天色のアザミはかく語りき   作:水壁

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さてさて二話目でございます。

ちょこちょこ活動報告も書いていきたいと思うんで、作者ページも確認してくれると嬉しいですよ。


蒲公英色の

 俺は、アザミが何故周囲を威嚇するのか知りたくなった。

 

 端的に言えば一目惚れだったのだと思う。

 

 

 

──────

 

 

 

 その出会いは多くの人にとって、印象に残らないものだったのだろう。それほどに「写像部」の紹介はインパクトのあるものだった。失礼ながら俺も正直あまりエッセイ同好会の紹介の内容自体は覚えていない。

 

 ただ、その天色(あまいろ)のチーフと相手に魅力を伝えようと懸命な姿、そして終わった後のどこか悲しそうな、寂しそうなそういった雰囲気をよく覚えている。

 

 

 

──────

 

 

 

 あまり自慢することでもないが、俺は人当たりの良い性格をしていると思う。おかげで(なつめ) 瑠璃(るり)先輩、要はエッセイ同好会の会長の情報は比較的すぐに集まった。

 

 曰く、言葉の端から棘でも生えてるんじゃないかと思うほど辛辣

 

 曰く、言葉にはしてないんだけど見下されているのを雰囲気から感じる

 

 曰く、あいさつや感謝の言葉はしっかり答えてくれるが、するとしないとで露骨に態度が変わる

 

 どうにも気難しい人なのか……?でもあのそうだとしたらあの雰囲気はなんだったのだろうか……?

 

 

 

──────

 

 

 

 放課後、エッセイ同好会の部屋の情報を聞きそびれていたことに気づき、慌てて職員室へ。

 きちんと話を聞いていたつもりなのだが、思ったより道が複雑なこともあり、とても時間がかかってしまった。

 

 まだ先輩はここにいるだろうか。

 

コンコン

 

 リノリウムの床が続く廊下にノック音が響く。

 

 一拍おいて、入室を許可する声が中から聞こえた。

 

「失礼します。エッセイ同好会のお部屋であっていますでしょうか?」

 

 自分でも合っているのか自身のない敬語を用いて、確認を取る。ふと視線を挙げると、まさしくこれを「鳩が豆鉄砲を食ったよう」というのだろう表情をしている棘先輩がいた。

 

 

 

──────

 

 

 

 その後すぐに再起動した先輩に、椅子に座るように促され、軽い説明を受ける。その間先輩は紙にある程度情報を書いてくれていたようで、内容でわからないことがあれば聞いてほしいと伝えられる。

 手渡された紙に視線を落としている間に、先輩は奥の机に広げられていた原稿用紙をどこかに持って行ったかと思えば、文庫本サイズの本を数冊持ってきた。

 

 どうやら先輩の過去の作品らしい。こういう界隈には疎かったが、個人で発行することもできるのか、と感心していると、紹介できるのはそれくらいだからよければ読んでほしいと仰せつかる。

 ……作品タイトルを見た一瞬で何故、先ほどまでなかったクッキーの缶が現れているのだろうか。食べていいとのことなのでありがたく頂戴する。とてもおいしい。

 

 

 

──────

 

 

 

 過去の作品はどれも、強い思いを感じた。それぞれ扱っている題材は異なるものの、俺にはどれも()()()感じる。その感じ方が正しいのかはわからないけれど。

 

 そしてこの目の前の先輩について、先ほどからどうみても前評判とは異なった印象を受けるこの先輩について。

 

 これを読めば知ることが出来る気がした。

 

 

 

──────

 

 

 

 だから俺は今日も、これからも、この部屋に足を運ぶ。

 

 

 この天色のアザミを知るために。




アザミについての情報が一部解禁されました。

名前:棘 瑠璃(なつめ るり)
特徴:天色ののチーフを所持
周囲からの印象:なんか見下されてる……?


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なるべく定期的に続けていきたいもんですねえ……理想は半年くらいで完結まで持っていくこと。
お話に対する感想批評は随時受け付けておりますので是非よろしくお願いします。
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