TSしたセフレとドロドロでぐちゃぐちゃな関係になっていくお話   作:きむちーず

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今はただ君の隣にいるだけで

 

 夕方。

 校門を出て、律と合流した。人混みの中で小さく肩をすくめながら歩く律の背中は、朝よりもずっと疲れて見えた。

 

「……おつかれ」

 隣に並んで声をかけると、律はわずかに頷いた。

 

「……疲れた」

「そりゃそうだよね。女になってから外に出るのも初めてだし、ましてやそれを隠さなきゃいけないなんてね」

 私は笑ってみせるが、律の顔は硬いままだ。

 

 

 

 帰り道。アパートの階段を上がり、部屋のドアを閉めた瞬間。

 律はソファに倒れ込むように座り込み、大きくため息をついた。

 

「……もう無理かと思った」

「でもバレてないでしょ?」

「わからん……みんな、やけに見てきてるように見えて……」

 律は頭を抱えた。

 

 私はその隣に腰を下ろし、そっとコップに入った水を差し出した。

「ほら。飲みな」

「……ありがと」

 

 律が水を口に含む。その喉の動きを見ていると、胸がざわつく。

 

 触りたい。

 

「……律」

「なに」

「今日、よく頑張ったね。えらい」

 

 頭を撫でると、律はわずかに眉をひそめた。

「……子供じゃねぇんだぞ......それにルールだって」

「これくらいなら別にいいでしょ」

 

 律はしばらく黙っていたが、やがて小さく呟いた。

「……麗奈がいなかったら、俺……どうなってたかわかんねぇ。こうやって理解してくれる人がいてすげぇ助かってる」

 

 その言葉に胸が跳ねた。

 もっと抱きしめたくなる。もっと繋ぎとめたくなる。

 

 でも——約束した。

 「触れるな」と。

 

 私はぎゅっと両手を握りしめ、熱を抑え込むように笑った。

「じゃあ、これからも一緒に頑張ろうね。……私が絶対守るから」

 

 律は視線を逸らしながらも、かすかに頷いた

 

 

 

 

 夜更け。

 隣で寝ているはずの律が、布団の中で小さく寝返りを打った。

 

「……麗奈」

「ん……? なに?」

 

 目を開けると、律がこちらを見ていた。暗がりの中で、大きな瞳だけがぼんやり光を反射している。

 

「……このまま、隣で寝てたら……お前、きっと我慢できなくなるだろ」

「…………」

 図星を突かれて、息が詰まった。

 

 律は少しだけ視線を逸らし、言いにくそうに続ける。

「だから……ちょっとだけなら……いいよ」

 

「え……」

 

「……でも条件がある。……そういうことをするんじゃなくて、抱きしめるくらいにして」

 

 その声は震えていた。怖いはずだ。でも、拒絶じゃない。

 私の胸に熱が広がる。

 

「……律……本当に、いいの?」

「……ちょっとだけって言っただろ」

 律は赤くなった顔を枕に押しつけた。

 

 ――ああ、もう駄目だ。

 

 律の言葉が合図みたいに、私は体を近づけた。

 触れた瞬間、熱が伝わる。布越しでもはっきりと感じる鼓動。

 

「……律……」

「……ん……っ」

 

 最初はほんの軽く抱きしめるだけのつもりだった。けれど、律が小さく震えて、それでも拒まなかったことで、堰を切ったように欲望が溢れ出す。

 

 指先で髪を梳く。頬に触れる。唇が触れそうになって――律がぎゅっと目をつむった。

 

 ああ、駄目だ。

 ちょっとだけ、なんてできるわけない。

 

「律……もっと、触れたい」

「れ、麗奈……ちょっと……っ」

 

 弱々しい抗議さえも、甘える声にしか聞こえなかった。

 腕の中の律が愛おしくて、どうしても離せない。

 

「……ごめん。止まらない」

 

 律の肩を抱き寄せ、唇を重ねる。

 拒絶の言葉は出てこなかった。ただ、ぎゅっと私の服を掴む律の手が、震えながらも離れなかった。

 

 律の唇に触れた瞬間、世界が裏返るように熱が走った。

 ずっと抑えてきた衝動が、理性を押し潰すみたいにあふれ出して止まらない。

 

「……ん、っ……麗奈……」

 律の声が耳元で震える。逃げようとした肩を押さえ込むと、その細い体がかすかに反発しながらも、結局は力なく私に預けられていく。

 

 胸の奥が焦げるように熱い。

 ただ抱きしめるだけじゃ足りない。もっと触れたい、もっと確かめたい――そんな欲望が身体を動かす。

 

 律の頬をなぞり、首筋に唇を落とす。柔らかい肌の感触に、律の体がびくりと震える。

「だ、駄目だって……っ……」

 小さな声。けれどその手は、私を本気で突き放すことなく、逆に服を掴んでいた。

 

「律……拒んでないじゃん……」

「……ちが、う……」

 苦しいほどの息遣いで否定しながらも、目は潤んで揺れている。その矛盾に、ますます理性が削られていく。

 

 サラシの下に隠した律の体に、指先が触れそうになって――律がはっとしたように目を見開く。

「麗奈、やめ――」

 その言葉ごと塞ぐように、もう一度深く口づけをした。

 

 律の秘部のすぐ近くまで手を伸ばし、指先が触れそうになる。

 けれど、その瞬間に理性がかすかに息を吹き返す。

 

「……違う」

 思わず呟く声は、自分でも驚くほど震えていた。

 

 律は目を見開き、戸惑いと期待の入り混じった視線で私を見つめる。

「れ、麗奈……?」

 その声に、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。

 

 私は手を止め、律の肩に触れるだけにとどめた。

 身体は熱く、鼓動は耳に届きそうなほど速い。律の体温、息遣い、そして小さく震える唇――全てが私の理性を揺さぶる。

 

 でも、ここで踏みとどまる。

 まだ早い。律のことを完全に私のものにするためにはまだ準備が足りない。名残惜しいが、ここで焦らした方が今後につながる。

 

 律は息を整えながら、私の手をそっと握った。

 その小さな手の温もりが、私の胸を締めつける。

 寸前で止めたことで、二人の間に重く甘い緊張が残る。

 

 夜はまだ長く、欲望は消えていない。

 けれど、今はただ、隣にいるだけで十分だと、自分に言い聞かせた。





 最後に高評価をしてくださった
〇〇〇はCOOLに去るぜさん、いるか雲さん、はひふへさなさん、ありがとうございます!

 感想高評価等よろしくお願いします!
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