達になりたかったっ!!」
心からの言葉を言い合うテイルレッドとドラグギルディの激しいぶつかり合いが続く中、テイルブルーは非常に疲れた様子となっていた。
そんなテイルブルーはさておき、テイルゼロと一旦距離を開けたワスプギルディがテイルレッドとドラグギルディの戦いを見て驚いていた。
「なっ!?ドラグギルディ隊長とまともに戦えるとは・・・」
「余所見厳禁!!」
「ぐぅっ!?」
驚くワスプギルディに対しテイルゼロは飛び蹴りをおみまいして蹴り飛ばす。
地面を転がった後にすぐに立ち上がって剣を構えるワスプギルディに対しテイルゼロは両手に持っていたテイルゼロスラッガーから手を離す。
そのまま地面に落ちるのかと思えば手から少し離れた位置で制止してそのままかなり勢いよく回転を始める。
「いっけぇっ!!」
「甘いっ!!」
両腕を振るうと同時に回転するテイルゼロスラッガーがワスプギルディ目掛けて飛んでいく。
それを見てワスプギルディは剣を盾にしてテイルゼロスラッガーを受け止めると、テイルゼロスラッガーを受け止めている剣からバチバチと火花が上がっている最中で思い切り剣を振るって地面に叩き落とした。
「悪いが、そんな攻撃じゃ俺は・・・っ!?」
チラリと地面に叩き落としたテイルゼロスラッガーを見たワスプギルディはある事に気づいた。
それは地面に突き刺さっているテイルゼロスラッガーが『一つ』しかない事だ。
「馬鹿な!受け止めた時には確かに二つ・・・なっ!?」
どういう事だと思いながらももう一つのテイルゼロスラッガーを慌てて探そうとするが、それはすぐに見つかった。
もう一つのテイルゼロスラッガーは宙に浮いた状態で制止している状態であった。
そして、テイルゼロはそれ目掛けてテイルゼロキックを放とうとしていたところであった。
「ストライクスラッガー!」
「ぐぁぁぁぁぁっ!?」
テイルゼロキックがテイルゼロスラッガーに命中すると同時に物凄い勢いでワスプギルディに向かって飛んでいく。
回避が間に合いそうにないと瞬時に判断し再び剣を盾にして受け止めようと試みるが、テイルゼロキックによって勢いが増している状態のテイルゼロスラッガーを受け止めることが出来ずに剣が折れる。
そしてそのままテイルゼロスラッガーはワスプギルディの体を貫いた。
着地と同時にワスプギルディの体から電流が迸るのを見てテイルゼロは身構える。
「ぐぅぅぅ・・・・あぁぁぁぁっ!!」
「っ!テイルゼロパンチッ!!」
その時、ワスプギルディはテイルゼロ目掛けて突撃してくる。
まだ動けるのかと驚きながらもテイルゼロは光を纏う拳を放つがワスプギルディは跳び上がってテイルゼロの頭上を飛び越えることでかわし、背後に回ったかと思うとテイルゼロが振り返る前に羽交い絞めにする。
「うわっ!?」
「・・・テイルゼロ、私もお前と同じヒーローに憧れる者なんでな・・・だから、我々アルティメギルに仇名す悪を許すわけにはいかないっ!!」
何とかワスプギルディから離れようとするものの、なかなか彼の拘束が外せれないでいるテイルゼロ。
そんな中、電流を迸らせているワスプギルディの体が光り始める。
『ゼロ、早く離れろ!奴の属性力のエネルギーが異常に増大している、早くしないと奴が大爆発を起こすぞっ!!』
「っ!?お前、僕諸共自爆する気か!?」
「すまんな、俺の命も長くは無いのでな・・・最後の悪あがきと言う奴だ!」
「くっ、振り解けない・・・!!」
「テイルゼロ!お前が地球の脅威となる我々から人々を護るように・・・俺も我々の脅威となるものから仲間を護りたいのだっ!だから、俺の命を懸けて・・・ここでお前を倒す!」
スターの通信を聞いて驚きながらもワスプギルディに尋ねるテイルゼロ。
それに対し、ワスプギルディは謝罪しながらも言い返している間にも体の輝きがさらに増していく。
テイルゼロは何とかワスプギルディから離れようとするが、かなりの力で羽交い絞めされている為になかなか振り解けないでいた。
「オーラピラーッ!!」
「ぐぁぁぁっ!?」
「うわぁっ!?」
その時、テイルブルーの声が響くと同時にオーラピラーがワスプギルディを拘束する。
テイルゼロはオーラピラーがワスプギルディを拘束した際に弾き飛ばされてしまった為にワスプギルディから離れる事が出来た。
「ゼロ、大丈夫!?」
「ぶ、ブルーッ!?どうしてこっちに・・・」
「あっちはとりあえずレッド一人で大丈夫そうだったし・・・それに、いかにもやばい言葉が聞こえたから慌ててこっちに来たの」
「お、おのれ・・・最後の最後で邪魔をしてくるか・・・テイルブルー・・・!」
「悪かったわね、けど仲間が危ないってのに黙って見てるなんてできないのよっ!!」
弾き飛ばされたテイルゼロに駆け寄ってくるテイルブルー。
そんな彼女の姿を忌々しそうに見るワスプギルディにはっきりと言い返すテイルブルー。
その姿を見ていたワスプギルディは突然笑い始めた。
「ハハハハハッ・・・テイルブルー、お前はアルティメギルでは凶暴で危険な戦士と恐れられていたが・・・その考えは間違いだったのかもしれん」
「っ?ど、どういう意味よ?」
「仲間を助けるべくその力を振るう・・・俺からすれば、お前もテイルゼロもさほど変わらない・・・ヒーローだと言う事さ・・・!」
困惑するテイルブルーに対し笑いながらも答えたワスプギルディ。
直後、増大した属性力のエネルギーが原因でワスプギルディの体が爆発を起こしたのだが、その爆発はオーラピラーのお陰で近くにいたテイルゼロやテイルブルー、そして周囲にも全く被害が出なかった。
『危なかったな・・・あの爆発に巻き込まれていたら、どうなっていた事か・・・』
「流石に今回は焦ったよ・・・ありがと、ブルー」
「気にしないで・・・それより終わったんだからとっととレッドの方へと行くわよっ!!」
「あ、うんっ!」
テイルゼロは礼を言うと、気にするなと返したかと思うとテイルレッドの方へと走り出すテイルブルー。
それを見てワスプギルディの属性玉を回収し、地面に突き刺さったままとなっていたテイルゼロスラッガーを回収した後にテイルゼロもテイルレッドの元へと向かうのであった。