駄目バンドマン製造機は脱姉したい。   作:ひつまぶし太郎

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なんかいきなり評価バーに赤色がついて、感想までいただいてひっくり返りました。
心からの感謝を。
本当にありがとうございます。


伊地知家の朝。

 

 

伊地知星歌の朝は早い。

なぜなら弟の寝顔を見る、という大事な日課があるからだ。

 

「まったく、仕方のない奴…」

 

そうクールに決めながら、顔にはかなりだらしない笑顔を浮かべている。

父もまたかなり女性的な容姿をしている方だが、美人姉妹と同じ血を引く中学生男子の容姿はそれ以上だ。

最近は夜遊びを覚えて時折するりと家を抜け出していたり、ピアスの穴を開けているようだが、まだまだ幼い。

こうして自分のベッドに潜り込んで眠りについている姿を見ると、微笑ましさすら覚える。

 

柔らかい絹糸のような金髪。

抜けるような白い肌。

どこか浮き世離れ(年上に服従させられることにしか興味がないせいで周りと関わってないだけ)した雰囲気に、胸を撃ち抜かれる同級生多数。

 

「ふふっ。おーい起きろー…起きろっての」

 

そのほっぺを少し指で押してやれば、むずがるような声を陽歌があげる。

それが面白くて何度も頬を撫でながら、ついイタズラ心が疼いて鼻をつまんだ。

少し苦しそうな顔をする弟に、己の嗜虐心が満たされていくのを感じる。

 

「逃げるなんて生意気」

 

自分が少々アブノーマルな趣味に目覚めている自覚はあった。

実の弟をイジメて喜ぶなんて趣味、よくはない。

でも、弟だって大概だ。

 

実姉の私のこんな、粘ついた独占欲と嗜虐心を向けられて、その先を期待するような熱っぽい視線を向けてくるのだから。

 

「苦しそうだなぁ…でも、ハルカはそれがいいんだろ?ははっ、逃さないってーの」

 

星歌はその首すじに顔を埋める。

他の女の匂いが僅かにするが、それを自分が使ってるのと同じシャンプーの匂いが上書きしてるので良しとしよう。

 

「んぅ…はー…今日も弟が可愛い…結婚したい…」

「…………おあよ、姉貴」

 

むにゃむにゃと目をこすりながら起き上がり、ふにゃりと笑う弟の頭を撫でながら星歌もまたベッドから立ち上がる。

 

写真は撮らない。

部屋自体に隠しカメラが仕掛けられていて、陽歌が忍び足で部屋に入ってきて、起こさないように慎重にベッドに潜り込み、星歌の匂いを思いっきり吸ってから眠りについて目が覚めるまで、全ての姿が録画されているからだ。

 

うちの弟は毎分毎秒輝く天使。

そして、健気で可愛い大切な妹。

そんな二人に囲まれている生活は、星歌のすべての原動力だった。

 

「ほら、さっさと起きないとまた虹夏にどやされるぞ」

「はぁーい……」

 

そんな感じで、ギリギリの均衡を保っている伊地知家の朝は来る。

 

 

 

 

 

 

「ちょっとハル!また夜遊びしたでしょ!もー!ダメって言ってるのに!ハルは可愛いんだから危ないんだよ夜は!というか中学生でしょ!」

「完璧で究極のアイドルに呼ばれてつい…」

「いやそっちのYOASOBIじゃなくて!」

 

完璧(に酒クズ)で究極(のダメ人間)のアイドル(ハルカの性癖的に)。

ハルカは昨日、ゲロで汚されることを見越してというか期待して持っていった服に着替え、公園で予洗いしてからコインランドリーに寄って帰ってきていたが、その隠蔽工作のおかげでただの夜遊びどころではなく、爛れた遊びに等しいものだったという事実だけは知られていなかった。

 

知られていたら夜遊び禁止どころの騒ぎではない。

姉貴とお姉による監禁からの調教からの近親婚ルートまっしぐらである。

 

「お姉そういや香水変えた?いい匂いする。好き」

「な、は……」

「照れてんの?初心だなぁお姉は」

「…ぐぬぬっ、校則違反にならない程度の薄さなのに気づくなんて…またリョウにヒモの極意とか聞いたんでしょ!」

「やー、授業料高くて最高。情弱扱いご馳走様です」

「なんか今すごいこと言わなかった?」

 

虹夏をからかってケラケラ笑う姿は年相応なのに、スケコマシなセリフを口にすることにためらいがないアンバランスさ。

そのアンバランスさに自分の幼馴染みの悪影響が見えることへの憤慨か、それともからかわれたことへの羞恥か。

 

まぁ星歌じゃないので普通に女として照れているなんてことはないだろう。

星歌なら普通に照れる。

 

「まーほら、虹夏もあんま言ってやるなよ。明け方には帰ってきてたみたいだし…」

「グレてるよそれは!」

「エゴだよそれはみたいなテンションで言うじゃん」

「ハルも意味分かんないこと言わないで!」

「はぁーい。それよりお姉、今日の夜ご飯なにがいい?wikiによるとドリアって書いてるけど」

「んー、今日はカレーの気分。…まってwikiって言った?なんの?」

「え、攻略wiki」

「ギャルゲーのキャラじゃないから私!」

 

もっとも、ただの家族としてみてるからといって重くないかと言われれば、そういうわけでもないのだが。

 

そんな一面が描かれるのは、また別の話。

 

 




短いです。
でも妄想ってそんなもんです。
こんな感じの小説ですが、もしお暇でしたらお付き合いください。
刺さる人だけ読んでもらえてらそれで良いのだ。
みなさんの性癖とかも聞かせてください。
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