俺達、ツインテールになりました。   作:白き翼

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第三話 零の決意

「スターウィング・・・でも、どうやってここに?」

『僕が君をレナと一緒にこの場所に転送した。ただそれだけさ』

「・・・えっ?今の誰の声!?」

 

周りを見渡しながらも何故ここに来れたのかと尋ねると、レナではない声が響いた。

どこから響いているのだろうと周りを見渡すも、誰もいない。

どういうことだと零が思っていると、またどこかから声が響いた。

 

『驚かせてすまない。僕はスター・・・このスターウィングの制御や操縦を任されているAIだ』

「えっと・・・つまり、この船自体が僕に話してるってこと?」

『そういう事になる・・・しかし、余り驚かないんだな?』

 

「あ、似たようなものが特撮で出たことあるからだと思う・・・声も似てるし・・・って、ん?レナさん、それなんですか?」

「これはスターパッド、通信機でもありこんな感じに武器にもなります」

 

「おぉー・・・」

 

スターと零がそんな会話をしていると、レナが持っていた四角い機械『スターパッド』に気づいて尋ねる。

それを聞いたレナはスターパットの説明をしながらもスターパッドを銃の形態に変形させる。

 

それを見た零はウルトラマンギンガに登場したアイテム『ガンパッド』にそっくりだと思っていたら、レナがどこかへと歩いていく。

それを見て零はレナについていくと、幾つものモニターに幾つものキーボードが置かれている部屋へとやってきた。

 

「ここは?」

「ここで、テクターテイルを開発しているんです。あと少しなんですが・・・あとの問題は装者です」

「装者、って・・・使う人?」

 

「はい・・・零さんや優子さんのような人を捜し当てれたら良いんですが・・・」

「・・・・あの、レナさん」

「っ?何ですか?」

 

部屋の中でどうしたものかと呟くレナ。

その様子を見ていた零は、レナの予想だにしない事を口にした。

 

 

 

 

「テクターテイルの装者、僕がなっても良いですか?」

「え、えぇぇぇっ!!?」

 

 

 

まさかテクターテイルの装者を志願してくるとは思ってなかったのかレナは驚きの声を上げた。

 

『ほ、本気か?レナから聞いているだろ、テクターテイルは・・・』

「とりあえず、ばれなきゃ問題ないよ・・・・駄目ですか?」

 

「い、いえ。駄目ではないですが・・・どうして・・・?」

 

「・・・護りたい人がいるから、じゃ・・・駄目ですかね?」

 

『護りたい人?それは一体・・・』

「・・・スター、それを聞くのは野暮だと思うよ」

 

零の言う『護りたい人』が気になったスターが質問するが、真剣な表情に何かを感じたのかレナはスターの質問を遮る。

そして、レナが零の前に立って優しく微笑んだ。

 

「・・・分かりました、諸星さん・・・貴方にテクターテイルを託しましょう」

「っ!本当ですか!?」

 

「はい、明日までには完成しますので・・・あっ、でもテクターテイルの色はどうしましょう?」

「えっ?色?」

「はい、零さんが纏うものなので零さんの好みに合わせようかと・・・」

「そうだな・・・あっ!こんなのって出来ます?」

 

レナの質問に零はスマホを弄って、画像を見せる。

その画像に映っているのは、ウルトラマンと言う特撮ヒーローの一人『ウルトラマンゼロ』であった。

 

「これは・・・特撮ヒーローですか?」

「えぇ、このシリーズでは一番好きなヒーロー・・・ウルトラマンゼロです」

 

「ウルトラマンゼロ・・・あっ、零とゼロで良いかもしれませんね!分かりました、このヒーロー風にしますねっ!!」

(ただ単に好きなヒーローのカラーリングを真似たかっただけなんだけど・・・ま、いっか)

 

勘違いされてしまうものの、特に気にせずに物凄い速さでキーボードを打ち始めたレナを残して部屋を後にする零。

それからすぐ、彼はスターによって自宅に転送されるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、と・・・」

「おはようございます」

「うわっ!?れ、レナさん!?」

 

翌朝、寝巻き姿で自分の部屋から降りてきた零にレナが挨拶する。

いるとは思ってなかったので驚く零にレナが歩み寄ると零に腕時計を手渡してきた。

 

「突然すみません、これをお渡ししておこうと思いまして・・・」

「っ?これは?」

「腕時計型通信機『スターブレス』です、これでスターパットでの私の通信に加えて、スターと連絡を取れるようになります」

『ちなみに、スターブレスの通信は他人が聞いても何を言ってるのか分からないように設定されてあるから盗み聞きの心配はないぞ。まぁ、製作者のレナには聞こえているがな』

 

スターブレスの説明をしている時に、スターの声がスターブレスから聞こえる。

凄いなと思いながらも零は気になったので尋ねてみた。

 

「すごい・・・でも、これはいつ開発したんですか?」

「テクターテイルを作り終わった後です。腕時計と通信機能しかない簡単なものですけど・・・」

「えっ!?もう出来たんですか!?」

 

「はい、基礎は出来てたのでカラーリングとちょっと武装を追加しただけなのですぐ終わりました」

『ところで、零。随分早起きだな?何かあるのか?』

 

「学校だよ、こう見えても学生だからね・・・すぐ着替えて準備して行かないと・・・」

「あ、すみません。お忙しい時に・・・それじゃ、御暇しますね」

 

スターの疑問に零が答えると、申し訳なさそうにレナは謝ってきた。

そしてすぐにスターウィングへと戻ったのか突然レナを包んだ光と共に目の前からいなくなってしまった。

 

それを見送った後、零は制服に着替えて家を出るとすぐに後ろから声をかけられる。

 

「おーい!零ー!」

「おっはよーう!」

 

「あ、海斗に一輝!」

 

「俺達もいるぞー、零」

「おはようございます、零さん」

 

零に駆け寄りながらも揃って短髪だが髪の色が青と緑と言う風に違った二人組の青年が声をかけてくる。

それに遅れるように、優子と共に桜色の髪を後ろで結った少女が現れる。

 

青の髪の青年は『高山 海斗』で緑の髪の青年は『早田 一輝』、そして優子と共に現れた桜色の髪の少女は『春野 綾乃』。

どちらも、零と同じクラスであり零の愉快な仲間達のメンバーである。

 

ちなみに、零の愉快な仲間達と呼ばれる者達はこれで全員である。

 

「いやー、昨日凄かったなぁ・・・特番だらけだったぞ?」

「今日もそんな感じだったがな・・・」

「あー、言われてみればそうだったねぇ・・・っと、さっさと行っちゃいますか。学校」

「そうだな」

 

テレビの話をしながらも零と愉快な仲間達の面々は陽月学園へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、授業をやめて全校集会とはなぁ・・・」

『昨日あんな事があったのだ、仕方が無いと思うぞ』

 

零の呟きに答えるようにスターブレスからスターの声が響く。

零の呟いたとおり、一時限目の授業を中止して急遽全校集会が開かれる事となり、生徒は全員体育館に集まっていた。

そんな時、登壇した生徒会長である神堂 慧理那に全校生徒が注目していた。

 

「皆さん、昨日は怪物が暴れまわったことで街が未曾有の危機に直面しました・・・わたくしもあの怪人が暴れた現場にいて、狙われてしまったものの一人です」

 

「な、何だって!?」

「許せねぇ!会長を襲うなんてっ!!」

「誰でも良い、ダイナマイト持ってこい!!体に巻きつけて特攻してやらぁっ!!」

 

「ダイナマイト体に巻きつけるって・・・強盗じゃあるまいし・・・」

『それ以前に生身の人間ではアルティメギルの怪人に歯が立たないと思うのだが・・・』

 

慧理那の発言を聞いて、男女関係無しに怒りを露にし始める生徒達。

そんな状況下にいる零はスターブレスでスターとこっそり会話をしていたのであった。

 

そんな状況の中で、慧理那は続ける。

 

「皆さんのその正しき怒り、とても嬉しく思えますわ。けれども怪人に狙われたのはわたくしだけではありません、私の他にも多くの人が怪人の毒牙にかかる所でした・・・ですが、狙われたわたくし達は一人の正義の戦士に助けてもらいました」

 

慧理那は話の途中で何故か声の感じが変わってしまっていた。

そのことが気になっていた零を他所に慧理那の話は続いていた。

 

「わたくし、あの少女に心奪われてしまいましたわ!」

「「「「「おぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」

 

その発言に全校生徒から喝采が上がる。

その喝采を聞いた後、慧理那は右手を上げるとメイドが現れて何かを準備し始める。

それは大型のスクリーンであった。

 

「これをご覧あれっ!」

「「「「「おぉぉぉぉぉっ!!」」」」」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

(ん?今悲鳴のような声が聞こえた気が・・・)

 

慧理那の言葉の後、大型スクリーンにはテイルギアを纏う戦士の映像が映し出される。

直後、再び喝采が起こった後、零は嬉しい声と言うよりも何やら嫌なものを見るような声が聞こえた気がした。

 

「神堂家はこの少女を全力で支えていきます!皆さんもどうか新世代の救世主を私と共に応援していきましょう!!」

「「「「「おぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」

 

「・・・何かとんでもない事になってきたなぁ」

『・・・そうだな』

 

さらに大きくなる喝采の中、零とスターは静かに呟くのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「よし、誰もいないな・・・」

 

体育館での慧理那の演説のから時間が経ち、昼休み・・・そんな時に、零はこっそりと屋上にやってきた。

その手には昼食のパンとジュースのペットボトルがある。

 

昼食を取ろうと思っていたのだが、余りにも教室がうるさすぎたので逃げてきたのだ。

ちなみに、休み時間もかなり騒がしかったがその時は愉快な仲間達と共に雑談をしていたので問題なかったのだが今は零以外は全員クラスメイトと一緒にいたので一人でやってきたのだ。

 

『・・・ずいぶんと賑やかだったな?あれほど騒げる元気が維持できるのは凄いと思えるぞ・・・これが若さと言うものか?』

「そうかもしれないね・・・」

 

スターブレスから聞こえるスターの声に頷きながらもパンを頬張る零。

ちなみに、スターはレナは何かの研究に没頭しているらしく暇だったらしく全校集会の時のように零に声をかけてきたのでその度に話し相手になっていたのだ。

 

『・・・そういえば零、学校が終わったら時間は空いているか?』

「んっ?どうしたの?」

『実はレナがスターブレスを渡して戻った後に『テクターテイルのテストをしないといけないなぁ』と言っていてな・・・予定がなければ学校が終わったらスターウィングに転送しようと思うんだが大丈夫か?』

「あー、そうなんだ・・・大丈夫、予定は無いよ」

『分かった、では転送のタイミングは零に任せる。転送して欲しい時に連絡を頼む、レナには僕から言っておく』

「了解」

 

スターとの会話を終えた零はパンをちゃっちゃと食べ終えてジュースを飲んでいると、ドアが開く音がした。

誰だろうとドアのほうを見ると、教室にいるはずの優子が零に歩み寄ってきた。

 

「あれ?優子、どうしたの?」

「教室がうるさくってな・・・お前と同じで逃げてきた」

「あはは・・・そうなんだ」

 

零の質問に答えながらも零の隣に座る優子。

そんな彼女を見て苦笑いをしていた零は、テクターテイルの事を話しておこうと思い声をかけた。

 

「・・・優子、昨日レナさんがしていたテクターテイルの話覚えてる?」

「あぁ、覚えてるけど・・・どうした?」

 

「・・・テクターテイル、僕が使う事にしたんだ」

「なっ、マジか!?でも、お前テクターテイルをつけるとお前は・・・」

「デメリットは分かってるよ。でも、ばれなきゃ良いだけでしょ?」

 

「け、けど・・・」

「それに・・・どうしても、護りたい人がいるしね」

「っ?護りたい人って・・・誰だよ?」

 

零の言う『護りたい人』の言葉に優子が首をかしげるものの、零は「それは秘密」と言って答えてくれなかった。

その事が気になる優子に零は続けた。

 

「それと、今日テクターテイルのテストがあるから伝えとこうと思ってね」

「テストって、もう出来てるのかよ!?早いなぁ・・・あ、そうだ。それ俺も同行させろ」

 

「はっ!?何で!?」

「いや、だって気になるんだよ。どんな感じなのか・・・それに、テクターテイルの事教えてもらってるんだから、ちょっとは知ってるほうがいいだろ?」

「あ、それもそうかも・・・よし、一緒に行こう。放課後、すぐに屋上に集合ね?」

「屋上・・・あぁ、分かった」

 

優子の言葉に少し考えた後、優子も同行させようと考えて放課後に屋上に来る事に決まる。

そして、その話が終わって少しの間零と優子は普段の二人がするような特撮話で盛り上がるのであった。

 

 

 

 

 

そして、放課後・・・

 

 

 

 

「はぁぁ~・・・疲れたぁ・・・」

「だ、大丈夫?総二・・・」

 

机に突っ伏すやけに疲れた様子の総二を見て心配そうに声をかける総二。

そういえば、テイルレッドの事で盛り上がってた生徒に『テイルレッドを独占したいんだろ』と言われてたなと思っていた。

 

ちなみに、テイルレッドと言うのはあのテイルギアを纏った少女のことだ。

何でも戦いの最中に相手に名前を聞かれた時にそう名乗ったとの事だ。

 

それはさておき、机に突っ伏す総二に愛香が声をかける。

 

「ほら、とっとと帰るわよ。色々聞かないといけないんだし・・・」

「っ?聞かないとって・・・何を?」

 

「あ、ううん!大した事じゃないの!気にしないで」

「あ、うん・・・」

 

明らかに何か隠している様子の愛香が気になりながらも席を立つ。

 

「零、途中まで一緒に帰るか?」

「ううん、ちょっと用事あるから先に帰ってて」

 

「「用事・・・?」」

 

零の言葉に首をかしげている総二と愛香を残し、零は教室を後にする。

そすて、少し急ぎ気味に屋上にやってくると既に優子が待っていた。

 

「来たな、零」

「うん、んじゃ早速・・・スター、お願いね?」

『了解した』

 

スターブレスでスターに連絡を入れた直後、零と優子が光に包まれて屋上から姿を消し、スターウィングに転送された。

 

「こ、ここは?」

『始めまして、優子。スターウィングにようこそ』

「っ!?誰だ!?」

「レナさんの家でもあって、世界を移動する為に作った移動拠点であるこのスターウィングに搭載されてあるAI、スターだよ」

 

「おいおい、移動拠点なんか持ってたのか・・・まぁ、そうでないとこの世界に来る方法なんてないか」

「いらっしゃい、諸星さんに優子さん」

 

スターウィングの事を聞いて納得した様子になる優子。

そんな時、レナが待ってましたと言わんばかりに零と優子に駆け寄ってきた。

 

「おぉ、レナ。テクターテイルできたんだって?」

「はい、出来てますよ・・・っと、その前にテストしやすい場所に行きましょう。スター、お願い」

『了解』

 

レナの言葉にスターが返事をすると同時に三人は光に包まれてスターウィングから姿を消すと、どこかの採石場へとやってきた。

 

「な、何だここ?」

「使われていない採石場です、こういう場所でテストする方が雰囲気出るかと思いまして・・・あ、諸星さん。これを」

 

周りを見渡す優子に説明したレナは零にあるものを渡す。

それは仮面ライダーディケイドの変身ベルト『ディケイドライバー』によく似た形状をした銀色のアイテムであった。

 

「これを付けてください」

「これは?」

「テクタードライバー・・・早い話、変身ベルトです。腹部に装着すると同時にベルトが伸びて瞬間装着されますよ」

 

レナの説明を聞いた後、変身アイテムである『テクタードライバー』を腹部に当てる零。

すると、レナの言う通りにテクタードライバーからベルトが伸びて零の腰に装着される。

 

「えっと・・・付けたけど、どうすればいいの?」

「後は簡単です。変身というだけでテクターテイルを纏った姿となります」

 

「なるほど・・・変身!!」

 

レナの指示通り、変身と気合を込めて言う零。

直後、彼の体を光が包み込んでその姿を変えた。

 

「ま、マジかよ・・・!?」

 

「おぉー・・・本当に変わった、ってあれ?声が・・・」

「えっと・・・鏡、ここに置きますね」

 

変身を完了させた零に驚く優子。

そんな優子の前で自分の体を見て腕や足、肩に装甲が付いてたので驚く零は自分の声に違和感を覚える。

 

それを見たレナがどこに準備していたのか分からないが姿見を置いたのでそれで自分の姿を見た零は、固まってしまう。

 

今の零の姿は青と赤の二色で構成されたテクターテイルを纏った銀のツインテールの少女となっていたのだ。

ちなみに、テクターテイルのカラーリングが零の要望どおりであったのだが、ウルトラマンゼロの頭部についているブーメラン――『ゼロスラッガー』に似たものが、ツインテールを縛る髪紐代わりに付いたリングに装着されていた。

 

「・・・本当に女の子になってるんだ」

「・・・余り驚かないんだな?」

「事前に聞いてるからね・・・知らずに付けたら、絶対叫んでいたよ」

 

「その姿こそ、私が零さんの要望で作り上げたテクターテイル第一号の姿、なんですけど・・・その姿の名前、どうします?」

「大丈夫、もう決めてますよ。そのまんまなんですけど・・・」

 

レナの質問に零は微笑みながらも返し、決めていた名前を言う。

 

 

 

「ゼロ・・・テイルゼロッ!!」

 

 

 

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