あと2話くらいで過去編行きます
「つまり、そこの人を狙ってきたヘルメット団のせいで店が吹き飛んだってことですか?」
「そういうこと。」
白目を剥きながらも何とか状況を説明したアルのおかげで衝突を免れた便利屋と対策委員会は、状況の擦り合わせをしていた。
「大将は無事よ!犯人も彼が捕獲してあるわ!」
何故か上機嫌に語るアル。
“君はブラックマーケットで私達を助けてくれた子だよね?”
先生が口を開くが、ソウは明後日の方向を見つめている。
「ちょっと?聞こえてるの?ていうかアンタ何者なの?答えなさいよ!」
セリカが言葉を投げかけている最中、相変わらず何もない方角を見つめていたソウは唐突に、腰についているレバーを倒した。
“charge”
電子音が聞こえた次の瞬間、カヨコの左耳の真横をソウの左脚が通り過ぎていた。
「何でいきなり仲間割れしてんの!?」
「こいつらは別に仲間じゃない。それにーー
ドッカーーーーン!!
何の意味もなくこんな事はしない。」
そう言って初めて先生達の方を向いたソウの言葉が終わると同時に、爆発音が鳴り響き始めた。
「砲弾を蹴り返すなんて、相変わらず無茶するね。」
「俺も危なかったからな。」
「これは…!」
「3kmの距離に多数の投擲兵を確認!兵力の所属はゲヘナ風紀委員会です!」
ーーーーーーーーーーーー
便利屋を捕らえに来た風紀委員と、そのやり方に納得のいかない対策委員会の戦闘が一段落した後、風紀委員の行政官であるアコが通信を繋いだ。
「便利屋を捕まえるためという事で、どうにか納得していただけないでしょうか?」
アコが対策委員会の説得を計る。が、
「嘘だね。アコ。」
「あなたの目的は初めからシャーレの先生。違う?」
本来の目的をカヨコに見破られてしまった様だ。
“私?”
そこからアコは本来の狙いを語り始めた。
どの学校にも武力介入ができる組織への不安。
来たる“条約”締結まで身柄を拘束させて欲しい事。
「風紀委員、攻撃を開始してください。先生を傷つけない様に十分注意を払いながら拘束してください。」
そうして始まって風紀委員会VSアビドス&便利屋の戦闘は、やはり物量でアビドスが押され気味だった。
「覚悟しろ!」
風紀委員の突撃隊長こと銀鏡イオリ。
物量とイオリの戦闘力は、対策委員会を確実に追い詰めていた。
「ちょっとまずいかも」
表情こそ変わらないが、シロコは少し焦りを感じていた。
ノノミやセリカの姿が見えない。おそらく個々で戦っているのだろうが、イオリの突貫を受けているうちに連携が崩れてしまった。
対策委員会の強みは連携力にある。故に連携を崩された今の状況はまずい。
「他所見をするな!」
イオリの銃撃は着実にシロコの思考を削っていく。
「半端な実力で公務の邪魔をするからだ。これで終わりだ!」
イオリが決め手となる一撃を放とうとした瞬間ーー
「俺も笑ってくれよ」
“charge”
ソウがイオリに飛び蹴りを放つ。
その瞬間、ソウの左足についているジャッキが押し込まれる。
「ぐうっ!」
イオリを吹き飛ばすと、ソウは何処かへと去っていった。
ーーーーーー
「いいですよ。第五中隊、出てください。…第五中隊?」
「行政官!こちら正体不明の敵に前方と後方を遮断されて襲撃されています!」
「第六中隊!同じく襲撃を受けています!」
「第七中隊もです!」
「敵の特徴は!」
「銃を殆ど使わずに蹴りだけで暴れ回っています!」
「こちらはショットガンによる襲撃を!」
「蹴り!?ショットガン!?相手の身体的特徴は!?」
「紫の服です!おそらく便利屋の「許さない許さない許さない!!!ブチッ
「おそらく男性だと思われま「誰か俺を笑ったか?なあ?お前か?」ブチッ
「…まさか、あの『ホッパー』が?いや、そんな「どうしたの?アコ。随分慌てている様だけど」委員長!実は便利屋と交戦してたら『ホッパー』が…委員長!?」
アコの後ろには、ゲヘナの秩序を一手に担う「最強」、空崎ヒナが立っていた。
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「事前通知無しでの無断の兵力運用、他校の自治区で無断で騒ぎを起こした事。ゲヘナ学園の委員長として正式に謝罪する。」
いつのまにか逃げていた便利屋のせいで弁明が出来なくなったアコを一喝し、風紀委員を帰らせると、ヒナは対策委員会に謝罪した。そして、
「貴方が『ホッパー』で違いない?」
「ああ」
そのままヒナはソウと会話を始めた。
「ちょっと待ってよ!聞きそびれてたけどアンタ何者!?ヘルメット団に狙われてたり、便利屋の社長に懐かれてたり、どういうことなの!?」
「あら、貴方達、彼が何者か知らなかったの。先生もいるし、丁度いい。
彼の名は葛ソウ、元トリニティ生。ブラックマーケットで有名な『ホッパー』って呼ばれてる傭兵で、ゲヘナ生の誘拐及びトリニティ生に対する暴行の容疑で指名手配されてるの。」
「俺にプライバシーは…あるわけねえか」
唖然としている対策委員会を横目に再び2人は話し始める。
「それで、風紀委員長様が俺なんかに何の用だ?態々逮捕する為だけにアビドスまで来るわけねえだろ」
「逮捕しなきゃいけないのはそうだけど、うちの生徒会、万魔殿のトップが貴方に用があるらしいから連れて行こうと思って。」
「断った場合は?」
「力ずくで連れて行くことになる。」
「そうか。そっちの議長にも伝えろ、俺は誰の下にもつかない。」
「そう。ならーー
実力行使ね」
その言葉を最後にヒナがマシンガンを乱射し始める。
その狙いはソウの左足。
ヒナの狙いに気づいたソウは駆け出し、一気に距離を詰めてヒナを蹴り飛ばす。
しかし飛んだ先でもヒナは体勢を崩さずに狙いを定めて撃ち続ける。
ヒナと距離を詰めて蹴りを見舞おうとするソウ。
カウンターを混ぜながら左足を重点的に狙い続けるヒナ。
戦況が膠着し始める。
「す、すごい…」
“バトル漫画みたい…”
「ホッパーさん、全然銃使ってませんね…」
ノノミの言葉が示す通り、ソウは殆ど銃を使っていない。
右手に持っているハンドガンを偶にヒナの目元に向かって放つくらいである。
それも巨大な羽根に塞がれて殆ど意味を成していない。
ソウ自身もそれを理解しているので、精々ヒナの気を一時的に逸らす程度のものである。
そうした均衡が破れたのはヒナの弾切れが原因だった。
(!!)
(詰めてアレでケリをつける)
“charge”
ソウはレバーを倒して瞬時に距離を詰めると飛び上がって蹴りを放ったがーー
「狙い通りね」
瞬時にヒナは蹴りを銃身で受け止めるとそれを払い、瞬時にリロードを済ませると宙に放り出されたソウの左足に銃弾の雨を放った。
一旦距離を取るソウ。
「まだ許してくれねえのか」
「付いてきてくれるなら」
「そいつは御免だね」
睨み合う両者。
ヒナがトリガーを引こうとした瞬間ーー
「うへ〜。大した騒ぎだねぇ〜」
アビドスの最強が現れた。
ーーーーーーーーーーー
「小鳥遊ホシノ。一年の頃とは随分違うのね」
「風紀委員長ちゃんおじさんの事知ってるの〜?」
そんな言葉から始まった会話は、ヒナによる対策委員会委員長への謝罪によって終わった。
「用事も済んだし、行くわよ『ホッパー』。」
「だから行かねえって」
「いえ、あなたもう限界でしょう?」
「あ?」
ヒナの言葉が終わってすぐ、ソウのふくらはぎにヒビが入り、銃弾で貫かれたように穴が空いた。
「「「「「!?」」」」」
驚愕する対策委員会と先生。
「あークソ。降参だ。付いてくから肩貸してくれ。」
“それどころじゃないでしょ!病院!”
流石に見逃せないと先生が言葉をかけるが、
「んな事どうでもいい」
そう言いながらふくらはぎを見せるソウ。穴が空いたふくらはぎにはに機械の基盤のようなものが見えた。
「『ホッパー』の左足は義足なの。ほら、戦車を待機させてるから行くわよ」
「どうせ俺なんか…」
そう言いながらソウはヒナの後を歩いて行った。
「風紀委員長ちゃ〜ん。どうしてその子をゲヘナに連れて行くのかな〜?」
ヒナは少し逡巡した後ーー
「予算を握られてるからよ」
と、何とも言えない顔で言い放った。
ーーーーーーーーーー
「さっきの風紀委員長さんとホッパーさんの戦い、凄かったですね〜」
帰り道。対策委員会の話題はそれ1色だった。
「先生。風紀委員長に何か聞いてたみたいだけど…先生?」
“ああ、ごめんねシロコ。少し考え事してて。”
先生は返事を返した後ーー
“キヴォトスで…義足?”
着任して数週間。キヴォトス人のタフさを嫌というほど見てきた先生は、信じられないといった風に独り言ちた。
・葛ソウ
流石にヒナには勝てない。
ジャッキ使う時に倒すレバーはまんまハイ◯ーゼ◯ター
上の命令に従わざるを得ないヒナを可哀想な人を見るまで見てたらドツかれた。
・空崎ヒナ
お労しい人。
ソウの過去をふんわりと知っているので普通の犯罪者よりちょっとだけ反応が優しめ。
ヒナがソウの事を色々知ってたのは情報部繋がりで情報を得た感じです。
やるならどの話がいいですか?
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傭兵としての日常(依頼)
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便利屋とのファーストコンタクト
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過去の話もっと!