これは彼らの再創の物語。
―???ー
とある施設の監視室で1人の男は監視モニターをただじっと見ていた。
そんな時、背後から感じた気配に気づき、体を向けると同じ隊服を着ている女性がいた。
「監視はどうだね、レイズ伍長」
「こ、これは中将殿。なぜこのような場所に。絶対兵士は変わらず薬物で眠っております」
「そうか」
何故このような場所に中将がいるのだと思いながらも、業務相手であるモニターへ再び体を向ける。
「しかし、君も大変だろう。1週間で交代するとはいえ、モニターから目を離せない仕事は」
「そ、それが今の任務でありますから」
「だが・・・それも今日で終わる」
えっと口から出た瞬間、監視モニターが全て真っ暗になった。この任務を続けて、故障はたまにあるが全てが故障する異常は始めてだった。
すぐに非常警報ボタンを押そうとするが、その前に鋭利なナイフの刃が手のひらを貫いていた。
痛みと驚きで座っていた椅子をひっくり返し、そのまま床に倒れる。
あまりにも突然すぎる出来事に頭が追いつかず、息を荒げながら壁まで足で這いずった。
「な、なぜですか、中将!?」
「君にはすまないが、絶対兵士は頂いていく。安心しろ、君の命までは取らない」
「ふざけるな!ッ、・・・」
携行していた拳銃を抜く前に中将が銃を向け
「・・・始まりの主が汝を再創せん」
私は監視室を静かに出ていった
ー???ホロウ内ー
『こちらエリア14、戦線維持できず!増援を!』
無線機から聞こえる悲鳴にも似た声は消え、別の声で同じ内容は続く
突如暴走し膨張を始めたホロウから逃げ遅れた民間人をホロウ逃がすため、我々、軍は派遣されたが四方八方から、ホロウの怪物『エーテリアス』が襲いかかってきた。
ホロウはエーテリアスの巣窟、いくら倒してもきりがない。軍は民間人を守るどころか自分の身を守るだけで精一杯。
私達の隊も奮戦したが次々に戦友は倒れ、弾も倒れた戦友達からもらったが尽きつつある。
しかし、私の前には依然として怪物達がいる。息を整えながら構えるが、照準が安定しない。
私は銃を下ろした。もう抗う力も失いつつある現実に、怪物にやられて楽になりたいと願い、駆けてくる怪物達から目を閉じ、脱力した。
だけど、怪物の悲鳴が聞こえて目を開くと異質な者がそこにいた。全身は金属でできたスーツと1つ目のようなランプが点灯しているフルフェイスで身を纏い、刀を携えた忍者だった。
忍者は私を一瞥すると人離れした跳躍でその場から消えた。
自分は夢を見ていたのかと思ったが残された怪物の死骸がそれを否定した。
そんな時、どこからか歌が聞こえた。小さな音だったが私は銃を再び持ち上げた。疲労している私が幻聴を聞いたのかもしれない。でも、動かずにはいられなかった。
私は軍人でまだ生きている。なら命ある限り責務を全うしたい。疲労で引きずっていた足はいつの間にか早足に変わっていた。
孤立していた少女を助けた後、逃れられない死に対して最期まで抗った私は悟った。私はあの忍者から戦う勇気をもらっていたのだと。
聞いたことあるか?あの噂。旧都陥落の時、エーテリアスを斬り続けた幽霊の噂。
多くの戦力が投入されていて零号ホロウはあの大きさになっているが、幽霊がエーテリアスを殲滅し続けなければ、式輿の塔を起爆してもホロウは新エリー都を巻き込んでいたんじゃないかって。
連中からは英雄扱いされているみたいだが、別の噂もあるんだよ。
前に研究施設の職員全員が斬り殺されていたニュースがあっただろう?あれ、幽霊の仕業なんじゃないかって。
職員の死体には鋭利な刃物で斬られていて。奴は戦利品に実験に使われていた何か、も奪ったらしい。
あ?何かはなんだって?そんなの俺が知るかよ。宝かもしれないし、パンドラの箱かもしれん。
・・・パンドラの箱がなんだって?自分で調べろよ。
ん?・・・まあ、幽霊を捕まえたらその宝も手に入るだろうな。
おい、まさか変なこと考えてないだろうな。やめろよ!今もただでさえ危ない橋渡ってんだ。幽霊なんてものに関わったら、てめえの命なんて塵同然だ!
なんでそんなに慌てるんだって?し、知らねえよ!!
しつこいぞ。・・・ア゛ア゛ア゛ッ!!知りたいなら言ってやるよ!俺はその施設の生き残りなんだ!
あの日、上からの命令で視察に向かったんだ。視察中に警報が鳴り響き、避難指示も出されたから非常口に向かった。その道中で見ちまった。幽霊が警備員を殺す瞬間を
奴は完全武装の警備共を斬っただけじゃない。人の頭を壁に叩きつけたんだ。
何度も何度も何度も、壁に!クレータが!!出来るまで!!!
奴の体が返り血で真っ赤になった時、目が光った。俺はその時、運悪く気絶しちまった。
気がついた時には幽霊はいなかった。たぶん俺が死んでいると思ったんだろう・・・でもな、辺り一面真っ赤な血が飛び散って、俺の右手には、右手にはなぁ!!真っ二つにされていた人間の腸を掴んじまってたんだよぉ!!
・・・その後どうやって施設から出たのか、自分でも分からない。
けどな、幽霊にだけは絶対に関わっちゃいけないんだ!
関われば最期、ッ
なんだよこれ、ああ・・・ワ゛ァア゛ア゛ア゛ア゛!死にたくない!死゛ニダクナァ
通報があったのはここのはず・・・。
だけど、あまりにも静かすぎる。罠があるかもしれません。2人とも警戒を。
朱鳶よ、通報者を発見した。だが・・・2人とも見てはならぬぞ。我の目の前には地獄の片鱗が見えているからな
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