ISは人を傷つける為の道具じゃねぇ!俺とISバトルで勝負だ!   作:ホビアニ系主人公VS鈍感系主人公

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大神阿良田はクールに去るぜ。

 

 セシリアとの試合を終えてハッチに戻る阿良田……そこにはフィッティングを終わらせた一夏や、戦いぶりを見ていたであろう千冬や真耶。相川や本音が迎えてくれた。

 

「お疲れ!阿良田!」

「こちらも設定は完了だ。あとはセシリアの方の準備が整ってからだな。」

 

 阿良田は地面に足をつけると、装備した陽炎を待機状態はと戻す……因みに、陽炎の待機状態は腰に着けられたキーホルダーだ。浅草のお土産に売ってあるような、変形する剣のキーホルダー……ぶっちゃけ、趣味が悪い。

 

 とまぁ、くだらない話はそこそこに……阿良田はISを解除すると早々に相川と本音に手を合わせて謝る。

 

「悪ィ、粋がってた上手伝って貰ったのに負けちまったぜ……」

「気にしな〜い気にしな〜い。」

「そうそう!寧ろ凄いよ!もう少しで勝っちゃう所だったし!」

「いや……機体の性能も良かった。まだ俺も訓練が足りないな。」

 

 そう言って阿良田は手をぎゅっと握りしめる……負けるのは良い。それも楽しい勝負の内だ……だが、やはり手伝ってくれた相川や本音に応えられなかったと思うと、悔しさは隠しきれない。

 

「まぁでも、チャンスはまた巡ってくるかもだし!」

「そぉそぉ、今日負けたら次勝てば良いんだよ〜。」

「……っだな!」

 

 セシリアはまた再戦を受けてくれると言ってくれた。であれば、今できるのは悔やむことではなく……より高みを目指すために訓練することだ。それしかない。

 

「いやあ!でも楽しそうだったね大神君!!」

「んあ?」

「本当本当〜いきなり叫んだ時は気が狂ったかと思ったけどね〜」

「何気ひどくねぇか?」

 

 しかし、楽しそう……か。旗から見てそう思ってもらえる勝負が出来たのであれば、悪くない。勝負事で人を圧倒し圧巻させるのは……簡単ではないが、高い能力を持った者達であれば出来る事も多い。

 

 しかしはたから見て「楽しそう」と思わせるには、ただ高度な技術を持って人を圧倒すれば良いという物でもない。であれば、どうすれば人に「楽しそうな勝負」と思わせられるのかというと……分からない。決まった法則なんて、あるわけ無いのだ。

 

 そして、その「楽しそうな勝負」こそが阿良田が見せたい物だ。ISをただの力ではなく、人と共に歩むパートナーとして、ただの女尊男卑の象徴として、畏怖される存在で終わらせない。そんな勝負をしたかったのだ。

 

 少し嬉しそうに微笑む阿良田。そんな阿良田を千冬は視界の端に寄せる。……千冬からみても、世界大会でも観れないようなレベルで「楽しそうな勝負」だった。

 

(……まるで大昔のお前を見てるようだったぞ、束。お前もISを作ろうとしていた初めは……)

 

 千冬がそんな事を考えていると、彼女の通信機に通信が入る。

 

「ん?私だ…………そうか、ならもう出ても良いぞ。こちらも準備はできている。」

 

 そう言って千冬は通信を切ると、一夏を見て話す。

 

「セシリアの方の準備が終わったそうだ……織斑!出番だ!」

「っしゃッ!!阿良田の弔い合戦だ!!」

「まだ死んでねぇよ俺。」

 

 何気まだ十五分足らずしか経過していないが……まぁ向こうが良いというのならばよいのだろう。

 

「頑張っててねおりむー!」

「織斑くんもがんばれ!」

「気合入れて行けよ、一夏ぁ!」

「応!……(おりむー?)」

 

 本音の付けた変なあだ名に小首を傾げながら、一夏は白式を纏ってカタパルトへと向かう……一夏から見ても、阿良田のISバトルは本当に楽しそうだった。

 

 かつて剣道やISでも稀に見たことがある……試合勝ち負け関係なく良い勝負だ。ISへの愛が薄い自分にはあんな真似できるかわからないが……せめて、みっともない姿だけは見せないようにしなくては。

 

(……前に阿良田や先生が言ってたっけ、ISは人類の新たなパートナーだって…………なぁ白式、その気があるなら、俺に力を貸してくれ。)

「織斑一夏!白式、行きます!!」

 

 阿良田を真似てそう叫ぶと、一夏はアリーナへと向かって飛びった。さぁ、セシリアと一夏のISバトルの始まりだ。

 

 阿良田も待機室でISの回復整備を待つ中、モニターで今行われるIS戦を眺めている。戦う前にセシリアが謝罪したり、一夏とのやり取りもあったが……まぁ、俺の時とそう変わんないな。一夏も一度非を認めた人間をネチネチ責めるような人種でもないだろう。

 

「……一夏のIS、白式でしたっけ?あれ、もしかして遠距離武装積んで無いんですか?」

「ほぉ、よく分かったな。」

「IS本体に遠距離武装は付いてなかったし、各関節がフレキシブルに動くタイプでした。少なくとも、セシリアの様な遠距離で攻めるISなら関節部にはもっと安定感のある仕組みにする筈……特に腕部はね、少しでも射線のぶれないような仕組みにしたいでしょうから。」

「よく見てるな……正直少し気味が悪いぞ。」

「自覚はあります。」

 

 阿良田がサラリとそう言うと、千冬は軽く肩をすぼめて画面に映るISについて少し語ってくれる。

 

「白式。武装はブレードの雪片弐型……のみだ。」

「ブレード一本のみっすか、作った人頭おかしいなオイ。」

「言うね〜あと言うかお前の機体も大概だろう……」

「いや、まぁそうなんスけど……そもそも陽炎って誰が作ったんすか?」

「……さるお方、とだけ言っておこう。」

 

 そう言って千冬は誤魔化す。これもまた、千冬や束とのメールでのやり取りの時に伝えられたのだが……束曰く『阿良田くんにはまだ陽炎を作った事と自分の事は伝えないように。』との事だ。まったく……一体何を考えているのか。

 

 暫く試合は一夏が押されながらもつつがなく進行していたが……セシリアの全ビットでの砲撃を受ける一夏……そこで土煙を突き抜けて現れるのは変形した雪片弐型を持つ一夏だ。

 

「あれって……」

「白式の単一使用能力(ワンオフアビリティ)、零落白夜だ。自身のシールドエネルギーを削り相手に大ダメージを与えられる。」

 

 成る程、自身を傷つけながらダメージ……まさに諸刃の剣と言った所か。少し阿良田の陽炎の愚者を焼く炎(イグニス・ファトゥス)と似ている……陽炎の方は攻撃を防ぎ回避させるのが主体とした……例えるなら、正に矛と盾だ。

 

「成る程、シールドエネルギーを削って……あれそれダメージ受けてた一夏不味くないですか?……いや。流石に機体性能くらい把握して」

『試合終了!織斑一夏のシールドエネルギーがゼロの為、セシリア・オルコットの勝利!!』

「……してなかったようだな。」

「えぇ……」

 

 もはや、何も言うまい。千冬も目元を押さえて心底あきれ果てたように静かに言葉を漏らす。

 

「全く。何でざまだ。」

「IS受け取ってから一時間足らずでの実践なら仕方がないかもですけどねぇ……」

 

 阿良田がそう言って頭を掻いていると、試合を終えた一夏が戻って来る。その顔は深くため息をついており、心底残念そうな顔だ。

 

「お疲れ、一夏。」

「阿良田……悪い、間抜けに負けちまった……」

「まぁ、次に活かそうぜ。お互いにな。」

 

 過ちを気に病むことはない、唯認めて次の糧にすれば良い……というのは、誰の言葉だったか。しかし、コレでセシリアに男二人組は2枚抜きされてしまった。

 

「織斑先生、戦績から考えるとセシリアがクラス代表で確定になりますけど……俺と一夏の試合はどうなります?」

「クラス代表は兎も角、大神と織斑にも休憩が終わり次第試合をしてもらう。男性IS操者のバトルのデータは貴重だ、思いっきり戦え。」

 

 成る程……阿良田にとっては渡りに船だ。折角だからキチンと一夏とも戦っておきたい……もっと言うと、合法的にISバトルがしたい!まだバトルしたりない!そう思っていた所だ。

 

 しかし、一夏としては阿良田と戦う理由はない……苦虫を噛み潰したような表情で苦言を呈する。

 

「えぇ……千冬姉ぇ、俺は別に阿良田とは……」

「是非やろう直ぐやろう今やろう」

「ちょっ!?阿良田お前なァッ!?」

「決まりだな。準備でき次第始めてもらう。」

「うえぇ…………まぁ、別に良いけど………」

 

 一夏としても戦う理由がないだけで、全力拒否というわけではないが、どうにも気が乗らない…………阿良田はまぁ、クラス代表が掛かってなくても、ISバトルだけで楽しいから構わないのだろう。

 

 こうして、第3試合たる阿良田と一夏の試合が繰り広げられようとしているのだが………

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

「でりゃァッ!!!!」

「うおあぁぃぁぁ!?」

 

 アリーナの中で、阿良田の陽炎による双剣の斬撃が一夏を襲う。

 

 ……一応基礎スペックはスピード以外は一夏の白式も阿良田の陽炎も互角だ。零落白夜やイグニス・ファトゥス無しなら若干白式の方が攻撃に出力を、陽炎が防御面に出力を回しているくらいだろうか?流石にスピードだけは現在の白式でも陽炎には追いつけない。白式もそれなり以上に速いはずなのだが。

 

 そしてどちらも近接戦型ならば、その差が一番顕著になるのはスピードの差だ。その点の相性で言っても、知識や操縦センス面でも阿良田と陽炎のコンビが頭一つ抜けてると言えよう。

 

 もっとも、絞って単純な戦闘センスなら、かつて武道を嗜んでいた一夏の方が上であろうが。

 

(くっ……やっぱ操縦上手いな阿良田。真正面からドッグファイトは辞めたほうがいいな。しょうがねぇ、ここはセシリアを真似して、タイミング良く零落白夜を発動して……サーベルで接近してきた阿良田にカウンターを……!!)

 

 一夏はその考えのもと、あえて阿良田に切り飛ばされて距離をあける……当然阿良田は追撃を選び、猛スピードで一夏へと接近する。

 

「っしゃっ!!トドメ!!」

(くっ……もっと引き付けて……………)

 

 一夏は近づく阿良田に雪片弐型を構えて、待ち構える……そして、一夏にとっての絶好のタイミングで、居合切りのように剣を抜いた。

 

「今!!零落白夜!!」

 

 発動されたワンオフアビリティ……自身のシールドエネルギーを大きく削り、猛スピードで突進してくる阿良田に一閃―――だが。

 

「甘えッ!!」

 

 阿良田は咄嗟にサーカス団のように大きく身を翻して、一夏の一閃を躱す。そして、その勢いのまま手に持った二本のサーベルを投擲武器のように一夏へと思いっきり投げる。

 

「イグニス・ファトゥス無しなら!このくらいのスピード制御できるんだよ!!!ほぉらっ!!!」

「んがぁっ!!」

 

 ブーメランのように回転して不意打ち気味に飛んでくる刃を一夏は避けれず、2本とももろに喰らい、地面に叩きつけられる……すると、シールドエネルギー残量は零落白夜の影響もあってゼロ。

 

 やはり一撃必殺は中々にリスクが大きい。こういう事があるのだから。

 

「あー、もっとタイミング狙っとくんだった。カウンター一撃必殺狙うんじゃなかったな……」

「一夏ァ、大丈夫か?」

 

 一夏の元へ降り立つ阿良田。そっと阿良田が手を貸してやると、一夏もいててと腰を擦りながら立ち上がる。

 

「あぁ、俺の負けだ……しかし悔しいなぁ、二連敗かぁ……」

「まだまだな!少年!」

「クッソ腹立つなお前!?」

「ははっ!悪ィ悪ィ。」

 

 すると、一夏は阿良田の陽炎をみてまた悔しそうに言葉をつづる。

 

「いや、でもマジで悔しい……お前の、イグニス・ファトゥスだっけ?あれも引き出せなかった。」

「引き出すっつーか、俺も熱いし機体に負荷かるし、そうそう使えねぇんだよ。一分経過すると強制解除されて陽炎本体のスペックがガタ落ちして的になるし。」

「あー、零落白夜と似たような感じか。正に必殺って奴か?」

「どっちかにとっての必殺だから言い得て妙だよな……」

「つか、あのカウンター避けられるとは思わなかったぜ?タイミングバッチリだったのになぁ!」

「へへっ!オレを甘く見たな!大方セシリアの時みたく滑って突っ込むと思ってたろ!」

「そうだよ!……当たり前だけど、セシリアみたいにはいかないな……」

「セシリア本人の技量もあるし、あれは俺も御しきれてな『貴様ら、何を話し込んでいる!アリーナの使用時間は限られるのだ、早く戻れ!!』

 

 完全にやらかしてしまった。話し込みすぎた……千冬の怒号がアリーナに響く。阿良田と一夏は慌てて直ぐに待機室のハッチの方に戻るのだった……こうして、1-1クラス代表決定戦は幕を下ろしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……その日の夜の事だ。

 

 阿良田と一夏は自分の寮部屋に居た、因みにIS学園の寮は基本二人一部屋、阿良田と一夏も例に漏れず同じ部屋にぶち込まれていた。

 

 荷物も段ボールにまとめて運び込まれており、流石に入学から1週間近く経過しているのだから、荷物整理は終わっているはずだ。

 

 ……しかし、部屋にはまだいくつかの段ボールがのこっており、それら全てに大神阿良田の名が記されていた。流石にこれには一夏も苦言を呈す。

 

「おい阿良田ぁ、流石にそろそろこの段ボールなんとかしろよ……つか何が入ってんだよこの量。」

「あー、趣味の品?ギターとかプラモとか裁縫セットとか……色々。セシリアとお前の試合終わったらやろうと思ってて……」

「多趣味すぎね?つかその終わってから片付けるって千冬姉ぇも良く言うけど結局やらねぇ奴だぞ?」

「……えっ、織斑先生そんな家事致命的なのか?」

「まぁな、普段はシャンとしてるけど、オフだと結構だらし無い人だぜ?」

 

 ……すると、一夏と阿良田は不意に背中に寒気を覚える。気のせいだろうか?気の所為だと信じよう……すると、突然、部屋にノックの音が鳴り響いた。

 

「……織斑先生なわきゃねぇよな?」

「は、はは……まさかだろ、流石に……なぁ?」

「…………俺ちょっと出てくるわ。」

「嗚呼、頼む。」

 

 流石にないとは思いつつも、阿良田は内心心臓をバクバクにさせながら歩き出し……入り口の扉に手を掛ける。

 

「……なわきゃないよな?大丈夫だよな?そうだよな?」

 

 阿良田は震える腕を何とか押さえつけて……そっと扉をひらく。音もなく動かされる扉……その奥にいた者は………

 

 

「うおえっ!!??……お、大神阿良田……!!」

 

 以前ほんの少しだけ阿良田と顔合わせのした篠ノ之箒だった。阿良田も彼女が一夏の幼馴染であった事は記憶している……昔にとある事情で離れ離れにならざるおえなくなった事も。 

 

「えぇっと……篠ノ之箒ぃ……さん?」

「あ、あぁ!合ってるぞ!」

「嗚呼、一夏から話は聞いてる。」

「っ!?!?それはどんな!?!?!?」

 

 目をさんさんと輝かせて箒は阿良田へと問いかけてくる……あまりの食いつきっぷりに阿良田も若干たじたじになりながらも答える。

 

「えぇっと、強くて優しくて剣道が凄い強いやつって……」

「……………そうか」

「それと、大切な幼馴染だって。」

「!!!!!そうかぁ!!!」

(分かりやすいなこの人。)

 

 阿良田は百面相もびっくりな表情の変わり方に内心あきれていた……そんな中、箒は心のなかで失敗したと頭を抱える。

 

(くっ!……折角勇気を出して試合の終わった一夏を労いに来たのに!まさかルームメイトの方にドアを開けられるとは!確率で言えば二分の一でこうなるとは言え……くそっ!勢いで行動するんじゃなかった!!!嗚呼しかしどうする、こうなっては適当に誤魔化して去る事も出来ないぞ!変なやつだと思われてしまう!ど、どうすれば……)

(顔に出てるんだよなぁ)

 

 勿論この考えも、阿良田にとっては手に取るように分かる……顔にそう書いてあるようなものだ。しかし、どれだけの百面相をしていながら……一夏は特に箒よ思いに気づいた様子もない。人の恋心でおちょくるようにも見えないが……

 

(まぁいっか……問題はこの人をどうするかだけど……………はぁ、しゃあねぇな。)

 

 キザなやり方になるが仕方がないと、阿良田は部屋の奥にいる一夏に声を掛ける。

 

「一夏ァ!俺悪いけど用事思い出した、ちょっと部屋抜けるわ!」

「えっ?お客さんは!?」

「お前の知り合い!なんかお前に会いに来たっぽい!」

「わぁバカお前!!」

 

 思わず箒は阿良田につかみかかる……力強い一撃に阿良田はぐわんぐわんと揺らされてしまう。阿良田は突破にヒソヒソ声で語りかける。

 

「痛い痛い痛い痛い!……いいだろ別に!どうせそういう目的だろ!?久々で話したいこともあるだろうし、俺抜けてるから部屋で話してろよ!」

「お、お前っ!!……す、すまん……直ぐに終わらせて……」

「気にしなくて良いって、ゆっくりしていけよ。」

 

 箒が手を離すと、阿良田はぱっぱと服を伸ばして身だしなみを整える。すると、一夏もひょっこり顔を出す……すると、箒の、存在に気づいたようだ。

 

「箒?」

「い、一夏……」

「んじゃ、俺抜けるわ。」

「えぇっ!?阿良田何処に……」

「……陽炎の様子見に行くんだよ!!(適当)」

「あ、あぁ……そうか……」

 

 阿良田はそのまま部屋から抜けて、何処かへと去ってしまう……一夏は廊下に出た阿良田の背中を箒と見送りながら、小首を傾げる。

 

「……試合終わりだからか?」

「……一夏、良いルームメイトを持ったな。」

「……?そうだな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、つってもどうしよ……」

 

 のんびりと寮内を歩く阿良田……陽炎の様子を見にくと出て行った物の、実際にやるかどうかは別の話だ。それに今日はさすがに疲れた。何処かで休んでおきたい気分なのだが……

 

「あー、どうしよ……」

 

「どったの〜おーあら〜」

「大神君どうかした?」

 

 そっと、後ろから声をかけられる……振り向くと、そこには本音と相川が居た。とりあえず友人と出会えてほっとした阿良田は肩を窄める。

 

「すこしな……部屋に入れなくなって。」

「おりむーと喧嘩かぁ〜?」

「えっ!?大丈夫?」

「いや、そういうのじゃねぇんだが……一夏の方も用事っぽくてな。」

「ふ〜ん……」

 

 本音はそう言うと、相川と顔を合わせて軽く頷くと阿良田へ声を掛ける。

 

「って事は、暇ってこと?」

「そうだな、暇。けど少し休みたくてさ……」

「ふーん、じゃあさおーあら〜!……少し付き合ってくれない?」

「……んあっ?」

 

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