TSしたセフレとドロドロでぐちゃぐちゃな関係になっていくお話 作:きむちーず
朝の光がカーテンの隙間から差し込む。
私はトーストをかじりながら、向かいでうつむく律を眺めていた。
「……律、顔色悪くない?」
返事はない。片手でお腹を押さえ、眉をひそめる律。
その弱々しい姿は、普段の律からは想像もつかない。
「なんか……お腹痛い。昨日からちょっと変で」
か細い声が胸に刺さる。
「風邪かな……? 熱は……ないみたいだけど」
おでこに手を当てると、律がびくっと体を震わせた。
「や、やめろ……触るなって」
拒絶の声。でも、目は揺れている。
私は唇をかすかに噛む。
「……とにかく、少し休んだ方がいいよ」
そう言った矢先、律は立ち上がってトイレへ向かう。
戻ってきた律の顔は、真っ青だった。
「……麗奈」
震える声で、律は私を見つめる。
「……血が、出てる。俺……どうなってんだよ」
両手を太腿にぎゅっと押しつけ、視線を落として震える律。
言葉も途切れ途切れで、今にも崩れそうだ。
──間違いない、生理だ。
体が女になった以上、当然のこと。でも律にとっては悪夢だろう。
「……律、それ、生理……」
「う、うそだろ……ほんとに俺……」
声は掠れ、言葉の途中で途切れる。
私は急いで部屋の隅にしまっていた袋を取り出す。
「これ、必要だから」
ナプキンを一枚取り出し、律の手に押しつけた。
「まじか……」
「女の子はね、毎月こうなるの。血が出るのを止めるために使うんだよ」
説明するだけで、律の耳は真っ赤になる。
ぎゅっと唇を噛み、俯く律。
先日まで男だったのに、突然女の体になって、生理まで来るなんて。
「お腹……痛い?」
そっと尋ねると、律は小さく頷く。
「……重い。下の方が……変に痛い……腰もだるい……」
「それが生理痛。鎮痛剤あるから飲もう。温かいお茶も淹れるね」
立ち上がろうとした私の袖を律が掴む。
細い指が必死にしがみつくように。
「……やだ。置いていくな」
胸が熱くなる。
弱々しく、怖がりながらも私に頼る律。
──やっぱり、律は私なしじゃ生きられない。
———
「はい、飲んで。少し楽になるから」
「ありがと……」
湯気に包まれた律は、小さく安堵の息を漏らす。
「今日は授業行かなくていいよ。寝てなさい」
「でも……出席とか」
「いいの。私が全部管理するから。律は、私の言うこと聞いてれば大丈夫」
律は反発しかけるが、痛みで言葉が詰まり、結局頷くしかなかった。
昼頃、痛みが強くなると、律は布団の中で小さく丸まる。
涙までにじんでしまう律の背中を、私はそっと撫でる。
「ほら、泣いてるのもかわいい」
「……からかわないで」
「からかってないよ。弱ってる律は一番かわいい」
そう囁き、髪を梳き、額に軽く唇を触れさせる。
律は抵抗しかけるが、熱と痛みで力が入らず、ただ私に身を委ねる。
「大丈夫。全部私が面倒見る。だから律は……私だけ見てなさい」
その言葉で、律は少し安心したように目を閉じた。
———
夜。
食卓に湯気の立つ茶碗を置くと、律の目がぱちっと見開かれる。
「……赤飯?」
思わず漏れた声は、驚きと懐かしさが混じっていた。
「そうだよ。………どう?痛みは?」
「結構良くなった。まだナプキンが慣れないし、うつ伏せは気持ち悪い」
「大丈夫、もう少しで慣れる。じゃあ、しっかり食べよっか」
二人で席につく。
「……赤飯なんて、久しぶりだな。子どもの頃しか食べたことないもんなぁ……」
律は目を輝かせ、無邪気に箸を取る。
一口頬張ると、ふっと顔が緩む。
「……美味しい。もちもちしてる」
その純粋な笑顔に、私は胸の奥で小さく笑った。
「もっと食べなさい。今日は特別だから」
「うん……ありがと」
律は素直に頷き、赤飯を口に運び続ける。
「……特別って、何が?」
首をかしげて尋ねる律に、私は一瞬視線を落とす。すぐに笑みを作り、柔らかく誤魔化す。
「さあ、なんだろうね。内緒」
律は小さく「ふーん……」と呟くだけ。
代わりに赤飯をもう一口、口に運ぶ。
頬がほんのり赤くなり、目を細め「美味しい」と呟くその姿は、愛おしくてたまらない。
──何も知らない律は、こうして少しずつ、私だけのものになっていく。
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渋オジ大好きさん、如月サグメさん、カエさんさん、寝隊久野原さん、gtwpnさん、 Konamikanさん
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