Muv-Luv Alternative ーthe guardian of universeー   作:天秤座の暗黒聖闘士

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 どうも、最近発売されたモンハンクロスに夢中になってしまい更新が滞って申し訳ない…。本当は先週投稿する予定だったのに一週間も伸びてしまった…。
 今回は少々アレな展開になります。いろいろ納得いかない人もいるかもしれませんが…。


第25話 消滅

 インド洋深海、4000メートル以上の深度に存在する光届かぬ闇の世界。そのすさまじい水圧から生身の人間どころかこの深海に適用した生物以外の何物をも立ち入らせない一寸先も見えぬ常夜の聖域、守護神ガメラはそこで寝息を立てていた。

 戦いの疲れを癒し、次なる戦いへ向けての力を蓄えるため、ガメラは丸一日眠り続ける。

 もはや地上に残されているハイヴはフェイズ3以上の巨大さを誇るものばかり、そして次に攻めるのは地球上でオリジナルハイヴに次ぐ巨大さを誇るであろうH2マシュハドハイヴ。ハイヴを守るBETAの物量も今まで以上の規模であることは想像に難くない。

 あの母艦級もまた出現する可能性がある以上、気を引き締めていくに越したことは無い。

 ガメラの安息の時間、夢の中をまどろむ時間は刻一刻と過ぎ去っていく……。

 

 

 

 

 

 処変わり此処はガメラの、正確にはガメラであるシロガネタケルの心象風景の内部。相も変わらず枯れ果てた桜の木以外何もない一面の荒野に、シロガネタケルとオリジナルガメラは居た。タケルは桜の木に寄りかかり、オリジナルガメラはその隣に寄り添うように立っているといういつものポジションで。

 

 「んー……、相変わらずの殺風景、だな」

 

 『既に10のハイヴを陥落させても変化無しか…。やはりオリジナルハイヴを含むすべてのハイヴを殲滅せねばならないようだな』

 

 「…だろうなあ…。全く先が長いな」

 

 タケルは大きく伸びをしながら頭上に広がる茜色の空を眺める。見事な夕焼け空ではあるがこれはあくまで己の心象風景、外の世界までもが夕方なわけではない。ひょっとすれば朝なのかもしれないし既に夜中なのかもしれない。最も、どっちにしてもタケルには関係の無い事であるが。

 

 「そう言えば俺ってもう10もハイヴを潰したんだよなあ…。ぶっ潰したBETAは……、もう億はいくんじゃねえのかなあ…。数えてないからわかんねえけど。これで少しは歴史も変わったのかなあ…」

 

 『いや、君の記憶では確か横浜ハイヴ以外のハイヴは破壊されていなかったはずだからハイヴが10陥落したというのはかなり歴史に影響を与えていると思うぞ?むしろ影響が無い方がおかしいと思うが…』

 

 そりゃそうか、とオリジナルガメラの言葉に笑いながら、タケルは枯れ木へと寄りかかる。花どころか葉一つつけておらず、寄りかかっただけで今にもへし折れそうなほど頼りない桜の木。無論此処はタケル、ガメラの心象世界であり折れる事は無いし、よしんば折れて転んだとしてもタケルは掠り傷一つ負うことは無いのだが。

 

 「…にしても、だ。人間だった時はたった一つのハイヴ潰すどころか攻めてくるBETAの群れ相手に四苦八苦して立って言うのに、今となっちゃあもう蟻かゴキブリ潰すように楽勝だもんなぁ…。…前のループで俺達が命かけて戦ってたのって何だったんだって思うよ、いやマジで」

 

 『そう自分を卑下しないことだ。君が、否、君達が居たからこそかつての世界でオリジナルハイヴを落とすという偉業を成す事が出来た。君達だけではない、多くの名も無き人間が命を賭したからこそBETAの侵攻をあそこまで押し留め、あの勝利への道標を作り出すこととなった。決して無駄な犠牲などでは無い』

 

 「……ま、そもそもBETA大戦があそこまで泥沼化したのは俺達人間が内ゲバしてたせいもあるんだがな。…本当の敵が何なのか分かっていない馬鹿がトップ握ってるせいで…、全く嫌になる…」

 

 タケルはそう呟いて不愉快気に顔を歪める。思えば人類の諍いはBETA大戦中も収まる事は無かった。狭霧大尉率いる戦略研究会が中心となって起こした12.5事件然り、横浜基地へのHSST落下事件を始めとするオルタネイティヴ5派の暗躍然り、さらに聞いた話ではユーコン基地では戦術機開発の裏でソ連とアメリカ、そして難民解放戦線及びキリスト教恭順派率いるテロリスト集団との間で暗闘があったと聞く。

 こんな人類の存亡の時に一体何をやってるんだと、タケルは幾度も悪態をついた。愛国心もあるだろう、己の国を守りたいという気持ちもわかる、だが、だからこそ今目の前に迫る危機、BETAという敵を真っ先に滅ぼさなければならないのではないのか、そのためにも人類は国を越え、人種を越え、思想宗教を越えて団結しなければならないのではないのか。こんな馬鹿馬鹿しい内ゲバなどやってる暇はないだろうが。そんな事を幾度思った事か知れない。

 

 「…まあ今はそれほどでも無いにしても、昔はよくイラついたもんだよ。…自分自身焦っていたっていうのもあるけどさ」

 

 『無理もない。君は既に“終わり”を知り、それを直に体験している。その終わりを防ぐため、迎えさせぬと心に決めていたのならば、人間達の内輪揉めは歯痒かった事だろう。…分からないわけではない』

 

 オリジナルガメラの言葉にタケルは無言のままであった。

 そもそもオリジナルハイヴがカシュガルに落ちた時、中華人民共和国だけでなく国連軍、それでなくても同じ共産圏の国家であるソ連軍と合同でオリジナルハイヴを攻めて早々にBETAを殲滅し、ハイヴを落としていたのならこんな不毛な泥沼戦争は起きずに済んだのだ。そして無用な犠牲も生まれる事も無かった。

 げに真の敵は人の欲の深さか、タケルは疲れた表情で深々と溜息を吐く。まあ今更の話なのだが…。

 

 「しっかし……、こうも楽勝だと何だか敵と戦ってるって感じがしなくなってくるよな…。なんつうかこう、むしろ作業とかさ、仕事行って定時に帰って寝る、みたいな?」

 

 『…?ふむ、君の言う喩えが私にはよく理解できないが…。油断はするべきではない。あの巨大なBETAの如き難敵が出てこないとも限らないし、次のハイヴは地球で二番目に建造された、いわば世界で二番目に巨大なハイヴ。そう容易く攻略はできないだろう』

 

 「分かってる分かってる。だからこうして休息してるんじゃないかよ…」

 

 小言染みた事を云ってくるオリジナルガメラにタケルは適当に相槌を打ちながら剥き出しの地べたへと寝転がる。空は赤い、血でも塗られているかのように赤い。雲一つ存在しない空はまるで、かつての世界で死んでいった人間の血で染め抜かれているかのようであった。

 

 「そう言えば前から聞きたかったんだけれど…、お前イリスとの戦いの後に大量発生したギャオスハイパーと戦いに行っただろ?…あの戦い、どうなったんだ?」

 

 空を眺めながらタケルは何気なくそんな問いかけをオリジナルガメラに投げかける。実際タケルは心の中で気にはなっていた。

 かつて元の世界でタケルが観た映画、『ガメラ3』はガメラはイリスを屠り、日本へと接近してくる無数のギャオスの群れへと向かっていくという展開で終わっていた。その後ガメラがどうなったのか、ギャオスの群れがどうなったのか、ガメラは勝ったのか、負けたのか…、それらは映画の続編が作られなかったことから結局描写される事は無かった。

 だからタケルは気になった。当の本人ならば知っているはずだ。あの戦いで勝利したのか、敗北したのか…。あの絶望的な戦いの顛末を知りたかった。

 一方オリジナルガメラはタケルの唐突な質問にしばらく沈黙していたが、やがてゆっくりと返答する。

 

 『…いきなり何を聞くかと思えば…。そう言えば君は知らなかったか?…まあいい。戦いは勝った。満身創痍だった上に新種のギャオスまで出てきたがどうにか全滅させる事が出来た。…最もそのあと私は力尽きて死んでしまったがな』

 

 「…へえ、やっぱり、勝った、のか…。でも、死んだって…」

 

 『腕一本を失って、おまけに腹に穴が空いてたものでな。人間の援護があったとはいえ流石にあの数相手はかなり骨が折れた。万全だったならどうにかなったのだろうが、な』

 

 確かにあのときガメラはイリスとの戦いで酷い傷を負っていた。右腕は千切れ、腹の甲羅はイリスの手甲で貫かれて風穴があいている、そんな状態で数百数千、あるいは数万ものギャオスハイパーと戦闘して勝てるかと聞かれれば、誰であっても首を横に振らざるをえまい。ラストの描写から人類との共闘もあったと推測されるだろうがそれでも厳しいだろう。結果的に勝利したとはいえガメラ本人もその時の傷で力尽きたのはタケルにも納得できる。

 オリジナルガメラの返答を聞いたタケルはしばらくの間黙って空を眺めていたが、やがて地面から上体を起こすとおずおずといった様子でオリジナルガメラの方へと顔を向ける。

 

 「……その、よければ、だけどさ……、どういう戦いでどうやって勝ったか教えてくれない、か…?」

 

 歯切れの悪い言葉でオリジナルガメラにそう尋ねるタケル、あの映画の続きについて知りたいというほんの好奇心で聞いては見たが、よくよく考えればオリジナルガメラからすれば結果的に自分が死んだ時の話であり、どうやって死んだのかを聞かれていい気持はしないはずだ。オリジナルガメラの事だから怒る事は無くとも多少不機嫌にはなるだろう。タケルは質問をした瞬間に少し軽率だったか、と心の中で今更ながら後悔する。

 が、そんなタケルの内心に反してオリジナルガメラは特に怒った様子も無くいたって平静な態度でタケルを眺めている。

 

 『私とギャオスとの戦い、か…、フム、大して面白くも無いし、少々長くなるが……聞きたいか?タケル』

 

 叱責か、あるいは無視かのどちらかを予想していたタケルはオリジナルガメラからの問い掛けに意外そうな表情で驚いた。が、直ぐにコクコクと首を上下に動かして返事を返すと、オリジナルガメラはグルル…、と喉を鳴らすような唸り声を上げる。

 

 『…まあいい。まだ目覚めるまで少し時間はあるし、少しばかり語るとしようか…』

 

 そう呟くとオリジナルガメラはタケルを相手に、かつての己の最後の戦いの話を始めたのだった。

 

 

 

 武SIDE

 

 

 武は再び夢を見ていた。

 

 あの、オルタネイティヴ5、『バビロン作戦』の結果、崩壊しきった地球での夢を…。

 

 バビロン作戦、世界中のハイヴめがけてG弾を落とすオルタネイティヴ5の骨子たる軍事作戦。結果として地球の地上からBETAとハイヴは消滅した。少なくともBETAの脅威を一時的とはいえ退け、ユーラシア大陸を人類の手に取り戻すことに成功した…。

 

 だが、その代償は決して安いものではなかった。五次元効果爆弾ことG弾の影響による重力変差により発生した大津波により、大陸の大半は海へと飲み込まれ、残された大陸にも干上がった海から吹き荒れる塩の嵐が襲いかかり、死の大陸と化していく…。

 

 残された国はアメリカ、日本、カナダ、フランス…。地球上に残された大陸、居住地、食料をめぐって再度争いを始める人類達…。

 

 だが、そんな人類をあざ笑うかの如く、再び災いは襲いかかる…。

 

 G弾によって絶滅したと思われたBETA…。それが再び姿を現したのだ…。

 

 再び始まる人類とBETAの種の存亡を賭けた戦い。その戦いの中で、『武』は……。 

 

 

 

 「…で、結局夢の中の白銀はBETAとの戦いに敗れて死んでしまいました、めでたしめでたし、ってことでいいのね?今日見た夢の内容は」

 

 「…全然めでたくないっすよ副司令…。こっちからすれば朝っぱらから憂鬱な気分にさせられるし…、本当に碌な気分じゃない……」

 

 夕呼のからかい混じりの言葉に武は苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべ、そんな武の反応に夕呼は可笑しそうにニヤニヤと笑っている。

 その日の朝、再び純夏と共に夕呼にモニタールームへと呼び出された武は夕呼と二人きりになった折に今朝見た夢の内容を夕呼へと包み隠さず話した。オルタネイティヴ5の発動後、10万人の人類が逃げ延びたのち、G弾一斉投下の影響で崩壊した地球でのその後の話、思い出すだけでも鬱な気分になる記憶であったが覚えている限りの事を夕呼に打ち明けた。

 その後夕呼にからかわれ、不機嫌そうに顔を顰める武。夕呼はニヤニヤ笑いをやめずに不貞腐れる武を宥める。

 

 「まあまあ白銀、そう怒るんじゃないわよ。アンタにとっちゃあ本気かもしれないけれど他の人間からすれば眉唾ものなんだから。何せ夢なんだし」

 

 「まあ、そりゃあ、そうですけど……」

 

 確かに夢で観た事を他人に話したとしてもまともに信じてもらえるはずはない。精々嘲笑か憐憫の表情を見ることになるのが関の山だ。最もそんな話をまともに聞いている夕呼も夕呼で変り者なのだろうが…。

 

 「ま、いいわ。さてと、それでその夢が未来への予知夢ってアンタは不安なんだけれど……、これは私の予想だけれど、少なくともアンタの観た夢は“この世界の”未来の光景では無いと思うのよ」

 

 「…へ?あ、はあ、まあ副司令ならそう言うとは思ってましたけれど一体何故?」

 

 何故か夕呼が呟いた“この世界”という言葉が気になったものの、武本人は己の夢が未来の光景であるという事を否定されたことを特に驚く事は無かった。一応否定の理由を聞いてみると夕呼は武に向けて意味深な笑みを向ける。

 

 「ふ~ん?じゃあ白銀、逆に聞くけどアンタの夢の中にガメラって出てきた?あるいはガメラに関する情報その他は無かったかしら?」

 

 「……あ!そ、そういえば…」

 

 夕呼の問いかけを聞いた瞬間、武はハッと思いだす。確かに夕呼の言うとおり、武が観た夢にはガメラの姿どころかガメラの名前そのものすら出てきていなかった。しかもガメラ出現時に殲滅されたはずの佐渡島ハイヴ、鉄源ハイヴ等のハイヴが残っており、横浜ハイヴが殲滅されたのもガメラによるものではなく1999年に行われた明星作戦なるもので落とされたG弾によってとされていた。

 武の表情に夕呼は満足げな表情を浮かべている。

 

 「やっぱりね。アンタの話を聞いている限りガメラが夢に出てきたなんて話は一度も聞かなかった。もしアンタの観た夢が未来の光景だとしたなら仮にその時期ガメラが死んでいたとしてもその情報、痕跡が残っていなきゃあおかしい筈よ?今となってはガメラの存在は世界中に知られているんだから」

 

 夕呼の言うとおり、今やガメラの名は日本どころか世界中の人間の知るところとなっている。出現してから2週間も経たないうちに10のハイヴを殲滅し、東アジアを解放した巨大な怪獣…、ある人間は畏怖と恐怖を、またある人間は尊崇と敬意をかの怪獣へと抱き、善意であれ悪意であれ世界中の人々の注目はガメラへと集まっている。

 そんな怪獣が、たとえハイヴ攻略の途中で死んだとしても簡単に消え去るようなものであろうか、答えは否だ。仮にも単体でハイヴを殲滅できる戦力をもっているガメラの記憶、記録が高々2、3年でそう簡単に消え去るはずがない。

 ならば考えられる事は一つ、あの夢の世界にはそもそも…。

 

 「ガメラが、存在しない…?」

 

 「でしょうね。恐らくアンタの夢の世界ではガメラそのものが出現しておらず、G弾で吹き飛ばされた横浜ハイヴ以外はほぼそのまま…、いえ、あれから年月経ってるところをみるとさらに増加している可能性もあるわね…」

 

 「じゃ、じゃあ横浜ハイヴにとらわれていた俺と純夏は…?」

 

 「さあ?殺されたか実験台にでもなったんじゃないの?何か情報とかなかった?」

 

 「……そういえば、確か…」

 

 武の脳裏に浮かぶのは夢の中に出てきた斯衛軍所属の女性、月詠真那中尉から言われた言葉…。

 

 『死人が何故ここにいる』

 

 彼女の言葉曰くあの世界の己は向こうでは死んでいるとのことらしい。どこまで信憑性があるかは分からないが、もしも己が死んでいるとするならば、一緒にハイヴへと囚われていた純夏もまた…。

 

 「で、でもどうせ夢ですよね!?この世界じゃ俺達生きてるしハイヴだって10もつぶれていますからあの未来になるなんてことはほぼあり得ないし!」

 

 頼むからそうだと言ってくれと言わんばかりに顔を引き攣らせながら叫ぶ武、あんな希望など一欠けらも存在しない世界がこの世界の未来などと認めたくない、言外にそう言っているかのようでもあった。

 多分ねぇ、と夕呼は武の上ずった声を聞きながら気の無い返事を返す。

 

 「でもひょっとしたら近い未来にはなるかもしれないわよ?オルタネイティヴ5を推進している連中が無理矢理計画を進めようとしてくるかもしれない。ガメラが戦いの途中で力尽きでそれっきりハイヴが攻略されなくなるかもしれない……、ま、どんな事であれ絶対はあり得ないのよ。99.9%はあり得ても100%はあり得ない……ってところね」

 

 「そんな……」

 

 武の楽観的な言葉を打ち砕くかのような夕呼の言葉に武はぐうの音も出せない。確かに夕呼の言うことも分かる。もしかしたら再度BETAが日本へと侵攻してきて自分と純夏はまたBETAの手によって命の危機に晒されるかもしれない。その時ガメラが再び助けてくれるとも限らないし、その後世界がどうなるかなど見通せるはずがない。

 下手をしたらあの“夢”は“現実”と化すかもしれないのだ。あの死の世界を、滅びゆく故郷を思い出した瞬間、武の背筋に冷たいものが走る。

 表情を暗くしてうつむく武に夕呼はやれやれと肩を竦める。

 

 「そんなに落ち込むんじゃないわよ。まだそうなるとは確定したわけじゃないんだし何よりこの私がそんな未来にさせるわけ無いでしょ?…さて、それじゃあそろそろモニタールームに戻りましょうかね?アンタの彼女もそろそろ焼き餅焼いているだろうし」

 

 「……はあ」

 

 夕呼のやけに明るい声に武もおずおずと頷いた。確かにやけに焼き餅焼き、なのかどうかは知らないが純夏は自分が夕呼と長々と話をしているとやけに機嫌を悪くする。果たして夕呼の言う通り単に焼き餅を焼いているのか、それとも…。

 

 「……ま、考えても仕方ないか、な」

 

 そう呟いて武は夕呼の後を追ってモニタールームへと向かった。

 

 

 タケル、ガメラSIDE

 

 「……ん?そろそろか」

 

 『そのようだな、目覚めの時が来た』

 

 オリジナルガメラの話が終わるや否や、タケルとオリジナルガメラの居る荒野の景色が段々と薄らぎ始める。もはや何度も見慣れた現象、現実世界の肉体が目覚める時の兆候に間違いない。

 

 「…さて、次はマシュハドハイヴ、か。これは少々骨が折れるかもな」

 

 『今までよりも敵の数は多い。油断せずに行くぞ、タケル』

 

 「おう、たっぷり寝たから運動変わりにひと暴れと行こうか」

 

 タケルとオリジナルガメラがそう言葉を交わした瞬間、二人は周囲に広がる荒野もろとも白く塗りつぶされ、消え去った。

 そして同時に、深海で眠り続けていたガメラの双眸が開かれる。目覚めたガメラは頭部を持ち上げて頭上を、光すらも見えない暗黒の天井へと視線を向ける。

 ガメラは唸り声を上げるとそのまま体を浮上させる。目指すは地上、目的地はBETA大戦初期、カシュガルオリジナルハイヴの次に建設されたハイヴ、H2マシュハドハイヴ…。

 

 

 

 モニタールームSIDE

 

 

 「…監視ポイントのレーダーに反応あり!海底から段々と海上めがけて浮上してきます!恐らくはガメラかと…」

 

 「来たか…」

 

 オペレーターの報告にラダビノッド司令は表情を引き締める。その隣でモニターを眺める武と純夏も少なからず緊張の面持ちを浮かべている。余裕のある表情をしているのは夕呼のみである。

 余談ではあるが武が心配していた純夏からの叱責は今回は特になかった。ただ、純夏が武へと不満げな視線を向けてはいたが。流石に基地司令の居る前では自重したのだろうか、と武は密かに胸をなでおろしていた。

 

 「さて、と…。今回は恐らくはマシュハド、今回も二つ纏めて潰すとなると最寄りのH9アンバールハイヴもってことになるんだろうけど…、そう簡単にいくかどうか…」

 

 「え?結構楽勝に行くんじゃないんですか?前なんか難なくハイヴ潰してたじゃないですか?」

 

 「いや、確かにマシュハドハイヴの殲滅は可能だろう。確実とは言わんが。だが、ハイヴの規模がボパールと比べると桁違いでな…」

 

 武の投げかけた疑問に夕呼に代わってラダビノッド司令が答えると、視線を一面の大海原が映されたモニターから世界中のハイヴの分布図へと視線を向ける。既に殲滅されたボ

パールハイヴを示すH13の番号はそこには無く、ユーラシア大陸の西方部分にはH1からH12までの番号が振られている。そしてラダビノッド司令の視線が向いているのはイラン国内に点滅するH2の文字。

 

 「君達も知っているとは思うがこのH1、H2という番号はそれぞれハイヴが建設された順につけられている。日本流に訳すなら甲1、甲2といったところか…。地球上に初めて建設されたハイヴであるカシュガルハイヴをH1として、H2、H3といった順番でカウントされる。ちなみに此処横浜に建設されたハイヴはH22。22番目に建設されたハイヴということだ」

 

 ラダビノッド司令の説明に武と純夏は黙って頷く。司令はそのまま話を続ける。

 

 「現在ガメラが向かうと考えられているのはこのH2マシュハドハイヴ。名前からも分かる通り地球上で2番目に建設されたハイヴ。その規模はおよそフェイズ5だ。地球上で2番目に建設されたハイヴであるからその規模は横浜、否、ボパールと比べても桁外れに巨大だ。内包するBETAの物量も少なく見積もってボパールの倍はあるとみてもよかろう」

 

 「………」

 

 ラダビノッド司令の言葉に武と純夏も息を飲んだ。二人共ボパールハイヴでのガメラとBETAの戦闘を目撃している。ボパールどころかそこよりも規模の小さいマンダレーですらもBETAは圧倒的な物量を誇っていた。文字通り大地を覆い尽すほどの圧倒的、否、それすらも通り越して異常なまでの物量には武と純夏も圧倒されていた。今回はその倍以上…。二人共驚きのあまり唖然としている。

 

 「最もガメラがそう簡単に不覚を取るはずは無い。今までの戦歴からみて今回も殲滅できる可能性は十分あり得るだろう。が、なにぶん体力的にも限界はある。恐らくはマシュハドハイヴ一つを潰すのが限度か、というのが私の見解だ」

 

 「ま、敵は雑魚でも数が数だからねぇ。流石にガメラもしんどいでしょ、っていう見解なわけよ。とはいってももう残ってるハイヴはどれもこれもそんなものばっかりなんだけれどね」

 

 夕呼の言葉通り、現状地球上に残存しているハイヴはどれもフェイズ4越えのものばかり。如何に敵が単体では雑魚であったとしてもそれが何万何十万もの群れで押し寄せてくるのだから流石のガメラでもたまったものではないだろう。負けはしないだろうが流石に少なからず消耗することは避けられないだろうからこれからハイヴ殲滅のペースも落ちていくだろう、それがラダビノッド司令及び夕呼の予想であった。

 

 「…ガメラ深度100メートルの地点から浮上速度上昇!海面まで残り90、50、10……、ガメラ海面に出ます!!」

 

 「さあて、いよいよショーの時間ね♪」

 

 正面のモニター、そこに映された一面の大海原を割って出現する巨大な黒い影、ガメラの姿に夕呼は童女のような無邪気な笑顔を、ラダビノッド司令と武、純夏は一様に表情を引き締めて正面のメインモニターへと視線を集中させた。

 これから始まる戦いを、一瞬たりとも見逃さないとでもいうかのように…。

 

 

???SIDE

 

 

 同じ頃、アメリカ某所、一般に市販されている地図には載せられてはいないとある軍事施設。

 一見すると民間の施設にすら見えるその一室、学校の教室ほどの広さをもつその一室のモニターには、海上へと飛び出す一体の巨大な怪獣の姿が映されている。

 

 「…ガメラ、インド洋沖より再び出現、そのまま飛行を開始」

 

 オペレーターらしきアメリカ軍制服を纏った一人の青年が淡々とした声音で状況を口にする。この一室には彼以外にも十数名のオペレーターが端末に向かい作業をしている。そして、部屋の奥では一人の浅黒く日に焼けた肌の壮年の佐官らしき地位の軍人がジッとモニターを睨みつけて立っている。

 

 「…進路は」

 

 「距離的にはH2マシュハドハイヴと思われます。この速度でいけばあと20数分ほどで到着する模様と考えられます」

 

 「……そうか」

 

 オペレーターの報告にただそれだけ言ってその男は両腕を組んだまま黙りこくる。そんな彼の反応にオペレーターはどことなく不安げ無表情で一度彼へと振り返るが、やがて思い直した様子で端末へと向かい、それと同時に背後の彼へと声をかける。

 

 「あの……、大佐、どうしても、やらなければならないのでしょうか…」

 

 「……」

 

 オペレーターに大佐と呼ばれた男はオペレーターの声が聞こえたのか聞こえていないのかモニターから視線を外さぬまま沈黙を返す。そんな彼の反応に構わずオペレーターは続ける。

 

 「私には、私には理解できません…。あの怪獣は我が国に何ら不利益をもたらしたわけでも、被害を及ぼしたわけでもない。むしろBETAの脅威を取り除いてくれているというのに、それを何で…」

 

 「…上からの命令だ。俺達はただ黙って従えばいいだけだ」

 

 オペレーターの問い掛けに、大佐の言葉はあまりにも素っ気ない。まるでどうでもいいかのように切って捨てる。その口調には一切の感情も籠っていない。

 

 「…!!ですが大佐!!ガメラが解放した国には貴方の故郷も…!!」

 

 「……作戦は予定通り実行する。ガメラが目標地点に到達したときが、狙い目だ」

 

 「大佐…!!」

 

 激昂して叫ぶオペレーターの声を聞き流しながら、大佐は仰ぎ見るようにモニターを、そこに映されているガメラの姿を見やる。そして、その姿を眺めながらまるで独り言でも呟くようにポツリと一言、口を開く

 

 「軍人というのは、いつだって国の為に動くものだ。…それが、たとえ胸糞悪いものであっても、な」

 

 その表情は相変わらず無表情、だが、どことなく苦々しげな感情をほんの僅かに、声に滲ませていた。

 

 

 横浜基地SIDE

 

 

 ガメラ出現から約2時間が経過、ガメラはH2マシュハドハイヴへと到達し、ハイヴを守護するBETAの軍勢との戦闘を繰り広げていた。

 戦況は一進一退、以前どちらが優位とは言えない状況ではある。

 無論ガメラの火力、戦闘力は圧倒的だ。ハイヴから湧き出る何千、何万ものBETAをその巨体、火球を用いて一息に薙ぎ倒しており、その影響でハイヴの周囲は既に炎に覆われた焼け野原と化している。だが、ハイヴから湧き出るBETAはそんなことはもはや知った事ではないといわんばかりに次から次へと出現し、その物量にものを言わせてガメラを押し潰さんと迫ってくる。それをガメラは一掃する……、その繰り返し。

 

 「……飽きないわねぇBETAも。もう5回は同じ事やってるわよ?一体どれくらい死んだのかしらねえ」

 

 そう呟きながら夕呼は手に持ったサンドイッチを口に運ぶ。その隣では武と純夏もモニターの映像を眺めながら夕呼と同じくサンドイッチを食べている。三人の近くには折り畳み式の机が置かれ、その上にはサンドイッチが盛りつけられた皿が置かれている。これは今回の戦闘が長期戦になるであろうと判断したラダビノッド司令が朝食として用意したものである。

 一方ラダビノッド司令は紙コップに入ったコーヒーを啜りながら厳しい表情でモニターを見ている。歴戦の軍人である彼にとって、今目の前の状況は到底楽観視できるような状況ではない。

 

 「連中に飽きるという概念があるかどうかはわからんが…。とはいえこれはこれでいい状況とはいえんな…。万一この大群に時間稼ぎをされている隙に他のハイヴから増援が送られてくるような事があれば…。あるいはそれを意図してやっているのかもしれん」

 

 「で、でもガメラさん今までだって何十万のBETAをやっつけていたじゃないですか!!き、きっと今回だって…」

 

 「ああ、このハイヴのみの軍勢ならば可能性は充分あるだろう。だが、この近隣のハイヴ、例えば……カシュガルからの増援が押し寄せてきたら、多数のBETAとの戦闘で消耗したガメラに勝機があるかと言われれば……」

 

 既にガメラは二十万以上ものBETAを灰燼に帰している。横浜や佐渡島といったレベルのハイヴならば既に空になっているであろう数のBETAを屠っているのだ。にもかかわらずBETAの軍勢は衰える事を知らない。無論今のガメラはフェイズ3以上のハイヴを二つ陥落させるほどの体力と力をもつ。そう簡単にスタミナ切れはしないだろうがマシュハドハイヴ内のBETAを一掃する前に近隣のハイヴからBETAの増援が来ようものなら…。

 ラダビノッド司令の言わんとしている事を理解した武と純夏の表情が一瞬で蒼褪める。

 

 「そ、そんな………、な、何かガメラが勝つ方法とかは!?」

 

 武の切羽詰まった声、ガメラの、自分達の命を救った恩人がBETAに敗北するかもしれないという言葉に反応して食ってかかる武に、ラダビノッド司令は特に咎める事もせずにコーヒーを一口啜りながら、視線をモニターへと戻す。

 

 「手段はある。それは……本丸であるマシュハドハイヴ、その最深部に存在する“反応炉”を破壊することだ。あれはBETAが活動の為に必要なエネルギーを供給するリアクターの一種、あれを破壊されればマシュハドハイヴはその機能を失い“陥落する”。そうすればBETAはハイヴを捨てて他の近隣のハイヴへと逃げ延びざるを得まい。逆転の可能性は十分あり得る」

 

 通常BETAは、己の巣であるハイヴを中心として行動している。ハイヴの深奥に存在する反応炉はBETAのエネルギーであるG元素を生成、供給する機能を持ち、これが破壊されたならばそのハイヴの機能は事実上停止、すなわち『死ぬ』事となる。機能を停止したハイヴにBETAがいつまでも固執するはずがない。すぐさま別の場所にハイヴを建設するか、既に存在するハイヴへと逃げ延びるかの二択であろう。

 最も今の今まで人類がハイヴを殲滅したという話は全く無い為、殆ど推測でしかないのだが、BETAの修正を考えれば十分にあり得る話であろう。

 

 「…最もガメラは今のところ全ての戦闘で必ずBETAを一掃してからハイヴに攻め込んでいる。…果たして今回はどう出るか…」

 

 「今まではBETAを一掃してからハイヴを殲滅していましたからね。果たして今回はどうなる事か…」

 

 そんな事を言いながらも楽しげに口を釣り上げる夕呼。相も変わらず画面は爆発と地響きが響き渡り、無数のBETAが肉片、あるいは消し炭と化して宙へと舞い踊る地獄絵図…。その中で繰り広げられるBETAとガメラの戦いをモニタールームにいる面々はただ見守り続けた。

 

 

 ガメラSIDE

 

 一方その頃ガメラは、いつまで経っても全く減る気配の無いBETAの群れとの戦闘にいい加減うんざりし始めていた。

 

 『グルオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアア!!!』

 

 裂帛の咆哮と共に放たれる火球がBETAを纏めて吹き飛ばし、まるで波のように押し寄せる群れへと風穴をあける。が、直ぐに別の一団が隙間へと入り込んで穴を埋めてしまう。一体何度目撃したであろうその光景にガメラは心の中で悪態をついた。

 

 『クソッ!相変わらず数ばかりはアホみたいに多いな!!もうこれで何体目だ!?』

 

 『おおよそだが先程ので合計60万体以上はいったはずだ。先日陥落させたボパールハイヴの収容BETA数は既に越えているな』

 

 『…流石は地球第二のハイヴ、BETAの収容量も半端じゃないってことか…』

 

 ガメラ、シロガネタケルは脳内でオリジナルガメラと会話しながらも目の前に群がるBETAを次々と蹴散らしていく。

 もう既にフェイズ1、2どころか3、4のハイヴでも空になっても可笑しくない数のBETAを叩き潰しているはずなのに一向にBETAの数が減る様子が無い。やはりH2、地球上で2番目に建設されたハイヴであるからその規模もまた桁外れということだろうか、ガメラは苦々しげに唸り声を上げる。

 

 『……仕方がねえ…。こうなったら本丸を直接攻める!!反応炉を吹き飛ばして内部のBETAを一匹残らず引きずり出して叩くぞ!!』

 

 『…やむを得んか。このまま戦っても我らはじり貪、下手に時間を稼がれては連中がいかなる手段を講じてくるかわかったものではないからな』

 

 本来ならばBETAは可能な限り全滅させてしまいたい。万が一一体でも生き残らせてハイヴに帰還されでもしたらガメラの情報がオリジナルハイヴにまで伝わりかねない。無論その程度で負ける気はしないが万が一、ということもある。

 しかしこのままハイヴからあふれる雑魚共を相手にしていても正直言って埒が明かないのは事実。このまま無駄に体力を消耗するよりもハイヴの中枢である反応炉を吹き飛ばし、ハイヴ内部から追い出されたBETAを叩き潰していくのが得策であるとガメラは判断した。

 ガメラはジェットを噴射して空高く舞い上がるとハイヴモニュメントめがけてプラズマ火球を3発発射する。連続で放たれた火球は逸れる事無くモニュメントへと衝突、爆発とともに金属の建造物を粉微塵に吹き飛ばした。

 ガメラは咆哮を上げながら破壊されたモニュメントにぽっかりと開けられた穴目掛けて身を投じる。途中光線属種がレーザーで応戦してきたがそんなものでガメラの進撃を止められはしない。

 穴から主縦坑へと侵入したガメラはそのままジェットで最深部の大広間へと降下していく。が、流石にフェイズ5の規模を誇るハイヴ、ジェットを吹かしているというのに中々最深部までたどり着かない。だが、幾度もハイヴを撃滅したガメラには分かる。この先には間違いなく反応炉が、それが存在する大広間があると…。

 降下から約3分、ついにガメラの目は青白く点滅する物体を視認した。

 

 …間違いないッ!!

 

 ガメラは降下しながら口内でチャージされていたプラズマ火球、ハイ・プラズマを眼下の反応炉めがけて発射した。

 

 

 

 それと時を同じくして……。

 

 「ガメラ、ハイヴモニュメントを破壊!!ハイヴ反応炉へと攻撃を仕掛けます!!」

 

 アメリカ某所の基地の一室にてオペレーターの声が響き渡る。彼の視線は背後に立つ大佐へと向けられている。否、彼だけでは無い。室内にいるすべての人間の視線が彼へと向けられていた。まるで、彼の次の言葉を待つように…。

 壁に寄りかかり腕を組んでいた大佐は、オペレーターの報告を聞くや否や顔を上げて重々しく頷いた。

 

 「五次元効果爆弾、発射を許可する。急げ」

 

 「……!!ら、ラジャー!!」

 

 静かな、されど有無を言わせない大佐の言葉にその場にいた全員が一斉に大声を張り上げた。

 

 そして、1998年12月12日、衛星軌道上に存在していた米軍所属のHSSTより、二発の落下物が投下された。

 落下物は大気圏を抜け、ジェットによる推進力によって地表へ向けて高速で落下していく…。

 落下物の名は五次元効果爆弾、通称G弾。攻撃目標、それはH2マシュハドハイヴ、そしてガメラ。

 

 そして、ガメラの火球が放たれると同時に、二発のG弾がマシュハドハイヴに炸裂した―!!

 

 

 

 

 『グルオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアア!!!????』

 

 突然の衝撃、そして全身に走る激痛、まるで細胞一つ一つが引き裂かれるかのような耐え難い痛みがガメラへと襲いかかる。全く予想もできない事態とダメージにガメラはバランスを崩し、反応炉の爆発によって火の海と化した大広間へと転落していく。

 ガメラの落ちる先、それはつい先ほど破壊した反応炉、そしてそこから漏れ出す膨大なG元素。反応炉から漏れ出した以上もはやG元素はそのまま炎で焼かれて消えうせるしか無い、はずだった……。

 だが、ハイヴの真上から投下されたG弾、それによってばら撒かれた膨大なG元素が、未だ残留する“天然”のG元素と衝突し―!!

 

 『グオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』

 

 ガメラの絶叫が、怒りとも悲鳴ともつかぬ咆哮がハイヴ内部に残響する…!!

 

 

 

 

 1998年12月12日、マシュハドハイヴに二発のG弾が投下、マシュハドハイヴ、陥落。同時にハイヴ周囲に重大な重力偏重が発生。

 

 

 

 ガメラ、G弾投下と共に消息不明。G弾の影響で消滅した可能性、あり。

 




 次回でようやく一段落つきます。とりあえずできる限り早めの投稿を心がけますのでどうかお待ちいただけますように。

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