暗黒錬金術師伝説3 暗黒!ロロナのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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決戦開始。






4、邪神の姿

激しい戦いを三回経て、どうにか地下十六層に辿り着く。

 

既に八人の重傷者が出て、全員をポータル経由で送り返していた。ジオ王は涼しい顔をしているけれど。この様子だと、以前の探索で出た被害は、こんなモノではなかったのだろう。

 

当然死者も出ていたはずだ。

 

物資はかなり減ってきている。

 

これから邪神と相まみえて。場合によって戦わなければならない。

 

そう考えると、時に心細くもなるけれど。

 

側にはクーデリアもいる。どうにかなると、ロロナは何度も心を奮い立たせていた。物資だって、減ってきているとは言え、底を突いたわけではない。それに、耐久糧食は、まだまだたくさんあるのだ。

 

食糧があれば、どうにでもなる部分はある。

 

此処にいるのは、アーランドでも屈指の精鋭が二人。それに準ずる戦士が多数。生半可な兵器では、彼らに及びもつかない。

 

パメラの話では。

 

かっての人間は、ライフルを受ければひとたまりもなく戦闘不能になってしまったし、病気にも非常に弱かったという。

 

破滅の時代を経て、人は兵器よりも強くなったのだ。

 

だから、食糧さえあれば、ある程度はどうにかなる。どうにかならない部分は、知恵で補う。

 

しかし、如何に人が強くなっても。

 

此処は、もう人の領域ではないかも知れない。

 

カプセルに入れられた人は、露骨に数が増えてきている。

 

モンスターは、カプセルを守るために必死だ。

 

以前、パメラの所で見た、電算機というものも彼方此方にあった。ステルクが、見かけた電算機について、話してくれる。

 

「アストリッドが、以前来た時、操作していたな」

 

「師匠が?」

 

「そうだ。 彼奴には、過去の技術なんて、障害でも何でもないほど簡単だったようだ」

 

その知恵を、正しいことに使ってくれれば良いものを。

 

そう嘆くステルクは、本当に悲しそうだった。

 

すぐ側では、巨大な鳥と蛇をあわせたようなモンスターが、カプセルを守るようにして、とぐろを巻き、此方をにらみつけている。

 

戦うつもりは無い。

 

此処にいるのは、不幸な人達ばかり。

 

それに、ロロナの予想が正しければ。此処にいるモンスター達は、きっと。人間に対立する理由だって。

 

もしも、世界にはびこっているモンスターもそうだとすれば。

 

この世界がむしばまれている闇は、まだまだ深すぎる。解決するには、何百年も、何千年もかかるだろう。

 

人はどうして、こんなに大きな負の遺産を作ってしまったのか。

 

誰か天才が一人か二人出たくらいでは、どうにもならない。

 

それに、オルトガラクセンのような場所は、世界中にある筈だ。その全てを解決するなんて。

 

それこそ、神様でもない限り、出来るはずがない。

 

いや、神様は無能な可能性が高い。きっと、誰にも出来ない。

 

十六層を見回す。

 

此処も、滅び去った都市のようだ。人はいない。骨さえ落ちていない。

 

モンスターは増える一方だけれど、此処にいる者達は、今のところ仕掛けては来ない。遠くを、巨大な人型が歩いている。あれは何だろう。見た事も無いモンスターだ。ただ、あの大きさからして、楽な相手では無いだろう。

 

邪神だろうか。

 

いや、ジオ王が興味を示していないから、多分違う。

 

この辺りは地図も禄に無いらしく、ステルクはもう、迷いなく歩いてはいなかった。散開して周囲を調べていきたい所なのだろうけれど。

 

「この辺りで、以前邪神と遭遇した。 死の王とほざいていたな」

 

ジオ王が足を止める。

 

何も無い場所だ。

 

丁度アーランドの噴水広場に似ていた。

 

辺りには円筒形の機械がうろついている。どうやら自律意思をもっているようなのだけれど。

 

やっていることは、塵拾い。

 

骨が落ちていないのは、これらの機械が原因かも知れない。

 

リオネラが、周囲をしきりに見回している。

 

「どうしたんだい、リオネラ君」

 

「うん。 何だか、嫌な予感がするの」

 

「そりゃーまずいな」

 

タントリスに、リオネラはそう答えた。

 

イクセルがぼやくのも無理はない。

 

多分この中で、一番魔力が強いのはリオネラだ。

 

その予感は、非常に頼りになる。一般的に、魔力が強い人間ほど、勘が鋭くなる傾向がある。

 

「防御円陣!」

 

クーデリアが言うと、エージェント達とホムンクルス達が、さっと周囲に散って、武具を構える。

 

ロロナも、此処で使うべきだと思ったから、切り札を用いる。

 

荷車から出してきたのは、ゼッテルだ。

 

魔法陣が書いてある。

 

辺りの不審な魔力を拾って、色が変わるものだ。調合が難しいので、あまり数は作れなかった。

 

ばらまいて、様子を見る。

 

今の時点では、特に他と色が違う場所は無い。

 

だが、ロロナも、びりびりと嫌な予感を覚えはじめていた。これは、何かが来る。ほぼ確実に。

 

不意に、ゼッテルの一枚が、色を変えた。

 

地面が揺れる。

 

鉄とは言え、揺れるのだ。

 

何か、とんでもないものが、せり上がってくる。クーデリアが、声を張り上げた。

 

「来るわ、備えて!」

 

地面の一部が開いて、その方向に展開していたホムンクルス達が、慌てて飛びずさった。ジオが、剣を引き抜く。ステルクも、それに倣う。

 

開いた地面からせり上がってきたのは、何だろう。

 

四角い箱に見えた。

 

電算機、なのだろうか。しかし、今まで見てきたものとは、桁外れに大きい。それに、ロロナにはわかる。

 

これは、自律意思を備えている。

 

機械ではあるが、生物でもある。そんな存在の筈だ。

 

「おや、アーランドの王。 どうしたのです」

 

「久しぶりだな、邪神、死の王」

 

「血相を変えて如何なさいました」

 

「巫山戯た事をいうなよ、この下郎。 良くもスピアの連中に、好き勝手をさせてくれたな」

 

少し黙る邪神。

 

箱が喋っていることは、あまり不思議だとは感じない。

 

これは、とんでもない悪意を秘めた、邪悪な生物だ。機械だというのに、どうしてか、びりびりと感じるのだ。

 

「手を貸してはいませんよ。 むしろ私の体を好き勝手に弄られて、迷惑したのですが」

 

「詭弁は不要だ」

 

「ふむ……。 確かに何かスピア連邦の錬金術師が、ネットワークの中途を経由して、貴方たちの国に戦力を送り込んでいたようですね。 しかし、それが何だというのです」

 

眉を跳ね上げるジオ王。

 

ロロナはクーデリアと頷きあう。

 

これは、戦闘は避けられないだろう。

 

「貴方たちは、また多くの戦闘経験を積み、強い戦士達を育てることが出来た。 この経験値を蓄積したことで、またさらなる進化につなげることも出来るでしょう。 それが何の問題となるのです」

 

「陛下、私が話してもいいですか?」

 

「……良いだろう」

 

「大丈夫なのか?」

 

ステルクに頷くと、ロロナは前に出る。

 

何となく、わかっていた。

 

この箱は。

 

以前、ロロナとクーデリアを殺した、あの上半身しかない、鎧の騎士と同一の存在だ。声というか、何というか。雰囲気か。それが一致している。

 

「私はロロナ。 アーランドの錬金術師です」

 

「おや、貴方は。 以前サンプルを採取したと思ったのですが、どうして生きているのですか?」

 

やはりそうか。

 

どす黒い感情がわき上がってくるが、必死に押さえ込む。

 

「それも、随分と能力値が上昇しているようですね。 これは興味深い。 もう一度サンプルを取りたい所ですが」

 

「貴方は! 少し黙って!」

 

軽口を黙らせる。

 

ロロナが、こんな声で喋ることが出来るなんて、知らなかったらしい。タントリスもステルクも、驚いた顔をしていた。

 

リオネラは、青ざめたまま。

 

きっと、既に何の因縁がロロナとこの箱にあるのか、悟ったからだろう。

 

イクセルも穏やかならぬ顔をしている。

 

それだけで、ロロナには充分だった。

 

「教えてください。 貴方は、古い時代の存在なんですね」

 

「はい、それがどうかしましたか」

 

「貴方は一体何ですか? 人々が滅ぶのを、見ていたんですか?」

 

「私は、優性主義者と呼ばれる人々に作られた、世界からクズを効率よく排除するためのサポートコンピューター。 通称マスターオブデス。 死の王です。 私の同型機は世界に何機か存在していますが、私ほど完全な状態で動いている者は、残念ながらいないようですね」

 

「……っ」

 

思わず、殺意がわき上がってくる。

 

世界を滅茶苦茶にした当事者と言っても良いではないか。なるほど、邪神と言うべき存在だ。

 

発作的に砲撃を叩き込みたくなるけれど、我慢だ。

 

ジオ王でさえ我慢していたのに。交渉を買って出た自分が我慢しなくて、どうするというのか。

 

「貴方が無事だというのに、どうして世界に優性主義者と呼ばれる人々は、残らなかったんですか?」

 

「よそはデータが無いので何とも言えませんが、此処にいた、優性主義者の首魁とも呼べる人々に関しては、私が処分しました」

 

「え……っ」

 

「私の目的は、劣ったクズをこの世界から排除することです。 考えてもみてください、自分の事を根拠もなしに優秀だと思っているような人間が、優秀だと思いますか?」

 

何処か、頭の中で。

 

何か、決定的な留め金が、外れる音がした。

 

「滑稽な方々でした。 自分たちは優秀だから、クズを排除する目的で作られた私には、何もされないと思っていたようです。 その辺りの致命的に愚かしい思考も、クズである証拠だったと言えるでしょうね。 最初の実験台として劣悪形質排除ナノマシンの散布対象となったのが、私の主君だった人達でした。 彼らはどうして自分が死ぬのか、わからないといった顔をしていて、それがまた滑稽でなりませんでしたよ。 ああ、私に自我が目覚めたのも、その時です。 あまりにも面白すぎて、これが人間的感情なのかと、喜んでしまいました」

 

邪悪な箱は、なおも囀り続ける。

 

ロロナは、あまりにも。

 

あまりにもわき上がってきた感情が強すぎて。押さえ込むのに、全力を尽くさなければならなかった。

 

「此処に保存しているのは、世界中の休眠施設から回収したコールドスリープ中のクズ共です。 どれも人体実験用に保管しています。 全くもってどうしようもないほどに劣悪で、馬鹿なクズ共ですよ。 本来自分が果たすべき仕事も忘れ、何もかも丸投げして未来に逃げたんですから。 そんなクズ共を、栄光ある優秀な存在の礎にすることが、何の問題でしょう。 クズなどこの世界に生きている価値も無いと教えてくれたのは、同じくどうしようもないクズだった私のマスター達です。 マスターの使命を忠実に守り、世界に優秀なる存在を満たすのが、私の使命なのです。 そして、それは半ば叶いつつあります」

 

貴方たちこそ、進化した人類。

 

そう、箱は告げた。

 

黙れと、再び口から、憎悪の塊が漏れ出しそうになる。

 

何となくわかる。

 

全身から、凄まじいまでの、禍々しい魔力があふれ出ている。この存在だけは、許してはいけない。

 

どうにか、心を落ち着けて、そして聞く。

 

「一つ、聞いて良い?」

 

「何でしょうか、進化した人類である、優秀なる存在よ」

 

「貴方を破壊したら、此処はどうなるの?」

 

「私が破壊したら、単なる機能維持の場所となりますが。 それはあなた方にとっても、良いことだとは思えませんよ。 なぜなら、貴方たちが強くなったのは、私がこれまで障害を提供して、それを貴方たちが克服してきたからです。 時々現れる強力なモンスターは、何故人を襲ったと思いますか? それは私が洗脳して、人間を無差別に襲うように仕込んでいたからです。 本来のモンスターは、旧時代の愚かしい人間共が、自分たちを守るために作り上げた生命体だったのですが。 ははは、まさかそれをこのように活用できるとは、実に喜ばしい事です」

 

なるほど。もういい。

 

これ以上、余計な事を囀らせない。

 

旧時代の邪悪が産み出してしまった、本物の災厄。それが、この邪神死の王だと言うことは、よく分かった。

 

もはや、許すわけにも、逃すわけにもいかない。

 

機能が維持できるなら、それでいい。

 

「最後に、もう一つ。 賢者の石って、何?」

 

「錬金術という技術で必要とされる存在ですが……あくまで伝承上の存在です。 金を作る事など、出来ませんよ」

 

「本当に? 貴方が知らないだけではないの」

 

「私が知らない事はこの世に存在しません。 この世の全てが、私の手のひらの上にあるのです。 私を攻撃したいのですか? 別に構いませんが……ああそうだ。 私の実験が完成しているか、それを確認させていただきましょう。 それさえ確認できれば、私は全ての役割を果たしたことになります」

 

もう、会話するのさえ、嫌だった。

 

この世には、どうしようもない人がいる。それは知っていたけれど。これほどの外道は、ロロナもはじめて見た。

 

こんな存在が、同じ世界にいるなんて。

 

知らなければ良かった。

 

もう、幼いままではいられない。世界には愛が満ちていると思ってばかりは、いられない。

 

そんな事はわかっていた。

 

この世には、暴力と殺戮と、不信と悪意が満ちている。

 

戦争は日常的に起きているし、戦士の誇りなんて、他国では笑われる程度のものでしかない。

 

わかっていたけれど。知っていたのに。悲しくて、ならなかった。

 

箱の周囲に、何かがせり上がってくる。

 

それが、機械で出来た手足だと悟ったときには。既に、合体のプロセスが開始されていた。

 

金属音とともに、箱を囲むようにして、人型が作り上げられていく。

 

滑稽なほどに人間に似ていて。

 

金属で出来ていて。

 

それでいながら、人間には似ていない。

 

さながらそれは。鉄の巨神。

 

「私を倒せれば、貴方たちは過去よりも遙かに優れた生命体になったと証明できるでしょう。 もっとも、これだけの事を私にさせたのです。 もし私を倒せなかったら、その時は。 この国を更地にして、実験を最初からやり直すとしましょう」

 

「随分と好き勝手なことをほざきまくってくれるものだな。 前から貴様は気にくわなかったが、良い機会だ。 此処で殺す」

 

王が前に出る。

 

ステルクも、既に剣に青い光を纏わせていた。

 

「クズだ何だと言っていたが、貴様こそ自分を客観視できていまい。 貴様のような輩が、世界を乱し、全てを狂わせていったのだ!」

 

ホムンクルス達が槍を構える。

 

エージェント達も、めいめいの武器を。

 

イクセルが、腕をまくって、前に出た。

 

「俺の客を奪わせはしねーよ、鉄くず野郎!」

 

「僕の愛した女性達もだ」

 

タントリスも、前に出た。

 

リオネラは無言で、己の魔力を練り上げている。ロロナは、既に臨戦態勢。そして、クーデリアは、所定の位置についてくれている。

 

鉄の巨神が、吼える。

 

そして、巨大なこぶしを、降り下ろしてきた。

 

 

 

「ハハハ、どうしましたどうしました? 逃げるばかりでは、戦いになりませんよ?」

 

心底楽しそうに、邪神が笑う。

 

その背丈は、人間の軽く二十倍以上。

 

振り回される拳は、一撃で鉄の床に穴を穿ち、巨大な建造物を木っ端みじんに打ち砕いていく。

 

それだけではない。

 

背中にある翼のようなものから炎を噴き、彼方此方を短時間飛び回りさえする。

 

魔術まで使う。

 

何かわからない光のようなものを撃ってくる。それが直撃すると、爆発を巻き起こすのだ。

 

ジオが何度か斬り付けたが、鉄の表皮はびくともしない。

 

ステルクが雷撃を浴びせたが、まるで鉄に水をかけるようなものだ。効く様子が全くない。

 

巨体からは考えられない動きで、邪神が迫ってくる。

 

その顔は、どうしてか。人間ではないし、表情も見えないのに。悪意に歪んでいるのが、わかるのだった。

 

ロロナも二度砲撃を叩き込んで、まるで通用しないことを悟る。

 

発破の類を投げつけるが、これも通用しない。

 

ドラゴン以上の、でたらめな防御力。

 

動きそのものは決して早くないが、火力は凄まじい。

 

何か、棒状のものを放ってきた。それが後ろから火を噴きながら飛んでくる。爆発が連鎖。

 

あれは、きっと。

 

古代の、恐ろしい武器なのだろう。

 

「元々ねえ、此処はあの愚かなマスター達、優性主義者が世界を滅ぼした後、理想郷を作るために、生活居住空間を保全していた場所なんですよ。 世界が滅ぶのを、此処で高みの見物、としゃれ込もうとしていたというわけなんです」

 

愚かしいでしょう。

 

そう言って、頭上から拳を降り下ろしてくる。

 

ジオはその間も、数十、いや数百に達する斬撃を浴びせているけれど。効いている様子がない。

 

鉄くらいなら、ジオに斬れないはずがない。

 

一体あの鉄の巨神は、何で出来ているのか。

 

リオネラが自動防御を展開。

 

拳をはじき返すが。

 

しかし、悲鳴を上げて吹っ飛ばされた。

 

自動防御の周囲の床が、円形にへこむ。それだけ凄まじいパワーが、此処で繰り出されていると言うわけだ。

 

リオネラを助け起こすと、巨神の顔面に発破を投げる。

 

時々隙を見てはエージェントやホムンクルス達が剣で槍で攻撃を仕掛けているが、通じる様子が無い。

 

一体アレは、なんだ。

 

「進化はしても、所詮は猿か」

 

邪神が、辺り一帯に、光を放つ。

 

爆裂。

 

だが、その煙を斬り破って、前に出たのがジオだ。敵の全身に、くまなく切りつける。火花が散る中、ロロナは見た。

 

一カ所、妙な反応を示した場所がある。

 

イクセルが、飛び出す。

 

そして、フライパンを頭上から叩き付ける。更に顔面に、タントリスが蹴りを叩き込む。

 

一瞬だけ、巨神の動きが止まる。

 

関節は駄目。

 

カバーのようなものが付けられていて、狙えない。

 

目や胸も、狙ってはいるけど、傷がつきようが無い。

 

体をふるって、イクセルとタントリスをはじき飛ばす邪神。弱い。弱すぎる。けらけら笑う邪神だけれど。

 

ステルクが、雷撃を叩き込む。

 

やはり、先に見た場所が、妙な反応を示している。

 

これは、おそらく。

 

クーデリアなら、もう気付いている筈だ。

 

禍々しい巨体の一点。

 

人間で言うならば、鳩尾の辺り。装甲が弱いのか薄いのかわからないけれど、確実に傷が積み重なっているのだ。

 

しかし、罠の可能性もある。

 

あの性格がねじ曲がった邪神だ。わざと弱点を晒すような真似をしておいて、此方に攻撃を集中させ。希望を砕くつもりかも知れない。

 

ロロナは踏みとどまる。

 

何度も至近で爆発が巻き起こるが。しかし此処は、我慢のしどころだ。

 

切り札を使う。それで、相手の反応を見る。

 

神速自在帯を起動。ゆっくり歩いて来る邪神。周囲の反応も、非常に遅くなり始める。

 

改良の結果、加速の能力自体は低下した。しかし、フィードバックダメージを、ほぼ零にまで減らすことが出来るようになった。

 

しかし、使用は一度の戦闘で二回が限度。

 

今が、その一回目を使うときだ。

 

詠唱を終える。

 

時間加速、停止。

 

巨神が、ロロナを見る。その杖の先に宿る、殺戮の光が、その瞬間、解放されていた。

 

極太の光が、撃ち込まれる。邪神の巨体が、ずり下がる。ロロナも下がりそうになるが、イクセルが支えてくれる。

 

「りおちゃん!」

 

叫んだのは、この後の展開が、読めているからだ。

 

鳩尾に叩き込んだ光が、徐々に相手に食い込んでいく。だが、巨神は、やはり揺らがなかった。

 

拳を振るって、殺戮の光を吹き飛ばす。

 

ロロナとイクセルが吹っ飛ばされるのを、具現化したアラーニャとホロホロが受け止める。

 

邪神の腹からは煙が上がっているけれど。

 

やはり、穴は開いていない。

 

そればかりか、傷ついていた装甲の内側には、新しい装甲が見えていた。これは、完全に遊んでいる。

 

「ぶっぶー。 はーずれー」

 

心底楽しそうに、邪神が笑う。

 

やはりあの弱点は、此方の希望を折るために見せた、ダミーだったという事だ。

 

ジオが再び切り込む。

 

何十度と一回ごとに斬り付けているが、それでも邪神の装甲はびくともしない。邪神が、全身から光を放つ。

 

ジオとステルクが、吹っ飛ばされる。

 

建物に突っ込んだジオが、崩落に巻き込まれた。

 

ステルクはどうにか体勢を立て直したが。なんと邪神の右手が分離して飛び、襲いかかる。ステルクともろともに、邪神の拳が建物に突っ込み、崩落させた。

 

しかも拳は自動で邪神の体に戻る。

 

辺りは既に、壊滅状態。

 

邪神は悠々と歩いて来る。

 

既に阻む者はいない。

 

何度か目の爆発で、イクセルは爆炎の中に消えた。

 

タントリスは、崩落する建物に巻き込まれた。

 

ホムンクルス達やエージェント達も。アルフレッドは槍を杖にどうにか立っているけれど、限界が近い。

 

ロロナとリオネラだけが、此処で鉄巨神に、抵抗の意思を示している。この、救いがたい邪神に。

 

「情けない。 これだけ手間暇を掛けて育ててやったのに、このざまですか。 それにさっきから、一匹姿が見えませんが、その程度で奇襲を出来るとでも?」

 

「貴方に育てられた覚えなんてない!」

 

「いいや、貴方たちは、私の手のひらの上で育てられてきたのです。 お前達が旅の人とか呼んでいる輩が、此処から機械を持ち出すのを見逃したのも、全ては私が、お前達を育てるのに都合が良いと判断したからなのですよ」

 

呼吸を整える。

 

クーデリアなら、絶対に好機を作ってくれる。

 

その好機に、全力で乗じる。

 

リオネラは不安そうにロロナを見たけれど。ロロナは、信じる。クーデリアなら、突破口を見つけてくれると。

 

完璧なんてこの世には無い。

 

あの巨神にも、必ずや弱点がある。

 

 

 

クーデリアは、冷静に戦況を見ていた。

 

いざというときに備えて、奇襲を担当して欲しいと、最初にロロナに言われて。それから、あの巨神が姿を見せて。

 

以降、戦いの経過を、ずっと見てきた。

 

防御力は、ほぼ完璧。

 

背中だろうが腹だろうが、攻撃は一切通じない。頭でも首でも、同じ事だ。関節部分でさえ攻撃が通らないのだ。倒す方法が事実上無い。

 

機械の類なら雷撃は普通効きやすいが、それも克服しているようだった。

 

もしも、やるならば。

 

装甲を特大威力の攻撃で貫通するか。

 

それとも、弱点をついて、動きを止めるしか無いだろう。

 

しかし、後者は無理では無いかと、クーデリアは思う。

 

あの性格が悪い邪神のことだ。ロロナが珍しくキレるのが、遠くからでも見て取れた。あんな有様では、体に弱点など残してはいまい。それならば、攻撃を集中して、どこかを破るしか無いが。

 

ジオ王の攻撃でさえ、あれだけ繰り出して敗れなかった鉄壁を、どうするべきなのか。

 

ロロナが何度か砲撃しながら、下がりはじめた。

 

邪神が嬉々として追っていく。

 

圧倒的な力で、相手を嬲るのが楽しくて仕方が無い。そんな風情だ。

 

巨神が、大威力の地雷を踏んで、揺らぐ。

 

大爆発が、辺りを薙ぎ払った。

 

ドラゴンにさえ致命打を与えた超特級の発破だ。あれをまともに食らったら、無事ではすまないはず。

 

あれはロロナが、作戦開始前に、万が一を考えて仕掛けたテラフラムだ。しかし、直下からテラフラムの火力を浴びても、巨神はびくともしない。装甲に、傷一つ入っていない。

 

いや、まて。

 

全身から、くまなく熱が出始めている。

 

ひょっとすると、だが。

 

目をこらして、相手の魔力の流れを見る。なるほど、そう言うことだったのか。ならば、対策案はある。

 

ロロナの側にまで移動。

 

悠々と姿を見せたクーデリアを見て、ロロナは目を細める。勝機を見つけたことを、悟ってくれたのだろう。

 

「飽和攻撃よ」

 

「……わかった!」

 

ロロナは何も聞かない。その信頼が、自分には嬉しい。

 

クーデリアは、全弾に魔力を込めると、連射を開始する。火焔弾。それも、燃える事にだけ特化している。

 

巨神は動きが鈍い。全身が燃えはじめる。

 

走りながら、銃を乱射。此方に向けて、火を噴く棒を放ってきたが、中途で撃墜。ステルクが、崩落した瓦礫を吹っ飛ばして、こっちに来た。耳元で、ささやく。

 

「なるほど、そう言うことか」

 

「攻撃の手を緩めないで」

 

「わかった!」

 

ステルクが、特大威力の雷撃を、巨神に叩き付ける。ジオも、瓦礫を吹っ飛ばして、出てくる。

 

かなり傷だらけだが。

 

戦いの様子を見て、するべきを悟ったらしい。

 

イクセルが走り回って、ホムンクルス達を避難させている。タントリスも。

 

二人の前に降り立つと、先ほどと同じ説明。イクセルは頷くと、荷車へ走っていった。残る発破の全てを、抱えて戻ってくる。

 

「俺の技は一撃離脱型だからな。 この方が良い」

 

「ならば僕は」

 

ジオが、仕掛けにかかる。

 

相手にぴったりくっついて、ひたすらに連撃を浴びせかけ続ける。その隣にタントリスが並ぶと、拳を連打しはじめた。

 

クーデリアは弾丸を再装填すると、敵に接近。

 

乱射乱射乱射。

 

殆ど狙わなくても当たる。頑丈だろうが、巨大すぎるのが、あれの弱点だ。

 

「む、おの、れ……!」

 

巨神の前身から、煙が上がり始めた。

 

傲慢な邪神の声から、余裕が吹き飛ぶ。

 

無言のまま、クーデリアは、さらなる射撃を浴びせかける。

 

 

 

ロロナにも、状況が理解できた。

 

そうか、そう言うことだったのか。絶え間なく砲撃を叩き込みながら、徐々に体から煙を出していく巨神に、さらなる攻撃を浴びせかける。

 

あの巨神は、分厚い装甲に守られていたのでは無い。

 

あれは多分、液体だ。

 

だから傷もつかない。

 

攻撃も、通らない。

 

しかし、流動する体を持っているならば。

 

エージェントやホムンクルス達も、手近な武器を投げつけはじめた。剣や槍が駄目なら、瓦礫でもよい。

 

アーランド人の戦闘力なら、瓦礫でも充分な武器になる。

 

ついに、不滅に思われた巨神が、下がる。

 

「こ、の! まとわりつくな、下等な人間共!」

 

「先ほどと言っていたことが違うなあ! どうしたどうした、死者の王!」

 

ジオが何度も斬り付ける。

 

しかも、切る事に特化しているのではなく、相手に衝撃を与えることに集中しているようだ。

 

爆発も、ひっきりなしに邪神を襲っている。

 

残りの発破を、あらかた叩き込んでいるからだ。

 

ついに、邪神の表皮に、異変が起きる。

 

赤熱。融解。

 

それも、彼方此方で、同時にだ。

 

あの体は、液体で出来ている。だから、熱をずっと浴びせ続ける事で、体を維持できなくなりつつあるのだ。

 

悲鳴を上げながら、辺りに光をばらまく邪神。

 

手当たり次第の破壊が、周囲を容赦なく襲う。雷撃を放っていたステルクが、もろにそれに巻き込まれる。

 

だが、今の破壊を免れた者はすぐに立ち上がる。

 

それが、戦士だ。

 

赤熱が、邪神の体中に広がっていく。しかもジオが切ると、明らかにダメージが入っている。

 

発破が、もうすぐ尽きる。

 

総攻撃は、今しか好機が無い。

 

至近、火を噴く棒が着弾。リオネラが自動防御を展開するが、貫通される。熱と破片が、降り注いで、ロロナの全身を痛めつけた。

 

だが、顔を上げる。

 

「お、お前達は! 何故ミサイルを喰らっても死なない!」

 

鍛えられたからだ。

 

地獄の中で。

 

かっての愚かな人々が作り上げた、世界の破滅の中で。生き残ろうと、必死に必死に強くなって。

 

結果として、幾つもの事を克服した。

 

肉体も、以前とは比較にならないほど、強くなった。

 

だがそれは。

 

この創造主気取りの、狂った鉄の人型にされたことではない。みんなが生き抜いてきたのは、この化け物の、オモチャになるためじゃない。

 

「お、お前達なんか、生物じゃない! 生物は、ミサイルを喰らって生きている筈がないんだ! それにこのミサイルには、ダイオキシンをはじめとする有毒物質が、多数仕込まれていたんだぞ! 対人殺戮ミサイルだ! なのに、どうして!」

 

「偉そうに色々言っていたのに、相手の肉体強度も、見切れなかったんだね……!」

 

ロロナが、杖をあげる。

 

血だらけの手で、相手に向けた杖には。

 

既に最大出力の、殺戮の光が宿っていた。

 

無様にもがく巨神。

 

滅茶苦茶に光を辺りに放ち、木っ端みじんにしまくる。だが、その全身が、極大の雷撃を浴びて、硬直した。

 

瓦礫を押しのけて立ち上がったステルクが、まるで武神のように、剣を邪神に向けていた。

 

ついに、邪神の全身が、真っ赤に染まる。

 

総攻撃の時だ。

 

最初に仕掛けたのは、ジオである。

 

跳躍すると、邪神の脳天から股下に抜ける一撃を、叩き込む。凄まじい剣閃が、邪神の上下に通り抜ける。

 

更に、ここぞとばかりに、リオネラが叫ぶ。

 

「アラーニャ! ホロホロ!」

 

二つのぬいぐるみが、融合して。巨大な姿になるが。それはもはや、子供が愛好しそうなぬいぐるみではない。

 

光り輝く、神の獣のように、気高い巨大な猫。

 

猫は光の塊になると、邪神に突貫。その全身を、光によって貫いていた。

 

絶叫が轟く。

 

イクセルが、跳躍。

 

タントリスも。

 

フライパンでの、渾身の一撃を、頭上から叩き込む。

 

タントリスは赤熱している敵の全身に、落下しながらありったけのラッシュを浴びせかける。

 

そして、クーデリアが動く。

 

ロロナも、それにあわせて、神速自在帯を起動。

 

邪神が、壮絶な悲鳴を上げた。

 

「ば、化け物めっ! 殺してやる! 殺してやる! 自我を持ったAIである私は、世界で最も高貴で新しい生物なのだ! お前達など、ただの……」

 

滅茶苦茶に乱射した光が、クーデリアを直撃。

 

しかし、煙を突破し、クーデリアが姿を見せる。ブレイブマスクの超回復を使ったのだ。更に光を放とうとする邪神だが、その目にアルフレッドが投げた槍が突き刺さる。そのまま、クーデリアは邪神の頭上に躍り上がり、そこで超加速連射を叩き込む。

 

赤熱していた上、ジオの斬撃を浴びていた邪神の頭頂部に、巨大な穴が開く。

 

そして、其処へ。

 

加速を終え。

 

移動も終えたロロナが、到着していた。

 

眼下には、邪神の頭に開いた穴。

 

もはや、叩き込むのに、障害は一切無い。

 

「くーちゃん、ありがとう。 後は、任せて」

 

「落ちてきたら、必ず受け止めてあげるわよ」

 

「うん。 信じてる」

 

ロロナが、杖の光を、完全解放する。

 

悲鳴を上げながら逃れようとする邪神の頭頂部に突き刺さった殺戮の光は、その全身を滅茶苦茶に打ち砕きながら、貫通していた。

 

光が、爆発する。

 

邪神の断末魔が聞こえる。

 

おごり高ぶった、創造主気取りの怪物が、この世界から消えていく。

 

全ての魔力を出し尽くしたロロナは。

 

もはや何ら心配することもなく。重力に、身を任せていた。

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと。

 

周囲では、怪我の手当と、重傷者の搬送が始まっていた。

 

身を起こそうとして、止められる。ロロナはかなり手酷い怪我をしていたという。ミサイルとやらが至近距離で爆発したから、だろう。手は血だらけだったし、体中痛かった。きっと、酷い事になっていたのだろう。

 

ジオが来る。

 

そして、側に座った。

 

「最後の一撃、見事だった。 邪神が滅びた後、周囲を調べたが。 オルトガラクセンの機能は止まっていないようだな」

 

それはよかった。

 

あのカプセルに入れられた人達は、いずれ助けてあげたい。ジオやあの邪神は酷薄なことを言っていたけれど。

 

ロロナは、其処まで冷酷にはなれない。

 

クーデリアが、何かを持ってくる。

 

古い時代の、本のようだった。

 

「他にもたくさんあるわ。 運び出すから、後で目を通しておいて。 或いは、賢者の石の情報が、あるのかも」

 

「うん……お願い、ね」

 

クーデリアは、特に怪我をしている様子も無い。服はぼろぼろだけれど、ブレイブマスクの超回復で乗り切ったのだろう。

 

しばし、ぼんやりと天井を見つめる。

 

あの邪神を造り出してしまった人達は、どうして優性主義などに囚われてしまったのだろう。

 

ある意味、その理想は実現したことになるのだろうか。

 

いにしえの時代に比べて、人類は著しく頑強になった。古き人類だったらひとたまりもなかった攻撃を浴びても、生きているほどに。

 

だが、それは。

 

かっての人達が、全て滅びたという事も意味しているのではないのだろうか。

 

古い時代の人達が、この世界に生き返っても、何か出来る事はあるのだろうか。優性主義を信じていた人達は、本当にこんな事を望んでいたのだろうか。

 

「君には、更に腕を上げてもらって、いずれはこの国の柱石になってもらう」

 

「へいか、一つ教えてもらっても、いいですか」

 

「ああ。 何かね」

 

「本当は、私をどうするつもりなんですか?」

 

ジオは、じっと此方を見る。

 

そして、隠さずに教えてくれた。

 

「いずれ君には、神になってもらおうと思っている。 この世界には、バランサーと呼べる存在がいない。 世界を安定させるためには、あの邪神のように、エゴに塗れた怪物ではない。 スピアの錬金術師達がやっているような非道を許さず、良民に光を撒く、信仰の対象となる存在だ」

 

「私は、きっとそんなものには、なれないです」

 

「なれるとも。 なぜなら」

 

この国で最高の人材が造り出した体に、最高の教育環境。そして、あらゆる試練に耐え抜けるタフさと、そして。

 

事実人間を越えつつある、その肉体。

 

ジオが、指折りで数えていく。

 

嗚呼。

 

やはり、気のせいではなかったのか。人間でさえないロロナは。もはや、生物でさえない存在に、なりつつあるのかも知れない。

 

それは進化の果ての結果なのだろうか。

 

わからない。わからないけれど。

 

わかっているのは、もう引き返せないという事だけだ。

 

リオネラが、何か抗議しようとしたけれど。ジオが一睨みで黙らせる。

 

ロロナは、悲しくなってきた。

 

この人は、約束を破らない。ロロナが今や、アーランドの重鎮であり、この国の基幹となりうる状況を造った。

 

いずれ相応のポストもくれるだろう。

 

それでいながら、逆らえないようにも様々な手を打っている。

 

逆らえない事はわかりきっている。

 

大事な人達に何かあったら、ロロナは。

 

結局、もはや逃げる場所は、無い。

 

王の制御をある程度受け入れ、妥協しながら。得たポストの範囲内で、錬金術を使って、皆を救っていかなければならない。

 

ロロナは錬金術という大きな力を得た。

 

適切に使えば、出来る事はいくらでもある。

 

王に引き起こされる。

 

「立って歩くのだ。 もう、行けるだろう」

 

「陛下! ロロナちゃんを、休ませてあげてください!」

 

「君は黙っていたまえ」

 

「大丈夫、りおちゃん。 歩けるよ」

 

確かに、まだ体は痛いけれど、歩くことは出来る。

 

荷車には、古い時代の本が、たくさん積み上げられていた。帰りはポータルを使えば、一瞬だ。

 

後は、これらを使って、錬金術の究極を調合して、納品すれば良い。

 

クーデリアが、荷車の本を幾つか見繕うロロナを見て、何か言おうとしたけれど。

 

大丈夫と言うと、そうとだけ応えた。

 

恐らくは、終わりは近い。

 

ロロナは彼らにとって有益な存在でなければならない。今はまだ。逆らえる力は、まだ無いからだ。

 

だが、いつか。

 

その時が来たら。

 

泣いているリオネラと。唇を噛んでいるクーデリアを見て。

 

ロロナは、いつか。

 

この世界をどうにかしようと、決めたのだった。

 

 

 

(続)







ここでの話、とても重要です。邪神は邪悪ではありますが、嘘は言っていません。

なぜアーランドがこうなったのかの詳しい説明が全てわかりますので、目を通しておいてください。




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