暗黒錬金術師伝説3 暗黒!ロロナのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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トラブルはつきものです。

ましてや今のロロナがおかれている状況を考えればそのトラブルは、想像を絶する危険度のものとなります。

それに対応できるかが試されているとも言えます。







3、黒きもの

森に入ると、妙な違和感があった。

 

元々此処は、ヴァルチャーが数百羽も来る場所。かなりの量の糞が落ちていて、それを目当てに飛んでくる蠅や、小虫が、たくさんいる。そしてそれらを狙う虫もいるので、非常に臭う場所なのだけれど。

 

虫が、見当たらない。

 

「これは、何かいるね」

 

タントリスが言う。

 

ロロナは荷車を一旦その場において、周囲を見回した。森の中に、何かが来ているのだろうか。

 

来ているとすれば、何だろう。

 

唸り声が聞こえた。

 

明らかに、此方に向けている。そして、あっと思った時には、黒くて大きな塊が、ロロナの至近にまで迫っていた。

 

凄まじい音と共に、はじき返される黒いもの。

 

リオネラの自動防御。しかも、以前よりも、ずっと強力だ。右手を此方に向けているリオネラ。

 

そして、黒いものは。

 

木の上。枝に乗って、此方を見下ろしていた。

 

あれは。

 

見たことが無いモンスターだ。全体的には、馬に近いのだろうか。だが、それにしては妙だ。

 

全身が真っ黒で、足は蹄ではなくて爪。

 

そして口からは、恐ろしい牙が覗いている。

 

元々馬はかなり大きな生物で、体重にしてもロロナの十倍くらいは軽くある。ただし、あまりにも過酷な現在の環境では、人間の家畜としてしか生きていけない存在でもある。

 

だが、あれは。

 

黒いたてがみが、強い魔力を秘めているのを、一目で理解できた。まるで燃え上がる炎のようだ。

 

分からないけれど、何か得体が知れないモンスター。近辺では、見た事も無い。しかも、見ると深手を負っている。

 

あれは、聞く耳など持たないだろう。ロロナ達をむしゃむしゃ食べて、傷を癒やす糧にするつもりなのは間違いない。

 

クーデリアが、仕掛けた。

 

新調した銃から弾丸、連続して撃ち込む。

 

凄まじい連射で、飛び避けた馬に、弾丸は全弾命中。効いているようには見えないが、当たればそれでいい。

 

わずかに動きが鈍ったところに、既に木の幹を蹴り、枝の上に回り込んでいたタントリスが、踵を叩き込む。しかし。

 

馬の姿が消える。

 

そして、気付いたときには、至近。

 

高速で移動したのか。竿立ちになった馬が、足を振り下ろしてくる。

 

自動防御は、まだ発動しているが。

 

ばぎんと、もの凄い音がした。悲鳴とともに、リオネラが吹っ飛ばされる。今の一撃、それほど凄まじかったのか。ロロナは間一髪逃れながら、ため込んでいた魔力を叩き込むが、相手の対応が早い。残像を擦るだけ。

 

馬が、背後に回り込む。

 

なんて速さ。

 

息を呑むロロナの真後ろで、馬が牙だらけの口を開ける。ゆっくり、唾液と血に塗れた牙が、ロロナに迫るのが見えた。

 

走りながら、クーデリアが弾丸を横殴りに叩き込む。一発が馬の目を抉るが、それでも視力を奪えていない。

 

馬が、飛び退く。

 

意外に臆病な性格なのか。

 

ロロナもリオネラを庇いながら、杖から光を放つ。

 

わずかに動きが鈍ったところに、着地したタントリスが飛び膝を撃ち込むが。頭を軽くふるって、タントリスの蹴りを叩き返す馬。

 

いななきが、凄まじい威圧感を放っている。

 

馬が、走る。

 

いや、もう速すぎて、空間を飛びながら進んでいるかのようだ。

 

馬が、クーデリアに見る間に追いつく。口を開けて、噛みつく。地面がえぐれるほど爆裂し、土砂が吹っ飛んだのは、それだけのパワーがあると言うことだ。逃れたクーデリアは、木の枝を蹴って上空に。其処から、馬へ弾丸を乱射。

 

全てが、かすりもしない。

 

しかし。

 

馬が空中に跳び上がったとき。クーデリアは、既に術式を解放していた。ダメージを受けずとも、リミッターを解除できるようになったのか。

 

炎を纏った特大の火球が、クーデリアの銃から撃ち放たれる。

 

更に言うと、今までの射撃は、馬が逃れる先をなくすための布石だったという事だろう。

 

直撃。

 

馬が、はじめて苦痛のいななきを上げる。

 

着地したクーデリア。

 

殆ど間を置かず、馬が踏みつぶしに掛かる。しかし、弾丸を装填しながら、クーデリアは飛び退いていた。

 

立ち上がったリオネラが、再度自動防御を展開。

 

一瞬だけ見えた。

 

ホロホロが、半分ほど抉り取られていた。

 

ぬいぐるみの傷口は、光のようなものに覆われていた。仮説が確信に変わるけれど、ロロナは何も言わず、詠唱を開始。

 

あの馬、多分耐久力はそれほどでもない。

 

それならば。

 

タントリスが仕掛ける。徐々に、馬の速さについて行っている。足を鞭のようにしならせて、馬に叩き付ける。馬は鬱陶しそうに首をふるって、自身からも叩き付けた。本来の馬だったらあり得ない動きだが。

 

弾きあった二者が離れる上空に、クーデリアが。

 

雨のように弾丸を降らせ下ろす。

 

地面に着弾する弾丸。

 

馬が鬱陶しそうに、魔術の類を発動。傘状の光が、弾丸を全てはじき返す。

 

タントリスが、抉るような拳を叩き込む。

 

馬が足を止めて、頭突きを見舞う。

 

タントリスが吹っ飛ばされ、木に叩き付けられた。大木がへし折れ、タントリスごと後ろに倒れる。

 

更に、馬が口から火球を吐き出した。

 

自動防御を直撃。

 

貫通はされなかったが、かなりの距離をリオネラと一緒にずり下がる。詠唱は止めない。馬が唸り声を上げて、此方に突っ込んでくる。

 

着地したクーデリアが、併走しながら弾丸を連続して叩き込む。

 

馬が、じろりとクーデリアを見た。

 

体に着弾しはじめている。それが、苛立ちを募らせているのだろう。

 

残像を残してジグザグに走りながら、馬が木の幹を蹴った。そして上空に躍り出ると、特大の火球を口から吐く。

 

馬の顔面には魔法陣が出現していた。

 

つまり、魔術の一種だ。

 

爆裂。

 

地面が、円形に削られる。流石のクーデリアも、この火球は避けきれず、吹っ飛ばされる。地面で受け身は取ったようだが。至近にまで迫っていた馬が、後ろ足で強烈な蹴りを叩き込む。

 

骨が折れる音。

 

だが、本来だったら致命打になりかねないその一撃を浴びながらも、クーデリアは二発応射。一発は馬の首筋を擦るだけだったが。一発は、傷口に潜り込み、盛大に血しぶきを上げた。

 

馬が悲鳴を上げる。

 

更に、入れ替わりにタントリスが突っ込み、馬の横面に蹴りを叩き込んだ。

 

四肢を踏ん張って、吹っ飛ばされながらも耐え抜く馬。

 

その口に、また特大の火球が宿る。

 

クーデリアはさっきの蹴りを受けて、まだ立ち上がれずにいる。タントリスがなにやら拳法らしい構えをとり、衝撃に備える。

 

馬が、火球を放った。

 

タントリスが息を吐き出すと、踏み込み、上空に向け火球をたたき上げる。

 

森の上空で、火球が炸裂。

 

だがその時、既に馬は、タントリスの眼前に迫っていた。

 

頭突きが、タントリスを直撃。森の外にまで、吹っ飛ばされた。

 

しかし、それこそが。

 

ロロナの待っていた瞬間だ。

 

杖の先には、既に充分な光が溜まっていた。

 

馬が、此方に振り返る。

 

その首筋に、着弾。倒れたままの、クーデリアが放ったものだ。馬が、凄絶な表情を浮かべた。

 

「フルハート……!」

 

空に、光が満ちる。

 

ロロナの向けた杖から、膨大な魔力が噴き出す。

 

「アターック!」

 

それは一旦空に向けて収束し。

 

馬のいる地点を中心にして、降り注いだ。

 

絶叫を上げる馬のモンスター。容赦なく降り注ぐ光の雨が、その全身を抉り取っていく。自慢の快速が完全に封じられた馬が、それでも体勢を立て直す。そして、口に火球を出現させた。

 

差し違えるつもりか。

 

どうして、こんなところで。人間を狙うのか、分からない。だけれども、恐ろしいまでの執念を感じた。

 

このようなモンスターは見た事も無いけれど。何か、原因があるのか。あるとしたら、一体何だろう。

 

光の槍が、馬の背骨を打ち砕く手応え。

 

だが、馬は、火球をそれでも、完成させ。そして、ロロナに放とうとする。

 

「寝てなさい!」

 

しかし。

 

横殴りに叩き付けられた圧力が、馬の全身を強かに打ちのめした。

 

クーデリアが放った、スリープショットの一撃だ。これだけの打撃を受けたのだ。放つのは難しくもないだろう。

 

更に、おそらくだが。

 

威力が何倍にも増しているところからして、シルヴァタイトの弾丸を使ったのだ。

 

馬が、ついに力尽きる。

 

火球が誘爆。

 

今までに無い規模の焔が、森の真ん中で炸裂した。

 

 

 

呼吸を整える。

 

戦いには勝ったけれど。酷い内容だった。

 

どうして襲われたのかよく分からない。なんであんな凶暴なモンスターが、こんな街の近くにいるのかも。

 

この間の巨大百足と同じように、オルトガラクセンから来た存在なのだろうか。

 

だとしたら、本当に困る。

 

それに、あんなモンスターが、アーランドの外に出たら。

 

アーランドだから対処は出来た。

 

辺境地域の国々でも、どうにかできるだろう。

 

でも、噂に聞く大陸中央部の街々に、あんなモンスターが入り込んだら。どれだけの被害が出るのか、想像も出来ない。

 

クーデリアは、やっぱり骨をやられていた。肋骨を何本か、折られたらしい。息をゆっくり吸うクーデリア。骨がなる音がした。

 

「大丈夫、内臓に刺さるのは避けたわよ」

 

「もう少しだけ、我慢してね」

 

「いいから、さっさと作業を済ませなさい。 それにしても何よあの馬……!」

 

応急手当をすると、ロロナは頷く。クーデリアは多分相当痛いのだろう。やせ我慢していても分かる。

 

額には汗が浮かんでいるし、いつもより悪態が多い。

 

できるだけ早く、回復術を使える人の所に、連れて行きたい。傷薬では骨折の類は、どうにもならないのだ。

 

鼎を設置すると、火を入れる。

 

森の中心部で爆発が起きたが、木々にはさほど影響も無かった。数本がなぎ倒されたが、その程度で済んだ。それだけ広い森だし、何より今は乾燥もしていない。

 

念入りに調べたけれど。

 

爆発で生じた火は、何処にも残ってはいなかった。

 

鼎から、膨大な煙が出始める。

 

これで、よし。

 

馬の死体をどうしようと思ったけれど。どういう存在だったのか。死んだ後は、何も残骸がなかった。

 

「何だったんだろう、あれ……」

 

「さあね。 噂に聞く魔界の生物かもね」

 

「魔界?」

 

「此処より更に過酷な環境の、別世界だそうよ。 もっとも、そんなのは嘘で、実際にはこの世界にいる凶暴なモンスターを、魔界の存在とか言うだけって説もあるらしいけれど」

 

クーデリアが苦しそうに言う。

 

もう、設置は終わった。

 

後は、引き上げるだけだ。

 

荷車はぐっと軽くなったので、負傷が一番酷いクーデリアを乗せる。近くの森まで行けば、回復術が使える人がいるはず。其処で肋骨をつないでもらって、体内に傷がないか確認してもらえれば、終わりだ。

 

クーデリアは耐久糧食を口に入れている。

 

ネクタルが含まれているから、食べるだけでかなり効果があるはずだ。痛みが和らいだのか、嘆息するクーデリア。

 

殿軍はタントリスに任せる。

 

無言で急ぐロロナに、おろおろしながらリオネラが聞いて来た。

 

「ど、どうするの? 森、あれでいいの?」

 

「後は、しばらく放置して、結果を確認するしかないよ……」

 

本当だったら、近くに隠れていて、状況を見たいのだけれど。

 

今回は緊急事態だ。

 

近くの森では、まだ薄い霧状の煙が、全体を覆っている。しばらくは消えない。

 

持ってきた鼎に、丸一日ほどは煙が出続けるように、香料を入れてきたのだ。巡回の戦士達は普通にいるはず。

 

しばらく探していると、いた。

 

ただし、表情が強ばっている。此方でも、何かあったのか。

 

「お前ら、無事か!」

 

「いえ、くーちゃんが」

 

「けが人が出たか。 とにかく、あっちのキャンプスペースに急げ! 回復術が使える魔術師が待機してる!」

 

やはり、何かあったのだ。

 

荷車を出来るだけ急いで飛ばす。一瞬だけ、この煙で訳が分からないモンスターが呼び寄せられたのかと思ったが、それはない。

 

この煙は、単に絶滅した原初ベヒモスの臭いを撒くだけのものだ。

 

モンスターを呼び寄せる効果など、付与していない。考えにくい。

 

キャンプスペースに。

 

巡回の戦士達が、殺気だった様子で走り回っていた。他にもけが人がいるらしい。

 

回復の術者は、何度か見た事がある、中年の女性だ。腕の良い回復術者だそうで、いつも彼方此方を走り回っている。噂によると、病気に関する治療でも、相当な腕の持ち主なのだとか。

 

彼女はクーデリアを一目見ると、すぐに回復術をかけ始めた。

 

「何と戦ったの?」

 

「真っ黒い馬のモンスターです。 苦労しましたけど、どうにかやっつけました」

 

「……!」

 

魔術師が、戦士の一人を呼ぶ。

 

まだ若いが、来た女性は既に一人前の戦士だ。彼女に、色々と話を聞かれる。馬との交戦と、撃破の経緯を告げると、彼女は嘆息した。

 

「そうか、倒せたか。 良くやってくれた。 礼を言うぞ」

 

「まさか、あの馬が」

 

「いや、奴は群れの中の一匹に過ぎない。 またオルトガラクセンからモンスターの群れが現れてな。 監視のチームが大半は倒したが、数匹が此方にまで逃げてきたのだ。 その内殆どは我々で始末したが、三匹がまだ逃げていた。 今、お前達が倒したので、残りは二匹。 後は我々でどうにかする」

 

「もの凄く強かったです。 気をつけてください」

 

女戦士は頷くと、他の巡回班と一緒に、森の中に出ていった。

 

霧状の煙といっても、視界が遮られるほどではない。ただし、駆け出しの戦士達は、此処にいない方が良いだろう。

 

そうなると、不幸中の幸い、と言うべきなのか。

 

回復が終わった。

 

とはいっても、骨をつないで、体中の傷を修復しただけだ。

 

ロロナやタントリスも見てもらう。リオネラは、大丈夫そうだ。そういえば、ホロホロは。

 

半分にえぐれていたのに、もう治っている。

 

やはり、間違いなさそうだ。

 

戦いの音が、遠くで聞こえる。どうやら、巡回班が接敵したらしい。増援に、数名が出て行く。

 

すぐに戦いの音が止んだ。

 

片付けたと見て良いだろう。あの馬のモンスターレベルの相手でも、ベテランのアーランド戦士がこれだけいる場所に出てきてしまえば、ひとたまりもない。

 

女戦士が戻ってくる。

 

「片付けた。 これで残り一匹だ」

 

「此方からも伝令が来たぞ。 南の方でも、生き残りを片付けたらしい」

 

「そうか、ならば王宮に連絡だな。 ひょっとしたら討ちもらしがいるかも知れないから、全員で巡回を行って、それからだが」

 

周囲の警戒が、薄れていく。

 

嘆息したロロナに。巡回班のチームリーダーらしい、豊富な髭を蓄えた長身の男性戦士が近づいてきた。

 

確か武神とか言う二つ名まで持っている、高名な戦士だ。何度も見た事がある。

 

彼が出張ってくるほどだ。余程、強いモンスターが、周辺にいたのだろう。

 

「馬のモンスターを倒してくれたそうだな。 手が回らなかった所に、助力してくれて感謝する」

 

「いえ、そんな」

 

「だが、今は早くアーランドの中に戻った方が良い。 どうにか確認できたモンスターは片付けたが、それでも残党がいる可能性がある。 見たところ、一人前の実力はあるようだから、帰りは護衛も必要ないな」

 

頷くと、撤収する事に決めた。

 

クーデリアは包帯を巻き終えると、自分で歩くと言って、荷車から降りた。

 

本当に大丈夫か不安になったが、クーデリアの足取りはしっかりしている。骨が折れただけで、受け身はしっかりとっていた、という事なのだろう。

 

アーランドは一体これからどうなるのだろう。

 

ロロナも聞いたのだけれど。北の方で、訳が分からない異変が起きていると言う。何でも、普通では考えられないような空間が出現したのだとか。

 

ロロナの両親が出陣していったのも、それの調査のためだろうか。

 

早く片付くと良いのだけれど。

 

アーランドの城門に辿り着いて、ほっと一息。

 

この中に入れば、流石に安心だ。

 

後は明日以降、森の様子を見に行けば良い。

 

ヴァルチャーは追い払う事が出来ているだろうか。出来ているのなら、課題は達成だ。出来て、いるだろうか。

 

クーデリアは念のためちゃんと医師に掛かった方が良いと言って、少しアトリエで休んだ後連れて行った。

 

ロロナもそれなりに傷は受けたけれど。このくらいは、別に何でもない。

 

回復の術が使えれば良いのだけれど。

 

リオネラは肩をおとしているようだった。

 

今回、彼女の自動防御は、かなりパワーアップしていた。それでも、決定打にならなかった。

 

それが原因だろう。

 

アトリエに戻ると、リオネラにお茶を出す。

 

ずっとふさぎ込んでいるリオネラは、痛々しかった。

 

「りおちゃん……」

 

「ごめんなさい、役に立てなくて」

 

「ううん、前の自動防御だったら、お馬さんの攻撃が貫通してわたし死んでたよ。 りおちゃんのおかげで、勝てたんだよ」

 

成長はゆっくりだけれど、確かに頑張っているのがよく分かった。

 

ステルクがいれば、もっと簡単に勝てたのだろうけれど。今回は本当に忙しかったようだし、仕方が無い。

 

現有の戦力で此処までやれたのだ。

 

よしとするべきだろう。

 

「もっと、いろいろな技を身につけたいな」

 

リオネラが、そう言ってくれるだけで嬉しい。

 

ロロナは弱いことは悪いことと言う、アーランドの理屈があまり好きでは無い。リオネラのように、自分の速度でしっかり強くなろうとしてくれるだけで充分だ。

 

とりあえず、知っている魔術師を、何名か紹介する。

 

攻撃にするのか、回復にするのか、防御を伸ばすのか。

 

どうするのかは分からないけれど。

 

リオネラの役に立ってくれるのなら、それでよかった。







原作だと本格的に入れるようになるとただの狩り場となるオルトガラクセンですが。

本作では歴戦のアーランド戦士ですら迂闊には入れない、文字通りの魔郷です。

そしてそのオルトガラクセンには、この世界の悪夢と秘密が全て詰まっています。

ロロナにとってもそれは同じです。

むしろ最大の因縁の土地と言えます。



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