ブラウザ版で通信カクつくができるとは…!!
『サオトメ博士…いえ、エーテリアス殲滅多用途高知能戦術構造体、コードネーム【ゲッタードラゴン】……また私達と共に戦って貰えませんか?鬼火隊長も貴方が戻ってくるのを──』
『……トリガー。儂はもう軍には戻る気はありはせんよ。これ以上【ゲッター線】に誰かが近づく事があれば、おぞましい何かになりかねん。それに……これ以上【リョウマ達】のような若者を失うのが、何よりも恐ろしいのだよ…。ほれ、点検完了だ。』
『……また来ます。』
『ハァ…そんな顔をするでない。相談事やこいつの整備位ではあるが、手伝う事ならできる。お主はお主でやるべきことをやれば良いだろう…。』
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「…未練がましいものだ、儂ともあろうものが……。」
「…何かあった?」
「すまんな、考え事をしていた。ほれ、お主のスマホだ。データも全て残っておるよ。」
「ありがと。…うわっ、ホントに消えてない、マジじゃん。」
翌朝、請け負っていたスマホの修理が終わり、持ち主である鮫のシリオンである少女と話しながら受け渡しをしていた。
「画面の反応も問題ない。液晶もしっかり交換しておる、今度は気をつけておけよ。」
「わかってる。けど、たった1000ディニーでバキバキに割れたスマホ直すのって、元取れてるの?」
「何時もの事だ、それにこの修理屋は趣味でやっている。色々と掛け持ちしているからな。」
「ふぅん、ならいいけど。じゃあ、またなにかあったら来るから。」
そう言いながら修理屋から退出していく。その直後にビリーが入ってきた。
「おう、爺さん。今空いてるか?」
「ビリーか、お前が来たということは…金庫が見つかったのか?」
「話が速くて助かるぜ。店長達も集まってるんだが…爺さん、店の方は大丈夫か?」
「問題はない、臨時休業としておくからな。外に出てるのも見たのだろう?」
「ほ、ホントに大丈夫かよ…?」
軽くやり取りをしながら、Random Playへと足を運ぶ。そこの駐車場前には既にアキラやニコ達が集まっていた。
「やっと来たわね、金庫の位置はもう把握したわ。それで、この前頼んでたやつはどうなったの?」
「メモリディスクのこと?あれなら、既に修復できてる。しかも君の予想通り、中には金庫の暗証番号が保存されていたよ。」
「さあみんな!プロキシのおかげで準備は整った。そろそろ次の計画に移るわよ!…って、よく見たら焦げた跡もなくなってるじゃない。これも直したの?」
「ああ。やはり見た目も戻しておいたほうがコイツも喜ぶだろうからな。」
ニコに言われたことに対して返答する。修理屋として細かいところも直すのは性に合うからだ。
「さてと、じゃあアンビー!計画を説明してちょうだい!」
「了解。…コホン。諸君、こちらにある新エリー都の地図を見てくれたまえ。」
「…何か嫌な感じがするのだが…本当に大丈夫なのだろうな…?」
アンビーが地図を広げた事に関してサオトメが独り言ちる。
「我々の行動計画は、クリティホロウに入り、上級エーテリアス『デュラハン』を倒して、金庫を手に入れることである。………。」
「…おい、何故そこから話すのを止める?続きは無いのか?」
「以上よ。」
あっけらかんと言い放ったアンビーに対し、サオトメは思わず顔に手を当てた。
「なんの為に地図を広げたのだ…全然使わなかったではないか!」
「ニコは、協力者に舐められないよう、プロらしく振る舞おう都言ってた。さもないと値切りが面倒に──んむむむむ。」
「……ほう?」
ニコが慌ててアンビーの口を塞いだが、サオトメは赤い瞳を出してニコをにらみつける。
「また余計な事言って!ビリー、なんでちゃんと見張ってないのよ!」
「俺のせいじゃねぇって!アンビーが準備した『プロ』のミーティングがこんなんだとは思わなかったんだよ…。あ、だから集合前に探偵映画のミーティングシーンを見てたのか!!」
「地図を使っていたのはそのせいか…それと、全部丸聞こえだぞお前達?」
「(ヤバイ、サオトメの雰囲気が変わった…!?)コホンッ!!と、とにかく!アンビーが説明したように、計画はいたってシンプルよ……金庫を探して取り戻す!──外からじゃホロウ内の状況をリアルタイムで確認することはできないから、中での支援とガイドは任せたわ!」
サオトメの怒りのボルテージが上がっていくのを感じたのか、ニコが話題を変えてやり過ごす。
「…まあいい、早く向かうとするか。」
「じ、爺さんもいるなら百人力だ!今回も頼んだぜ!」
そして彼ら一同は、色々有りつつもクリティホロウへと向かう
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クリティホロウ内
邪兎屋の3人、サオトメにパエトーンが感覚同期したポンプ、イアスはホロウ内にいた。
サオトメに関しては本人曰く『ポセイドン』と呼称する形態……黄色を基調としたマッシブな体系に背中についた大型のミサイルが特徴的な姿に変わっている。
「ホントに一瞬で分離して合体し直すなんて…そこまで速いとごちゃ混ぜにならない?腕が四本生えたりとか、全部の部位が上半身になったりとかあったんじゃない?」
「……まあ、初めは何度もあったが、今は目を瞑ってようがこの速さで合体は可能だ。だがニコ、貴様どこで金庫の位置を知った?」
「気になるわよね?けど、それは企業秘密よ!そう簡単に話す訳にはいかないわ!…でもまぁ、今ここに部外者はいない訳だし?ちょ〜っとだけなら教えてあげてもいいわよ?」
「全く…自慢したいなら最初からそう言えばいいものを…。」
「博士、こういうのは分かってても口にしちゃダメ。こういう時のニコは、意外と繊細だから。」
「はいそこ、静かにして!!」
思わず口に出してしまったサオトメとアンビーを横目に、ニコは話を続ける。
「コホン!言ってしまえば簡単よ。調査協会にツテがあるの。実は彼ら、ここ最近のホロウ定期観測任務とエーテル資源採掘任務の記録係を任されてたのよね。」
「…まさか断れない様ななにかをしたのか?」
「なんであなたはこういう時に限って冴えるのよ!?…まあそんな感じで、ホロウ内部で起こった直近2回の異変に関するデータを照合してもらったの。相違のあるポイントを羅列すれば、おおよその位置が特定できるでしょう?」
「流石ニコの親分!!」
「…ん?リ…パエトーン、どうした?何も話さないが…。」
ニコの話を終えた所でサオトメがイアスの異変に気付く。微動だにせず、何も喋らなくなったからだ。
「…………。」
「何か可笑しいな…聞こえるか?」
「……大丈夫!ちょっと、接続が不安定になってたみたい。」
「プロキシ?突っ立ってないで、そろそろ出発するわよ?大まかな位置は把握してるけど、どうやって辿り着くかはあんた頼みなんだからね!」
一抹の不安を抱えながらも、彼らは金庫の捜索に向かうのだった。
(……H.D.D.の接続が不安定になるのは可笑しい。何度かホロウ内の探索に出たが今まで一度もたりとも起こり得なかった……とすると問題は…。少し、危ういかもしれん…。)