アルヴヘイム・オンライン 極悪チート攻略 作:nasigorenn
ひしっと抱き合う二人をドアの隙間からのぞき込む影が二つ。
「いやぁ~、青春ですな~。私も離婚した妻との懐かしい青春を思い出しますよ。見てて初々しいですね~」
「・・・・・・・・・リア充は死ねばいいのに・・・・・」
「何か言いましたか、白瀬先生?」
「いえ、何でもありません」
和人達が抱き合って感動の再会をしている最中、白瀬達は外で二人の様子を見ていた。いい大人が感動の再会を邪魔するような、無粋なまねはしないほうがいいとの判断だ。
「あの二人の問題は解決しましたが、とうの犯人はどうするんですか?さすがに私は肉体労働は苦手なので捕まえることなんてできませんよ?」
白瀬はいつものようにぼんやりとした様子で言う。先ほどまでパソコンでキメ顔決めて、生き生きとしていたときからは想像できないぼんやりしていた。
確かに和人の問題は解決したが、それはゲームでの話であり、犯人の須郷は未だ健在なのだ。ゲームシステムの影響で死ぬほど痛みを感じているはずだが、仮想のものなので動けないわけではない。この問題を最終的に解決するには須郷の身柄を確保することが最重要なのだ。
「私の予想ですけど、たぶんその須郷さん。この病院に向かってきてると思いますよ。ゲームとはいえ、会って思ったんですけど、すごく粘着質な感じなんで桐ヶ谷くんへの恨みたっぷりかと。逆恨みして襲ってくるんじゃないですか?」
「ええ、私もそう思います。須郷主任は手段を選ばないような人ですからね~。でも大丈夫です、すでに手は打ってあります」
そう秋月は自信たっぷりに言った。
「そうですか。それじゃ私は帰らせてもらいます」
「ありがとうございました。またお世話になることもあるかもしれません。そのときはまたよろしくお願いします」
「考えときますよ」
そして白瀬は帰って行った。帰り際に「みさおちゃんが心配するからはやく帰らなくちゃ・・・」と言っていたが、それが秋月の耳に入ることはなかった。
雪が降っている中、病院の駐車場でたたずむ影が一つ。
「ふ、ふ、ふ、キリトくん、待っていたまえ。今すぐ地獄に送ってあげるよ」
影の正体は須郷だった。須郷の顔は今にも死にそうなほど青ざめていたが、目は狂気でそまっている。須郷は強制ログアウトされたあと、痛みでもがき苦しみながらも立ち上がり、自身の計画を根底から叩き折ったキリトに復習しようと、ふらつく体を無理矢理動かして、ナイフ片手に病院まできたのだ。須郷の予想ではキリトはアスナと一緒にいるはずだ。そこで待っていればいずれは出てくるはずだと睨み、待機していた。
しかしその考えは秋月に見破られていた。
「すみませんが、ちょっとよろしいですか?」
そう声をかけられ、振り返る須郷。手に持っているナイフを隠す余力はなかった。
振り返った先には警察官が立っていた。
「そのナイフをどうするつもりですか?署から連絡で、ナイフを持った尋常ならざる状態の男が病院前にいる、と通報をうけたのですが。どうやらあなたのようですね・・・・須郷先輩!」
「何、誰だ貴様っ!!」
自分の名前を言い当てられ、驚く須郷。街灯の明かりを受けて、その警察官はその姿をあらわにしていく。
「貴様はっ!?」
「本官は、上条 穣司巡査です。あなたの高校時代の後輩ですよ。まさかあんなに良かった先輩がこんなことになっているとは・・・・・・残念で仕方ありません。署まで動向いただけますか」
「ふざけるなぁああああああああっ!私は、私は!!ここであのクソガキを殺すんだぁあああああ」
叫びながらナイフを振り回す須郷。
「仕方ないですね。では強制的に署に連行させてもらいます!」
空手の構えをとり、須郷を迎え撃つ警察官。しかし普通は柔道による取り押さえが普通なのだが・・・・
「せりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ」
その構えから繰り出される高速の正拳突き。須郷は声を上げるまでもなく、滅多打ちにされ気絶した。気絶を確認次第、警察官は無線で連絡を入れる。
「病院の前でナイフを持っている危険人物を確保しました。至急パトカーを回してもらいたいのですが。はい、おねがいします」
5分後にはパトカーが到着。須郷はパトカーに引き渡され、警察署に送られていき、警察官は近くに止めた自転車で派出所へ帰っていった。
このあとは原作通りに進んでいった。
しかしこの後もBPSが関わったかは、誰もしらない。
やっと終わりました。今まで見てきてくれた皆様方、本当にありがとうございました。こんな下手な作品に付き合ってくれた方々には感謝の念が絶えません。これからもがんばっていこうと思いますので、よろしければ応援していただければ幸いです。では