「今、誰か俺を笑ったか....?」   作:さよナランチャ

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前話の前書きで「過去と現在半々くらいの割合」みたいな事を言ってましたが当分現在多めで行きます。
コメント欄等みてテンションが上がったら過去の話も書くかも?


黎明Ⅲ:邂逅!アウトローとアウトロー!?

〜〜1年前・トリニティ自治区〜〜

 

「どうして何もしてないのに追いかけられなきゃいけないのよーっ!」

 

路地裏に少女の叫びが響く。

 

「待てやコラァ!ゲヘナ生だろテメェ!」

 

そしてそんな少女を追いかけるのはヘルメット団。

追いかけられているのは後にキヴォトスにその名を轟かせることになる悪名高い何でも屋社長、陸八魔アルその人である。

尤も、今の彼女は我々がよく知るコートを羽織ったカリスマ然とした姿ではなく、ありふれたラフな格好ではあるが。

 

「私貴方達になにかしたかしら!?」

「ゲヘナ生を誘拐してこいって依頼なんでな!!」

 

そんな問答を続けながら逃げ続けるアルだったが、とうとう袋小路に追い込まれてしまった。

 

「ハア…ハア…も、もう逃げられないぜ…」

「いい加減大人しくして貰おうかぁ?」

 

誘拐。脳裏にその2文字がチラつく。

そういえば最近、ゲヘナ生を狙った誘拐事件が度々起こっているらしい。

自分もそうなるのではないか。

 

だとすれば、態々トリニティまで足を伸ばして買ったこのケーキはどうなるのか。

 

大切な幼馴染の誕生日を祝おうと密かに買ったこのケーキも渡さずに終わるのか。

 

そんな事があって良いはずがない。

こんな理不尽に。こんな奴らのせいで。

アルは覚悟を決めた。

 

「まとめて相手してあげるからよく聞きなさい!貴方達が今から立ち向かう相手の名前を!便利屋68社長、陸八mそこまでです!!!…えっ?」

 

声がした方向を見てみると、地に伏せる数名のヘルメット団員達。

そしてそこに立っている1人の生徒。黒と赤の制服に身を包んだ、正義実現委員。

「正義実現委員会1年!葛ソウ!行きます!!」

「正義実現委員会…?なんで…?」

「アルちゃ〜ん!大丈夫〜?」

アルにとって馴染み深い声が響いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ご協力ありがとうございました」

結局、アルが事情聴取を終えて解放されたのは空がオレンジに染まり切った頃であった。

「アルちゃ〜ん!お疲れ様〜!」

建物の外で待っていたであろうムツキが声を掛けてくれたが、気分は曇り空のままだ。

「…ごめんなさいムツキ。折角貴方の誕生日にケーキでもと思ったのに…」

「くふふ、アルちゃん、これな〜んだ?」

ムツキの手に握られていたのは、アルがケーキを購入した店の袋。

 

「アルちゃんを助けに行った時に男の正実の人いたでしょ?さっきその人がきて『現場に落ちていた荷物を拾いましたのでお渡しします!』って言って走って行っちゃったんだよね〜」

いい人だね〜と言いながら歩くムツキ。

 

その背中を追いかけながらアルは昼の記憶を思い返していた。

 

正実の制服の意匠を残しつつも少しカスタムされた制服。

 

キヴォトスでは珍しい男の生徒。

 

いつか会ってお礼をしよう。

アルは夕日を眺めながら誓った。

やはり根がとてもいい子である。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜現在・アビドス自治区〜〜

 

 

 

「1ヶ月ぶりか…」

 

ソウの目の前にある店の名は柴関ラーメン。

珍しく同業者に呼び出されたソウはアビドス自治区を訪れていた。

 

「いらっしゃい。何にする?」

「柴関ラーメン大盛りを1つ。それとーー

彼女達と同テーブルに頼む。」

ソウの目線の先には便利屋68。今日彼を呼び出した張本人である。

 

「久しぶりね。『ホッパー』」

「何の用だ?」

「アルちゃんがね〜。仕事の内容で相談がしたいんだって〜!」

「相談?俺に?連邦生徒会でも敵に回したか?」

「い、いやそうじゃなくて…」

 

そう言いながら複雑な表情で黙り込んでしまったアル。

 

「誰か説明してくれ」

「わかった。まず、今回受けた依頼の内容なんだけど…」

 

 

 

 

 

「つまりアビドス高校を制圧する依頼を受けたは良いものの、依頼は上手くいかないし絆されそうだしでどうすれば良いか迷っていると…」

 

「そ、そうよ!こんな時アウトローの先輩である貴方ならどうするのか意見を聞きたかったの!」

アルはビシッと俺の方を指差した。

 

相談相手を間違えてるんじゃないかという言葉が喉元まで来たソウだったが、あまりにも眩しい目を向けられているのでとりあえず答えようとアルの方を向いた。

 

「俺なら降りる。」

「へ〜。なんで?」

「まず、小鳥遊ホシノがいるからだ。」

「対策委員会の委員長でしょ?前も1回接敵したけどそんなに?」

「ああ。ヤツが本気を出したら間違いなく勝てない。空崎ヒナで互角くらいか?」

 

そんな化け物を相手にしてよく生きて帰って来れたと背筋が冷えるアルを見て、ソウは次の理由を答える。

「次に、リソース不足だ。向こうは連邦生徒会から物資の補給がある。対してこっちは傭兵を雇う金もカツカツ。そんな状況でヒナと同レベルの奴に勝てるわけがない」

「うう…でも依頼を途中で降りるのは…」

 

そう言って唸るアルはもう一度ソウの方を向いて、

「じゃあ、あなた個人・・・・・の意見を聞かせてちょうだい!」

 

「反応に困るな…」

 

そう言うとソウは少し間を置いて、

 

「その質問には答えられないな。」

 

俺には目の前の彼女の様に夢も無ければご大層な正義も何もない。

俺個人の意見なんてないも同じだ。

 

「好きにしろ。俺みたいなろくでなしじゃ参考にならない。」

 

なんて適当な言葉を投げかけた。

 

 

「お待たせ!柴関ラーメン大盛りだ!」

丁度ラーメンが届いたので会話を切り上げて食べようとした瞬間ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店が吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてこうなるのよーー!!」

アルが白目を剥きながら叫んでいる。

「よくもアル様のラーメンを…許さない許さない許さない…」

ハルカも目が危ない。

 

(俺は昼飯すらまともに食えないのか…)

 

「アル。大将を避難させろ。俺は取り敢えず犯人を見つけてくる。」

 

 

 

 

 

 

「やったぜ!『ホッパー』と便利屋68を両方爆破してやった!」

「これであたし達ザビザビヘルメット団は安泰だ!!」

「とりあえず撤退を「俺の昼飯は木っ端微塵だ。笑えよ。」

 

 

 

 

 

「ふう…粗方片付いたか…」

 

ヘルメット団を片付けた後、アル達と合流する。

 

「すまない大将。後日また見舞いと合わせて店の話もさせてくれ。」

 

「いいんだよ兄ちゃん。あんたのせいじゃない」

 

「いや、それでも俺は「大将!大丈夫!?」

 

声がした方を向くと、制服に身を包んだ生徒が3人。

おそらくアビドス生だろう。

それに、先生。仕事中だろうか。

 

「これ、あんた達がやったの!?何でこんな…許さない!!」

 

珍しく同業者に誘われたと思って出掛けたらこれだ。

やはり俺みたいな人間が調子に乗るとしっぺ返しを喰らうのだろうか。

(どうせ俺なんか…)

白目を剥くアルを横目に溜め息を吐いた。




ムツキが正実を連れて来れたのは
なんかアルちゃん朝から挙動不審やんけ尾行したろ!→ファッ!?不良に襲われとるやんけ!もしもしポリスメン?
みたいな感じです。

ソウは柴関ラーメンに月2くらいのペースで通ってたのでかなりショックを受けてます。

やるならどの話がいいですか?

  • 傭兵としての日常(依頼)
  • 便利屋とのファーストコンタクト
  • 過去の話もっと!
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