転生厄ネタ男はガンダムSEEDで幸せに(※当社比)暮らしたい 作:ノリと勢いと少しの狂気で生きている変人
よろしくお願いします
違和感を感じて目が醒めた。
目を開くとモニターとまるでアニメに出てくる戦艦のブリッジを思わせる様な誰も座っていない座席の並んだ空間。
そして、その向こうの
「は?」
暗い空間に幾つもの光が瞬いていて、目を凝らせば近くに隕石のようなもの――小惑星やデブリが浮遊しているのが見える。
「夢か?いや・・・・・」
いつの間にか握っていた座席の肘置きの硬さや、着ているジャケットの感触が現実だと訴えている。
・・・・・ジャケット?
寝る前にジャケットなど、着ただろうか。
そもそも、寝る前に己は何をしていた?
「どういう事だ?」
――違和感。
寝ぼけているにしても思考がまとまらない。
俺は座っていた座席から立ち上がって、窓に近づく。
外を見つめていれば多少落ち着くだろうと思ったからだ。
手のひらを窓に当てる。
冷たい様な、冷たくない様な・・・・・多分遮熱がなされているからなのだろうと思う。
そこでふと、窓に反射したものが目に入った。
「この顔は」
窓に薄っすらと見覚えのある顔が映っている。
ああ、そうだ。
この顔はゲームのマイキャラクターの――
「ッッッ?!」
頭の中をかき混ぜられるような違和感。
俺は、オレの名前は――
「・・・・・ジン――ジン・ガントレット」
そうだ。
俺はジン・ガントレットという名前だった。
だが、それは
「そうだ、俺はジージェネをやってた筈だ」
――ジージェネ。
正式な名称をSDガンダムGジェネレーション。
機動戦士ガンダムシリーズのアニメや漫画などに登場するMSと呼ばれる兵器群をSD、二頭身にしたものを操作して遊ぶシュミレーションゲーム。
俺はその中でも『クロスレイズ』という作品が好きで、暇を見つけてはやり込んでいた。
その『クロスレイズ』で使っていたマイキャラクター、それがジン・ガントレットだ。
「俺は、ジン・ガントレットだ」
確認の意味を込めてもう一度自分の名前を口に出す。
今俺は二つの
一つは、俺自身。
もう一つは
何方も俺だ。
記憶を辿ると・・・・・やけに曖昧だ。
違和感が多い。
だが、曖昧な記憶の中に、今の状況に該当する創作物のジャンルがあった。
そう。
「・・・・・転生、か」
だが、仮に俺が転生したとして、転生する前の生活などを明確に思い出す事は出来ない。
精々がガンダムという作品に関わる事ぐらいだろうか。
なら寧ろ生まれ変わったのとほぼ変わらないのではないだろうか。
・・・・・いや、今考えても無駄な事だな。
夢ならば覚めるし、コレが現実なら――多分現実だとは思うが――生きるしかない。
何も分からないから死のうなんて狂人のやる事だ。
俺は狂人ではないし、進んで死にたいと思う質でも無い。
「よし、先ずは状況確認だな」
見た感じここは戦艦のブリッジで間違い無いだろう。
それなら端末に艦内の情報などがある筈だ。
ブリッジの中央にある、目醒めた時に俺が座っていた座席に再び座る。
端末はこれか。
此処からどうすればいいのか、朧気ながら理解っていた。
身体が憶えている様な感覚。
その感覚のまま端末を起動してパスワードを打ち込み、暫くして端末の画面に文字が出力されていく。
その文字を追っていくと、細かい事はよくわからないがこの艦にはAIが搭載されていて、それを起動している最中だという。
暫くして、端末に薄桃色の髪の少女が表示され、流暢に喋り始めた。
『――はじめまして。私はM.A.I。貴方のサポートをするのが役目です。キャリー・ベースの操縦から私生活の援助まで、どうぞ、何なりとお申し付け下さい』
AIと言うよりも画面越しに人間と話しているように感じる事に驚く。
だが、少し安心した。
少なくとも話し相手に困る事はなさそうだ。
》☓《
それからM.A.Iに様々なことを聞き、分かったことは――殆ど何も分からないと言うことだった。
嘘だろ、と頭を抱えたくなる――というか抱えてM.A.Iにメディカルポッドに入る事を進められた――話だが俺自身が嘘みたいな状況なので何とも言えない。
因みにM.A.I曰く、俺が起動させる前のログが存在しないらしい。
レーション等の食料や水は少なくとも数年分はあるそうだが、そこはかとなく不安だ。
それはそうと、俺はM.A.Iの案内で格納庫に来ていた。
俺がジージェネのマイキャラクターであるなら、俺が乗っていたあの機体があるのではないかと思ったからだ。
そして、その予想は的中した。
それも最高の形で。
「こいつは・・・・・!!」
ハンガーに固定されているスマートなシルエットをもつ黒い機体を見上げる。
SDじゃない、頭頂高17.9m、本体重量66.6tの可変型MS。
――人呼んで、グラハム専用ユニオンフラッグカスタム。
俺の好きな機体だ。
ロボット作品が好きな者の誰もが一度は思うであろう、自分の好きな機体に乗りたいとという叶わない夢。
それが今、眼の前に、手の届く範囲にある。
乙女座の俺としては、センチメンタリズムな運命を・・・・・感じられないな。
そんな事よりも・・・・・。
「乗ってみたいな」
『では、出撃しますか?』
「・・・・・頼む」
『了解しました。ノーマルスーツを着用の後、機体に搭乗してお持ちください』
操縦出来るわけがないとか色々考えたが、自然と足は動いていた。
『――出撃シーケンス開始。パイロットはMSに搭乗して下さい』
そうしてノーマルスーツを着た俺はM.A.Iの艦内放送を聴きながらフラッグカスタムのコックピットシートに座っていた。
起動の仕方は・・・・・まただ、何と無く理解った。
M.A.Iを起動させた時やノーマルスーツの時もそうだった。
俺にはどんな秘密があるんだろう・・・・・実はニュータイプだとか?
そうこう考えている内にフラッグカスタムの起動は終わり、ハッチが開く時の微かな振動が伝わって来た。
(発進方式はアークエンジェルのアレ)
コックピットのモニターにM.A.Iが表示される。
『準備はよろしいですか?』
「ああ」
発信位置にフラッグカスタムを立たせる。
モニターの向こうに、無限の宇宙が見えた。
『進路オールグリーン。ユニオンフラッグカスタム、発進どうぞ』
「了解した!!・・・・・ユニオンフラッグカスタム、出るぞ!!」
シグナルを確認し、ペダルを踏み込み――瞬間、機体が加速する。
少し間を置いて全身にGが掛かった。
?・・・・・思ったよりも軽く感じる。
殺人的な加速・・・・・とまでは言わないがかなりのGが掛かっている筈なんだが。
まあ良い。
何故もう一つの身体のように馴染むのかとかの疑問は尽きないが、今はそれよりも大事なことがある。
「俺は今、フラッグカスタムに乗っている・・・・・!!」
そう、このロボやメカが好きな人間なら誰もが羨むであろうこの状況。
それも好きな機体だ。
初めてフラッグカスタムのプラモデルを組み立てた時の、あのワクワクを思い出す――それを遥かに上回る興奮。
思わず、叫ばずにはいられなかった。
「この気持ち・・・・・正しく愛だ!!」
『バイタルが乱れている様ですが大丈夫ですか?』
「・・・・・少し興奮しただけだ。気にしないでくれ」
『了解しました』
Name:ジン・ガントレット
Lv 158
アビリティ一覧
【グラハムスペシャル】
【フラッグファイター】
【射撃知識 Lv2】
【格闘技術 Lv3】
【射撃技術 Lv3】
【好機 Lv2】
【?の?????】←厄ネタ