汚いガキに餌付けしてたら懐かれたんだが 作:ピンク髪大好きニキ
この作品書いてる時は基本お兄さんのエミュしながら書いてるんですけど、死ぬ理由はないけど生きてる理由もないのがデフォなんで時間かければかける程メンタルに響くんですよ
しかも今後の展開も加味してエミュしてるんで「俺こんな暗くて陰鬱な物語の為に書いてるわけじゃ」って気持ちになってきて辛い、何でだ、俺もっとほんわかしててみんなと日常系みたいな物語書いてるはずなのに何でこんな暗いエミュしてるんだって本末転倒
すんません、修正前の前書きは徹夜でエミュしながらエナドリで無理矢理起きながら書いてたんで心の声駄々洩れでした、不快に思ったんなら読まないで良いと思う
ぶっちゃけ更新には時間欲しい、一回書き切ると暫く書かなくていいかな……くらいにはカロリーある
「お兄さん、この野菜は?」
「あー、それは……まだ収穫には早いな。 こっちの方は丁度いい頃合いだ」
「分かりました! 収穫しておきますね!」
「あぁ、頼んだ」
「お兄さんお兄さん、この野菜はどうですか?」
「そっちは……そうだな、その隣の方も一緒に収穫していいぞ」
「了解です!」
アツコ達が毎日のように俺の家に入り浸るようになってから3か月が経過しようとしている今日この頃。 俺の姿は庭の家庭菜園にあった。 そこにはアツコ達四人……だけではなく、知らない女子たちが複数人で野菜の収穫を行っていた。
何てことはない、アツコ達の様子を見ていた他の生徒が興味を持ったことにより裏口を介してここに来るようになっただけだ。 アツコ達にとっての姉みたいな存在やら仲間のようなグループ、そしてその更に仲間……といった形で、既に10人以上の生徒がこの場所に来ている。 まだ全員が来てるというわけではないが、この調子なら時間の問題だろう。
「お兄さん、今日は何を作るの?」
「そうだな……人数もいるし、炒飯にでもするか。 パパっと量が作れるし」
「やった、私お兄さんの作る炒飯大好きだよ」
「中華飯店の炒飯を食べたらもっと好きになると思うぞ」
「……つーん」
「どんな反応を返したら正解なんだよ……」
またもや不機嫌になったアツコを見て、俺は溜息を吐いてしまう。 子供心、いや女心は本当によく分からない。 俺は何か間違った事を言ってしまったんだろうか? 誰か本当に教えてほしい。
だからそこでジト目になっているサオリにミサキ、そしてまだ名前も把握できてない生徒諸君。 頼むから女心の見極め方を教えてくれ。 教え子の時も似たような展開があったけど、結局誰も教えてくれなかったんだぞ。
~~~~~
アツコの気持ちは結局理解することができなかったが、約束通り炒飯を作って外に設置した大型のテーブルへと並べていく。 収穫したてのキュウリやらトマトやらも並べて、気分はピクニックのような感じだ。 ピクニックに皿に盛った炒飯というのはやや違和感があるとは思うが。
既に我慢できないといった様子でソワソワしている生徒達を傍目に見つつ、俺は全員の前に食べ物が揃ったことを確認して自分の席へと座った。 お誕生日席に座らされるのは落ち着かないが、この場所ならみんなの顔が確認できるのでまあ、いいか。
「飲み物も食器もあるな? なら挨拶してちゃちゃっと食べろ」
「いただきまーす! ……美味しい!」
「これ見て! 私が収穫したトマト!」
「キュウリも美味しい! サラミと合わせたらもっと美味しい!」
皆思い思いに炒飯をかき込んだりトマトを食べたりしている。 欠食とまではいかないが、その勢いには若干引くものがあるが……美味しそうに食べてくれているのは作った側としては嬉しいものである。
口の端にご飯粒を付けている者、トマトの汁で口元がべたべたな者……これも全て、この場を用意したからこそ見れた景色だ。 もしこの場を設けていなかったら、果たして彼女達はどんな生活をしていたのだろうか?
それにしても、美味しそうに食べてくれているな。 思えば炒飯は親父が一番得意としていた料理だった、よく母親がいないときは昼に炒飯を作って向かい合って食べていた。 ……勢いよくかき込む俺を、怒っているわけじゃないが険しい感じの表情で親父は見ていたが、あれは一体どんな感情で見ていたんだろうか。
「……ねえ、お兄さん」
「? どうした?」
「何かあったの? 怖い顔して皆を見てるけど……いやな事でもあったの?」
「────────、あぁ……」
アツコの何気ない一言で、直前まで考えていたことの疑問が晴れた。
あぁ、そうか。 あれは怒っているんじゃなくて……美味しそうに食べる俺を見て、嬉しく思っていたのか。 元から顔が怖い親父は、何かあった時でもあまり表情に変わりがない。 だからこそ気付かなかったが……
俺が思っている以上に、俺は親父に愛されていたんだろうなと、いなくなってから本当の意味で気付くことになるなんてな。
「お、お兄さん。 何処か痛いの? 泣いてるよ?」
「……いや、玉葱が沁みたかな。 そうに違いない」
滲むそれを、袖で強引に拭う。 親から貰ったものを、子供に託すその姿は……見る人が見ればどう思うだろうか。
空っぽだと思っていた俺にも、ちゃんと受け継いだ物があった。 メモだらけで古ぼけたあの炒飯のレシピ表は、無くさないようにちゃんと保管しておかないといけないな。
────────────────
戒野ミサキという少女との距離が今より少しだけ近くなった出来事は、一体何だっただろうか? そう言われると思い浮かぶエピソードは、恐らくこれだろうか。
その日は何時ものようにアツコ達4人と……他のアリウス生が複数人、自分の家のように寛ぎながらリビングでテレビを見ていた時だった。 今更ながら、彼女達は中々に特徴的な髪の色をしている生徒ばかりだ。 青やらピンクやら、人の多い場所に行けば見ることはあるだろうが、ここ日本では目立つ髪色だ。 特にあの生徒は凄いな、まるで主人公と命を共有する展開が待ってる少女みたいな青髪のロングだ。
「立て……立って……!」
「まだ親友も、仲間もいる! まだ歌える……」
「頑張れる……!」
「「「戦えるッ!!!」」」
彼女達が見ているのはとあるアニメ。 触れれば炭化する化け物が普通に出てくる世界で、救われた命を人助けの為に費やす前向きな自殺願望者。 敵とも手を繋ぎ合おうと、話し合おうとすることを諦めない真っ直ぐな少女が頑張る、熱血系変身ヒロインもの……と、言えばいいだろうか?
個人的には4期が好きだ。 繋げたはずの手は繋げなかったが、最終決戦の熱い展開度では個人的トップだと思ってる。 仲間の能力を適宜使い、何なら最後は敵だった者の能力まで用いてラスボスをボコボコにするその様は胸がスカッとしたものだ。 まあその後のパートで特大の爆弾を投下されたせいで情緒がぐちゃぐちゃになったのだが。
「やった! 倒した!」
「でも……この人の気持ちも、分からなくないかも」
「そうかなぁ? 沢山の人に迷惑をかけてまで遂げたいものだったの?」
「それを言うなら次のだって世界中の人を怖がらせたし、その次のなんて自分中心の願いだったよ?」
ああでもないこうでもないと、彼女達は思い思いの意見を述べていく。 確かに彼女達の言う事も一理ある。 2期は月の落下が起こる為、人類を選定して限られた者だけが生き残れるという流れになっていったし、3期に至っては父からの命題を歪んだ覚え方をして世界を解体しようとした。 まあ4期は敵なりに世界を救おうとしていたようだったし、5期は神まで出てきてスケールが一気にでかくなっていたけども。
人の数だけ正義がある、その正義を良しとするか違うと否定するか。 意地と意地のぶつかり合いと言うべきか悩むが、大筋は間違っていないだろう。
「……」
「ミサキ? 何だか浮かない顔をしてるけど」
「……別に、何でもない」
「何でもないように見えないから言ってるんだが」
「……お兄、さん」
俺を見上げてくるミサキの顔は普段と違って、何処か悩むような……言い方を変えれば、道に迷った子供のような顔と言うべきだろうか? そんな顔をしていた。
アニメを見て思う事でもあったのだろうかと思い何も言わずにミサキが続きを話すのを待っていると、3分ほど悩んでいたミサキが口を開いた。
「さっきのアニメ、意見のぶつかり合いだったり考え方の違いとかあったけど」
「ああ」
「私達アリウスにも、明るい道ってあるのかな」
ミサキのその一言に、先程まで賑やかだったリビングがしんと静まり返った。 ミサキの一言はそれだけインパクトがあったともいえるが。
以前少しだけ聞いた話だが、アリウスはトリニティと呼ばれる大きな学校の分派の一つ? だったんだとか。 それが昔にあった会議だか何だかで意見の相違があって、アリウスが反対し続けた結果潰され、形式上はアリウス分校というものは存在しないことになっていて、その残りである彼女達が他の生徒に見つからない自治区にひっそりと暮らしている……朧気だが、確かそんな認識で覚えている。
彼女達にとっては、いやミサキにとっては今回見たアニメにそんな側面での捉え方を生じさせる物だったようだ。 何処か不安そうな、それでいて縋りたいような……そんな目で、俺の事を見つめてくる。 何と答えれば良いのだろうか? そう思う前に俺の口は自然と開いていた。
「先に聞いておきたいんだが」
「? ……なに」
「たとえ話だ。 俺がミサキの親だったとして」
「!!? 急に何言ってるの?」
「だからたとえ話だって。 俺が人を殺したとしよう」
「……」
「俺は人を殺したんだから当然罪に問われる。 じゃあミサキは? 殺人犯の娘だからって罪に問われるのか?」
「何で? 私何もやってないでしょ」
「だろう? つまりはそういう事だ」
「……」
そう、罪を犯したのは彼女達の前身であるアリウス分校の生徒であり、彼女たち自身は何もやっていない。 要は罪に問われるようなことはないし彼女達が肩身の狭い思いをしてまで生活しなければならない謂われはないのだ。 ……が、ここからがこの問題の面倒なところである。
「が、今回のミサキ達の話の場合そんなに簡単な話じゃなくなってくる」
「どうして、って聞けばいいの?」
「まあ、そうだな。 キヴォトスには大人がいないんだったか」
「そう、大人はいない」
「そこが面倒なところだ。 本来なら大人が仲裁して、問題事を解決するのが筋だ。 だが大人がいないから仲裁する役割がいない、いやいるにしても同じ子供」
「……」
「大人は分別がつく、心の整理もできる。 だが子供はそうはいかない、直ぐに感情を露にするし、嫌なことは嫌だと言って拒否する。 そして……これは大人でもあるっちゃあるが、子供っていうのはいじめや仲間外れをよくするんだ」
「それがどうしたって言うの?」
「子供のいじめやら仲間外れっていうのはな、中々に根深いし長い。 アリウスの件が正にそれだ。 『昔こんな事をして迷惑かけてるからその後の生徒だってそうに違いない』って先入観で物事を考えて、ハナから和解の考えなんてないだろう」
「……」
「何もしていない、でも昔の事があるから素直に納得できない。 この問題の一番大きい所はそこだろうな」
子供のいじめ問題は絶対になくならない問題である。 多感な時期の彼女達が、自制心をもって理性的な話をする……組織のトップであればそれ相応の物があるとは思うが、下々の生徒までその思想ができているかと言われれば、俺は絶対にないと答える。
人は数が増えれば増えるほど派閥が出来て様々な考えを持つようになる。 ましてや話だけ聞いてるとトリニティという学園は相応に生徒の数がいるように思える。 昔の、自分達じゃない時の話なんだからと言ったところで、果たしてトリニティの生徒が納得するだろうか?
「折り合い、だろうなぁ」
「折り合い?」
「ああ、何処かで妥協点を見つけなければずっとそのままの認識で行くことになる。 昔はこうだったけど、今は違うってきちんと理解してもらえれば少なくとも今のアリウス生が貧しい思いをすることは無くなると思う」
「できると思う?」
「難しいだろうな。 ……でも、絶対に無理なんてことはない」
この世に絶対なんて言葉は無い。 できる可能性もできない可能性もある、大いにある。 ……だけど
「思い付きを数字で語れるものじゃ、ないだろ?」
「あ……」
「できないなら、できるまでぶつかる。 手を差し伸べ続ける……生きてて、話ができるんだ。 いがみ合うことなんて、無いはずなんだけどな」
「……そっか」
そう言って、ミサキは俯く。 俺が全部丸く解決できれば一番なんだろうけど、残念ながら俺ができる事なんてたかが知れてる。 結局は彼女たち自身の手で行わなければならないものなのだ。
でも俺は信じたい。 彼女達が、こうやって笑い合って心を知れる彼女達ならば、捻じれてしまった物を元に戻せる……彼女達が笑ってキヴォトスで暮らせる、そんな未来を創ることができると。
────────────────
錠前サオリという少女は、何と言うか我慢強いと言うか……あまり我を出さない少女だ。 何かあるごとにアツコを優先したり、ヒヨリにお菓子をあげたりと自分より他人を優先する、性根が優しい少女だと言えるだろう。
それはいい、彼女のいい所ともいえる。 だがそれだけで良いとは俺は思えない。 アツコ達だけじゃなく、サオリもまた笑っていられないといけないのだ。 そしてそれができるのは、今のところ俺だけなのだろう。
「ね、サオリちゃん。 今度はこれを見よう?」
「う、む……分かった、姉さん」
「やった! お兄さんこれ見たい!」
「あぁ、なら飲み物でも持ってきて待ってろ」
まるで本当の姉妹のように仲睦まじい姿を見せるサオリと、そしてそんなサオリが姉と呼んで慕う少女。 名前は■■、無論血縁などではなく彼女達より年上というだけの生徒だ。
自治区の中でも上の立場、とは言うもののその中身は年下の面倒を見たり食料を探して恵んだりといった役割を担う少女たちのまとめ役の一人のような立場だ。 そんな彼女もここでは一人の女の子であり、年相応の無邪気さを見せている。
「死んでも生き返るって凄い話だねぇ。 私もできないかな?」
「冗談でも言わないでくれ、姉さんが死ぬなんてそんな怖い未来は考えたくもない」
「言ってみただけでしょ? でも夢があるとは思わない?」
「そうか? 一長一短な気もするが」
満面の笑みで見ている少女と、とてもではないが楽しいといった表情ではないサオリが見ているのは、とあるアニメ。 死んだはずの主人公たちが集まって、何処かもわからない学校にて生活をするという、一昔前のアニメだ。
天使と呼ばれる謎の少女との戦闘、そんな少女を倒すために色んな作戦を立てる、その後にやって来た新たな死人との争い……そんな様々な経験をしつつ、場面は最終へと進んでいく。
未練を解消して一人、また一人と去っていく。 そして最後に主人公と天使だけが残り……主人公に感謝の言葉を残し、遂に天使も姿を消す。 そんな場面で物語は幕を閉じた。
「うぅ……感動したぁ」
「あぁ。 生徒一人一人に濃い過去があって、そしてそんな生前の未練を解消して去っていくというのは中々に興味深いストーリーだった」
「まあ、それがこのアニメの売りだからな」
泣きゲーのシナリオを作らせたらこの人しかいないと言えるくらい、この作者は有名だ。 このほかの作品も例に漏れず泣けるようなストーリーになっていて、俺も昔はこれを見て泣いていた。
ソシャゲでもリリースされたものがあってそれもプレイしたが、泣いたのは言うまでもない。 まあその後の変更でひと悶着あってからは雲行きが怪しいが……
「でも、何だかもやもやする」
「? 姉さん、何でだ? あんなに感動したと言っていたのに」
「だって、折角会えたのに、これまでの蟠りもなくなってこれからも楽しく学校生活が送れるって時にいなくなっちゃったんだよ? 寂しいとは思わない?」
「だが、それがこのストーリーのいい所なのではないのか?」
「そうだけど……そうだけどぉ!」
「……兄さん、何とかしてくれ」
「そこで俺に話を振るのか……」
サオリからの助けを求める視線に、俺はどうしたものかと頭をひねる。 彼女達に分かり易く説明するには一体どういった言い方をすればいいのだろうか? 俺は別に評論家というわけではないので間違った認識を植えたくはないが……
まあ、できる範囲で彼女達に説明するしかないだろう。 俺はそう思って口を開く。
「個人的な感想だが、彼女にとって一番大切なことは思いを伝えることだった、んじゃないか?」
「思いを、伝える……」
「正直なところ、俺としては主人公の言動にも焦点を向けたいけどな。 これまで仲間の手伝いをしていたのに、ここになって急に残ろうなんて言い始めるし。 このアニメの酷評の大部分はここだ」
「でも、この後に来るだろう人の為にって点なら悪い事じゃないんじゃないの?」
「それはそうだけどな。 いや、そこじゃないか。 話の腰を折ったな」
「彼女も言っただろう、ここに来た理由はありがとうを伝えるためだって。 ドナーがいなければ生きていられなかった彼女に、心臓をくれたんだ。 どんなに感謝してもし足りないのに、その伝えたい相手は既にこの世にいないなんて悲しすぎるだろ」
「そうだけどさぁ」
「言ってしまったら消えてしまう、一人ぼっちにさせてしまう。 ……そう分かっていても、思いを伝えられないのは悲しい。 彼女だって板挟みになって、思い悩んで、そして悲しくてもありがとうを伝えて消えることを選んだ。 その意思は尊重されるべきだと思う」
「うーん……私が同じ立場だったら、どうするんだろう」
「私は、同じことをすると思う。 どんなに感謝していても伝えられないなんてもどかしい思いはしたくない」
「私は我慢しちゃうかも。 一人ぼっちが嫌だって思うから」
「そこの考え方は人それぞれだろうけどな。 重要なのは自分がどうしたいかだろうし」
最後の最後で主人公が子供のように見えてしまうのは、仕方のない事だろう。 主人公の過去を思い返せば辛く悲しい思い出ばかりだった。 そんな思いをする人を一人でも減らすためにその道を進もうとした矢先の事故に、その結果生き永らえることのできた少女。
何処か一つでも抜けていたらなかった邂逅、運命というのは本当に複雑で、それでいて残酷な側面も見せてくる。
「本来ならこのアニメみたいな機会すら与えられないのが現実だ。 まあ日々を一生懸命過ごして悔いを残さないように過ごしましょうって事だろ」
「口で言うのは簡単だが、いざやるとなればここまで難しいものはないだろうな」
「私はできてるよ? みんなの笑顔を見るのが好きだし、なによりそうしてる方が生きてるって思えるから!」
「そう言えるなら、お前は十分に強い奴だよ」
そう、本当に強い奴だと思う。 未だに後悔の念で前を向けていない俺よりは。
こうして彼女達と生活するようになって数か月、色んな感情や表情と向き合って色んなものが見えてきた俺は、そこで改めて自分自身がどんなに愚かしい奴だったのかを再認識させられた。 自分から縁を切って、一人になって、過去に縋って……もう戻ることの無い親の残したものを捨てられずにいて、心は成長したつもりでもあの時から一歩も前に進みだせていないのではないかという思いだけが心の中で渦巻いている。
アニメを見てそう思った。 俺はきっと同じ立場なら……絶対に、あの世界から抜け出せそうにない。 怖いのだ、断ち切らなければいけない未練を断ち切るのが。
「ほら、見終わったんだから晩飯の準備だ。 今日は庭に窯を作ったからな、何か焼くぞ」
「やった! 私ピザが食べたい!」
「あぁ、アレか。 アレは良いものだった」
「無茶振りするなよ、作るのだって楽じゃないんだぞ」
少々面倒だが、生地だけ買って手作りは今度でもいいかもしれない。 また来るのであれば次の機会にでも……そこまで考えて、ふと気づく。
何時の間にか、彼女達がいるのが当たり前のように思えてしまっている自分がいる。 最初は何かと理由を付けて逃げようとしていた俺が、だ。 その変化は俺にとっていい事だった、とは思う。
だが、それと同時にもう一つの思いが募る。 ……もしあの不思議な裏口が繋がらなくなった時、俺は果たして、どうするのだろうか?
やっと肩の荷が下りたと安堵するだろうか? いや、それは決してないだろう。 恐らく心にぽっかりと穴が開いたような気持になってしまう、そんな気がする。 そしてまた一人になってしまったのだと無駄に広い家の中で……今度こそ、死んだように生きる日々を過ごすことになるのではないか? それは果たして、良い事なのだろうか?
あぁ、恐ろしい。 一人になることが、ではない。 そんな想像をしてしまうくらい、彼女達が俺の生活の一部になってしまっているという事実に、だ。
「……」
「お兄さん、どうしたの?」
「いや、何でもない。 兎に角材料を買ってくる」
動揺を見せないように、足早にその場を去っていく。 今の俺の心の内を彼女達が知ったらどうするのだろうか? 笑うだろうか? いや彼女達はそんな性格じゃない、きっと何時までも寄り添うなんて子供ながらの無邪気な返事をしてくるに違いない。
……それは、彼女達を縛ってしまう呪いの言葉だ。 俺のクソみたいな人生に、彼女達を巻き込んでしまう。 彼女達は喜んで受け入れるだろうが、他でもない俺がそんな未来を受け入れられない。 彼女達には彼女達の未来がある、そこに俺はいちゃいけないんだ。
話の内容的に半分超えました、なのでもうちょいで終わると思います
あと前にタイトル的に似てるのがあるらしくって紛らわしいの嫌そうな人いたらタイトル変更しようと思ってるんですけどどうしたらいい? センスないなりにひねり出した気がするんだけどダメって言うんなら変えるわ