ノクスオス   作:酔生槿花

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第三話 執行集のアスカム

家から街へと向かった道からそれ、街の城壁を目印に歩いていく。忌骨はときどき出てきており、肉がついた部分のみを拾っていく。そしてバックが満タンになり帰ろうしていたときであった。忌骨が群がっているところがあったのだ。何かおかしいと思いそこに向かい、忌骨を蹴散らす。

「ハッ!」

そこには、座り込んだ灰色の布のみの軽装を着た若い男がいた

「ありがとうございます。私は執行集のアスカム。あなたと同じ宵人です。」

「どういたしまして。私は……」

「……ああ、大丈夫ですよ。宵人に語るべき名など無くてもよいのです。我々はただ忌むべき骨……忌骨を殺せばよいのですから。」

「そうですか……何で忌骨に囲まれていたんですか?」

「ああ……そうですね……言いにくいですが……武器を……失くしましてね。」

アスカムはおどおどしながら答える

「それは……一緒に探しましょうか?」

可哀想だ。探してあげよう

「本当ですか!?しかし……」

「そうですね……いま、忌骨の肉を集めているのですが、もう持ちきれなくてですね、持ってくれませんか?」

「そんなことであれば、ぜひ」

「ありがとうございます」

「いえいえ、私こそお探しくださりありがとうございます」

「じゃあ、いきましょうか」

「はい。確か……こっちのほうです」

そこから、結構歩き、途中で忌骨を殺しながら歩いていった。

「確か……この辺だったはずなのですが……」

「武器はどのようなものを?」

周囲を探す

「あなたが持っている片手剣と同じようなものです」

あれは……あった

「そうですか……!、ありました!」

「ありましたか!?本当だ……よかった」

「はい、どうぞ」

剣をあげる

「おお、感謝します。」

アスカムは喜びを大きく出している

「アスカムさん、そういえば気になったのですが……執行集って何ですか?」

「執行集というのは、教会が街ごとに集めた宵人のことです。今日は私が当番なので、私以外にはいませんが」

「そうなんですね。」

「というか、早く帰りましょうか。持っていくのはアテハークトでしょう?」

「はい、わかるのですね。」

「まあ宵人としての勘ですよ」

その後、アスカムに連れられアテハークトについた

「すみませーん。」

「何や、君かいな。あと……おまえさんもか!」

「はい、忌骨の肉を持って来ました。」

「おうそうかい!早速やろか!腕をだしな」

騎士の紋章を向けるようにして右腕を見せる

「よし、肉をだしな。」

肉をアスカムと一緒に出す。山積みになった

「じゃあ、やろか。目つむっとけ」

指示通りに目をつむる。そうしていると、目をつむっていてもわかるぐらいの赤い光が放たれる。赤い光がなくなり、目を開ける

「よし、此れで大丈夫や。今回は初回やからな、お金はいらんわ。今度からはもらうからな。」

「ありがとうございます。」

「では、いきましょうか」

「そうですねアスカムさん」

「じゃあ、また」

「おう!」

店をあとにし、アスカムさんの家へと向かう。道中で話しあった結果だ。

道中

「そういえば、アスカムさん。教会って何ですか?」

「……まさか、あなた、あそこの老人の宵人ですか?」

「まあ、はい」

「そうでしたか、そうですと。まあ、知っていることも少ないでしょうし、家でゆっくりと教えましょうか?」

「はい!お願いいたします。」

「では、先を急ぎましょうか」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

そう思い出していると、家についたようだ。

「つきました。ここが私の家です。お入りください」

「お邪魔します」

家へと入り、中はキッチンと、ドアが一つとテーブルが一つ、椅子が二つあった。アスカムが奥側に座った

「どうぞ、お座りください。」

「ありがとうございます。」

「教会のことでしたね。教会……正式名称、エクセテ教会。街をとりしきる。まあいってしまえば役所のようなものです。

ですが……その実態は我々を騙し、搾取する者たちであったのです。教会は闇を跨ぐ唯一の手段。転移の遺産を独占し支配を行っています」

「なるほど、教会は闇を跨ぐ、つまり街と街をつなぐ手段をもっているのですね。それで遺産とは何ですか?」

「遺産とは、70年前に使途と呼ばれるぐらい才を持った者たちが造り出した特異な技術のことです。地が闇と光に別たれると共に多くは失われ、転移もその一つだと思われていましたが、その実は教会が独占していたのです」

「つまり、教会に赴けば、転移が行える?」

「そう簡単にはいきません。教会の信徒の多くは優秀な掛かり師です。掛かり師というのは掛乞を扱う者たちです。掛乞は昔、神に乞うて奇跡を起こす物だと考えられていました。故に神は全治の者だと考えられ崇められたのです。それがエクセテ教会の始まりです。故にいまも掛かり師がいるのです」

「そう簡単にはいきませんか……そういえば、アスカムさんは刑人集に属しているといっていましたが、執行集とはどういう物なのでしょうか?」

「執行集は教会が街ごとに主導して集めた有志による宵人の集まりです。多くの宵人が街ごとの執行集に所属し、忌骨を殺し、教会から食料などを貰い生きているのです。」

「なるほど……話は戻りますが、仮に捨てられた教会があれば、転移は使えますか?」

「捨てられた教会ですか……ええ、おそらくは。場所も知っています。」

「本当ですか!?」

「……ですが」

「ですが?」

「そこには上位の忌骨が居座っているのです。」




執行集の片手剣
教会に集められし街の自警団たる執行集の装備。
彼らは住民の有志が集って生まれており、その仲は街を護るという目的のため固く結束している。
そんな彼らの装備品たるこの片手剣は教会が配布した基本の剣であり、良い品質ではない。
だが、気に入って使う者もいるのだという、彼らにとってこれは執行集の証なのだろうか。
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