公安特異4課の勇者   作:葉っぱの酢漬け

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やっぱキラーマシン2系列の魔物が一番かっけぇし
チェンソーマンのキャラの中だとサムライソードが
一番かっこいい。
変身前モミアゲマン………?
アイツもアイツでなかなかいいキャラだから……


目覚めし公安の勇者

俺……倉瀬炉戸(くらせ ろと)がデビルハンターを志望させられたのは小3の秋頃だった。

同じ頃に父さんは死んだ。

父さんはデビルハンターだった。

毎日傷だらけになって帰ってきたのを覚えている。

悪魔に殺されたとだけ聞いた。

何の悪魔かは知らされなかったからわからない。

切り傷まみれの体が帰ってきた。

父さんの葬式が終わったあと、

優しかった母は人が変わった。

父さんの無念を晴らせ。

父さんの敵を取れ。

そんな言葉しか言わなくなったことを覚えている。

内向的だった俺はデビルハンターになるため、

徹底的に鍛えさせられた。

デビルハンター。

悪魔と契約し、悪魔を狩る仕事。

小3から鍛え上げられた俺は中学卒業と同時に

公安デビルハンターの試験を受けさせられ、合格。

今日が初出勤だ……

 

公安本部に入る。

内装は国がやってるだけあって中々豪華だ。

同期が集められやら心構えやらを説かれた。

配属する課で個別にブリーフィングがあるようだ。

俺が配属されるのは……特異4課。

特異4課の建物に移動し席に着く。

事前に渡された資料を読みながら待つ。

誰か入ってきた。

綺麗な赤髪の女の人……いや、違う。

アイツは"ヤバい"

叩き込まれた勘が全力で警鐘を鳴らしている。

体の震えが止まらないし冷や汗も止まらない。

気づけば俺が頭を真っ白にしている最中に

ブリーフィングは終わっていた。

俺は席を立ちその場から

逃げようとしたが引き留められた。

『キミには個別に話があります。ついてきてください。』

言葉の節々が重い。対応を間違えれば殺される。

「わ…わかりました…」

俺は何とか絞り出すように声を出した。

 

赤髪のヤツが喋る。

『キミはある悪魔にかなり気に入られているの。』

 

悪魔に気に入られている……?

ああそうか。デビルハンターだ。

確か履歴書出す時も悪魔に見られる可能性があるとか

書いてあった気がする。

俺はその悪魔と契約させられるのだろう。

俺は純粋な疑問を口に出した。

 

「その悪魔の名前は?」

 

しばらくの沈黙のあと赤髪は答えた。

 

『勇者の悪魔といいます。』

 

 

重い鉄の扉を開く。

この先に勇者の悪魔は居るらしい。

正直想像がつかない。

悪魔は悪魔を構成する要素が怖がられる程に力を増す。

銃のヤツが良い例だ。アイツは数分で何万人と殺した。

だが勇者だ、ゲームとかによく出てくる勇者。

全く怖がられている印象がないのだが……

 

真っ暗な部屋を進むと何かあった。

金色の鳥だろうか?そんな紋様があしらわれ、赤い宝玉が埋め込まれた青い盾。

盾と同じ様な紋様が刻まれた鎧。

そしてその中央で光を放ち地面に刺さっている剣。

それらに近づくと何か聞こえてきた。

 

『……き…える………か』

『きこえるか……………』

 

返事を返してみる。

「聞こえる。お前が勇者の悪魔か?」

 

返事が返ってくる。どうやら会話は通じるらしい。

 

『勇者の悪魔…あの魔王にそう言われたのか…』

 

魔王……?赤髪のことか。確かにあの威圧感は…

魔王としか呼べない。

俺にお構いなく勇者の悪魔は喋り続ける。

 

『俺は勇者の悪魔だ…もっとも……かなり衰えた…』

 

悪魔が衰える?そんなことがあるのか、気になったから聞いてみる。

 

「いったいどうしてお前は弱くなったんだ。」

 

勇者の悪魔は語り始めた。

 

『俺たち悪魔は人間どもの恐怖を力に変える…

 だがそれは人間どもの認識が

 悪魔の根幹であることを意味する…』

『昔は勇者がいた…革命を起こした勇敢な農民。

 未知の大地を開拓した軍人

 戦争で活躍した高貴な騎士。』

 

『だがそれはひっくり返せば違う。

 平穏な生活を破壊した下民

 故郷を侵略した悪魔

 仲間を殺し尽くした無慈悲な騎士。』

 

『俺はその恐怖を力にしていた…だが今は違う。

 人から夢は消え去り、いつしか勇者と呼ばれるものは

 この世に居なくなった。』

 

『ゲームの中の勇者を除いてな……。』

 

だからこんな意味のわからない見た目の悪魔だったのか…

事情は分かったし仕事をしなければならない。

 

「単刀直入に言う、俺と契約しろ。」

 

カタカタと鎧が震えている。

笑っているのか?

 

『ああ…お前があの人間か。』

『気に入っているからな…契約してやる。

 俺の力を貸そう』

 

いい答えを得られたが…油断してはならない。

悪魔の契約には必ず代償がある。

聞き出してはっきりさせないといけない。

 

「お前は…俺に何を望むんだ。」

 

盾に埋め込まれた宝玉が怪しく輝く。

 

『簡単なことだ。俺を着て、俺を使って戦え。』

 

「本当にそれだけか?それだけなのか?」

 

『当然それだけではない。』

 

身構えた。俺は何を要求されるのか。

 

『多くの悪魔を殺せ。』

 

元よりそれが仕事だ。

あまり代償になっていないように感じる

俺が疑っているのを察してか、

勇者の悪魔は言葉を続けた。

 

『俺は今勇者がこの世にいないことで衰えている……

 だからお前が悪魔を殺し人間を守り勇者となれ。

 そうすれば俺はいずれ力を取り戻せる……』

 

もっともらしい理由だ。

俺を騙そうとしている訳でもなさそうだし…

力が格安で使えるなら悪い話ではない。

 

「理由は分かった、俺は力を使えるなら何でもいい

 お前と契約してやるから力を貸せ。」

 

『……俺を着ろ。それをもって契約を成立させる。』

 

青い金属でできた鎧を身に纏う。

手に持った時には結構な重さを感じたが

着ると不自然に軽い。兜を被り盾を持つ。

そして地面に刺さっている剣に手をかけ引き抜く。

その瞬間俺の何かが悪魔とくっつく感覚がした。

契約したからだろうか?妙な感覚だ。

頭の中に声が響く。

『おめでとう…今日から貴様は勇者……

 人助けと悪魔狩りに励むが良い…』

 

やはりこの悪魔なかなかの当たりらしい。

 

チャキチャキと鎧が擦れる音を出しながら外に出る。

赤髪の上司も今ならあまり怖くない気がする。

扉を開けるとしっかりスタンバイしていた。

………やっぱり怖い。

 

『悪魔と無事に契約できたみたいだね。』

『いろいろ手続きがあるからついてきてね。』

 

上司に底知れなさとか不気味さを感じながら

その日は契約についての書類書きで1日が終わった。

 

 

1日中軽かったので鎧のままだったが家に帰る途中で

どうやら鎧は出し入れできることに気づいた。

床につき眠る。

今日は疲れた………

 

 

朝早く起きて制服を着て電車に乗る。

公安本部に出勤すると赤髪…同僚に聞くとマキマという名前らしい…が口を開く。

言ったことを要約するとベテランとタッグを組み、

パトロールをせよ…との事だ。

 

俺がタッグを組まされたのは眼帯の女。

姫野というらしい。

暫くはこの人と暫定タッグを組みその後正式なタッグを決めるらしい。

 

「やっほ~キミが新人クン?」

陽気に話しかけてくる。意外だった。

「はい!倉瀬です!よろしくお願いします!!」

こんなとこで働いてるんだから

もっと暗い人なのかと思った。

「おっ!元気いいねぇ〜、

んじゃパトロール行こうか!」

「ハイ!よろしくお願いします!」

結構可愛いな……

 

パトロールと言っても街をぶらぶら歩いて巡回するだけだと思っていたが…想定外のアクシデントが起きた。

 

『勇者よ……勇者の装いをしろ…』

 

勇者の悪魔が突然囁き始めた。

なんのこっちゃと思っていたら……

 

「まあ契約の代償なんでしょ?あんま気にしないで…」

「ハイ…アザッス……」

 

町中で突然鎧姿になってしまったし引っ込まなくなってしまった。

黄金の装飾と赤い宝玉がキラリと美しく輝いている。

今回の一件でコイツの契約の詳細がはっきりした。

勇者たれ…その言葉どおりだった。

清く、正しく、悪魔をぶっ殺し、仲間を守る。

そして…少なくとも仕事中は勇者の姿でいる事…

それが契約の対価だった。

細かく聞きただすとどうやら民家に押し入って

壺を割ってタンスを漁るのはセーフらしい。

訳が分からない。

 

鎧姿で炒飯を食べながら愚痴をこぼす

 

「俺…デビルハンター続ける限りこの鎧姿なんすかね…

 飛んだハズレ悪魔と契約しちまったっす…」

「え〜?私は十分当たりだと思うけどなぁ〜」

 

いやこいつが当たりなワケがない……

めっちゃ恥ずかしいし…

 

「悪魔の契約ってもっとヤバいの持ってかれるよ?」

「じゃあ姫野先輩は何持ってかれたんすか…」

 

「右目。」

 

「………えっ?」

 

「アタシはゴースト…幽霊の悪魔と契約してる。

右目を失った代わりに…」

 

ちょんちょんと何かに頬を突かれる感触した後

取っておいた餃子が姫野先輩の皿に飛んでいった。

 

「餃子もーらいっ。」

「あ…はぁ……?」

 

理解が追いつかない。

 

「こんなふうに不可視の腕を一本操れる。

 どう?便利でしょ!」

 

「アッハイ便利っすね…」

 

勇者の悪魔は当たりだ………

 

その後も(好奇の目線を浴びたまに職質されつつ)

パトロールをしていると無線が入った。

 

【XX地区にて悪魔出現】

 

「近いね。私たちで行こっか。」

姫野先輩の表情が真剣になる。

「ちょっと急ぐよ。」

人混みをかき分け走る。

幸いかどうかは微妙なところだが派手な鎧のおかげで

周りに人が寄ってこなくて走りやすかった。

 

住宅街の中の小さな公園に悪魔はいた。

見た目は車サイズの水餅みたいな感じだ。

 

少し離れた場所から2人で様子を伺った。

 

「ねぇ倉瀬くん」

 

「なんすかセンパイ?」

 

「危なくなったら引き上げるから頑張ってね。」

 

「は?」

 

その言葉を聞いた瞬間俺の体は何かにつままれ…

悪魔の前まで持ってこられた。

 

『ん〜?』

 

悪魔だ、デカい……だが不思議と怖くない。

むしろ勇気が湧いてくる。

 

『プルプル……僕悪い…あk「問答無用!」

 いっでぇ!!!』

 

右手に握りしめた剣で斬りかかる!

痛いということは効いているようだ。

 

『てめぇ!まだセリフの途中だろうがっボケェ!』

 

「うるせぇ!いい悪魔なんかいるわけないだろ!」

 

『ぶっ殺してやる!!!!!』

 

相手は飛び上がり押し潰そうとしてくる。

『潰れろぉ!!!』

 

『当たらねぇよ!』

避けて地面に押し付けられて広がった体を切った。

 

『くらえ必殺!』

 

悪魔が体を弓のように反らせ始めた。

 

『スライムストライク!』

 

反発力でこちらにかっ飛んでくる。

盾を斜に構え衝撃を逃す。

 

『バカが!防いだだと?』

 

狼狽えてる隙に切る。切る。切る。

そんな攻防を繰り返していると

やがて悪魔の肉体は減ってゆき

サイズも大型犬程度になった。

 

『ちくしょう!こいつつえぇ!』

『逃げるしかねぇ!!!』

 

結構なスピードで逃げ始めた。

走って追いかけるがなかなか追いつけない。

そんな中勇者の悪魔の言葉を思い出した。

 

『ゲームの中の勇者…』

 

俺が勇者ならもしかしたらアレができるかもしれない…

切っ先を逃げる悪魔に向ける。

そして唱えた。

 

「熱線呪文!」

 

その瞬間剣から"ギラギラ"とした熱線が迸り、

悪魔を焦がす。

 

『うぎゃあああ!?なんだ?何をした?』

 

狼狽えてる悪魔にもう一度、今度は別の呪文を唱える。

 

『火球呪文!』

 

今度は"メラメラ"とした火球が悪魔に命中し、その体を焼き尽くした。

 

「終わったか…?」

 

近くの物陰から姫野先輩が出てきた。

 

「契約悪魔の力を見ようと思ったんだけど…」

一瞬、燃えかすになった悪魔を見た。

「まさか倒しちゃうとは。大型新人だったってわけだ。」

「キミは初めて悪魔と戦ったわけだけど…

 戦ってる時どう思った?」

 

……全然怖くなくてむしろ勇気が湧いてきたと言ったら

強がり扱いされそうだが…嘘を付く理由もないだろう。

 

「全く怖くなかった……むしろなんかよくわかんないんすけど…勇気が湧いてきたというかなんというか…って感じっす。」

 

姫野先輩はそんな俺の発言に対しタバコを一本吹かせてから言った。

 

「多分それ、デビルハンター続けるために

 大事にしたほうがいいよ。」

「はい?」

「悪魔は人の恐怖心で強くなる。

 だから怖がらない人は悪魔の天敵ってワケ。」

「なるほど…」

確かに筋は通っている…

この道のプロなだけあって言葉に重みがある…

「貴重な言葉あr…」

いやまて。

「ん?どしたの?」

いい感じで終わろうとしたがデカいことを忘れていた。

 

「センパイ…流石に俺一人で悪魔に突っ込ませるのは

 聞いてないっすよ!!!????」

流石にこれは…追求しとかないといけない

 

「今回は平気でしたけど普通に死ぬだろ!?!!?」

「あぁ〜なんだそれかぁ、ゴメンゴメン。」

「ごめんで済むかよ!?」

「ん〜じゃあ埋め合わせしたげるから兜外して?」

ん?何言ってるんだこいつ?一応兜を外す

 

「外しましたけど埋め合わせってなんす「ちゅっ」!?!?」

頬に柔らかい何か…?いやこれって…まさか?

 

「特別にもっかいね~」

「いや…えっ?「ちゅっ」!?!!?」

2回目?2回目!ほっぺたに!2回も!

混乱と動揺でその場にへたり込む。

へたり込んだ俺を姫野先輩が見下ろしている

 

「へへっ!ウブだねぇ…」

「お詫びとご褒美は私のチューってことで良い?」

「アッハイダイジョウブッス……」

 

まぁ気持ちよかったし…ええかぁ…………

 

 

その日は悪魔を狩ったから本部に戻って報告書書いて帰った。

 

これが俺のデビルハンター初日だった。

それから2年が経った。

俺は自慢じゃないがかなりのペースで腕を上げた。

 

竜の悪魔、悪霊の悪魔、進化の悪魔、親殺しの悪魔

悪夢の悪魔、溶解の悪魔、肥満の悪魔、誤解の悪魔

鎌の悪魔、過去の悪魔……

どれも強大な悪魔だったが全て殺した。

それ以外にもたくさんの悪魔を殺した。

トラブルもいっぱいあった。

 

「じゃじゃーん!この人が私の正式なバディーでーす!」

「…早川だ。よろしく頼む。」

「そうだよな…男いるよな…しかもかっけぇ…。」

 

儚い恋心が散ったり。

 

「隣に越してきた倉瀬で〜す!手土産持ってき…え?」

「………は?」

 

給料いいからいいアパートに引っ越したら恋心の破壊者の隣だったり…

 

色々あった………

 

ここまでが俺の序曲だ。

 

そしてこれからは…………

 

ビルの屋上で悪魔の脳天に剣を突き刺し確実に殺す。

そしてその場に跪き死亡を確認する。

 

そして死骸から銃の肉片を取り出す。

 

 

 

 

俺は2年前に比べて成果を上げた。

多くの信頼を勝ち取った。

レベルも上がった。

特例として単独での活動を勧められたほどに。

多くの功績と目立つ見た目で単独行動している事から

俺は異名で呼ばれるようになった。

 

俺は今、こう呼ばれている。

 

「公安の勇者ロト」

 

 




かる~いキャラ解説
勇者の悪魔
勇者が現実にいなくなったことでクッッソ弱くなった悪魔。
その代わりに勇者のイメージがゲームの勇者になったことで
契約して力を借りる分には前より強くなった。
都合のいい悪魔。
見た目はロト装備一式

倉瀬炉戸
名前はドラクエ内に存在するある苗字+ロト
勇者の悪魔と契約したことでデビルハンターとしての勤務中は常にロト装備一式の見た目になった。
しかも顔はさまようロトの鎧仕様なので見えない。
中〜高を母の狂気でデビルハンターになる為の訓練で費やしたため若干心が壊れている。
イケメンではない。
デビルハンターとしては勇者が出来ることは結構出来る。
何なら勇者ができないこともまずまずできる。
カンが優れている。


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