~スターウィング~
「レナ、状況はどうなってる!?」
「エレメリアンが二体現れました!どちらも、グラビアアイドルのコンテスト会場に出現しました!」
「また変なところに出たなぁ・・・」
「とっとと終わらせようぜ!」
「了解です!」
トゥアールの学園デビューが大失敗した日の翌日の放課後、スターの連絡を受けてスターウィングへとやって来た零と優子。
すぐにレナが状況説明をしたのを聞いた零が呆れながらもテクタードライバーを優子と共に装着すると、レナもテクタードライバーを装着した。
「「「変身っ!!」」」
三人の声が重なって、光に包まれた事でテイルゼロ、テイルルージュ、テイルコバルトへとそれぞれ姿を変える。
そんな時、テイルゼロがテイルコバルトに胸の装甲がついていたことに気づいた。
「あれ?コバルトも胸部に装甲を付けたんですか?」
「あ、はい。一人だけ仲間はずれな感じがして・・・もちろん、装甲は増えてもちゃんと動けれますのでご安心を」
「そっか・・・うし、さっさと行くか!スター、転送を・・・」
「あ、ちょっと待って!」
テイルゼロの問いにテイルコバルトが返す中、テイルルージュがスターに転送をお願いしようとするがそれをテイルゼロが制する。
何事かと思うテイルコバルトとテイルルージュがテイルゼロを見ると、テイルゼロは口を開いた。
「あのさ、折角昨日チーム名が決まったんだしさ・・・ちょっとやって見たいことがあるんだ」
「「やって見たい事・・・?」」
「きゃーっ!?」
「助けてーっ!!」
「何だよ何だよ!余りいい乳してる奴いないじゃねぇか!?どう思うよバッファローギルディ!」
「うむ、お前の言う通りここにいるのは見かけ倒しの者ばかりだ!真の巨乳の姿はどこに見当たらない・・・」
その頃、エレメリアンが出現したグラビアアイドルのオープンコンテスト会場では、水着姿の女性が悲鳴を上げて逃げ回っていた。
そんな中でクラゲギルディに頼んで出撃をしたオックスギルディはつまらないと言わんばかりにいう中、彼の傍にいる牛のエレメリアン『バッファローギルディ』も非常につまらなさそうにしていた。
「まぁいいや、お前等!周りにいる連中から属性力を奪い取れっ!」
『『『『『モケーッ!!』』』』』
「させるかぁぁぁぁっ!!」
《兎耳属性》
「おりゃぁぁぁっ!!」
『『『『『モケェェェッ!?』』』』』
オックスギルディの命令を受けてアルティロイドが一斉に女性たちを捕えようとする。
その時、何処からともなく現れたテイルレッドはブレイザーブレイドを使ってアルティロイドを蹴散らす中で電子音声が響く。
その直後に姿を現したテイルブルーは兎耳属性の力で強化された跳躍力を生かし、あちこち移動しながらもアルティロイドを蹴散らして行った。
「早く逃げてっ!」
「ったく、胸糞悪いったらありゃしないわ・・・とっとと終わらせるわよっ!!」
「(何で滅茶苦茶機嫌悪いんだ?ブルーの奴・・・ま、いいか)エレメリアン共っ!俺達ツインテイルズが相手だっ!!」
「っ?ツインテイルズ、だと?」
「あぁ、何時までもツインテールの戦士達じゃ寂しいからテイルゼロ達と考えたのさ・・・今日から、俺達はツインテイルズだっ!」
早く逃げるようにテイルレッドに言われて女性たちが離れる中、テイルブルーも構えるのだが何故か機嫌が悪そうであった。
何故機嫌が悪いのかが良く分からないテイルレッドは深く考えない事にして、二体のエレメリアンに言い放った。
その際に、聞きなれない言葉を聞いたオックスギルディが首を傾げるのに対して簡単に説明するテイルレッド。
「なるほどな・・・では、ツインテイルズよっ!クラゲギルディ様から一番手を任されたこの俺、オックスギルディが貴様等の相手をしてやる!」
「オックスギルディ!貴様には譲らせん、こいつ等の属性力はこのバッファローギルディがリヴァイアギルディ様に捧げるのだっ!!」
「っ、へぇ・・・行ってくれんじゃない」
自信満々な様子の二人を見てさらに不機嫌そうにするテイルブルー。
指の関節を鳴らしている様子を少々おっかなさそうに見ているテイルレッドの前で戦いの火蓋が切って落とされようとした。
「高い所から失礼しますっ!!」
「むっ!?」
「この声、一体どこから!?」
「あ、あそこっ!」
「何してんのよあの三人は!?」
突然響いた声に反応して周りを見渡すバッファローギルディとオックスギルディ。
それを余所にテイルレッドが会場にある大きなステージの上にある屋根の上にテイルゼロ達がいた事に気づく。
何してんだと言わんばかりにテイルブルーが見ている中、テイルゼロ達はそのまま屋根の上で構えながらも名乗り始めた。
「テイルゼロッ!」
「テイルルージュッ!」
「テイルコバルトッ!」
「三人揃って!」
「「「アナザーテイルズッ!!」」」
チュドォォォォォォォン!!!!
『『『『モケェッ!?』』』』
「うぉっ!?」
「おわぁっ!?」
「はぁぁぁぁっ!!?」
「えぇぇぇぇっ!!?」
戦隊物の如く、名乗りと共に三人揃って決めポーズと思われるポーズをとった途端に何故かド派手な爆発が彼女達の背後で起こる。
ド派手な爆発に驚くアルティメギルの面々達を余所に思わぬ展開に仰天するテイルレッドとテイルブルー。
そんな周りの状況を気にせず、テイルゼロ達は屋根から飛び降りて華麗に着地したかと思うとテイルゼロ達にテイルレッドとテイルブルーが詰め寄ってくるやいなやテイルゼロの頭をテイルブルーが叩いた。
「あんた達何つー登場の仕方してんのよ!?」
「あいたっ!?い、いやー・・・一回やって見たかったんだよ。ああいう風な名乗り」
「だからって爆発まで起こす必要ないだろうが!?かなりビビったぞ!?」
「いや、それは俺達も同じだっての!?段取りだったらポーズとるだけだったのにいきなり背後で爆発起こっちゃったんだし!」
「はっ!?ちょっと待ちなさい!?あのド派手な爆発って仕込じゃないの!!?」
「はい、ルージュの言う通りポーズ取ったら突然背後で爆発が起こりまして・・・」
テイルレッドのツッコミに困ったように返し始めるテイルゼロ達こと『アナザーテイルズ』の面々。
それを聞いてあの爆発は仕込じゃないと知ってまたしても仰天しているテイルブルーを余所に、ハッとなりながらもバッファローギルディとオックスギルディが叫ぶ。
「お、おのれぇ!随分と派手に現れてくれたな!アナザーテイルズッ!!」
「わ、我々の邪魔はさせんぞ・・・って、んんっ!?テイルゼロにテイルコバルト!何だそれはっ!?」
「えっ?」
「っ?それって・・・」
「えと、どれですか?」
突然、オックスギルディがテイルゼロとテイルコバルトの姿を見た途端に、ひどく驚いた様子で二人を指差した。
オックスギルディの言う『それ』が何の事なのか分からず首を傾げるテイルゼロ達に対し、何やら凄く慌てた様子でオックスギルディとバッファローギルディが声をかける。
「その胸の装甲だ!映像で見た時は無かったぞ!!?テイルルージュもそうだが何故そんなものを付ける!?」
「そうだ!胸を無理に押し付けるのは良くないぞ!今すぐ外すんだっ!」
「いや、外せと言われてもこれパージするのは出来ませんし・・・それ以前にこれ以上胸はいらないです」
「確かに、胸なんてなくても生きていけるしな」
「ですよね・・・動きづらくなっちゃいますし」
「な、何だとぉぉぉぉぉっ!?」
「三人揃って女性なら誰しも持ちたいと思う立派な胸を持つことを拒むと言うのかぁぁぁぁっ!!?」
「誰しも、ってそうとは限らないような気がするけど・・・」
「立派な胸・・・って事は、お前等は胸の属性か?」
アナザーテイルズの反応を見て驚きと共にショックを受けて叫ぶオックスギルディとバッファローギルディ。
そんな姿を見ながらも、胸と言う単語に反応したテイルルージュが尋ねる。
「っと、まだ貴様等には名乗っていなかったな・・・我が名はバッファローギルディ!女性が実らす立派な二つの果実を愛する『巨乳(ラージバスト)属性』を広め、我が隊長リヴァイアギルディ様に捧げる為に奮闘せし者!」
「俺はオックスギルディ、俺の部隊の隊長であるクラゲギルディ様に頼んで、一番手として属性力の回収及び貴様等の排除をするためにやって来たのさっ!ちなみに俺も巨乳属性だ!」
「えと、つまり二体揃って胸が大きい人が好きって事?」
「本当にエレメリアンって何でもありだな、おい・・・っ!?」
堂々と名乗るバッファローギルディとオックスギルディを見て少々呆れるテイルゼロとテイルルージュ。
その時、突然何やら異様なものを感じ取って三人が慌てて振り返ると、テイルブルーがバッファローギルディとオックスギルディを凄い形相で睨みつけていたのだ。
「巨乳属性・・・つまり、あんた等の力があれば巨乳属性の属性玉が手に入るのね・・・?」
「な、何か・・・えらく殺気立ってません?」
「「た、確かに・・・」」
テイルブルーの様子を見てひそひそ話すアナザーテイルズ。
そんな中、テイルブルーが突然ウェイブランスを取り出す。
「オーラピラーッ!!」
「な、うぉぉっ!?」
「んでもって、エクゼキュートウェイブッ!!」
「ぐはぁぁぁぁっ!!?」
「「酷ぇ!?」」
「容赦なさすぎでしょ!?」
「・・・鬼だ」
そのまま流れるようにオーラピラーでバッファローギルディを拘束し、ウェイブランスを投げつけた。
ウェイブランスに貫かれて爆発するバッファローギルディを見てガッツポーズをとるテイルブルーの容赦のなさを見て驚きの声を上げるテイルレッドとアナザーテイルズであった。
「うっし!これで巨乳属性があたしの物に・・・」
「おのれテイルブルーッ!!同志の弔い合戦だっ!!アルティロイド!撃ちまくれぇっ!!」
『『『『『モッケェーッ!!』』』』』
「って、ぎゃぁぁぁっ!!?」
「ブルーッ!!?」
「あのバカ、何やってんだよ・・・」
「ったく、しょうがないなっ!」
容赦なく敵を血祭りにあげそのまま嬉しそうにしてバッファローギルディの属性玉を回収しようとするテイルブルーに怒りを露わにしているオックスギルディの指示を受けたアルティロイドの容赦ない砲撃が襲い掛かる。
見事にぶっ飛ばされるテイルブルーを見て思わず声を上げるテイルレッドを余所にテイルルージュは呆れてしまう。
テイルゼロも少々呆れてしまいながらも、援護しようと考えて突然左腕を横に伸ばす。
「っ?何を・・・」
「ワイドテクターショットォッ!!」
『『『『『モケェェェッ!?』』』』』
その行動にテイルレッドが首を傾げる中でテイルゼロは腕をL字に組みながらも叫ぶと、いきなり右腕から光線が放たれる。
放たれた光線がアルティロイドを一掃してしまった。
「なっ、何っ!?お、おのれぇぇぇっ!!」
「はぁぁぁっ!!」
流石にオックスギルディも驚きを隠せないでいるが自棄になったか何処からか取り出した斧を構えながらも突撃するのを見てテイルゼロが迎え撃とうと駆け出した。
そのままオックスギルディはテイルゼロ目掛けて斧を振り下ろすが、テイルゼロは少し体をずらす事でかわす。
その結果、振り下ろされた斧が地面を砕くと同時にテイルゼロは右拳を構えた。
「テイルゼロ、パンチッ!!」
「ごはぁぁぁっ!?」
テイルゼロが放った右拳がオックスギルディに炸裂し、斧を手放しながらも吹っ飛ばした。
地面をゴロゴロと転がりながらも何とか立ち上がるオックスギルディだったが、すでに目の前にはフォトンブレードを構えたテイルコバルトとブラストアローを構えたテイルルージュの姿があった。
「コバルトフラッシュ!」
「エボルレイダイナミック!」
「ぐぁぁぁぁっ!?」
それぞれの武器を振るって放たれたテイルコバルトとテイルルージュの一撃がオックスギルディに決まる。
体中から電流が迸る中、数歩後退したオックスギルディはそのまま仰向けに倒れて大爆発を起こしたのであった。
それに合わせてオックスギルディが爆発した場所から飛んできた巨乳属性の属性玉をテイルコバルトがキャッチするとそこにテイルレッドとテイルゼロが駆け寄ってくる。
「属性玉、回収完了です」
「んじゃ、撤収すっか」
「そうだね・・・って、あれ?そういえばブルーは?」
「・・・あそこだよ」
が撤収しようとする中で吹っ飛ばされたテイルブルーがどうなったのかと気になるテイルゼロ。
それを聞いたテイルレッドは少し呆れた様子で指差し、その指先の方を見るとそこにはテイルブルーの姿があったのだが、その顔はとてもテレビではお見せできないような代物となっていた。
「ふ、ふふ・・・これで、これであたしも巨乳に・・・ふふふふ・・・!」
「・・・なれるんですか?巨乳に」
「いえ、なれません」
「・・・まーた好感度下がるぞ、あいつ」
「そう、だろうな・・・」
不気味に笑うテイルブルーの姿を見てテイルゼロはテイルコバルトに尋ねるがあっさりとできないと言われる。
そんなやり取りの中、テイルブルーの姿を呆れた様子でテイルルージュとテイルレッドが見ているのであった・・・。
しばらくして・・・・
~アドレシェンツァ~
「お邪魔します」
「いらっしゃい零君、皆地下にいるわよ」
「了解です」
戦闘を終えて撤収した後、零はアドレシェンツァにやってきていた。
店の入り口にはすでに『Close』の札がかけられていた為に誰もいない店内で未春と話すと、そのまま零は地下基地へと行こうと未春と共に店の奥に行く。
そして未春がスイッチを押した事で出現したエレベーターに乗る零だが、未春は乗らなかった。
「っ?未春さん?」
「私はちょっと遅れていくから、先に行ってて。色々と準備したいから」
「準備・・・?」
鼻歌交じりにどこかに行く未春を見送る零。
何位する気なんだろうと思いながらもエレベーターを操作して、地下基地へと向かう。
~地下基地~
「うわっ!?ど、どうしたの!?」
地下基地にやってきた零は驚きの声を上げる。
何故なら秘密基地には涙を流しながらもがっくりと膝をついているテイルブルーの姿があったからだ。
「使えない・・・」
「えっ?」
「巨乳属性が・・・使えないのよぉ・・・!」
「お前なぁ・・・使えたとしてもその属性力の名前の通りの能力が出来るわけじゃないだろ?兎耳属性だって兎の耳が生えるわけじゃないし」
「それでもねぇ!私にとっては最後の希望だったのよぉぉぉぉぉっ!!」
「・・・この涙を宝石には変えるのは出来そうにないな・・・っと、それはともかくどういう事?使えないって・・・」
そのまま大泣きし始めるテイルブルーを余所に最後の希望と言う部分を聞いてとある歌の歌詞を真似た言葉を呟いた後、総二に事情を聴き始める零。
総二の話によると、バッファローギルディの巨乳属性の属性玉を属性玉変換機構で使用したのだが、何も起こらないらしい。
何度も何度も繰り返しているが一向に使う事が出来ないそうだ。
『なるほど・・・あの属性玉、純度が低い物だな』
「っ?純度が低い・・・?」
事情を聴き終わったところでスターブレスから話を聞いていたスターが声を上げる。
その言葉が気になった零に対してスターが説明を始める。
『あぁ、エレメリアンは主となる属性力は変わる事はない。けれどもエレメリアンも生きていれば人間と同じように多数の趣味や思い入れを持つようになる。そうするとフォクスギルディの様に複数の属性力を宿す事があるんだ』
「フォクスギルディ・・・確か、人形属性と髪紐属性のエレメリアンだったよね?」
『そうだ。奴の主となる属性力は髪紐属性だが、後から何かの拍子に髪紐属性を手に入れたのだろう・・・だが、後から手に入れた属性力が大きければ大きいほど属性玉の純度は落ちてしまうんだ』
「えーっと・・・『水を入れて作るタイプのカルピスに水を入れ過ぎちゃって味が薄い状態』みたいな感じになってるって事?」
『凄く分かりやすくいうとそんな感じだな。今回の場合もバッファローギルディが何か別のものを宿していた可能性があるな。別の属性力が大きかったために純度が低くなり使用できなくなったのだろう』
「でも、純度が低いからって使えなくなるものなの?」
『レナ曰く、テイルギアの属性玉変換機構で使用できる属性玉の純度のレベルは決まっているらしい。バッファローギルディの属性玉はその純度に達していなかったのだろうな。テクターテイルも同様なんだ』
「へぇー・・・」
「れ、零?何かさっきから変な言葉で時計に話しかけてるけど・・・何話してんだ?」
「ん?あぁ、気にしないで。頼りになる仲間と内緒話をしてただけだよ。何を話しているのかは他の人には聞き取れない様になってるし」
スターと話していると、恐る恐る総二が声をかける。
それを聞いて、自分以外には聞こえないと言う事を思い出して簡単に事情を説明しているとそこにトゥアールが会話に交じってきた。
「ほぉ、その時計はトゥアルフォンと同じように連絡を取り合えるアイテムなんですね」
「トゥアル、フォン?」
「あぁ、これの事だよ」
「っ?スマホ・・・の形をした専用の通信機みたいなもの、でいいんですかね?」
「その通り!零さんがつけているその時計と同じで他の人たちには何言ってるのか分からない設定になってます!あ、ちなみに普通に携帯電話として使用も可能ですよ!」
「へぇ、そりゃ便利だなぁ・・・っと、それはさておきいい加減愛香を何とかした方が・・・」
「確かになぁ・・・あ、トゥアール。あの巨乳属性の属性玉なんだけど、何かに使えたりとかできないかな?折角手に入れたんだから、何かに使わないともったいないし・・・」
「んー・・・そうですねぇ・・・」
トゥアールの言った聞きなれない言葉に首を傾げる零に総二はトゥアールが作ってくれたスマホ型アイテム『トゥアルフォン』を見せる。
それを見てちょっとカッコいいかもと思う零に自信満々に説明するトゥアールの言葉に感心している中、話を愛香の方へと戻そうとする。
零の言葉を聞いた総二はふと思った事に尋ね、それを聞いたトゥアールは何が良いだろうと考える。
「私に良い案があるわ!!」
その時、いきなり未春が秘密基地に現れた・・・どっかの悪の組織の首領風な格好で。
それを見た総二が噴き出し、零は相変わらずだなと思いながらも苦笑いする。
「何つー格好で出てきてんだよ母さん!?」
『・・・悪の組織の首領って感じの格好だな』
「まぁ、ああいうの作ったりするの好きだからたまに衣装作ってもらってたよ・・・それで、未春さん。良い案って?」
「ほら、総ちゃん達がちょっと前にツインテール属性を手に入れてるじゃない?それと使えない巨乳属性を使って新しいギアを作るの!ほら、零君のも確か特撮属性とツインテール属性を使ってるんでしょ?」
「あぁー・・・なるほど、そういう使い方なら何とか使い物になりそうですね・・・それなら、実験と言う事で、巨乳になれるテイルギアでも作ってみましょうか・・・」
「っ?そんな事出来るのか?」
「えぇ、総二様が変身した時に起こる幼女化現象の逆を意図的に行うんです」
「総二の逆、と言う事は成長させると言う事ですか?」
「そんな感じですね。巨乳属性の属性玉を上手く使ったら、属性玉の力を発揮できなくても身体変化くらいの力を発揮させることができるかもしれません」
「つ、つまりそれがあれば私も巨乳になれるの!?」
「うぉっと!?」
「ふ、復活早いね、愛香・・・」
「お願いトゥアール! それ私にちょうだい!」
零の言葉に頷きながらもトゥアールの行った言葉にすぐさま反応するいつの間にか変身を解除した愛香がトゥアールに素早く近づく。
先ほどの大泣きが嘘みたいに元気になっている様子に驚く総二と零を余所に愛香はトゥアールに頼み始めた。
「愛香さんには私があげたギアが既にあるじゃないですか」
「新しいのがあるのならこれと交換して! このギア、起動する時変な音するし、温度はやたら上がるし、変な所でフリーズしたりする時があるんだから!」
「ま、末期のパソコンじゃあるまいし・・・」
『開発者の目の前でよくああいう発言が出来るな・・・』
トゥアールのもっともな意見に対して愛香の発言に呆れる零とスター。
総二もそう思いながらも、どうなる事かと不安になっていたのだがトゥアールはいかにも悪巧みを考えてそうな笑みを浮かべていた。
「そうですかぁ~・・・欲しいですかぁ~・・・では今までの非礼を詫びて土下座して、ついでに様付けで呼んでもらいましょうか・・・」
「トゥアール様すみませんでしたぁっ!!」
「「えぇぇぇぇぇっ!!?」」
「や、やめてください愛香さん!どうせ後で仕返しする気なんでしょう!?」
ニヤニヤしながらもトゥアールが愛香に対して告げた瞬間、愛香は床に額をぶち当てながらも土下座した。
思わぬ展開に流石に驚きを隠せないで声を上げる総二と零に対して、トゥアールもこの展開は予想できずに慌て始め、そんな彼女たちの前で愛香が顔を上げた途端さらに驚くこととなる。
なんと、愛香が涙、正確には・・・血涙を流していた。
しかも、思い切りぶち当てた為に額からは血を流していると言う状態である。
「お願い・・・します・・・!!」
「け、血涙・・・!?」
「ちょ、愛香!大丈夫!!?」
「えっ?あ、うん、大丈夫だけど・・・」
流石のトゥアールも愛香の血の涙を見て絶句してしまう。
それに対し、零は血の涙と額からの血を見て驚きながらもかなり慌てた様子で愛香に駆け寄り、零の様子を見て愛香は思わずきょとんとなってしまいながらも答える。
「ほ、本当?痛くない?ホントに大丈夫??」
「だ、大丈夫だってば!心配し過ぎよ!」
『零、心配しなくて大丈夫だ。額からの血も大した量でもないし、彼女の流している血の涙は激しい感情がストレスとなった事が原因で赤血球の一部が漏れ出てしまっただけだ、別に彼女が危険な状態になっている訳ではない』
「そ、そっか・・・びっくりしたぁ、何か大変なことになってるのかと思った・・・あ、はい。ティッシュ」
「ん・・・ありがとう」
愛香は大丈夫と返すも心配する零に愛香は困った様子で返す。
そんな彼を落ち着かせようとスターが声をかけながらも説明すると、零は思わずホッとする。
そして零は愛香にティッシュを渡し、愛香がそれを受け取って涙と額から流れる血を拭く中で総二が恐る恐る尋ねる。
「それはそうと、愛香・・・何でそこまで巨乳になりたいんだ?」
「そんなの決まってるわ!私の欠点をなくすためよ!私の唯一の欠点は胸がない事っ!!母性の証があたしには備わってないのよっ!!」
「いやいやいや!母性の証の前に愛香さんには母性なんて微塵もないじゃないですか!?」
愛香の言葉にトゥアールがつっこみを入れた途端、愛香の容赦ない拳が炸裂。
間違ってないじゃん、と思う総二と零だがそれを言うとトゥアールの様に殴られるので黙っている中で愛香は続ける。
「女は誰だって胸が欲しいのよ!『胸なんて欲しくなーい』なんていう女は大体胸ぐら掴んで問いただせば『ホントは欲しいです!』って言うに決まってるわ!!」
「お前は力ではなく、言葉を使って話を進める事は出来ないのか・・・?」
「でも、愛香さんの言う通り胸を求めない女性なんていないと言うのは確かですね」
「え?優子や綾乃は胸いらないって言ってましたよ?アクションシーンで動きづらくなったり、下着買い替えるのが面倒とかどうとか言ってましたけど・・・もしかして女性の下着って高いんですか?」
「あ、いえ。もちろん安いのもありますよ?でも、男性と違って女性はちゃんと自分に合う物を買わないといけません。合っていないものを使うと血行やリンパの巡りが悪くなって下手すれば健康に害を及ぼす可能性があるんです」
「へぇー・・・」
愛香の発言に呆れる総二を余所に、トゥアールは愛香の発言に同意しているように呟く。
それを聞いて零が思い出すように言いながらも、ふとした疑問をトゥアールにぶつけるとトゥアールが簡単に説明する。
それを聞いて女の人って大変なんだなぁ、と零が思っている中でトゥアールは愛香に近づいた。
「・・・分かりました。作って上げますよ新型テイルギア」
「っ!?本当!?」
「・・・私も敵に塩を送るような真似はしたくありませんが・・・特別ですよ?」
「あ・・・ありがとう!トゥアールッ!」
「いいんですよ、私達仲間であり・・・友達じゃないですか」
微笑みながらも言って来たトゥアールに対して思わず抱きつく愛香。
ちなみに抱きついたと言っても胸には飛び込まずに、腹に抱き着いている形である。
その様子にやれやれと思いながらも零はトゥアールの肩を叩く。
「っ?何でしょうか?」
「・・・ちゃんと、真面目に作ってくださいね?下手なことしたら大変なことになりますよ?」
「その位分かってますよ!?私だって総二様とゴールインする前に殺されたくありませんっ!!」
「な、失礼ね!?殺しはしないわよ!精々三分の二殺し位で抑えるわよ!?」
「そこは半殺しにしてやれよ!?」
「いや総二そういう問題じゃないでしょ!?」
トゥアールにまともなものを作ってくれるように釘を刺す零に対し分かってると言わんばかりに返すトゥアール。
それを聞いた途端に失礼なと言わんばかりに愛香が言うのだが内容が内容だったので総二がツッコミを入れたのだが続けざまに零にツッコミをくらうのであった。
そこからはギャイギャイといつも通りに騒ぎ出す零達を見てあらあらと言いながらも未春は微笑みながらも見守っているのであった。