A memory for 42days   作:ラコ
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アーチャー!
おまえ嫌な奴だな!
カッコイイけども!!




気流に星が輝きを増して

前日の午後から降り出した雪は、今日の未明に降り止んだらしいが、それにしても今冬は雪が多い。
どうもエルニーニョ現象だの暖冬だの、私が想像している暖かい地球になるのはもう少しだけ先のようだ。


「先輩。今日は定休日ですよね?どこか出掛けます?」

「……んー。今日は寒いから辞めとくわ」

「いつも寒いじゃないですか。たまには遠出しましょうよー」


先輩の腕を引っ張りながら駄々を捏ねる。
実は私の中には既にお出掛けのプランがあるのだ。

昨夜読んだ十文字先生の小説で……


『イルミネーションなんて素敵じゃない?私、冬なんてどこにも行けずにつまらない季節だと思ってたけど、イルミネーションを見て考えが変わったわ』

『冬にも良い所はいっぱいあるよ。例えば星が1番きらきらと輝く季節なんだ。空気の流れに星がまたたく、僕は星座に詳しくないけど、星空を眺めるときだけは天文学者になった気分になる』

『なによ、イルミネーションは人工的だって言うの?だったら今から見に行きましょう。イルミネーションには星にも負けない輝きがあるんだから』



星空なんて眺めるようなセンチメンタルな性格じゃないけど、イルミネーションを見て素敵だと思う感情は持っている。
きらきらな装飾が点灯し、辺りの暗さに対抗するように光る幻想。
大切な人と見たらどれだけ綺麗なんだろう。


「ここなんて面白そうじゃありません?」

「うん、そうだな。行っておいで」

「ぐぬぬ。……この前叩かれた頬が痛いなぁ」

「……、おまえ」

「女の子の顔を殴るなんて……。あの日から痛みが引かないなぁ」


私は頬を触りながら先輩を睨みつけた。
少し卑怯だなと思いながら、私は訴えを辞めない。


「傷物にされちゃったなぁ」

「……、分かったよ。着いて行けばいいんだな?それでその話はチャラだ」


へへ、やりぃ!
渋々ながら了承してくれた先輩は部屋から厚手のコートを取ってくる。
本当に面倒見の良い人だと思う反面、自分を面倒な女だとも実感した。


「着いて来るだけじゃだめです!エスコートしてくれないと。じゃぁ行きましょうか!」


私は先輩のマフラーを首に巻き歩き出す。
首元が寒そうな先輩は恨めしそうに「それ俺のマフラーなのに」と呟いた。


「冬って星が1番きらきらと輝く季節なんですって。知ってました?」

「気流の乱れが少なくて、空気も乾燥してるからな。 だからって夏が星空を見にくいってわけじゃないが」

「ほー、相変わらず物知りですねー」

「普通だ。……まぁ、イルミネーションも嫌いじゃないがな」

「ツンデレめ。……って、今から行く所がイルミネーションで有名な場所って知ってたんですか?」

「……まぁな」


まだ日が高い時間にイルミネーションも星空もあったもじゃない。
私と先輩はウィンドウショッピングをしたりゲームセンターに寄ったりと時間を潰す。
プリクラコーナーで足を止めてみたものの、先輩はプリクラだけは絶対に撮らないとその場を離れていってしまった。
どうも、プリクラによる補正が自分のアイデンティティを壊すとか……。
…それって目のことかしら。


「おぅ。さ、寒い。もうちょっとゲーセン居るか」

「ちょっと!目的忘れてませんか!?」

「目的だと?いつからイルミネーションを見ることが目的だと錯覚していた?」

「はいはい。私のマフラー貸してあげますから行きますよ」

「おう、悪いな……、って、これ俺のだからね」


先輩は私からマフラーを受け取って首に巻き付ける。
口元までマフラーに埋めた先輩は暖かそうに目を細めた。


「ぬくい。……それにおまえの匂いもする」

「…わ、私の匂いって!」

「同じシャンプー使ってるのに不思議だな。…そろそろイルミネーション見に行こうぜ。ここで長居してたら死んじまうよ」


先輩が私の手を握ってくれる。
思わず身体が熱くなり、寒さで赤まっていた顔に体温が宿った。
先輩は少し照れくさそうに目を逸らし、それでも手は離さない。


「エスコートするんだろ。これでチャラだからな」


「……、はい。ありがとうございます」


17/42days






fateの1話を見てないから少し不明な所が多い。
聖杯戦争で勝ったら願いが叶うの?








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