ゼロ魔 オリ主 TSの話[ネタ] と ネギま![習作] 作:仮登録
プロローグ
雷が鳴り響き、雨が窓を叩く。
屋敷はいつもの騒がしい声がなく、静まり返っている。
奴が来る前触れだ。
一人のメイドがその服を脱ぎ始める。
彼女は貴族であった。彼女のような若い貴族が、より高位の貴族の屋敷において行儀見習いの一環として奉公するという慣習である。
彼女は奴を誘い込むために、自らの意思で服を脱ぐ。
一緒に遊んだ友を、同じ時を過ごした家族であった奴を、罠にはめるために。
「た、たまらん!」
飛びかかってきた奴を床に叩きつけ、その背中に足を乗せる。
「何をしているんですか、お嬢様?」
「くっ、罠だったのか!」
お嬢様と呼ばれた少女は、顔をメイドに向け、
「く、黒だと!ケティ!いつのm」
mの発音を出そうとしたお嬢様に、ケティと呼ばれたメイドが杖を向けた。
相手の顔の目の前で、火の魔法を出す。
目が~!目が~!と、のた打ち回るお嬢様を前に、ケティはため息を付き、その腹を蹴っ飛ばした。
◇
「はっ、ここは!」
勢い良く起き上がった少女。そんな彼女に近くにいたメイドが微笑みながら近づいてきた。
「お嬢様、おはようございます。急に倒れましたから、驚きましたよ」
「うーん、そうなのか。お腹が痛いから、倒れた時に打ったのかな?」
メイドはニコニコと微笑んでいる。
少女は考えるのを止め、起き上がり着替え始める。
少女の着替えを手伝う者はいない。
そんな事をしたら、少女は「ずっと好きでした!」と言いながら、メイドの服を脱がしにかかるからだ。
「ケティ、……いつもありがとうね」
少女は壁のほうを向きながら、メイドに感謝を述べる。
「お嬢様?」
「私っていつも変なことやってるでしょう」
メイドはいつもと雰囲気が違う少女を、訝しげに見る。
「でもね、女性に襲いかかる以外は、将来の役に立つことをしているつもりなの」
少女は振り返り、うつむきながらメイドに話す。
「色々言われている、腐った死体の臭いがする薬品も、腐った豆も、臭い家畜の研究も、意味のない歯車も全部、役に立つと信じている」
「そんな私が住む屋敷に奉公に来て、そして逃げ出さないでくれて、ありがとう。私と一緒に遊んでくれる人がいなくて、ずっと寂しかった。イタズラをすれば、みんな見てくれたけど、最後まで付き合ってくれたのは、あなただけだった」
少女が涙を流す。メイドはそんな少女を優しく抱きしめる。
「お嬢様、辛かったのですね」
少女は心の中で思った。
計画通り、と。
◇
俺まじ、つれーわ。
こんな悲惨な過去あるけど、頑張っちゃう俺まじ、つれーわ。
メイドのケティに対しては、『実は今までこんな事してたけど、俺ってこんな不安を抱えていたんだぜ』が成功した。
あー、女の子ともっとイチャイチャしてー。
最後にケティの胸の感触を味わってから、随分と経ってしまった。魔法学園の寮のあてがわれた部屋で、様々な器具を設置しながら、考える。
ルイズの使い魔だ。彼と仲良くし、そのハーレムに加わる。
そして、ハーレムの女性とイチャイチャする。
思わず高笑いしてしまうほど、自分の考えに自信を持つ少女。
まだ見ぬ淑女たちを楽しみにしながら今後の事を考える彼女は、隣の部屋の学生に、気味が悪いと思われたことを知らない。
トリステイン魔法学院の学院長。オールド・オスマンのありがたい話を聞き流しながら、少女はある一点を観察する。
ルイズ!ルイズ!ルイズ!ル(ry
ルイズは先程、キュルケと言い争いをしていたみたいだ。
ルイズと仲良くなるのは、はっきり言って難しい。
少女が近づくと、ほとんどの貴族は逃げていくのだ。
まさか、これほど悪名が広まっているとは。
少女はそう後悔したが、女の体が好きだからしょうがないのだ、と納得する。少女は手鏡を見ながら、自分の体じゃなければ襲っている、と呟く姿をよく確認されるほどなのだ。
汚名返上はむずかしいだろう。
少女が女体を追い求めるのを止めることは無い。
よって、平賀才人と仲良くなる平民、シエスタと交友関係を結ぶべきだと考える。
まずは、目立ったことはせず、平民たちの歓心を買わなければ。
メアリーはそう思いながら、女生徒の体をニヤニヤしながら見る。
運良くルイズと同じ教室になり、自己紹介が始まる。
交友関係を広げようとする者なら、位の高い貴族の部屋に行き挨拶をするらしい。
少女としてはそういうことをする人は好きだが、自分では面倒くさいと思ってやらない人間だ。
少女の番が回ってきて、その場に立つ。
「メアリー・スー・ドゥ・ロシュフォールです。よろしくお願いします」
ヒソヒソと周りが噂をする。
どうやら、男性はあまり知らなかったようだ。
女性で知らなかったのは、ルイズのような魔法に力を入れている者くらいだ。
着席し、ルイズの方を見ると、ちょうど耳打ちをされているところだった。しかし、その声は教室の誰もが聞ける大きさだった。
「ルイズさん、あれは、汚物のメアリーですわ」