元気かどうかは怪しいけど
これは……
重たい。その一言に尽きる。
文量はテストの長文問題と大差ない程度だというのに、読み取れる主張は、こちらの方がよほど強く感じる。
なんというか、この人は正直でありたかったのだろうと思った。そして、もうそうではいられなくなってしまったのだと。
そう強く感じた。
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一冊目を読み終え、前を向く。
……なんか缶の中のクッキーが最初に見た時よりかなり減っているような……気のせいか?
本格的に視線を前に戻すと、
仏頂面、というには不安そうな、見下すというにはあまりにもネガティブな印象を受ける顔だった。
「どうでしたか?ちょっと……例としては不適切なものだったかもしれないけれど。」
そんな言葉とともに、さっきまでの不安はどこへ行ったのか、凛とした表情に戻っていた。
「意図してエッセイを読むのは、初めてだったんですけど、人の意見、主張を読むのは新鮮で面白かったです。」
「そう。もしよければ喜綿くんの意見も聞かせてもらえますか?」
「? はい。個人的には……」
「この原稿用紙で。」
「……え、今書くんです?」
流石にあの濃度は書けないし、時間も足らない。
「ああ、別に全部埋めろって話じゃないんです。私が後から見返したい、というだけなので、一行でもいいんです。気軽に書いてください。」
「……ガンバリマス」
まあ。予行演習だと思って頑張ろう。
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こういったことを書くのは初めてなので、一つ方針を定めたい。
せっかく目の前に偉大な先人がいるのだからこれを真似しない手はないと考え、踏襲させていただく。
自分にとって「倫理」とは、異常を押さえ付ける機構だと考える。
倫理観、という言葉は、これを欠落させると多数派に迷惑をかける行為をとがめることを指している。
ではここで定義する「倫理」が指す異常とは何だろうか。
これは少数派を指していると言える。大衆にとって少数派とは異常者だ。
現代において少数派とは必ずしも悪しきものではなくなったが、「むら」という単位で生活してきた農耕民族にとっては少数派はすなわち悪であったろう。
この現代において少数派が悪でない以上、異常の再定義、或いは「むら」の在り方を今一度見直し、より柔軟に少数派を取り込める機構として組み直すべきだと考える。
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「……やっぱり少ないな……」
いくら高尚なことを考えたところで、普段から文字を書いている訳じゃない。
どうしたって粗が出るのは分かっていたがこう現実としてみるとキツイものがある。
「出来ました?」
「ええまあ……あまりいい出来とは言えないでしょうけど」
「一行でもいい、といったのはこちらです。熱心に書いてくれたのは見てわかります。大丈夫ですよ」
凛とした顔つきから微笑みが花開く。少々の気まずさを覚え、目をそらしながら原稿用紙を提出する。
……アレ?クッキーの缶コレだっけ?
「はい、確かに受け取りました。一応、こちらから体験として出せるのはこのくらいなのだけど……」
「いえ、十分にわかりました。本日はどうも、ありがとうございました。」
「そうですか。大したことも出来ずすみません。もしよかったら明日以降も一緒に活動できればと思います。」
「はい。それでは」
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ガラガラ
戸を閉める。
少しレールに問題があるのか大きめの音を立ててしまうが、慣れているのか戸の向こうから驚いた様子はない。
天色のアザミは、今日も美しかった。
約1年も放置しやがってこのボンクラ作者という感想は当然なのですが、せっかくなら小説の感想をください……
詫びと言っては何ですが、身内でしか出してない短編他で投げるんで勘弁してください……
それはそうと副業側のアプリ作成にて、作品内でのアイテムの管理、譲渡、売買などの管理を行うアプリ作成したので、もしご興味あれば下のブログ記事から確認してみてください。
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