推しがルーラーで俺がマスターとか、聖杯ふざけてんのか   作:ジャンヌ可愛いよジャンヌ

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白状します。理不尽ばっかり考えすぎてどう収拾つけるか考えてません。作者はハッピーエンド好きとだけ開示しておきます。

適当書いて遊ぶだけのつもりだったのに、ここまでの人に見られるとなると適当書けなくなって困る。細けえ設定とか考えらんないよ…


第6話 ──今こそ、なんでさラップのとき

 

アインツベルン城を後にした俺たちは、次の行動を決めかねていた。今は補給がてら、商店街で食べ歩き中である。

「結局このままじゃキャスターとの対話は無理だな…。ランサーは話通じるタイプとはいえランダムエンカだし、ギルガメッシュは戦力揃えないと無理。となると消去法的に…」

ライダー陣営か主人公陣営のどちらか、か。

正直嫌寄りではあるが、背に腹はかえられん。

「…っ、これは…?」

「?どうしたジャンヌ」

突然足を止めて考え始めた相棒を訝しむ。何か気になる料理でもあったか。

「マスター、本来アサシンはキャスターがルールを無視して召喚するのですよね?」

「ん?まあそうだな。桜ルートだと確か臓硯がそいつを元に正規のアサシンを召喚してた気もするが、臓硯は早々に討伐したし、佐々木小次郎のままの筈だ」

しかし何故突然アサシン?

「それが、柳洞寺にサーヴァントの反応が一つしかないんです。恐らくキャスターのものだけ」

「……え?」

柳洞寺にアサシンがいないということは?

柳洞寺にアサシンがいないということ。

…ということはつまり?

「アサシン、別のやつが召喚した…?」

「おそらく…」

マージですか、そーですか。

だーれですか、そのマスター。

「どうなってんだってばよ…」

「困りましたね…」

困った。原作乖離したのもそうだが、マスターになるやつに心当たりがない。

そもそも原作時点で魔術師じゃないやつがマスターやってるくらいには絶対数が少ないのだ。絞り込みようがない。

更に面倒度合いを上げてるのが、クラスがアサシンだということだ。いくらジャンヌの感知能力が高いとはいえ、気配遮断持ちの位置を正確に察知することは困難だ。さらに特性上、油断した隙に俺が暗殺される恐れもある。小次郎ならそんな心配する必要なかったのに。

「せめて、せめてまともな奴であってくれ……!」

「気配遮断のランクがかなり高いです。敗退していないことは確実ですが、大まかな位置すら把握できません」

……とは言っても、冬木の聖杯戦争って確か例外除いてハサンしか召喚されないんだよな。他の参加サーヴァントが皆して強かっただけで、ハサンって軒並み気配遮断のランクA以上だし、基本性能も高いんだよなあ。呪腕に至っては、不意を突いたとはいえあのクー・フーリンの心臓を潰している。Zeroの百貌に関しては時臣と言峰の使い方が悪かっただけで、仮にマスターが切嗣だったら間違いなく優勝していたポテンシャルがある。

だからこそ、マスターが誰かわからないのがとても怖い。原作キャラなら候補は言峰が来るだろうが、もしそうならランサーとの二重契約になる。それは流石に考えづらいし、あのギルガメッシュが自分の周りに二度も暗殺者を置くことを許容するかどうか……いや、逆にランサーのマスターがバゼットのままの可能性も?だとすると、好戦的なタイプのあれらが、まだ俺たちに接触していないことに違和感がある。

「ダメだ、わからん」

「…どちらにせよ、状況が動くとしたら夜でしょう。今は一度休息にしましょう?」

その言葉に甘え、帰宅した。もう何も考えずに寝たかった。

眠気が限界のふりをして、今朝方イリヤに取られたジャンヌの膝を確保した。めっちゃ気持ちよかった。

 

* * *

 

自身の膝の上で苦しそうに寝息を立てるマスター__華正の姿を見て、ジャンヌは痛ましげな表情を見せる。

元は一般人であった彼。ごく普通の生活を送っていたのに、恐ろしい闘争に巻き込まれた、魔術師でもないただの人間。

ここより高次元の世界の記憶があり、この地でたった一人、正確に聖杯戦争の歪みを認識していたことで、自身が召喚されるまで身を隠し続けていたマスター。

そして、どんなに理不尽な目にあっても、”ジャンヌのためになるから”というただその一心だけで身を粉にする、一人の男の子。

事あるごとにこちらを好意と慈愛の眼で見てくることは、少々気恥ずかしく思うと同時に嬉しくもある。

…淫らな恰好をした自分の冊子を購入していたことには、少々思うところはあるが。

普段は平気な顔をして接しているが、眠りに就くとこうして魘される姿を目にする。恐らく、自分が召喚される以前から。本人にも自覚がないのだろう。

当然ではある。唯の一般人であった彼が、縁もゆかりも無かった戦地に巻き込まれた。そして、この短期間で二度も命のやり取りを経験したのだ。イリヤスフィールとは協力関係を結んだものの、臓硯に至っては自らの意思で襲撃した。

慣れない環境に身を投じ、そのギャップに苦しむことはジャンヌも経験がある。彼女も元は村娘であったのだ。それが今は聖女として後世に名を残している。

きっと彼は、このまま自分に付いてくれば恐らく……

いや、そうなる前にどうにかするのが自分の役割だ。護ると約束した以上、自分はそれを為す必要がある。

もう一度、膝上の少年の顔を見る。頭に手を乗せ撫でると、いくらか表情が和らいだような気がした。

「どうか、良い夢を。___華正くん」

初めて口にしたマスターの名は、妙に耳に残ると同時に、小っ恥ずかしかった。

 

* * *

 

夜になって起きたらなんか令呪が三画に戻ってた。前触れなく増えんなよびっくりするわ。ジャンヌも驚いちゃっただろ。

聖杯が勝手に補填してんのか、俺の溢れんばかりの魔力のせいなのか。まあ貰えるものは貰っておこう。調子乗ってたけど、この様子じゃ転移とかする場面出てくるかもだし。

ニュースに映った、間桐邸の炎上事件がガス会社のせいになっていないことに一抹の不安を覚えつつも、ジャンヌと共に自宅を後にする。

 

セイバーが召喚されたであろう運命の夜から1日空けて2日目。原作なら遠坂や慎二とのいざこざが始まった頃な気がするが、果たして原作乖離した今となってはどうかわからん。そもそもあいつら同盟組んでんのかな。

イリヤの口振りでは、一応衛宮遠坂陣営とは一度やり合ったっぽいから、変わってくるとしたら間桐邸襲撃関係の影響だと思うが……

「!マスター、セイバーとライダーを感知しました」

「っ、場所は?学校か?」

「いえ、ここから先のビル群のあた……り…」

…………

思わず顔を見合わせる。

正直セイバーとライダーの反応ってだけでも、早くない?って思ったくらいなんだが。

___いやビル群でそいつらは完全にfateルートのライダー戦決着の場面じゃねえか!

「急ぐぞ!」

「はいっ!」

なんでもうそこまで行ってんだ!衛宮お前まだセイバーとコミュニケーションに難があった頃だろ!というか慎二はいきなりかっ飛ばしすぎだって!

何があったお前ら!

「まずいです。セイバーとライダーが戦闘を開始しました!」

「やばいライダーが死ぬぅ!ジャンヌ!先行ってフォローしてくれ!今落ちられると困る!色んな意味で!」

主に俺の小聖杯事情と今後の戦力的な意味で。

「了解しました!」

俺の要求に応え、先行するジャンヌ。敏捷EXは伊達じゃない。もう見えなくなった。

…思えば、契約してからこうして視界からジャンヌがいなくなったのは初めてかもしれない。

というかなんも考えずに言っちゃったけど、今襲撃されたら俺死ぬくね?アサシン不明だって話したばっかなのに?

寒くなった背筋を踏ん張って、かつてない全力疾走でジャンヌを追いかけた。

プライド捨てて小脇に抱えてもらってでも、一緒に連れてって貰うべきだった。

 

* * *

 

ジャンヌが件のビルの屋上が見える位置へとたどり着いた時、目にしたのは思わぬ光景だった。

風の鞘から聖剣を開放し構えるセイバー__アルトリア・ペンドラゴン。

対するは幻想種たる天馬に跨り、宙を跋扈するライダー__メドゥーサ。

そこまでは彼女とマスターの想定通りの内容だった。

問題はそこから少し離れた場所に対峙するマスターたち。

ライダーのマスター、間桐慎二。そしてもう一人が、

「遠坂凛…何故彼女が……」

遠坂凛。本来アーチャーのマスターであるはずの彼女が何故ここにいるのか。セイバーのマスターは衛宮士郎ではなかったのか。

他にも細かな差異として、原作で間桐慎二が持っていた偽臣の書が無い。代わりに彼の左手の甲には三画全て揃った令呪が見られる。

間桐慎二は魔術師にはなれない人間だったはずだ。しかし今の彼は、苦しそうな表情とはいえ、あの遠坂凛を相手に魔術戦を行えるだけの実力を持ち、ライダーには相応の魔力供給がされている様子が見られる。

一体何故。

「やれえ!ライダー!」

「セイバー!勝利を!」

慎二が口の端から血を流しながらも指示を出し、負けじと凛がセイバーに呼びかける。

各々のマスターからの言葉に、両者の魔力が高まる。同じサーヴァントであるジャンヌにはすぐにわかった。宝具を使用する気だと。

空気が震え、地面に散らばる破片が跳ね上がる。魔力の奔流が、まるで嵐の前の静けさのように世界を圧していた。

「っ!いけません!」

このままでは間違いなくどちらかのサーヴァントが敗北する。それは避けなければならない。

「【エクス__」

「【ベルレ__」

光を帯びた聖剣が掲げられ、天馬は空高く舞い上がる。

「__カリバー】‼」

「__フォーン】‼」

互いの宝具が激突する瞬間、その中間に一つの影が割り込む。

「主の御業を此処に!【リュミノジテ・エテルネッル】‼」

ジャンヌの所持する、味方をあらゆる攻撃から守護する結界宝具。

2騎の英霊の宝具を両方向から受けたにも関わらず、その旗は健在であった。

「なにっ…⁉」

「あなたは…⁉」

「双方、武器を収めなさい!私は此度の聖杯戦争におけるルーラーのサーヴァント。聖杯戦争の正常な運営のため、全てのサーヴァントに一時休戦を要求します!」

戦場の中心に聖女が降り立ち、力強く旗を地に突いた。

「きゃっ」

と思いきや、その衝撃でヒビ割れた床が崩れ、そのまま階下へと落ちていった。先程の凛々しさはなんのその、随分と可愛らしい悲鳴と共に。

宝具同士の激突を直に受けたのに、ただのビルが耐えられるわけないんだよなあ。

「「「「………………」」」」

唐突に現れ宝具を止めたと思えば、コテコテのギャグを披露した謎のサーヴァントに、二陣営は沈黙せざるを得なかった。

 

* * *

 

一方その頃……

「お前っ!その令呪、マスターか!」

「この尋常ではない魔力、間違いなくサーヴァントも強敵だろう。警戒を怠るなよ、小僧」

目の前で両手に夫婦剣を構える男が二人。どちらも自分の方から視線を外さず、下手なことをすればすぐさま飛びかかってくるだろう。

ジャンヌのいるビルまでもう少しというところで、突如として出会った彼らは、己の持つ魔力と令呪を完全に敵視しているようだった。

「…………………なんでさ」

長い沈黙の後、思わず零れた言葉は、偶然にも目の前の彼らの口癖でもあった。

衛宮士郎。そして、アーチャー__エミヤ。

ある意味でこの聖杯戦争中最も相性の良いペアの登場に、華正は天を仰いだ。

まあ、こういうことも想定してたとも。そもそも士郎が一番呼ぶ可能性高いサーヴァントって、普通に考えたらコイツだし。うん、納得はする。でももう投影使えてるのは違くない?

 

「…なんでさ」

いやおかしいだろ。やっぱ聖杯お前俺のこと嫌いだろ?少なくとも俺は大嫌いだ。

兎に角、ジャンヌがここにいない今、この状況をどうやって生き残ろうか。

……うん、無理な気がしてきた。

 

 

 





今回判明した事実
セイバー、凛ペア
アーチャー、士郎ペア(投影あり)
ライダー、慎二ペア(魔術あり)
アサシン、マスター共に不明

こりゃあひでえや


なんでこうなったのかとかはぼちぼち
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