機械仕掛けの忍者はホロウを彷徨う   作:飽き性なSS作家

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これからほんの僅かな時間、あなたが知る世界から意識が離れ、この世界を体験します。

これは彼らの再創の物語。


1.2

僕の嫌な予感は当たってしまった。

 

カンバス通りの避難民を連れてこれたのは良かったが、ゴールにあのサイボーグが待ち構えているなんて。

 

そしてその背後には治安官の格好をした人達の無惨な亡骸が広がっていた。おそらくビジョンが用意した偽物の治安官と思うがあの数を1人で処理したなら、2人が言っていたことが現実味を帯びてくる。

 

そして猫又を助けるためアンビーとビリーが動くより先に、ニコがサイボーグの頭部に弾による一撃を見舞うという勇姿を見せたのだが

 

「ど、どうしよう・・・」

 

今になって仲間の忠告を思い出したようで、アタッシュケースを持つ手は震え、僅かに汗をかきはじめていた。

 

「ニコ、大丈夫。できれば避けたかったけど、今の判断は正しい」

 

「そうだぜ!。それにガンマンの俺より早撃ちができるなんて流石はニコの親分だ」

 

2人はそう言って、ニコの前に出ていく。猫又もその隣まで移動し、短剣を抜いていた。

 

「アンビー、ビリー、気をつけろ。こいつは」

 

「大丈夫、猫又。もう、わかってるから」

 

「ああ。こいつは化物だってことはな」

 

「フフフッ。待っていたぞ、邪兎屋」

 

「こっちは待ってなんかいないわ。こんな事やって、あんたは何が目的なのよ」

 

「決まっている。お前達、邪兎屋と勝負がしたい。邪魔な奴らは排除し、気がかりだった避難民は外に連れ出した。お互い、これで思う存分戦える。───ずっと待ち望んでいた。ただお前達との・・・これから巡り合う者達との一時を楽しみ」

 

忍者は刀の切先を僕達に向けて突き出した。

 

「決着をつけるためにあの世から戻ってきた」

 

「君は僕達に何か恨みでもあるのか?」

 

忍者が僕達に向ける執着に対して、僕は忍者に問いた。邪兎屋は確かに仕事柄、いろんなところから恨みを買っている。だけど、その相手の大半は後ろめたい事をやっている人や組織。そんな人達が殺し屋を雇ってまで邪兎屋に復讐するなど考えられない。

 

「そんな陳腐な感情ではない。戦いの中でしか得られない一時の快楽、そこに私が存在する理由がある。───さて、お前達の時間稼ぎはこれで終いにしよう」

 

「時間稼ぎ?なんのこと「白祇重工と治安局が来るのだろう」な、なんでそれをあんたが知ってるのよ」

 

「フッ・・・。いろいろ知っているからな」

 

「動くなよ、忍者さんよ。猫又から聞いた。だが、銃弾を斬れるとしても俺様の早撃ちには敵わねえぜ」

 

「確かに、お前の早撃ちは見事だった。だがそれをふまえて」

 

 

 

「お前は四手で詰む」

 

 

 

「な、に?」

 

下手な早送り映像を見ているかのように、一瞬の内にビリーと距離を詰めた忍者は

 

「どうした。敵は目の前、引金は引かないのか?」

 

ビリーが答える前に忍者は刀を振るうが猫又、アンビーの二人がその刃を止めた。

 

「止め「流石だ。だが、二手遅い」え」

 

「な!?」

 

ビリーの体は四肢と共に地面に落ちていく。下からの攻撃は確かに2人が防いだ。でも、2人が動く前に四肢を切る動きはなかった筈だ!

 

「この!」

 

猫又は勇敢に剣を振るうが忍者は後退しながら回避する。アンビーも連携するが、それでも刀で防がれるだけで当たらない。

 

「実力は分かってきた。悪いがお前達のチャンバラ遊びに付き合うのはそろそろ飽きた」

 

忍者は猫又とアンビーから大きく距離を取り、刀を鞘に戻すが構えは解かない。だけどあの構えは居合か?

 

「悪いが───狩る」

 

 

『警告。前方の敵から異常な熱量を感知。徐々に周りの空間の温度が上昇中』

 

 

Fairyからの忠告が言葉より、目でわかってしまった。忍者の足元から赤い炎が膜のように全身に広がっていく。それ以上に刀からは業火のように荒々しく炎が揺らいでいた。

 

「に゛ゃ!服が!?」

 

その熱さを証明するように猫又の腕の裾が突然燃えた。猫又はその場から下がる

その隙を見逃さず、忍者は同時に動いた。赤い炎の軌跡が目に残るほどの速さで後退していた猫又の胸部を切り裂き、そのままアンビーに牙を向く。アンビーもその素早い斬撃に対応しきれず、ブレードの刃と共にそのまま胴を斬られ、静かに倒れた。

 

そんな、嘘だ。

 

デッドエンドブッチャーとは次元が違いすぎる力を前に僕は後ずさってしまう。

共に窮地を切り抜けた仲間が倒れるはずがない。そう思い込んでいた。

だけど、前衛がいなくなってしまった今の僕たちに勝機すら見いだすことができない。

 

「あとは───!」

 

そんな中、僕はサイレンの音がだんだん近づいていたことに気づき、そして忍者は空からのスポットライトに照らされた。

ヘリコプターには白祇重工の責任者達が乗っているようだが、その場の状況に驚いている様子だった。

 

「タイムアップか」

 

『こちら治安局副長官、ジャスティン・ブリンガー。君はすでに包囲されつつある。武器を捨て、投降しなさい!』

 

忍者は後ろで展開しつつある治安局を一瞥してから、僕たちを再び見据えた。

 

「今宵はこれで終幕としよう。だが、パエトーン。お前は今回の事件に関わったことをいずれ後悔することになる」

 

「また会おう」

 

忍者はその場から跳躍し、死体の山と倒れた仲間(アンビー 猫又)をその場に残し、夜の闇に消えた。

 




やっぱり戦闘描写上手くできないな・・・
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y-labo from Scratchさん、感想ありがとう!

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