「うぉぉぉぉっ!!」
「フハハハハッ!!見事だテイルレッド!本当に敵として出会ってしまったことが口惜しいぞっ!!」
「うわっ!?」
テイルレッドとテイルブルーの激しいぶつかり合いが続く。
両者互角の攻防を繰り広げていく中、ドラグギルディが豪快に笑いながらも振るった一撃がテイルレッドを弾き飛ばす。
何とか着地はできてはいるが、目の苗にはすでにドラグギルディがおりすぐに剣が振り下ろせる状態となっていた。
「テイルゼロキィィィィックッ!!」
「むっ!?」
その時、テイルゼロがテイルゼロキックを放ちながらもドラグギルディに突撃して来た。
それを見てドラグギルディは素早く剣を盾にして受け止める。
「ほぉ、なかなかの一撃・・・だがっ!!」
「おわっ!?」
ドラグギルディはテイルゼロを見てフッと笑みを浮かべたかと思うと、剣を思い切り振るう事でテイルゼロを弾き飛ばしてしまう。
弾き飛ばされたテイルゼロは空中で体勢を整えて着地すると、テイルレッドとテイルブルーが駆け寄る。
「ゼロ、大丈夫か!?」
「うん、大丈夫」
「ワスプギルディ、敗れたのか・・・」
「結構危なかったけどね・・・こっからは僕も参戦させてもらうよ」
ドラグギルディの言葉に返しながらもテイルゼロは身構える。
そんな中、ドラグギルディはテイルブルーをじっと見ていたかと思うと納得したかのように呟いた。
「・・・そう言う事か」
「な、何よ?」
「テイルブルーよ・・・初めてお主を見た時からずっと何か引っ掛かっていたのだが・・・その姿を間近で見てようやくわかったぞ。お主はあの世界の戦士の差し金だったのだな」
「っ?あの戦士・・・?」
「知らぬのなら教えておいてやろう・・・かつて、我等アルティメギルが最も追い詰められた戦いがあった。その戦いでは、途中で何故か仲間がいなくなってしまったもののたった一人で戦い続けた戦士がいた・・・それがテイルブルー、お主の衣と全く同じものを纏うだったのだ」
「っ!?同じ衣の戦士だって!?」
「なるほど・・・つまりお前達は初代のテイルブルーと戦ったことがあったって事か・・・ん?」
ドラグギルディがテイルブルーと戦ったことがあると言い出した事に困惑するテイルレッド。
そんな中、トゥアールがテイルブルーであったことは聞いていたテイルゼロは冷静であったのだが、気になった事があったので尋ねる。
「ドラグギルディ、一つ聞いてもいいかな?お前達アルティメギルがテイルブルーと戦ったことがあると言うのは分かった・・・けど、何で今のテイルブルーと関わりがある事が分からなかったんだ?同じ装備を纏ってるならすぐに分かるような気がするんだけど・・・」
「うむ、実はその戦士はツインテールにはそぐわぬ下品な乳の持ち主であってな・・・今のテイルブルーを見てもその関係が結びつくことがなかったのだ・・・だが、皮肉なものだな?同じ衣を纏う戦士が守護する世界、結末が同じになるとはな!」
「なっ、どういう事だっ!?」
テイルゼロの疑問に答えながらも続けたドラグギルディの言葉に驚くテイルレッド。
その言葉の意味が分からないでいるテイルレッドに対し、ドラグギルディではなくテイルゼロが答えた。
「アルティメギルは最強のツインテールの戦士を作り出し、守護者とすることでその守護者に憧れる者達によって増えていくツインテール属性を根こそぎ奪うつもりなんだよ」
「っ?テイルゼロ、何故その事を・・・」
「お前が言っている初代のテイルブルーの仲間の一人から聞いたんだ。その人は初代のテイルブルーがその事実を知っていながらも何も打ち明けてくれなかった事に怒ってその人の元を離れてしまったそうだよ・・・・仲間はもう一人いたんだけど、その人も突然いなくなったと聞いている」
「なるほど、そう言う事だったのか・・・だが、その行動は間違っていたのかもしれんな。初代のテイルブルーの仲間も共に戦っていれば我に勝てたかもしれん・・・」
「つまり、初代のテイルブルーはお前に負けたのか・・・でも、トゥアールは何でそんな大事なことを黙ってたんだ・・・?」
「逆に合点か行くじゃない。テイルギアを使ってもアルティメギルには勝てなかった・・・結果の見えた戦いって言う事実をあたし達が知って律儀に戦い続けると思う!?」
ドラグギルディが言おうとしたことを先にテイルゼロが説明したことに少し驚くと、知ってる理由を話してきたために納得するドラグギルディは自分が初代のテイルブルーを倒した事を教えた。
テイルレッドは初代のテイルブルーが負けた事にも驚きながらも何故その事を教えなかったのかと呟くのに対し、テイルブルーはまるで気づいていたかのように声を上げた。
「ブルー、君はこの事に気づいていたの?」
「ううん、詳しい事は今知ったわ・・・でも、なんとなくアイツの話には裏があると言うのは分かってたわ。話を聞かせてもらった時におかしな所があったからね・・・だから、レッド一人じゃ絶対アイツに騙されると思って私はテイルブルーに志願したんだから」
何か気づいていた様子のテイルブルーに尋ねるテイルゼロに横に首を振って答えた後、テイルレッドを見ながらも続ける。
そして、テイルブルーはドラグギルディに視線を戻した。
「あんた達、始めに弱い連中をけしかけたのはあたし達をこの世界の守護者として作り上げるための囮だったのね・・・」
「少し違うな・・・我は徒に同士の命を散らすことを望みはしない。どんな者であろうともかわいい部下であり教え子だ。勝ってくれたのならそれでよかった」
「けど、結局今まで出て来たエレメリアンは僕達に敗れた・・・その代わり、お前達が狙っていた僕達と言う世界の守護者を作り上げた事には成功してる・・・そして今ここで僕達を潰し、守護者を負けた事に絶望に包まれた世界を一気に侵略する、って所かな?」
「その通り、本来はこんなことはしたくはないが我とて指揮を任された将兵・・・効率のいい方法が見つかれば、それを使わざるを得ぬわ」
「何なのよ・・・私達、皆担がされたのね・・・二人揃って、私達を同じ目に合わそうと・・・」
「ブルー・・・」
「・・・まっ、どうであれ僕はやる事は変える気はないけどね」
テイルブルーの失意と諦めが満ちた声が静かに響き、テイルレッドも思わずどうしたらいいか分からなくなってしまう中でテイルゼロはテイルレッドとテイルブルーよりも少し前へと進む。
その様子にテイルレッドは驚く中、テイルブルーは訳が分からずに声を上げた。
「ゼロッ!どうして戦おうとするのよ!?もう戦っても無駄なのよ!?」
「無駄なんかじゃないよ」
「えっ・・・?」
「この状況を解決する方法はいたってシンプル。いつも通りに馬鹿な事しようとする侵略者をブッ飛ばすっ!!簡単でしょ?」
「で。でも、戦い続けたらこいつらの狙い通りに・・・」
「それはレッドにとってはすごくうれしい事だと思うけど?だって、僕達をここで倒そうとすると言うならツインテール属性は間違いなく世界に生まれているって事だし」
「あ・・・そうか、今日ここで俺達がドラグギルディを倒せばツインテールが浸透していくこの世界を守れる、って事になるのか・・・!」
「そう言う事、それを考えるとここで諦めるより頑張った方が得と思わない?レッド」
「あぁっ、得だらけだっ!!」
「な、なんと・・・」
テイルブルーの言葉に返しながらも続けて言った言葉に流石にテイルレッドがテイルゼロに対してどうする気だと言わんばかりに言ってくる。
それに対してもテイルゼロはテイルレッドだからこそ説得力があるように思える事を言うと、見事にやる気になってくれた。
その光景に困惑するドラグギルディに対し、テイルブルーはぽかんとなっていたかと思うと思わず吹き出してしまった。
「ぷっ・・・あはははっ!!何よもぉ・・・二人揃って馬鹿な事を平気に言ってくれちゃって、暗くなってるあたしが馬鹿みたいじゃない!」
「馬鹿な事を言うってのは余計だよ・・・でも、いつものノリでやってた方が気が楽でしょ?」
「えぇ・・・そうねっ!」
テイルブルーは先ほどまであった失意と諦めが完全になくなったようで、その様子を見ていたテイルゼロの言葉にフッと笑みを浮かべて答える。
すると、そんな三人の姿を見ていたドラグギルディが声を上げた。
「テイルレッド、そしてテイルゼロよ・・・我は心底感服した。世界の終末を目前にして全く揺るがぬ不屈の意志・・・真の美しさとは目を背けてしまうほど眩いものよな」
「世界の終末なんて知った事かっ!僕は護りたい人がいるから戦うだけだっ!!」
「俺もだ!俺も、俺の愛するものの為に戦うだけだぜっ!!」
「ほぉ・・・あくまでも勝つつもりでいるのか?」
「やる前からしくじる事を考えてたらその先には行けないっ!!だから・・・」
「はーっはっはっはっはっ!!そこまでですっ!ドラグギルディッ!!」
「えっ!?」
「「なっ!?」」
「むっ!?」
自分の問いにはっきりと答えてくるテイルレッドとテイルゼロに対しフッと笑みを浮かべながらも尋ねるドラグギルディ。
それに対してテイルゼロが答えようとするのだが、それを遮るように誰かの笑い声が響く。
響いた声に驚く一同が声のした方を見ると、近くにあった大樹の枝の上に立つ妙なフルフェイスのヘルメットを付けたトゥアールの姿があった。
「貴様、何者だっ!名を名乗れっ!!」
「我こそは、世界を渡る復讐者!仮面ツインテールッ!!」
「むむっ!?仮面ツインテールとなっ!?」
「・・・ただヘルメット被ってるだけで、ツインテールでもないよ、あれ・・・」
突如響いた笑い声の主に対し声を荒げながらもドラグギルディが尋ねると、尋ねられたトゥアールが仮面ツインテールと名乗る。
その名乗りを聞いて驚くドラグギルディを余所に固まるテイルレッドとテイルブルー。
そんな中、テイルゼロは静かにツッコミを入れる。
「仮面ツインテールとやら、貴様は気迫とは裏腹に大した属性力も感じ取れぬ・・・そんなお前が加勢に来たと言うのか!」
「加勢?そんなわけありません!私は口八丁でやり込もうとする往生際の悪さを見かねてこうして参上・・・」
ドラグギルディの問いにトゥアールが答えようとしたとき、突然凄く大きな音が響いたかと思うとトゥアールが乗っている大樹が倒れる。
腕組みしてた為にバランスを崩して落ちた直後、トゥアールは大樹の下敷きになってしまう。
テイルレッド達が何事かと思う中、テイルゼロはトゥアールが立っていた大樹の近くにテイルブラッドがいる事に気づく。
しかも蹴りを放ったかのように足を上げていた状態だったので、彼女が大樹に蹴りを放って折ってしまったと言うのがすぐに分かった。
「う、うぐぐ・・・な、何するんですかぁ・・・!!」
「・・・戦いに来たわけでもないなら出てくるな。邪魔だ」
大樹に潰されたトゥアールが文句を言うのだがテイルブラッドは切り捨てる。
そしてそのままテイルレッド達に歩み寄ってきた。
「ブラッド、容赦ないね・・・」
「あいつはそうそう簡単にはくたばらんから平気だ・・・それよりレッドにブルー、あそこで動けないでいるあの女の代わりに頑張ってやれ。なんせ、ブルーは初代のテイルブルーであるあいつの装備を受け継ぎ、レッドは最強のツインテールと言われたあいつのツインテール属性を受け継いでいるのだからな」
「これ・・・あいつのお下がりなんだ、通りで胸の所が・・・・って、ちょっと待って!?」
「俺が・・・トゥアールのツインテール属性を受け継いだ!?」
「ど、どういう事なの?ブラッド」
「っ?ゼロも知らなかったのか?レッドのテイルギアのコアになっているツインテール属性はあの女のものだぞ」
「「「えぇっ!?」」」
「なるほど、話を聞く限り仮面ツインテールはあの時戦えなくなった初代のテイルブルーと言う事か・・・衣はあるのに何故出てこないのか、ようやく理解できた」
「あの女がツインテール属性を失ったと言うのはすぐ気づいたんだ。だが俺はてっきりお前達に負けて奪われたものだと思えば、それは自分から手放したと言うのを知ったのはつい最近だが・・・自分のするべき戦いを他人に押し付けるようなふざけた真似をしているとは思わなかった」
テイルブラッドからテイルゼロも知らない真実が語られたために三人揃って驚く中、ドラグギルディも納得した様子であった。
そんな中、木の下敷きになっているトゥアールを睨みつけながらもテイルブラッドが続けた言葉を聞いてそういえばと言わんばかりにテイルレッドが呟いた。
「・・・確かにトゥアールは俺にテイルギアを無理矢理押し付けられるような形で渡して、そのままエレメリアンが暴れてる場所にいっしょに行かされてそのまま訳も分からずに変身して・・・それが切っ掛けで俺は戦い始めることになっちゃったけど、別に後悔はしてないぞ」
「そ、そうだったの?僕は会った日にコバルトが事情を話してくれて、適合条件もあってたから自分から志願したんだけど・・・まぁ、アルティメギルの目的を聞いたのは凄く最近なんだけどね」
「っ?テイルゼロ、平気そうに話しているがその事を聞いて何とも思わなかったのか?」
「そりゃ、最初は驚いたけど・・・別に全然気にしなかった。それに、コバルトはこれ以上アルティメギルの犠牲となる世界が出ないようにするために頑張っていると言っていた・・・だから、僕は彼女のそんな思いが込められているテクターテイルを纏ってお前達の侵略を止めようと改めて思ったよ」
テイルレッドの言葉を聞いて、意外そうにするテイルゼロ。
すると、今度はテイルゼロの様子を気になったドラグギルディが尋ねて来たのでテイルゼロが答えるとそれを聞いたドラグギルディが笑い始めた。
「ハハハハハッ!テイルゼロ、お主は本当に面白い奴よ!!テイルレッドと同じように、敵としてだったことが残念だっ!!」
「生憎だけど、スカウトするってんならお断りするよ?」
「安心しろ、そんな事はせんさ・・・しかし、テイルブラッドと言ったか?」
「っ?な、何だ?」
「お主もテイルレッドには劣るがテイルゼロのように見事な輝きのツインテールを持っているな・・・これほどのツインテールを持つ戦士が何人も現れると言う場面には出くわすことがなかったので非常に嬉しく思うっ!!」
「勝手に思っとけ・・・」
「だがっ!どんなに光輝くツインテールが揃っても、覆せぬ闇はあるものなのだっ!!」
ドラグギルディの言葉を聞いて、テイルゼロが返すと突然ドラグギルディはテイルブラッドに話しかける。
いきなり話しかけられたことに驚くものの続けて言われた言葉に少々呆れながらも返すと同時にドラグギルディは言い放つ。
すると、何処からともなくドラグギルディの背後にものすごい数のアルティロイドが現れる。
『『『『『モッケェェェッ!!!!』』』』』
「す、凄い数だ・・・!!」
「あんなにワサワサ動いてると・・・何か大量に台所の黒いGがいるみたいだね・・・」
「オイッ!変な事言うんじゃねぇよ!?」
「ちょっとゼロッ!トゥアールみたいに雰囲気ぶち壊すようなことしないでよ!?」
「思っていても言っていい事と悪い事があるぞ!?」
」
「ご、ごめん。場の空気を少しでも変えた方がいいんじゃないかなーと思って・・・」
物凄い数のアルティロイドに驚くテイルレッドの隣でぼそりと呟くテイルゼロ。
その途端にその呟きを聞いたテイルレッド達が想像してしまったのか怒鳴って来たので、すぐに謝るのであった。
「どれだけツインテールの戦士が増えようが所詮は同じこと!ツインテールが世界に浸透するのが早まるだけだっ!!」
「ふん、あの女の時のようにいくとは思わない事だな・・・何事もやって見ないとわからない時がある」
「そうだね・・・でも、どうする?ドラグギルディもだけどあの数を相手にするとなると・・・」
雰囲気をぶち壊しにする様なテイルゼロの発言を無視しながらも言い放つドラグギルディ。
それを聞いて、どうしたものかと考えるテイルブルーに対しテイルレッドが口を開いた。
「皆、俺がドラグギルディを抑える。雑魚は任せてもいいか?」
「えっ!?」
「だ、大丈夫なの?」
「あぁ、心配すんな!」
「そっか・・・んじゃ、そんな大口叩いたんだから、負けたらネットで晒し者にしてやるわ」
「そりゃ嫌だな・・・ますます負けられなくなった・・・けど、そっちも負けんなよ!」
ドラグギルディを相手に一人で大丈夫かと思うテイルゼロ達に問題ないと言わんばかりにはっきり返す。
それを聞いたテイルブルーの発言にテイルレッドが苦笑いで答えながらも、テイルレッドもテイルゼロ達に声をかけた。
それに頷いて答えると同時に、テイルゼロ達はアルティロイド達へと向かっていく。
ドラグギルディはそれに対しては妨害せずそのまま行かせ、そのまま戦闘が始まる中でブレイザーブレイドを構えなおしたテイルレッドを見てドラグギルディも剣を構える。
互いに剣を構えたままで睨み合う二人の戦士――
そんな中、テイルレッドがドラグギルディに尋ねる。
「・・・ドラグギルディ、お前達が属性力を取り込まないと生きていけないだろうけど、譲渡してもらうわけにはいかなかったのか?」
「食い食われるの連鎖の中で、話し合うなど所詮不可能なことだ。我等とお前達は別の生き物だからな・・・」
テイルレッドの言葉をドラグギルディは拒絶するかのように答える。
それを聞いていたテイルレッドは『遠慮はするな』と言っているようにも思えた。
そう考えると、同時にテイルレッドがブレイザーブレイドを構えながらもドラグギルディに向かって駆け出した。
それに合わせてテイルレッドを迎え撃とうとドラグギルディも駆け出した直後、互いの剣が激しくぶつかり合うのであった。