ISは人を傷つける為の道具じゃねぇ!俺とISバトルで勝負だ! 作:ホビアニ系主人公VS鈍感系主人公
「ISは人を傷つける為の道具じゃねぇ!俺とISバトルで勝負だ!」
静寂がクラスを包む……阿良田に向けられるのは何を言ってんだコイツと言う冷めた目線だ。だが、問題ない……こう言う冷やかな視線ならば阿良田も慣れている。中にはボソボソと陰口を話す者もいるが、もはや阿良田の耳には1デシベルも届かない。
「な、何を言い出しますの貴方は!?」
「お前が言い出しっぺだろうが、決闘ってよ!」
「そうですが……いえ、そもそも貴方のような下世話な男がISを分かったように語るなど許せませんわ……!!!」
「んだと……!?」
「ISは女性の力の象徴であり、貴方のような下世話で軟弱な男が軽々しく語って良い代物ではありませんわ!!」
「そんなもんは偶像崇拝に頼った唯のまやかしだ!!」
「なんですって!?」
「ISの基礎学でも始めに習う事だろうが、ISはただの力じゃねぇッ!女尊男卑の象徴でも、世界をひっくり返す兵器でもねぇ!!!人類と遥か彼方の未来を掴む為のパートナーだ!!」
「そんなのは体の良い詭弁ですわ!現実を見なさい!その証拠にISを纏えない男達は今までも虐げられて来たでしょう!?」
「そんなのはISの存在に付随した価値でしかねえ!そんなのはISの本来の魅力なんかじゃねぇよ!!」
そうして始まった阿良田とセシリアの大討論……喧嘩を買った一夏よりも白熱した討論を繰り広げる阿良田に、さすがの一夏もすーっと脳に上がった血が下がっていく感覚がする。
ただ一つだけ言えるのは、阿良田の持つISへの一筋への愛だ。相当な思い入れを持たなければ、ここまでISを、ただの力でない……人類の未来への象徴だとは言い切れないだろう。
やがて、しびれを切らした千冬が二人を一喝する。
「いい加減にしろ、この大馬鹿者共ッ!!!」
「「ッ!?」」
セシリアと阿良田もその言葉に体をはねさせる。千冬は、今にも切って捨てそうな表情でも2人を見つめていた。正に鬼の形相だ。
「クラス代表を決めるという簡単な仕事で何たる醜態を晒す気だ貴様らは……!!」
……ぐぅの音も出まい。セシリアと阿良田は何とも言えない面持ちで肩を窄める。千冬は少し目をつぶり、心底つまらなさそうにため息をついて案を出す。
「……良いだろう。ならば、推薦の多かった織斑、オルコット、大神の三人の総当たり戦のIS戦で決着をつけてもらおう。一番戦績の良かった者をクラス代表にする。」
ずいぶんとシンプルで分かりやすいルールだ。阿良田は当然問題なし……むしろ、かなり乗り気だ。
「よろしいですわ!……大神阿良田!織斑一夏!貴方方が負けたら奴隷にでもなってもらいますわ!」
「はっ!?オイなんだよそ「上等!もし負けたら桜の木の下に埋めてもらったって構わねぇぜ!!!!」お前何いってんだ!?」
一夏は我慢できず阿良田を両肩をがっしりと掴んで顔を突き合わせる。
「お前良いのかよ!あんな約束して!」
「問題ねぇ!勝てば良いだけの話だ!」
「お前教官に瞬殺されたんだよな!?」
不意に阿良田が千冬の方を見ると、なぜかニヒルにフッ……と笑うだけだ。ちょっとあの不敵な笑みの意味は分からないが、兎に角阿良田は真剣な眼差しで一夏に伝える。
「大丈夫だ!俺は負けねぇ!!」
「えぇ……」
「あら、織斑さんは相当自身が無い様ですわね……ま、当然かしら?軟弱な男ですものね……!!」
すると、阿良田からみた一夏の顔がムッと険しい顔になる……こうなると、割と千冬と似ているような、そうでないような……そんな表情だ。
「誰が何時そんな事いった!いいぜ、俺も受けて立ってやる!」
阿良田をどうこう言う割には大概一夏も煽り耐性ゼロではなかろうか。いや、セシリアも阿良田も大概煽り耐性低すぎるのだが……
「話は纏ったか?決闘開始日は次の月曜日、精々無様な戦いぶりは見せぬように!!」
「「はいッ!」」
「はいッ!!」
かくして、波乱の決闘が幕を開けたのだった。
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「とは言っても、どうしたモンかなあ……?」
午後のホームルームを終わった放課後、一夏はあの箒と言う少女と共に鍛錬へ……セシリアもシュミレーションでの鍛錬の為にその場を後にした。
決闘の舞台でもあるアリーナの使用は予約制だが、データ上での戦闘を行うシュミレーションは席さえ空いていればいつでも使用可能なのだ。
それは兎も角として……阿良田は腕を頭に回して、机にペンと紙をおいてこれから始まる決闘の事について悩んでいた。相手はあのセシリア・オルコットだ。彼女のブルー・ティアーズによるビット攻撃の苛烈さは映像で何度も見たことがある。
自分がセシリアと渡り合うには、あのビット兵器を対策しなくてはならない……だが、対策兵器を用意する時間は無いだろう。かと言って、阿良田の専用機である『陽炎』にはあの飛び回るビットを攻撃して撃ち落とす能力はない。
いや、
一夏に至っては何もかんもわからん!!専用機持ちなのかアイツはそもそも!?
「んあー、どなんしましょ……」
「何を悩んでるの?」
すると、隣からくいっと顔をのぞかせて一人の少女が声をかけてくる……たしか名前は……
「えぇーっと……相川さん?」
「おっ!正解!よくわかったね?」
「流石に出席番号一番は印象に残るぜ。」
「ふふん!」
なぜ出席番号1番なだけでここまで胸を張るかはわからないが……まぁいいや。相川は、紙とペンを用意した阿良田をみて小首を傾げる。
「それで?何してるの?」
「セシリアさんと戦う為に対策立てておきたいんだけどさ。中々思いつかなくて……」
「ビットによるオールレンジ攻撃……こんなの対策のしようがないよなぁ。散弾や拡散系の武装を使って広範囲に攻撃してビットを落とすって手もあるけど……さすがにそこまで用意はできないだろうし。」
拡散ビームガン?散弾?……あったとして、陽炎に最適化させる時間が要る。次の月曜日に発見と装着が間に合うだろうか?……どうしたものか。
……すると、阿良田は相川がぽかんと口をあんぐりさせているのに気づく。怪訝そうな顔で阿良田は問いかける。
「な、なんだよ……池の鯉みたいな顔して……」
「大神君って対策とか立てるタイプだったんだ!?」
「喧嘩売りに来たのかアンタァッ!?」
いきなりなんて失礼な奴だと阿良田は怒りを露わにする、相川も流石にごめんごめんと謝罪しながら、事の理由を話す。
「いや、大神君ってこう……如何にもな超熱血漢ッッッ!!!!って感じだからさ。もっとこう……気合いでどうにかしてやるッッッ!!って感じの人なのかなって。」
「酷い偏見だなオイッ!?」
そうはいっても、ここまでの阿良田をみてきた人間ならどんな人間でもそんなふうな反応を見せてしまうのが当たり前だろう。だって基本的クソデカボイスだし、いきなりISバトルで勝負とか言い出すし、なんか暑苦しいし、何処のホビーアニメの主人公だって話だ。
阿良田は軽いため息をついてから話し始める。
「確かに俺は気持ちや根性、勇気が勝負事の勝敗に大きく関わるとは思ってるぜ。だが、それだけで勝てる訳じゃねぇのも分かってる。」
思いだけでも、力だけでも駄目……というのは、何処のアニメのセリフだったか。力も技術も何もともわないのに、気持ちだけで勝とうとするのは勿論……力と技術、才能と努力にかまけて気持ちな感情を御座なりにしても勝てない。
「相手に勝てるように徹底的に分析して、徹底的に鍛えて、それで初めて気持ちや根性が勝利の為に手を貸してくれるんだ。逆もまた然り……ってな。」
「なんて、分かったふうな口聞いちまったな。」なんて、阿良田はヘラヘラと笑ってみせる。だが、スポーツを得意としていた相川はその考えに同調できる部分があった。
確かに……スポーツでも、どんなに努力しても才能があっても、慢心や疑問で圧倒的格下に大敗を帰すこともあれば。気持ちで盛り返して勝利をつかめることだってある。
「ま、その為にも先ずは対策を立てねぇと。セシリアとブルー・ティアーズはほぼ初戦の俺にとっては難敵だ、あのオールレンジ攻撃を掻い潜って攻撃しなきゃなんないんだからな。手の内を知ってるとは言え、隠し球が無いとも言い切れない。凄い強い相手だぜ(小並感)」
「あんなに言い争った後なのによくそんな素直に褒められるねー?」
「それとこれとは話が別だろ。セシリアが強くて凄ぇ事は確かなんだ。そこに敬意を払わないでどーすんだよ。」
「あはは!確かに!」
敬意を払え……確かに、全く持ってそのとおりだ。相手に敬意の一つも払えない人は、いつかほころびが生まれる。そんな相手をみてきた記憶もある。
(う〜ん、実はクラス代表、織斑君を推薦してたんだけど。)
相川は対策を悶絶しながら頭からひねり出そうとする阿良田を見ながらそんな事を考える……相川も、実は推薦の際に一夏に票を入れていた者の一人だ。なにせ、あんなに堂々と瞬殺されたと言っていたのだから……流石に票を入れるのも憚られた物だ。
だが、今ならなぜだろう……この大神阿良田ト言う少年ならば勝利を掴めそうな、そんな予感がしていた。これは男だとか女だとか専用機持ちだからとか、そんな次元の話ではない。一人のスポーツウーマンとしての相川の感が告げていたのだ。
この男は強いと。
しかし、そうなるとどうしても解せない部分が出てくる……相川は思わずその疑問を口に出してしまった。
「大神君って、本当に実技試験だと瞬殺されたの?」
「あー、されたね。」
4分代はまぁ、瞬殺だろう……相手が織斑千冬と言う規格外も規格外と言うことを除けばだが。
「ふ〜ん。」
「なんだよ……んな怪訝そうな顔して……」
「……まぁ、本人が瞬殺って言うなら瞬殺なのかなあ……」
「なぁあんまり瞬殺瞬殺言わないでくれねぇか?泣くぜ?」
と言うか、今にも泣きそうである。そんなに瞬殺瞬殺言わなくても良いではないか……
「えぇい!考えても埒があかねぇ!
「えっ?個人で訓練機をいじっちゃっても良いの?」
「あぁ、言ってなかったか。俺専用機持ってるんだよ。」
「えっ!?専用機!?……って、初の男性装着者の一人なら専用機くらい贈られるか。」
相川は羨ましいな〜なんて快活に笑う。専用機なんて、IS乗りを目指す者なら誰しもが憧れる物だ。阿良田だって本来乗れないはずの男なのにバカみたいに憧れていた。一回本気で男でも乗れるISを、開発しようとしたくらいだ……コアの情報が少なすぎて頓挫したが。そもそも開発費も何も感もないので無理筋ではあるが。
「良いな〜専用機!」
「何なら見てみるか?俺の専用機!」
「えぇ、自慢?大神君って結構性格悪い?」
「まぁ自慢だな!俺の最カックイイ専用機だからな!!」
「ふふっ……そんなに言うなら見せてもらおうか!!大神君の専用機!」
「おぉ〜見せろ見せろ〜おーあらの専用機〜!」
「「!?」」
机の隙間からぐいっと出てくるのは萌え袖の制服をきた、頭から爪先までのほほ〜んとした感じの緩い女子だ。髪型は二つの結び目を作っている。しかし、ここまで近づかれたのに全くもって気配を感じなかった……相川は思わず問いかける。
「えぇっと……貴女は?」
「布仏本音って言うんだ〜のほほんさんと呼んでおくれよ〜二人は知ってるよ〜あーきちゃんとおーあら君だよね〜」
「あだ名自称ってあるんだてかどんなあだ名よ…………大神君?」
「…………。」
肝心の阿良田は本音が表れてから即座に彼女を見つめる……厳密には、彼女の頭部らへんだ。午前中はジーーーーッと見られることに文句を垂れていた男が、今度は自分が見つめる側に立っている。
まぁ、流石にそんな情熱的な視線を向けられたら、良い悪いに問わず何かしらを勘ぐってしまうのは当たり前だ。本音は少しからかうような言葉遣いで問いかける。
「えぇ〜もしかして私の事タイプなの?困っちゃうな〜」
「結構、マジで。」
「えっ!?」
「えぇ、本気ぃ?照れちゃうな〜」
「髪の、結び目がなんか……こう……ウサ耳みたいで……良い!!」
「そこぉっ!?」
思わず相川のツッコミが炸裂する。流石に布仏もその答えは予想外だったようで軽くずっこけそうになる。髪型を褒められるのは悪くないが……何と言うか思ってた反応とはずれていた。
「髪型だけかよ〜」
「なんでだろうな。こう言うウサ耳みたいなの頭についてる人が好きなんだよな、俺。」
「変なの〜〜触る?」
「流石にそこまで見境なしじゃねぇぜ!」
流石に許可をもらってもほぼ初対面の女子の髪に触れるような勇気はない。と言うか、普通触らせもしないものだろうに……相手は実際軽く引いてる。
「あーっと……のほほんさん?も、大神君の専用機見たいの?」
「見たいね〜私整備系に興味あってね〜、他の人の専用機がどんななのか把握したいんだよ〜」
「大神君は良いの?」
「別に拒否する理由もねぇしな、いいぜ!んじゃ……整備室いくか!」
そう言って阿良田は良い笑顔でサムズアップしてみせた。
相川さんの選出理由は彼女スポーツウーマンなので、阿良田の勝負事に関する価値観にも理解を示せるなあ……と思ってのことです。ヒロインにするかはわかりません()
のほほんさんは安定ですね、安定ののほほんさんです。クッッッソ可愛い。
大神君は何故かウサ耳好きの人(ただしウサ耳判定はガバ、頭に二つなんか付いてたらウサ耳判定)