ここだけレグルスに姉がいて幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線 作:ねえ、おなまえは?
感想コメントいただけると思っていなかったので驚きと喜びに包まれています!
皆さまに幸あれ!
みなさん、おげんきですか?私は今、町の外れにある、3人で暮らすには少し小さな家で、ほぼ軟禁されています。
「あの、さ。そろそろ、離してくれるととっても嬉しいんだけれど……。魔法の探求をしにちょっとだけ、ちょっとだけ遠い国へ行くだけだから。飛んでいけばひゅーんって、地竜や竜車に乗ったりするよりずっとすぐだから。半年くらい……いやごめん、分かった、3ヶ月くらいでいいから。新しい魔法に飢えているんだよ。頼むよ、ね?お願い」
レグルスの膝上に乗せられて後ろから抱えられ、前から彼女に手をぎゅっと握られて逃げ場がない。
とりあえず、ダメもとで、上目遣いをしてみる。
「あのさぁ。前もそう言って結局言っていた期限より連絡もなしに2日も遅く帰ってきたよねぇ?連絡をする、期限を守る、なんて子供でも理解できる常識的な話だよ?それをあまつさえ、2日も!2日も過ぎたんだ。姉さんを待っている時の僕たちの気持ちを考えた事がある?ないよね?あったらそんな事を平気でできないよね?おそろしい。あれは、本当に非道徳的な権利の侵害だった。それを踏まえて、何?百歩譲って、近くの村や町に僕たちと一緒に1日や2日、行くならまだわかるよ?僕も、彼女もそこまでして姉さんの楽しみを奪うなんて悲しい思いはさせたくないからね。でもねぇ、3ヶ月!?今日は嘘をついてもいい日だったかなぁ?はぁ、さっきもいったけれど、姉さんは、姉さんが居ない間の僕たちの気持ちも配慮できなくなってしまったのかな?」
「そうです、お姉さま。お姉さまが帰ってこなかったあの2日、私たちは心配で食事も喉を通りませんでした。えぇ、えぇ。分かります。お姉さまが勤勉で、自己犠牲的で、あぁそこがまた素敵なんですけれど、献身的で、努力家で、真面目で、誰かのために非常に奉仕的な事は誰がみても明らかです。その為に魔法を収集していらっしゃるのもよく分かります。
ですが、3ヶ月は長すぎます。どうか、お願いします。考え直してください」
上目遣い作戦は効かなかった。
手を握られていなければ、投げキッス作戦も視野に入れていたのに。
随分長いこと話し合って、結果譲歩して(実際のところは譲歩してもらって、が正しい)毎日手紙を書いて魔法経由で送る、1ヶ月で帰ってくる、期限は必ず守る。
を条件にお許しが出た。やったぁ(白目)
今回は収穫が沢山ある旅だった。
その街は街全体が花に包まれていて、ちょうど欲しかった服がとても良い香りになる魔法のイメージも湧いたし、道中列を成した貴族の竜車の一行が魔獣に沢山囲まれていたのを一般攻撃魔法の"ゾルトラーク"で大量に倒した結果、お礼として綺麗な宝石の青色、赤色、黄色をした雫型の意匠のイヤリングをいただけた。
私は、貰えるものはしっかり貰う派だ。
きちんと期限を守って帰ってきたことで2人からの信頼もさらに獲得できて(魔獣に囲まれた話をうっかりしたら鬼のような顔で怒られた)一安心した。
「そうだ、貴族の竜車を助けたお礼に、揃いのイヤリングをもらったんだ。2人にもあげるよ」
赤のイヤリングを右耳に付けながら話す。
「姉が弟に何かを分け与えると言う事は、当たり前のことだし、でも普段なら完全に満たされた存在である僕が施しを受けるなんて、僕には合わないのだけれど、心の広い僕は受け取ってあげよう。なに?レグルスには青色が似合う?ふん、僕は色くらい自分で決められない子供だと思っているのかい?それって僕の考えを侵害していて下に見ていると思われても仕方ないんじゃあないかな?でもまぁ?そこまで言うなら、仕方ない。完璧で満たされた、心の広い僕は姉さんを尊重してあげて、青色を選ぶとしよう」
「レグルスとお姉さまとお揃いというだけで、私は天に昇る嬉しさです。黄色は、レグルスとお姉さまの目の色と一緒ですよね。そこまで考えてくださっているなんて本当に嬉しいです、感激です。黄色のイヤリング、大切にさせていただきますね」
穏やかな日々と言って良いのか、分からないけど3人で過ごすのも悪くないと思えるほど長く過ごして、絆されていた。
平穏と不穏っていい対比ですよね。