「今、誰か俺を笑ったか....?」   作:さよナランチャ

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先生のキャラがわからない…
今回時系列がかなり進みますが、描写のない所は原作通りに進んでいます。


黎明Ⅴ:アクマ×ノ×サソイ

 

 

格式高い廊下を歩く。

 

現在、ソウはゲヘナ学園の生徒会、万魔殿パンデモニウム・ソサエティーの議事堂にいた。

ゲヘナの風紀委員長に連れられて来たものの、ソウには心当たりが全くなかった。

 

もしやあの・・事件の事かと一瞬考えたが、ヒナの対応からしてその件で詰問されるのでは無いのだろうと確信に近いものを抱いていた。

 

「着いたわ。ここよ」

ヒナの言葉で我に帰る。

「マコト、連れて来たわよ」

ヒナがノックしながら呼びかけると、ドアの奥から「入れ」と声がした。

 

ヒナと中に入ると、そこにいたのは軍服の様な制服に身を包んだとても胡散臭い笑みを浮かべている女だった。

 

「ヒナ、ご苦労だった。約束通り今後1ヶ月は風紀委員の行動と予算に過度な介入しないと誓おう」

「1ヶ月だけじゃなくてずっとそうあって欲しいけど…」

ヒナは溜息を吐きながら部屋を後にした。

「貴様がキヴォトス最強の傭兵『ホッパー』か?」

「人の事を拉致しておいてあまつさえ名乗らないなんて流石ゲヘナの生徒会長だな」

「私がヒナに命じたのは貴様を連れて来いという事だけだ。ヒナがどんな手段を取ろうとマコト様には関係ないな」

ヒナのため息の意味がわかった気がした。

 

「で?結局何の用だよマコト様」

「普通に貴様を捕まえるだけだとは考えなかったのか?」

「それならなんで俺はお前の前にいるんだって話だ。さっさと風紀委員の牢なり矯正局なりにぶち込めばいいだろ」

「ふむ。しかし私の思惑を除いても、貴様はゲヘナ生誘拐の容疑がかかっている犯罪者だ。生徒会長として、学園の平和を脅かす者を野放しにしてはおけないな」

「…風紀委員長の態度がおかしい。少なくとも学園の生徒を誘拐した凶悪犯にかける言葉や態度ではない」

「キキキッ!まあ無意味な問答はここら辺にしておこう」

 

マコトの雰囲気が少し固いものに変わる。

 

「貴様に一つ提案をしよう。我々と組んでトリニティを攻撃する気はないか?」

「戦争でもする気か?」

「そんな馬鹿正直な真似はしないとも。近日結ばれる件の条約・・を利用するのだ」

「それにしても何故俺に声をかけた」

「キキキッ。正義実現委員会の内情に詳しい人間・・・・・・・・・・・・・・・・がいた方が心強いだろう。」

「…馬鹿らしい。勝手にやってろ。」

 

そう吐き捨ててソウはマコトに背を向ける。

 

「貴様はトリニティが憎くないのか?」

「今更どうでもいい」

あの程度の事で・・・・・・・貴様の恨みは消えたのか?」

「消えてはない。ただあんな連中の顔を態々拝みに行くほど俺はご機嫌じゃないってだけだ」

「ほう…あくまで協力するつもりは無いと。ならこちらにも考えがある」

 

そういうとマコトは指を鳴らし、その音を合図におそらく万魔殿の部隊と思われる人間が二十人程部屋に入って来た。

 

ゲヘナ生誘拐の事件・・・・・・・・・について、牢でしっかり話を聞かせてもらおう」

 

「やっぱりな…」

 

「キキキッ!貴様はヒナとの戦闘で足を負傷している。最早ここからは逃れられまい!」

 

「ああ。一人ならな・・・・・。」

 

その声を合図に窓が割れる。

 

「待たせたわね!借りを返しに来たわ!」

 

威勢のいい声と共に突入して来たのは便利屋68。

「ホッパーさ〜ん?大丈夫〜?」

「大丈夫に見えるか?」

「恨みはないですけど、命令なので…死んでください!」

瞬く間に万魔殿の部隊を蹴散らすと、ソウを連れて去っていった。

 

「…まさかあの『ホッパー』が便利屋と繋がっていたとは。まあいい。兎に角こちら側・・・・からの接触は失敗だ。奴ら・・にも一応連絡しておこう。まあこのマコト様が失敗した事が奴らに出来るとは思えないがな。キキキッ!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「ここで大丈夫だ。」

「わかった。足は大丈夫なの?」

「整備士にでも診てもらうさ」

そんな会話をカヨコと交わしながら、ソウは便利屋の車を降りる。

「アル。助かった。」

「フフン。これで貸し借りなしよ。」

「ああ。大将への見舞いの日にちは追って連絡する。じゃあな」

そのセリフを最後にソウはブラックマーケットに消えていった。

 

「…今思えば彼ってどういう経緯で傭兵になったんだろうね〜?」

「カヨコは何か知らないの?」

「いや。ただーー

風の噂で、トリニティ生が2ヶ月入院・・・・・する事件があったって聞いた事ある。」

「そ、そんな事ができる人がいたんですね…」

「どうするの?アル」

「どうするって?」

「裏社会に名前を轟かせてる傭兵の過去。調べるの?」

アルは少し考えた後ーー

 

「そういうのはね、親交を深めてから良い雰囲気の中教えてもらうのがハードボイルドってもんでしょう!そんな野暮な真似はしないわ」

「それよりも、今はカイザーの連中に一泡吹かせる方法を考えるわよ!」

そう言い切ったアルを見て、カヨコはーー

 

 

「まずは風紀委員に見つからない新しいオフィス、見つけないとね」

 

 

少し微笑みながら、そう呟いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

〜〜数週間後、トリニティ総合学園〜〜

 

「いかがでしょう、先生?助けが必要な生徒たちに、手を差し伸べていただけませんか?」

先生は今、トリニティ総合学園の生徒会、ティーパーティーのホストと相対していた。

“いいよ。それが大人の役目だからね”

「やったー!ありがとう先生!」

無邪気に喜ぶ少女を見ながら、先生の脳裏には一人の人物が浮かぶ。

 

葛ソウ。またの名を『ホッパー』。

アビドスの事件が一段落した後、連邦生徒会のデータベースを調べて得られた彼に関する情報は、概ねあの場でヒナが口にしていた者と違わなかった。

ただヒナの言葉には一つだけ抜けていた情報があった。

 

正義実現委員会所属・・・・・・・・・

 

 

シャーレ発足初日に協力してくれたハスミが所属するトリニティの治安維持を担う組織であり、一度シャーレ発足時に挨拶回りに訪れた事がある。

 

何故彼はそこに籍を置いていたのか。

何故あの様な変化を遂げたのか。

 

知らなければならない。

全ての生徒の味方を目指すのならば。

 

“一つ、教えて欲しいことがあるんだけどーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

“流石に簡単には話してはくれないよなぁ…”

 

どっと疲れた様子で溜息を吐く先生。

 

ティーパーティーならソウについて何か情報を知っているのでは無いかと思い質問をしたところまでは良かったのだが、

「すみません。彼に関しての事をそうすぐにお話するわけにはいきません。ですが先生が無事補習授業部の留年を回避させる事ができたなら、必ず彼の事で我々が知っている事をお話しすると約束しましょう」

とやんわり断られてしまったのだ。

 

そして現在、補習授業部の1日目の活動を終えた先生は帰路に就こうとしていた。

“ハァ…”

「大丈夫ですか先生?」

隣で歩くヒフミが声を掛ける。

“大丈夫だよ、ヒフミ。ちょっと気になる事があってね…”

そう言ってヒフミに言葉を返した瞬間、先生の脳裏を数週間前の光景がよぎる。

 

“ヒフミ、一つ聞きたい事があるんだけど…”

「なんですか?」

話したくないならいいんだけど、と前置きをした先生は尋ねる。

 

“葛ソウって名前に聞き覚え、ない?”

 

ヒフミは少し黙った後口を開き、

「…先生は、ソウ君をどうするつもりなんですか?」

と言いながら不安げにこちらを見た。

 

“言い方が悪かったね。ごめん。”

“私は、ヒフミと初めて会った日と別の日に、また彼に会ったんだ。”

“その時の彼を見て、何か力になれないかなって思って。”

“生徒には、笑っていて欲しいから。”

 

「…ソウ君は、とても優しい人でした。私がペロロ様のグッズを探しにブラックマーケットに行く時にも、『正義実現委員として危険な所にトリニティ生を一人で行かせるわけにはいきません!』って言いながらついて来てくれたり、いじめを見かけたら飛んで行って止めたり…」

 

“優しい子なんだね。”

 

「はい…。私、いつか彼と会って話がしたいんです。」

“いつかきっと会えるよ。”

 

そこから話は補習授業部の事に切り替わり、二人は歩いていく。

夕日は既に姿を隠していた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

そして、時は少し流れ、補習授業部第二次学力試験の日ーー

 

“考えてたより早い再会だったね…”

「あはは…」

 

「あら?『ホッパー』さんと先生、お知り合いなのですか?」

ソウを連れて爆炎の中から現れたのは、美食研究会会長の黒舘ハルナ。

そう、場所はゲヘナ学園自治区。

先生達とソウの再会は、彼らの想像の何倍も早く訪れた。

(阿慈谷に先生…浦和か。見ない顔も何人かいるな。)

「ソウ君!なんでゲヘナにいるんですか?」

「それについては私から話しますね⭐︎

そうやって口を開いたアカリ曰く。

先日のゴールドマグロ騒動で三人が捉えられてしまった美食研究会。

一人逃げ出したイズミがソウと出会い、残り三人の脱獄を手伝って欲しいという依頼をしてきたという。

「…それよりお前達はなんでこんな時間にこんな所にいる」

“私が説明するね”

 

 

「…へえ。ティーパーティーが」

そう呟くと黙り込んだソウ。

 

「ここは一つあの時のお礼という事で、私達が責任を持って先生とトリニティの皆さんを案内しますわ。」

“よろしくね”

 

 

「浦和か。何か用か?」

「うふふ。実は一つ、依頼・・をしたいのですが…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「一応引き続きモニタリングはさせて頂くので、その事をお忘れなく…。では幸運を祈りますね、「補習授業部」の皆さん?」

録音されていた音声が切れる。

直後にアズサが問題用紙を見つけ出し、ヒフミ達は試験を始める。

遠くの方で聞こえる爆発音には目もくれず、一心不乱に問題を解き続ける。

そうして何の妨害も無く・・・・・・・第二次学力試験は終了した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ヒフミ達がテストを解き始めたのと同時刻、トリニティ自治区のどこかにあるセーフハウスで試験会場を眺めていたナギサは、少しの焦りを感じていた。

本来のナギサのシナリオでは既に問題用紙は荼毘に伏している筈だが、一向に爆発が起きない。

まさか温泉開発部が風紀委員に抑え込まれたのか。

しかし爆発音自体は微かに聞こえてくる。

では誰かが温泉開発部と近辺で戦闘をしている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・のか。

廃墟の外に設置されたカメラに目を向けたナギサは、半ば信じられない様な物を見た。

五十人近くいるであろう温泉開発部を一人で相手取る生徒。

何よりナギサはその生徒の姿に見覚えがあった。

ボロボロの外套。脚のジャッキ。

「チッ…なんでこんな事してんだ俺」

元トリニティ生の、伝説の傭兵。

カメラ越しのナギサと目が合ったかと思うと、拳銃を取り出しーー

 

「…いつまでも変わんねえな、トリニティは」

 

銃声が響いた。

 

 




・葛ソウ
ハナコからの依頼で試験時間いっぱい会場を守り切った。
ティーパーティーのやり方におかんむり。

・羽沼マコト
安定のマコト様。
ソウの過去はマコト様の情報網でバッチリ把握済み。


・先生
ソウの事を聞いたせいでナギサからの警戒レベルがちょっと上がっている。

・浦和ハナコ
ナギサの狙いを知って激おこぷんぷん丸。
この後もソウを使いまくる気マンマン。

・桐藤ナギサ
お労しい人。
でも流石に問題用紙を爆破はやりすぎだと思うの。

やるならどの話がいいですか?

  • 傭兵としての日常(依頼)
  • 便利屋とのファーストコンタクト
  • 過去の話もっと!
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