なんて事のない日だ。朝と言うには陽が高すぎる時間に目が覚める。今日の仕事はない。なんなら定休日だ。昨日はいつもより夜遅く起きていたから二度寝しよう、と判断して寝返りを一つ。狭いソファの上で器用に反対へ体を向ける、慣れた動きだ。そうして再び微睡に入ろうと目を閉じようとした時だった。
「プロキシ!依頼があるの!」
バン!と乱暴にウチの事務所兼仕事場と商品棚の置かれた部屋を隔てる鉄製の扉が開かれ、ドタドタと騒がしく誰がが入ってきた。安眠の邪魔をされ、少々不満だ。
「……何の用なんだい、ニコ。今日はオフにするつもりだったんだが」
「ふふん、この話を聞けば、そんな事も言ってられないわよ!」
誠に遺憾ながら、強盗の如くまだ開いてもいない店に入ってきた人物をアキラはよく知っている。邪兎屋と呼ばれる、表立っては人材派遣会社として居るらしいが、実態は何でも屋、だろう。
「何でもいいけど……僕としてはツケの目処が経った報告の方が嬉しいな」
「安心なさい!これでがっぽり大儲けよ!」
どうしてだろう、とても安心できない。むしろ不安だ。こうして突然現れては儲け話と称して依頼を持ち込む彼女だが、大体の場合騙されたりなんやかんやで儲け0で終わる。その考えが表情に出ていたのだろう。狼狽えた様子でニコは続ける。
「……本当だって!今回は大物なの!」
「まぁ、とりあえず話は聞こうかな」
リンは出掛けているのかな、とりあえず後で話を伝えておこう。
「少し前、私の依頼でホロウに入ったわよね。金庫の確保で」
「ああ、それで、結局手に入ったのはうちに居候することになったfairyだけ」
「その時、同時に起きていた事を知ってる?」
「同時?ホロウ発生のニュースは聞いていたけど……何かあったのか」
「ヴィジョンによる市民を巻き込んでのホロウ爆破計画よ」
その言葉に、思い当たるものがあった。リンがとても憤慨していたのをよく覚えている。これまでプロキシとして一緒に行動していた『伝説の傭兵』ソリッド・スネークがその事件の実行犯である、と報道されたのだ。何か裏があるのでは、とは考えていたが……
「あぁ、あの事件か。起きていたのは知っていたけど、あの時同時に起きていたのかい?」
「ええ、私の勘が言ってるのよ。この二つには、何か関係してるってね」
「勘なのかい?もう少しまともな根拠があると思った」
横目でディズプレイに表示される大きな目玉のマークに「事件について調べておいて欲しい、fairy」と告げ話を聞く。
「でも今回はその勘は当たったわ。インターノットで目撃情報がいくつもあったのよ。私達がいたホロウ内に現れていた黒い兵士のね」
確かに、少し妙だとは感じていた。治安局でもないし、金目的の傭兵とも少し違う毛色の兵士たちが巡回していたのだ。
「ヴィジョンの件でも、同じ様な兵士がいたらしいわ」
「うーん、それが、どう儲け話になるんだい?」
「ここからは私の尾行で見つけたのよ、奴らの尻尾をね!」
話によると、別のホロウでたまたま見かけた黒い兵士を尾行したところ、何やら怪しい建物へと入っていたのを見たようだ。
『マスター、情報の精査をしたところ、類似する話が50件ありました。その建物の所有者は『アナハイム』』
「そう、そのアナハイムよ。以前から主に軍事産業で大きくなった会社らしいじゃない?でも、ヴィジョンの零落を受けて、買収したらしいのよ」
それだけ聞くなら、ただの企業同士のよくあるやり取りだ。しかし、その前後でアナハイム所属か、或いは関係と思われる兵士が事件現場にいた。これらが重なれば怪しいと思うのおかしな話ではない。
「これ、何か裏がありそうじゃない?」
「それで、その何かを掴んで情報として売り捌けば大金になる、と言う事かな?」
「正解!それに、金庫の時は奴らのせいで随分と手間を掛けさせられたわ。その仕返しをしてもバチは当たらないんじゃない?」
「……それが本命じゃないか」
しかし、スネークの無実を証明できるかもしれない。証拠を見つければ或いは……
「そうだね……前向きに検討しておくよ、また連絡する」
「いい返事、待ってるわよ!」
リンが帰って来たら、相談してみようかな。そう結論つけて、ようやく二度寝に入る事にしたアキラを前に、一部始終を見ていたfairyは、マスターに告げる事なく思案していた。
『……』
監視カメラなど、都市機能にアクセスし目撃された黒い兵士達の情報を追っていたが、カメラ情報など、映像が差し替えられた跡があった。それも、fairyが奥深くまで潜って調べなければわからないほど巧妙に。
当然、その件のアナハイム社のデータにもハッキングし情報を閲覧しようとしたが、独立ネットワーク管理によって外部からのアクセスは不可能となっていた。機密管理という点でおかしな話ではない。しかし、fairyはその病的なまでの徹底ぶりを、訝しんでいた。AIでは表現できないそれを、人に当てはめて言うなら──嫌な予感、だろうか。
253:電脳少女
えー、私からとても残念な報告があります。ひじょーに不味いやつです
254:zzzを救いたい転生者
もう聞きたくないんだけど?
255:zzzを救いたい転生者
君から聞く嫌な報告に良い思い出がない
256:zzzを救いたい転生者
もしかしてさっき社長が部屋を飛び出して狂ったみたいに踊り散らかしてたのと関係が?
257:電脳少女
えっ、なにそれ知りませんが
258:zzzを救いたい転生者
違うらしい、続けて
259:zzzを救いたい転生者
続けて良いのか!?主に社長の尊厳とかヤバそうだけど!?
260:zzzを救いたい転生者
続けて、どうぞ
261:zzzを救いたい転生者
社長ェ……
262:zzzを救いたい転生者
可哀想な社長……ひとえにテメェの自業自得だが
263:電脳少女
主人公チーム、どうも私たちを怪しんでるみたいでして……現在進行形でフィランソロピーの支部の一つに潜入しようとしてます
264:zzzを救いたい転生者
why?
265:zzzを救いたい転生者
何故にこげな事が!?
266:zzzを救いたい転生者
俺たち何も悪い事してねぇぞ!
267:正義の系譜
事実はどうであれ、側から見た時どう見えるか、だよね
268:zzzを救いたい転生者
ええ、何かしたっけ?
269:zzzを救いたい転生者
fairy目当てに集まって来た讃頌会の息が掛かった傭兵の排除
270:zzzを救いたい転生者
同時にヴィジョン雇われと讃頌会の手下達をボコボコにして
271:zzzを救いたい転生者
市民を被害なく外へ救出した
272:zzzを救いたい転生者
所属不明の兵士達
273:zzzを救いたい転生者
………めちゃくちゃ怪しいやん俺たち
274:zzzを救いたい転生者
表に名前が出たのは固形蛇だけど、俺たちも目撃情報はあっただろうしなぁ……
275:電脳少女
それは私の不手際なので申し訳ない。徹底して全ての目撃情報を潰すと却って不自然かと思って……
276:zzzを救いたい転生者
しかしなぁ、どうしたものか
277:zzzを救いたい転生者
今表立つ訳にはいかないんだよね、フィランソロピー。
278:zzzを救いたい転生者
讃頌会や、それに連なるTOPS関連企業に対して、俺たちのアドバンテージがあるからな
279:zzzを救いたい転生者
知られていない、っていうのはそれだけで武器なんだよね
280:zzzを救いたい転生者
讃頌会がそうであったように、俺たちもそれが理由で怪しまれてるのは皮肉だなぁ
281:zzzを救いたい転生者
主人公達だけでも、教えておくか?
282:zzzを救いたい転生者
いや、まだ時期じゃないだろう。彼らはまだサクリファイスすら知らないんだぞ?
283:zzzを救いたい転生者
……うーん
284:zzzを救いたい転生者
悩ましいな
285:zzzを救いたい転生者
あのさ、いっその事とことん怪しくしない?
286:zzzを救いたい転生者
と、言うと?
287:zzzを救いたい転生者
超怪しい!って言われるのであれば、存分に調べてもらって、彼らが納得するものを出せば探りの目からは逃れられると思うんだよ
288:zzzを救いたい転生者
だからあえて怪しくして、彼らが勝手に納得できるものを用意しておけば彼らなりの結論をつけてくれる、と。
289:zzzを救いたい転生者
それで終わり、ちゃんちゃん。て感じ?
290:zzzを救いたい転生者
だったら、今まで集めてた讃頌会のデータとかみせる?
291:zzzを救いたい転生者
全部は無理でも、それらしい情報を出して讃頌会に誘導するのは良い案かもしれない。
292:zzzを救いたい転生者
それで行くしかない、か?
293:zzzを救いたい転生者
実力で追い返せるメンバーが今出払ってるし……
294:zzzを救いたい転生者
準ネームドみたいな人ならいるけどね
295:zzzを救いたい転生者
無理があるでしょ
296:zzzを救いたい転生者
頭までフロムに侵された人間ならいるな
297:zzzを救いたい転生者
狂人の真似をすればジッサイ狂人
298:zzzを救いたい転生者
ツールドインフェルノもそうだし、そろそろ白祇重工のアレも始まる。俺たちに休みはいつ来るのか
299:zzzを救いたい転生者
世界でも救えた時じゃなきゃ無理そう
300:zzzを救いたい転生者
泣きそう
【ルール】
・自分の転生キャラになりきること(解釈違いを恐れるなかれ!)
・キャラ達の原作でやらない行動はできるだけ避けること
今回は紹介なし!居るには居るけど紹介はちゃんと登場してからです!