海上保安官の警備員   作:溶けたチョコ

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 表現が拙い箇所や、キャラ崩壊している箇所が有るかも知れませんが、暖かい目で読んで貰えると幸いです。  
 出来れば、アドバイスなども貰えると嬉しいです。


【第一章】コンパスマークは鮮やかに
第一話 青い薔薇


 

 

 異動命令受理から二週間後──

 

 俺は警備員詰所で、ここ二週間の出来事に思いを馳せる。

 この二週間で『トレセン学園への海上保安官派遣に関する法案』が公布、施行され、トレセン学園には、警備員詰所や倉庫などが増築された。

 それに伴い、調整と交渉の為に何回かトレセン学園に行かなくてはいけなく、もう体験したくない二週間だった

 

 俺は隣にいる同僚──滝沢朝陽に話しかける

 

木村「そういえば、俺らの制服は変わらないよな?」

 

滝沢「それ、経費削減の為らしいぞ」

 

木村「マジか……。」

 

 まあ、別に制服が変わってもやる事は変わらないので特に問題はない……と言うか変わってしまうとクローゼットの中身がややこしくなるというデメリットがある

 

木村「……巡回行こうぜ。」

 

 たまたま近くにいた後輩に話しかける

 

木村「小林、留守頼む。」

 

小林「分かりました。」 

 

滝沢「よし、行くぞ。」

 

 警備員詰所を出て外に出る

 かなり静かだ

 

木村「静かだな……。」

 

 当然のことだが今は午前なので学園の生徒は授業を受けているので誰もいない……はずだった……

 

 ガーと、無線が繋がる音が鳴る

 

木村「ん?」

 

無線『こちら詰所、センパイ、自分です。』

 

 無線に向かって喋りかける

 

木村「こちら、木村どうぞ。」

 

無線『こちら小林、現在、校舎付近の防犯カメラに侵入者らしき人物が映っています。至急急行して下さい!』

 

 校舎付近の防犯カメラは数ヶ所設置されている。

 ニヵ所回るだけでも、最低二十分は、掛かる

 これはかなりダルい作業になりそうだ

 

木村「ハァ……行くぞ!」ダッ

 

滝沢「OK!」ダッ

 

────数十分後

 

木村「居ないな何処にいったんだ?」

 

 数ヶ所捜したが居ない……逃げられたか?

 

滝沢「無線で聞いてみる……おい、まだ映っているか?」

 

無線『あー……はい、映っています。』

 

 いや、何で映っているんだよ!?

 普通防犯カメラ有るなら逃げるだろ……

 

滝沢「……まあ、次で最後なんだから、頑張ろうぜ?」

 

 コイツ……俺の心を読みやがった……

 

 最後の防犯カメラに向かう

 

木村「あれか?」

 

滝沢「あれだな……。」

 

 無線に喋り掛ける。

 

木村「侵入者らしきヤツを発見した、俺たち、映っているか?」

 

無線『バッチリ映っています。』

 

木村「聞いたな?」

 

滝沢「ああ……アイツで確定だな」

 

滝沢「そこのお兄さん、何をしているんですか?」

 

不審者「────ッ!?」

 

木村「トレセン警備隊だ……すまないが君に少し確認したいことがある!」

 

不審者「まだ、捕まる訳にはいかないんだ!」ダッ

 

 何故かカメラを抱えて逃走する

 

滝沢「知るか、待て!」ダッ

 

 無線に向かって叫ぶ

 

木村「侵入者が逃走した!追跡する!」ダッ

 

無線『了解!』

 

木村「なんか、足速くね!?」

 

滝沢「不味いな、このままだと逃げられるぞ!」

 

木村「クソッ!逃げられて堪るか!」

 

 逃げられた場合、かなり面倒な事になる

 恐らく、犯人は二度と見せないはずだ……その場合、世論からは、たった一人の侵入者すら捕まえられない……無能の烙印を押されるだろう……そんなこと許すことは出来ない

 

オタク「ハァ、ハァ、……ウギャ!?」ズザァァァ

 

 幸か不幸か、不審者は体力が尽きたのかまたは、小石に躓いたのか……顔面から転倒する。

 

 怪我がなければ良いのだが……

 

滝沢「確保!」

 

 幸い怪我は無さそうだ。

 

木村「侵入者を確保した、詰所に連行する。」

 

無線『了解!警察は呼びました。』

 

木村「了解。」

 

────警備員詰所

 

木村「もうすぐ警察が来るから、これ飲んで待ってな」ゴト

 

 そう言い、缶コーヒーを目の前に置く

 

 木村「なんで、侵入したんだ?」

 

 少しは、同機を聴いた方が今後の対策にも役立つだろう

 

不審者「……話したくありません!」

 

 何故?

 何故、話さない?

 話さない理由が必ずある筈だ

 少し……良心に訴えてみよう

 

木村「君が犯した罪は、不法侵入と公務執行妨害だ。もしかしたら……誰かが怪我をするかもしれなかった!」

 

不審者「それに関しては、すみません。」

 

木村「すみませんで済む事じゃないんだよ……!」

 

不審者「はい……」

 

木村「それじゃあ、話してくれないか?」

 

不審者「話しません。」

 

木村「……」

 

 このままでは埒が明かない、どうするべきか……

 いや待て……じゃあカメラは何の為だ?

 

木村「ところで……」

 

小林「センパイ、時間です。」

 

 話しかけられ、振り向くと、小林と連行のため呼んだ警官がいた。

 

木村「ああ、それじゃ、頑張ってくれ。」

 

 侵入者は連行されていった

 

 特にカメラには写真とか入ってなかったので大丈夫だろう

それに、取り調べで吐いてくれるだろう

 

滝沢「やっと終わったか……。」

 

 あっ、そういえば滝沢に巡回任せていたの忘れてた……

 

木村「……ごめん。」

 

滝沢「ハァ……メシ行くぞ。」

 

 滝沢が呆れた顔をする。

 

木村「え?もう、そんな時間か……。」

 

 時間の流れは速い。

 詰所を出て歩きだす。

 

────カフェテリア

 

 カフェテリアに着いたが、かなり混雑しているようだ……まあ、それは当然だ、食堂は生徒だけで無くトレーナーや、その他の職員が使うのだから

 

木村「ヒト用定食Cセットで」

 

調理スタッフ「あいよ!」

 

 カフェテリアの料理には、ヒト用とウマ娘用がある。

 

 ウマ娘と、ヒトの食べる量は違うため、ウマ娘はビュッフェ形式、職員は定食などに分けているらしい

 

 そうした方が調理をする職員の負担削減になるということだろう

 

 どちらにしろ、美味しそうだ。

 

 確か、Cセットは中華定食だったけ……

 

調理スタッフ「あんた……警備員かい?」

 

 木村「はい、そうですが……どうかしましたか?」

 

 何か、変な事をしてしまったのだろうか

 

調理スタッフ「やっぱりかい!警備員も体が資本だから沢山食べな!」

 

木村「はい!ありがとうございます!」

 

 優しい人だな……つまりそれだけ期待されているということだろう

 

 期待に応えなければいけないな

 

調理スタッフ「はい、C定だよ!」

 

木村「ありがとうございます!」

 

 昼飯を持って、滝沢と合流する。だが、今は生徒が多いからかテーブルの空きが無いようだ

 

木村「なあ、席が空いて無いんだが……」

 

滝沢「詰所まで持って行くか?」

 

 いや、絶対昼飯落とすだろ……

 

木村「そんな装備で大丈夫か?」

 

滝沢「大丈夫だ、問題ない……いや、あるわ。」

 

 だろうな……と言うか普通に分かってくれ……

 

木村「……あっ、いい考えがある。」

 

 俺は近くの生徒がいる席に歩き出す

 その席は、椅子が幾つか空いている

 

滝沢「おい、そっちは空いてないぞ。」

 

 滝沢の声を無視しながら話しかける

 

木村「あの、すみませんが向かいの席に座ってもよろしいでしょうか?……生徒会長さん。」

 

 これが『皇帝』と『女帝』か……

 何か真面目そうだな

 

ルドルフ「ええ、私は構いません。」

 

グルーヴ「私も構いません。」

 

木村「では、失礼します。」

 

滝沢「……失礼します。」

 

木村「自己紹介がまだでしたね、私はこの度、警備隊長に任命されました、木村隼人と申します。そして横にいるのが……」

 

滝沢「……同僚の滝沢朝輝と言います。」

 

ルドルフ「貴方達の事は理事長から聞いています。」

 

木村「なら、話しが速い。これからよろしく頼む。」

 

ルドルフ「こちらからも、よろしく頼みます。」

 

グルーヴ「あの……質問なのですが、何故私達の事を知っているのでしょうか……。」

 

ルドルフ「確かに、君達と会うのは初めての筈です……何故私達の名前を知っているんですか?」

 

木村「あー、それね……少し調べさせて貰ったからね。まあ、調べたと言っても貴女方の事は、容姿と役職くらいしか調べて無いけどね。」

 

グルーヴ「そうですか……」

 

木村「そういえば確か、もう一人副会長がいた筈……」

 

 確か、会長一人と副会長二人だった筈だ

 

グルーヴ「あ、もう一人の副会長──ナリタブライアンは、今日は風邪で欠席です。」

 

木村「そうか……お大事にと、伝えておいてくれ。」

 

ルドルフ「分かりました、そのように彼女に伝えておきます。」

 

────

 

木村「……さて、また今度会いましょう。」

 

ルドルフ「ええ、また会いましょう。」

 

 人通りの少なくなった廊下にカツ、カツ、と歩く音が木霊する。

 

木村「……午後何あったけ?」

 

滝沢「えーっと……巡回と夜勤組への資料作りだな。」

 

木村「じゃあ、巡回は俺がやる。」

 

 午前中の借りは、先に返しておかないと後が面倒だからな

 

滝沢「おっ、サンキュー!じゃあ、18時半に勤務終了だからな、それまでに行ってくれ。」

 

木村「OK」

 

 よし、借りは返した

 

 確か、今は13時30分だった筈だ。

 まだ時間があるな……購買でも行くか。

 

木村「購買行って来る」

 

滝沢「おお、そうか……また後でな」

 

木村「また後でな~」

 

────購買

 

 少し歩くと購買部が見えてきた

 

 ここが購買か……何が有るのだろう

 ん?これは……

 

木村「……キャラメルか。」

 

 休憩時間に使えば良さそうだ

 あとは……

 

木村「トランプか……。」

 

 購買部は、こんな物も取り扱っているのか……

 使い道はあまり無さそうだが、買ってみよう

 

木村「お願いします。」

 

モブウマ娘「キャラメルとトランプで……750円です。」

 

 財布から1000円札を取り出す

 

木村「お願いします。」

 

モブウマ娘「……1000円お預かりいたします。えっと……250円のお返しです。あっ、ありがとうございました。」

 

木村「ありがとうございます。」

 

 歩きながら、お釣りを財布に入れ、時計を見てみると14時11分、かなり時間が経っている

 

木村「……巡回行かなきゃだな。」

 

 外周を巡回するだけでも、一時間位は掛かる

 やっぱり借りを返そうとしたのは、悪手だったかもしれない

 

 校舎を出てグラウンドに出る

 すると何やら少し騒がしい

 

木村「何だ?」

 

 丁度、巡回の経路沿いなので行ってみよう

 

 人集りの近くの、開けた場所に出る

 恐らく此処にいる殆どの人がトレーナーだろう

 他にはライスシャワー……だったかを捜して、バクシン、バクシンと、大声で叫んでいた生徒がいたな……

 

 すぐ横に居たトレーナーの会話が耳に入る

 

トレーナーA「……ライスシャワー、とうとう選抜レースまで、ボイコットか……資質としてはいいものを持っている娘なんだけどなぁ。」

 

トレーナーB「そもそも……レースに出たがらないとは、資質以前の問題ですね。」

 

 ライスシャワー……レースをボイコットするとは、肝が据わっているのか、それとも……

 まあ、俺には関係のないことだ、巡回に行こう 

 

────午後5時50分

 

木村「よし、そろそろ時間だな。」

 

 暗くなってきたし、さっさと詰所に帰るか……

 ん?……中庭に誰か……生徒か?

 

???「ぐすっ、ふえぇ……うぇぇぇぇーん!!」

 

木村「!?」

 

 な、泣いている!?

 これは、流石に近づくべきだよな……放置して帰るのは心が痛むし……

 

???「ばかっ、ばかばか、ライスのばか!がんばるって、がんばろうって、決めたのに……。」

 

 とにかく話し掛けよう

 

木村「あー……お嬢さん。あまり、自分の事を責めない方がいい。」

 

 いきなり本名で呼ぶと、警戒されるかもしれないので、『お嬢さん』と呼んでみる

 

ライス「ふぇ……!?、あ、あなた誰?」

 

木村「俺は学園で、警備員をしている。ま、好きに呼んでくれ。取り敢えず、何で泣いているか、俺でよかったら教えてくれないか?」

 

 彼女に近寄る

 

ライス「あの、ごめんなさい……これ以上、こっちに来ないで……?」

 

木村「どうしてだ?」

 

ライス「だって……ライスのそばにいたら、また不幸にしちゃう。また、迷惑掛けちゃうよ……ライスがだめな子のせいで……。」

 

木村「……」

 

 これは仮説だが、ただタイミングが悪かっただけで実は不幸でも迷惑でも、何でも無いのではないか?

 

ライス「ライスも、だめじゃないライスになりたかったけど……がんばろうって、レース出ようと思ったけど、結局...…!」

 

木村「なあ……お嬢さん。君は頑張ろうと思った瞬間、ダメじゃない自分になろうとした瞬間から、お嬢さんは、成長しているはずだ。だからな……とにかく挑戦してみろ、そうすれば誰かの幸せになる筈だ。」

 

 ライスの横に座る

 

ライス「でも……ライス、また逃げちゃうかもしれないよ……?」

 

木村「もし、逃げたくなったらな、一回深呼吸をしてみな……そうすれば、勇気が付く筈だ。」

 

ライス「……本当?」

 

木村「ああ、本当だ。それでも心配だったらな、これをポケットに入れておくと良い。えーっとな……あった。」ガサガサ

 

 気休め程度にしかならないだろうが無いよりはましだろう

 

 昼休みの間に買ったトランプの箱を開け、中身を取り出す

 そのトランプの束の中から、一枚のカード──クラブのエースを取って差し出す

 

木村「このカードはな、トランプ占いで幸福という意味なんだ。」

 

 まあ、諸説あるらしいけど

 

ライス「そんな大切なもの、ライスがもらっちゃて良いの……?」

 

木村「良いんだ。その代わり、頑張れるか?」

 

ライス「うん!ライス、がんばってみる!」

 

 学生寮まで送り帰し、詰所に戻る

 

木村「さて帰るか。」

 

 駐車場に行き、車に乗り込みんで、エンジンを掛ける

 

木村「あの娘、大丈夫かな……」

 

 また、泣いていたりしたら……と思うと心配で、その日の夜は眠れなかった




 主人公と同僚の設定です。
木村隼人(きむらはやと)
身長 174cm
趣味 釣り、チェス、etc…

滝沢朝輝(たきざわあさひ)
身長 176cm
趣味 映画観賞、読書、etc…

小林大河(こばやしたいが)
身長 173cm
趣味 ゲーム、DIY、etc…

 あとがきまで読んでくださりありがとうございました!

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