今年の本編の投稿は無いと言ったな……
あれは嘘だ。
本当は一話に纏めるつもりでしたが、二話に分けました。
少々長くなっていますが許してください。
結局多少グダってますが。
では、第四話開演です。
木村「ん……」
俺は突然の光で目を覚ました。
寝過ごしたか?
いや、朝にしては光が強すぎる。
そもそもここは何処だ?
階段か?
俺は何故立っているんだ?
俺は頭の中で疑問を繰り返す。
そういえばこの光景見たことがあるような……
木村「ハッ……!」
俺は既視感の原因を思い出す。
高校だ。
そして俺は半袖の制服を着ている……
夏だ。
木村「……不味い!」
俺はこれから起こる事を知っている。
俺は慌てて振り返った。
だが、間に合わなかった。
???「あっ……」
振り返ると同時に声が響く。
俺は手を伸ばす……だが、届かない。
最後に俺の瞳に写ったのはアイツの……落ちる様子だった。
視界が暗転し、柔らかい光と鳥のさえずりが差し込む。
木村「クソッタレ……」
俺は吐き気を押さえ込みながら呟く。
せっかくの晴れた天気なのに……最悪だ。
最悪の一日になりそうだ……
────警備員詰所
AM7:20
木村「ハァ……」
本当に最悪だ。
小林「センパイ、最近ため息ばかりですね。何か悩みでもあるんですか?」
木村「ああ、少しな……ところでこの部屋にいる奴が全員か?」
別に相談したって解決するわけではないんだ。
小林「そうですね。まだ巡回はしていませんし。」
木村「そうか。」
こんな役回りは二度と御免だ。
さあ、覚悟を決めろ。
木村「全員、話がある。」
俺は部屋にいる全員に聞こえる声で話す。
沈黙が部屋を支配する。
本当に聞こえているのだろうか……
新人A「何の話ですか?」
暫しの沈黙の後に質問が飛んだ。
木村「単刀直入に言おう、我々は今日ガサ入れを行う。」
新人B「ガサ入れ?まさか……トレーナーに対してですか!?」
木村「ああ、そうだ。」
小林「ちょっと待ってくださいよ!?この人数でガサ入れですか!?」
木村「警察との合同部隊がガサ入れを行うそうだ……」
ホーント最悪だよ。この人数でガサ入れは出来なくはないが、少々キツイ。
滝沢「つまり、俺達は現場封鎖要員ということか。」
何で分かるんだ……さてはこいつ頭良いな。
木村「対象は井川って奴だ。」
新人A「井川トレーナー!?」
木村「有名なのか?」
新人B「有名も何も中堅トレーナーとして結構腕がいいって有名ですよ!そんな人が対象だなんて……」
俺だって嘘であって欲しい。だが、ほぼ確実なんだよなぁ……
木村「俺達は学園の盾であり法の番犬だ。覚悟を決めろ。」
新人B「はい……」
こうなった以上腹を括るしかない。
木村「ガサ入れは
全員「了解。」
木村「さて、監視カメラに異常は無いな?」
新人A「何故です?」
木村「嫌な予感がしてな。」
当たらないと良いんだが。当たってもなんとかなる程度で欲しい。
新人A「なんだこれ?」
木村「どうした?」
不審者とかは辞めてくれよ……面倒だから。
新人A「いや、トラックが……」
新人の肩越しにモニターを覗くと駐車場に止まっていた。
トラック……?配達が来る予定なんて有ったけ?
木村「おい滝沢、今日何か運ばれて来る日か?」
滝沢「えーと……これか。」
滝沢がとある紙を見せる。そこには注文者と中身が書いてあった。
木村「注文者、シュガーライツ……」
誰だ?あまり聞いたこと事の無い名前だが……
滝沢は俺の表情を見て言った。
滝沢「学園でウマ娘型のロボットを作っているらしい
ぞ。多分その部品だろ。」
ロボットか……夢があるな……
そういえば、やっぱコイツ心読めるよな……俺の表情に出てただけかもしれないが。
木村「よし、受け取りに行きますか。」
滝沢「行きますか~」
あっ、お前も来るんだ……
駐車場に着くと配達員が積み降ろしを始めていた。
その中の一人が話しかける。
配達員「すいません、注文された物なのですが……」
木村「どうしました?」
箱が多すぎて手伝って欲しいとかか?
配達員「注文された方ですか?」
木村「いや、違います。」
配達員「では、注文された方はどちらに?」
木村「滝沢、ライツ博士は?」
シュガーライツ博士だったけ。何処に居るのだろうか。
滝沢「来たぞ。」
滝沢の背後から白い車椅子に乗ったウマ娘が現れる。
木村「貴女がライツ博士ですね?」
ライツ「……ええ。」
彼女は少しぶらっきぼうに言う。恐らくこの荷物の中身が気になるのだろう。
木村「では、受取書にサインを。」
そう言って受取書を差し出す。
ライツ「サインしたぞ。」
木村「ありがとうございます。」
サイン済みの受取書を貰う。
木村「ロボットって夢がありますよね……」
子供の頃に結構憧れていたんだよな。ま、昔だけど。
ライツ「……確かに夢があるな。」
ライツ博士は屈託の無い笑顔で笑う。
木村「夢と言えば博士はウマ娘型のロボットを作っているんですよね?」
ライツ「ああ、もう一度走りたいんだ。酷く個人的な願いだが。」
博士は哀しそうに言った。だが、瞳には揺るぎない決意が宿っていた。
木村「良い夢ですね。」
ライツ「そう言ってくれてありがたいよ。」
木村「ところで、隈が凄いですよ。ちゃんと寝てます?」
ライツ「ウッ」
目の下の隈がまるで現場に居た頃に船酔いと寝不足のダブルコンボを食らった俺みたいだぞ……
ライツ「いや……その……」
木村「いやでも、そのでも無いですよ。寝てください。」
寝ないと寝不足でぶっ倒れちまう。
ライツ「はい……」
木村「滝沢、博士をラボの仮眠室に。」
滝沢「ハイハイ、分かったよ。博士、配達物は倉庫に置いきました。」
ライツ「すまないな。」
滝沢「お安い御用ですよ。」
そうやり取りをし、博士と滝沢は仮眠室に向かって行った。
さて、何をしようか。そう思いトラックの荷台に目を移す。
木村「随分荷物が少なくなったな……」
意外と部品が多かったのだろう。
配達員「では、これで。」
配達員は小さく会釈をして運転席に戻って行った。
ブロロロロ
木村「巡回でもしますか。」
ついでに購買で何か買おう。
────────
さーて何があるかな。
青くて四角い箱を見つける。
木村「これは……ココアシガレットか。」
美味しいんだよな~これ。コイツと……
木村「缶コーヒーでも買うか……」
ブラックでいいや。
木村「すいません、これください。」
職員「160円です。」
確かカード使えたよな……
木村「カードで。」
職員「ピーと鳴るまでタッチしてください。」
ピー
職員「お買い上げありがとうございました。」
俺は購買から出て詰所に向かう。
木村「そろそろお昼か。」
昼飯でも食べよう。
────────
木村「ふ~疲れた。」
滝沢「疲れる程巡回してないだろ。」
木村「なっ……!?」
何故バレた!?完璧に巡回してきた感を出したのに……
滝沢「分かって無い様だから教えてあげよう。お前の両手に持ってる物はなんだ?」
そう言われ、俺は両手に持ってる物を見る。
缶コーヒーとココアシガレットだった。
木村「……昼飯食べようぜ。」
こういう時は話を逸らすのが先決だ。
滝沢「そうだな。」
自分の椅子に座り弁当箱を開ける。すると小林が話しかけてきた。
小林「なんか、美味しそうですね。」
木村「そうか?クオリティが低い気がするが。」
今朝は時間が無くてあまり良い感じの弁当が作れなかったからな。
ズキッ
頭に痛みが走る。
木村「ッ……ハァ」
脳裏に昼飯を頬張るアイツとの思い出がよぎる。
思い出したくないことを思い出してしまった……
昼休みになり、相変わらず生徒が遊びに来ている。
まあ、生徒との交流って事で大丈夫だろう。
小林「やっぱゴルシは強いな。」
新人達と共にトランプをしている小林が言った。あの生徒ゴルシと言うのか……名前にしては短いから、あだ名だろう。
ゴルシ「ありがとな。でも、ゴルシちゃん張り切っちゃうぜ?」
小林「それは、不味いな~」
そうやってトランプに興じる彼女らを横目にロッカー室に入る。
ガチャ
ロッカーの中で一番左の警告が書かれた明らかに危なそうなロッカーをカードキーで開け、装備の確認をする。
木村「防弾チョッキが四つ、ヘルメットが五つ……バイザー付きは四か。」
多分使わないと思うが念のためだ。確かバイザーは投石に十分耐える耐久性があったはずだ。
次に銃器と弾薬の確認をする。
木村「拳銃が五つで、散弾銃が一つ。弾薬はゴム弾だ
な。」
使わないと祈ってるぞ。
そう祈ってロッカー室を出ると、滝沢ともう一人の生徒がチェスをしていた。
生徒「え、何で?有利なはずなのに負けてる……詰みじゃんこれ……」
盤面を見ると両者駒が殆んど無い。しかし、黒番……滝沢の方が圧倒的優勢だった。白番にはもはやクイーンとナイトそしてポーン二つくらいしか残って居ない。こんな状況あり得ないはずだ。普通、黒番の方が不利だが───
木村「───流石だな。」
まさかここまでやるとは。
恐らく、相手の駒を誘い込んでいるのだろう。
生徒「え?」
木村「君、名前は?」
ルラシ「俺?ルーラーシップ……です……」
木村「えーと……ルーラーさん。後三手でチェックメイトだぞ。」
ルラシ「……マジで?」
ルーラーは信じられないと言った顔で俺を見つめる。
やっぱ勘違いか。
木村「マジ。アドバイスだが、弱い駒を使え。」
これくらいのアドバイスが俺には限界だ。
ルラシ「じゃあ、こうすれば……」
そう呟いてクイーンの前にポーンを置く。
滝沢「残念だ。」
滝沢はクイーンでポーンを狩った。だが、直ぐに間違っていたと気づいたらしく目を泳がせる。
まるで、気づいて欲しく無いように。
ルラシ「チェック……」
ルーラーがクイーンをナイトで取る。そして王手を掛けた。
滝沢「……」
滝沢のキングはチェックを防ぐ手は逃げるしか無い。そうして滝沢はキングを横に逃がす。だが、無意味だった。
ルラシ「チェックメイト……」
ルーラーのクイーンが斜め前にあった滝沢のポーンを弾き、キングの斜め前に置く。
滝沢には打てる手は無い。これで全てが終わった。
ルラシ「か、勝てた……なんで?」
さて、種明かしだ。
木村「ルーラーさん。チェスに於いて最も注目される駒は何でしょう?」
ルラシ「……キング?」
木村屋「確かにキングは注目される。だけどクイーンも同じくらい注目される。つまり……」
ルラシ「つまり?」
木村「弱い駒ほど注目されないと言う事だ。」
ルラシ「……これからもチェスで勝つ方法を教えてくれ。」
木村「良いぞ。」
そう告げて、ルーラーの顔が笑顔に変わったと思った瞬間────
ドン
────爆発音が鳴った。
木村「何だ!?」
ルラシ「爆発……?」
一瞬にして詰所は騒然となる。
木村「監視カメラは!?」
新人A「爆発は写っていません!」
滝沢「救急バックボード用意して!」
新人B「分かりました!」
木村「小林は保健室に連絡!負傷者発生の恐れありって!」
小林「はい!」
木村「ルーラーさん達は教室に戻って!」
ルラシ「は、はい!」
ルーラーは青ざめた顔で出て行く。入れ替わりで今度はタキオンがやって来た。そして悲痛な声で叫ぶ。
タキオン「モルモット君達が……!」
まさか……不味い。良く見たらタキオンの白衣も煤で汚れている。
その事を認識した瞬間、俺は考えるより早く詰所を飛び出し廊下を走って階段を駆け上がる。
木村「間に合え……!」
階段を駆け上がるととある部屋の前に人だかりがあった。その部屋のプレートは『旧理科準備室』
ああ……クソッ!
木村「退いて下さい!」
人だかりの中を掻き分け、なんとか部屋の前に着く。
木村「山崎さん、大丈夫ですか!?」
山崎「大丈夫だ……それよりも……」
山崎さんは部屋の奥に指を指す。
木村「それよりも……?……ッ!」
俺は指を指した方向を見て絶句した。そこは爆発が起きた為か黒焦げ、窓ガラスが吹き飛んでいる。しかも最悪な事にそこにカフェさんが倒れていた。
木村「な……」
俺は暫しの間動揺したが、すぐに正気を取り戻し、無線に叫ぶ。
木村「旧理科準備室にて負傷者二名発生、至急応援を!」
そう無線に報告してから倒れているカフェさんに近づく。
無線から返答は無かったが、数十秒後に小林達が到着した。
木村「あの生徒にバックボードを固定しろ!爆発した場所に近い。」
新人s「は、はい!」
新人達は動揺しながら固定を始める
滝沢「固定完了。揺らさずに持ち上げるぞ。一、二、三!」
小林「生徒の皆さんは退いて下さい!」
木村「トレーナーは俺が連れていく。お前らは小林達に付いていって。」
新人s「「はい!」」
木村「歩けますか?」
山崎「ああ。」
やっぱトレーナーってタフなんだな。
タキオン「カフェ!」
廊下に出るとタキオンがカフェさんが乗ったバックボードに涙目になりながらすがり付いていた。
────保健室
タキオン「カ~フェ"ェ"ェ"」
カフェ「タキオンさん……何泣いているんですか。」
タキオン「だって、死ぬかと思ったじゃないか!」
山崎「無事で良かったよ……」
養護教諭「二人共怪我は無いみたいだけど暫く安静にしていた方が良いよ。」
木村「さて、実況見分にご同行願います。タキオンさん。」
タキオン「グスッ、敬語とは背筋が冷えるねぇ。」
そうして俺達は旧理科準備室に向かう。
木村「何が原因で爆発したんだ?」
タキオン「この試薬を落としてしまってね。」
そう言ってタキオンはガラス片を拾う。
滝沢「それ以外に原因は無さそうだな。」
タキオン「おや?金庫の中身が……無い。」
木村「何が入っていたんだ?」
タキオンが青ざめた顔で答える。
タキオン「好感度逆転薬……」
木村「は……?」
え、何それ?
滝沢「何だそれは?」
タキオン「文字通りの意味さ。好感度を逆転させる薬だ。」
それは……不味くね?下手したら大惨事だぞ!?
木村「対抗薬は?」
タキオン「一応あるが、二つしか……」
木村「よし、それを増産すれば────」
『────なんとかなる。』と、言い掛けると……
無線『緊急事態です!カフェさんが暴れてます!』
木村「ハァ!?」
不味い、薬の効果だ。
保健室に入ると山崎さんとカフェさんが揉み合いになっていた。小林は『おともだち』に拘束されて動けない。
山崎「カフェ、落ち着け……辞めるんだ。」
カフェ「何を言っているんですか。」
木村「辞めろ!落ち着くんだ!」
カフェ「あなたも私を邪魔するんですね。消えて下さい。」
注意が俺に向いたのを確認し、叫ぶ。
木村「今だ!」
タキオンが隙をついて首筋に薬が入った注射器を打つ。
カフェ「う……」ドサ
なんとか鎮圧はしたが、もしかしたら他のウマ娘にも影響があるんじゃないのか?その場合大変な事になる。
木村「こりゃ面倒臭くなるぞ。取り敢えずカフェさん達は詰所につれて行きましょう。」
滝沢「こんな事態なった以上、トレーナーの身が危険だな……」
木村「……トレーナーの携帯に情報を緊急配信しよう。」
こうなったら一か八かだ。
滝沢「だが、どうする?携帯に配信って言ったって配信する手段が無いぞ。」
木村「トレーナーのグループLANE を使う。」
LANEは大抵の人間が入れているアプリだ。しかもトレーナーだけのグループも作れる
小林「トレーナーの人は大抵LANE 入っているからそれを利用すれば……!」
確証はないが、今やれる事をやるしかない。
木村「山崎さん。今繋がっているトレーナーにこの状況を連絡して拡散させて下さい!」
山崎「分かった。やってみる。」
木村「次は一旦警備隊本部に状況を伝えて……」
その瞬間、新人の声で無線が鳴った
無線『大変です!トレーナーの皆さんが!』
────詰所
木村「状況は?」
新人A「トレーナー数名が担当ウマ娘から暴行を加えられ負傷している模様です。さらにトレーナー数名が拉致されたという情報も……」
木村「とにかく本部に今の状況を伝えろ。」
新人B「了解しました。」
木村「最悪だ……」
まず、好感度逆転薬の散布された事が不味い。更にはトレーナーの拉致。これも、かなり不味い。まだ拉致されたと決まった訳では無いが恐らく拉致が事実だった場合、トレーナーが暴行を受ける可能性はある。
そもそも、好感度が逆転したからってトレーナーに暴行を加えるか?精々トレーナーに対する忌避が限界だろう。可能性があるとするなら───
木村「────別の薬……?」
新人A「何か言いましたか?」
木村「いや、トレーナーはこれで全員か?」
新人A「いえ、写真付きの名簿を確認したところ三名程足りません。負傷しているトレーナーは仮眠室にて治療しています。」
木村「そうか。」
このまま負傷者が増えると仮眠室ではキャパオーバーだし、医療品が足りなくなる。
木村「トレーナーを会議室に移動させろ。話はそれからだ。」
あそこなら広いし、負傷者がいくら来ても寝かせるほどのスペースがある。
会議室に着くと、トレーナーが机に沿って座っていた。
木村「これから説明を行います。先ずは何故この様な事態になったかについてですが……昼休み、旧理科準備室にて爆発事故が発生しました。その際に何者かが侵入し、金庫に保管されていた好感度逆転薬を奪取し、散布したとみられています。なお、侵入者の正体は不明です。」
新人トレーナー「あの……」
木村「何でしょう?」
新人トレーナー「その薬の効果は何でしょうか?」
木村「好感度を逆転させる薬です。要はマイナスがプラスになり、プラスがマイナスになる薬です。」
タキオン「因みに効果時間は13時間だよ。」
突然発言したタキオンにトレーナー達は動揺する。
トレーナーA「モウダメダァ オシマイダァ」
トレーナーB「ヒィッ……」
ルドトレ「皆さん落ち着いて!」
ルドトレさんが一喝し、動揺は収まった。
木村「ありがとうございます。ルドトレさん。タキオン達は対抗薬を接種しているので安全です。」
ルドトレ「あー……うん。でも何で俺の名前を……」
木村「名簿を見ましたので。それより、この状況を脱せるように話し合いましょう。」
ルドトレ「ええ、先ずは連れ去られたトレーナーを探しましょう。」
トレーナーA「でも、どうやって探します?」
トレーナーB「監視カメラがありますよね?それで探せば……」
木村「良いですね。やってみましょう。」
────詰所
木村「どうだ?写っているか?」
新人A「ダメです。何も写っていません。」
小林「なんで……?」
木村「嘘だろ……」
監視カメラの録画データが破壊されたのか?いや、その割には画面が自然すぎる。
滝沢「誰一人写らないなんてあるのか?」
誰一人写らない……?
木村「まさか……!」
俺は画面に写る葉っぱの動きに注目する。葉っぱは動かない。
木村「これは、フェイク映像だ。」
小林「え?」
木村「見ろ、葉っぱが動かない。そして誰一人写らない。そんなことがあるか?」
新人B「確かにあり得ないませんが……」
滝沢「……いや、待て四日前にカメラが故障しかけた時あったよな?」*1
確かにそんな事あったような……
木村「……ともかく応援を要請しよう。」
新人A「ま、待って下さい!いくら葉っぱが揺れないからってフェイク映像だとは限らないんじゃ……」
木村「君がフェイク映像ではないということの説明が出来るか?」
新人A「そんな事出来る筈が……」
木村「そうか、出来ないか。こっちの根拠は春は移動性高気圧が多い時期ということだ。後は分かるよな?」
新人A「……!」
木村「そう。『春なのに風が吹かず、葉っぱが動かない』そんな事、あり得ないんだ。納得したか?」
新人A「はい……」
木村「よし、『コールブラック』*2を宣言。」
俺が『
滝沢「了解。現時点よりトレセン学園警備隊は『コールブラック』を宣言。応援を要請する。繰り返す。現時点より……」
木村「……」
我々は回帰不能点を越えた。後はなんとかしよう。
────数分前 トレセン学園警備隊本部
トレセン学園警備隊長官の
徳田「何でだよ!?折角休めると思ったらこれだよ!?大体『トレセン学園警備隊』だなんて警察と半分くらい役割り被ってるんだよ!お陰で警察と対立するしさぁ!だから死ぬ気で調整したのにこんな事になるしさ!そもそも好感度逆転薬って何だよ!?大っ嫌いだ!面倒なもんばら撒きやがって!二次創作かよ!?なんなら頭おかしい野党から追及されるぞ!最初から科学テロも考慮すれば良かったんだよ!It's判断力足らんかった!」
秘書「長官、落ち着いて下さい!」
秘書が
職員「長官!」
青ざめた職員が扉を壊す勢いで入って来る。
徳田「あ"あ"もうどうしたぁ!」
職員「コ、コールブラックが宣言されました!」
秘書&徳田「「は?」」
徳田「チクショウメェェェ!」 ̄_¨‥✏
だが、彼も叫ぶだけの無能では無い。
徳田「目に刺さるニャン☆あいたたたはんふ!……警察庁に連絡しろ。うちと協力して事態の対処にあたるよう要請するんだ。俺は総理に連絡する。」
秘書「え?」
徳田「速くしろ!」
秘書「は、はい!」
秘書が部屋から飛び出す。
徳田「コールブラックが宣言された!先ずは情報収集に尽力しろ!」
そうして指示を飛ばされた職員も部屋を飛び出して行った。
そして、徳田は誰も居なくなった長官室で叫んだ。
徳田「大っ嫌いだ!テロォ組織ィのヴァーカ!」
────
俺と滝沢は小林達を会議室に向かわせ、話し合いをしていた。
木村「作戦でも立てるか?」
滝沢「そうだな……これはどうだ?拉致されたトレーナーの奪還。」
木村「いけなくも無いが……」
位置が分からないと不味いんだよな。
滝沢「なら、保護したトレーナーを逃がすか?」
木村「だが、どうする?下手をすれば全滅だぞ?しかもトレーナーを逃がす当てがない。」
滝沢「朝霧駐屯地に逃がすのは?」
木村「良い案だが、それだと遠すぎて拉致されたトレーナーの安全が確保されない。」
下手をすれば我々の信頼が無くなってしまう。そんな事は到底許せない。
滝沢「奪還と同時に移送作戦を開始するのは?」
木村「それなら大丈夫そうだな。後は位置さえ分かれば……」
バイブ音と共に通知が来る。その通知を見て俺は嗤う
木村「間に合いそうだ。」
────国会
国会議事堂では臨時国会が開かれており、内閣総理大臣の梶大輔が野党相手に奮戦していた。
議長「政民党 水島君」
とある議員が議長から名前を呼ばれ、質疑を行う。
水島「政民党の水島です。総理は何故、『
あーこいつダメだわ。大体政民党とかのイカレ野党の時点で間違いなくまともな質問が飛んでくる筈がないんだわ。大体、何処をどう間違えたら『トレセン学園警備隊』が『ウマ娘警備隊』になるんだよ。
ふっざけんな。あと、頭おかしい質問をするな!
そもそも、まともな質問であるのが飛んで来たの三回くらいだぞ!?
しかも、そのまともな質問飛んで来たの二回が先代の総理の増税案だけだし……せめてウマ娘以外にしてくれ。
そうやって頭の中で愚痴っていると……
秘書「総理、大変です。トレセン学園がテロ組織に占拠された模様です。」
梶「へ?」
幸い
気を付けないと。
梶「議長。緊急事態なので途中退席をしても宜しいでしょうか?」
議長「許可します。」
水島「ちょっと総理!逃げるんですか!?」
野党からヤジが飛ぶが無視だ。何れにしろ今はこの事態に対応しなくては。
梶「官邸対策本部を設置する。メンバーを集めてくれ。」
秘書「はい。」
秘書は何処かへ電話を掛ける。
今この瞬間から関係者にとって一番長い日が始まった。
如何でしたでしょうか?
一万文字近く書いてしまいました……
第五話は七千文字位に出来る様に努力します……(グダると嫌なので)
ってかウマ娘とはいえ爆発に耐えられるかは突っ込まないで頂けると幸いです。衝撃波?聞いたこと無いですね……