青春のもつれ   作:ゆうた660

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第1話 自覚した気持ち

ロンの活躍によって、今日のクィディッチのスリザリン戦に勝利したグリフィンドール。

談話室では、寮生たちがロンに向かって喝采を浴びせ、ある生徒はウィーズリーは我が王者を歌い、彼を称えた。

 

「ロン!さすが私のロン!!すごい活躍だったわ!」

談話室の真ん中では、ラベンダー・ブラウンがロンの顔中に、雨を降らせるかのようにキスを連発していた。

ロンもそれに、照れながらもまんざらでもない表情を浮かべていた。

 

寮生たちの熱気溢れる人混みを躱しながら、ハーマイオニーはロンとラベンダーへの嫉妬により、瞳からこぼれ落ちそうなものを抑えて、1人になれる場所を探しに談話室を抜け出した。

談話室を抜けて、暗闇の中歩き続け女子寮へ続く階段の前に、彼女は壁に背中をつき、崩れるように座り込んだ。

 

 

ハリーは、パーティーを抜け出していったハーマイオニーに気づき、彼女を追いかけるように談話室から抜け出した。

 

談話室を抜けてパーティーの喧騒から離れると、聞き覚えのある声がすすり泣いているような声が聞こえた。

その声に向かって歩いていくと、女子寮への階段の前でハーマイオニーがうずくまり、魔法で小鳥を作り、円を作らせていた。

 

「きれいだ…」

ハリーは、うずくまるハーマイオニーの傍に腰掛けながら声をかけた。

「鳥を作る練習をしていたの」

ハーマイオニーは、震えた声で返した。

その目は涙に濡れていた。

 

「ジニーのこと、わかるわ… 親友だもの…」

 

「ジニーはもういいんだ…」

 

そう口にした瞬間、ハリーの胸の奥で、何かが静かに、しかし確かに崩れ落ちていくのを感じた。

 

ジニーへの想いは、確かにあった。でも、それは“誰かに恋をしていたい”という焦がれる気持ちの延長でしかなかったのかもしれない。

それよりも、今目の前で肩を震わせているこの人を……

 

自分が本当に守りたいと思っている人を、見失っていたんじゃないか。

 

君が泣くと、僕の心が痛む。

君が傷つくと、僕はどうしようもなく焦る。

それが何よりの証拠だった。

 

「きれいだ…」

その言葉の裏に隠したのは、“君がきれいだ”という想い。

 

ハリーは、何も言わずにそっとハーマイオニーの肩を引き寄せた。

ただ黙って、彼女のぬくもりを感じながら、胸の中でこう誓った。

 

君を泣かせる誰かになるくらいなら、ずっと君の隣にいたい。

 

君を泣かせたのが誰であれ、許すわけにはいかない。

それが、ロンであったとしても……

 

その夜、ハーマイオニーが静かに涙を止めるまで、ハリーは決して彼女の肩から手を離さなかった。

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