あれから数年の時が流れた。私《ココ・ヘクマティアル》は、仲間と一緒に色々な武器を売っている。そして、今日は新たに仲間に加わる男の子を連れて、ホテルの廊下を歩いている。
ココ「キリキリ歩けィッ!!ヨナ隊員、ほらイッチニ、イッチニ!」
「・・・・・・」
ココ「今までの8人の私の部下が、丁度ここに集まっている。君が入ると9人だ。変な人ばっかりだけど、ビビる事はないよ。初の顔合わせなのに、残念だがゆっくりしてられない。問題が・・・起きてね。東欧の片田舎で、足止め食ってる理由なんだけどね。問題解決を手伝ってもらう。私の《小隊》への、入隊の儀式のひとつ。そして君の性能テストでもある」
そして扉の前に立っている二人に、声をかける。
ココ「マオ。ワイリ」
ワイリ「ココさん、その子はいったい・・・?」
ココ「この子?」
扉を勢いよく開ける。何かに当たった音が聞こえたけど気にしない。
ココ「皆注目!!彼がヨナだよ♪」
ヨナを見た瞬間、全員の顔が恐怖に変わった。
『新入りって、少年兵だったのかよ!?チャカ持ってる。コェエ~!!』
レーム「少年兵と言やァ91年夏、ソマリアで俺の前を歩いてた部隊が、ガキンチョの持った対戦車地雷で・・・30人の兵隊がAFVごと、空の彼方にブッ飛んだのを今でも鮮明に覚えて・・・」
ココ「ハイハイビビるな!!トージョ。誰にも分かるよう現状の説明!」
私はトージョに説明を求める。
トージョ「変わらんね。我等のコンテナは足止め食らったまんま。税関の小役人共は駄々こねる一方。内務省中央税関保安隊には、ココさんからお電話願います」
ココ「う~ん。連中の言い値通り関税払ってたら、今四時半期の決算超赤字だよ!!最初から通す気ないんだ!要するに、私達の持ち物を取り返すんだ。OK?」
ヨナ「・・・そんな事はどうでもいい。必要なのは『何処で誰を撃つか』・・・それだけ」
私の質問に、そう答えるヨナ。
ココ「バルメ!レーム!出動準備!!準備!!」
私とヨナ、そしてバルメとレームは、車に乗ってコンテナがある港へと向かった。
ココ「ヨナ、どう?新しい仲間は」
ヨナ「・・・別に」
ココ「スレたやっちゃのぉ~。君を雇うにあたって、君をとことん調べた。何処で生きて何処で戦ったか、何が好きで何が嫌いか、何をやって古巣を追い出されたか。武器が憎いんだね、ヨナ?」
しかしヨナは、銃に弾を入れて返事をしない。
ココ「・・・返事するのもイヤなのか?」
ヨナ「喋るのが嫌いなんだ」
ココ「分かるよ。でも、今日からはそれじゃ通らん」
そんな会話をしていた。さて、私達の車の後ろ走っている車内では…
レーム「・・・で、ど~よバルメ」
バルメ「?あぁ、ヨナ君事ですか?まだ一言も喋ってないのに、ど~よ言われても困ります。でもまぁ、気配の鋭さは尋常じゃないですね。・・・ココが危険です!あんなヤバ気な少年兵と二人っきりで車に乗って!!新入りが来るといっつもこうです。張り切りすぎて!ココに何かあったら、彼をバラして私も死にます」
バルメはそう宣言する。相変わらずココ命だねぇ。
バルメ「・・・ゴホッ。ちょっとレーム!二人しかいないからって、煙草止めてください!こんな密閉空間で。いつの間に火をつけたんですか!?」
レーム「ハイハイ」
バルメ「髪に匂いがつきます!」
そんな話をしてると、後方から車が数台迫ってきた。
ヨナ「・・・ねえ」
ココ「何?何?なんでも聞いて!」
ヨナ「この部隊での尾行者の扱い」
ココ「そりゃもう、先手必勝!!一撃必殺!!」
私がそう言った瞬間、ヨナはマシンガンを撃つ。
バルメ「ヒュ~ッ♪」
レーム「ハジきやがった」
ココ「ヨナ!?ヨナ!?」
すると、横からも車が1台現れた。
ココ「尾行車だ!!」
「発砲!銃撃だ、応戦!!全車、応戦しろ!!高速道路から引きずり下ろせ!!」
ヨナが発砲したのを合図に、敵も応戦した。高速道路は、あっという間に銃撃戦になる。
ココ「ヨナ!ヨナ!!撃つ前くらいは何か言ってくれないかな!?ビックリするから!!」
流石に急に撃たれたら、私でも心臓が止まりそうだ。
ヨナ「そんな無茶な。今の車はせっこうだ。次からのが本番」
一台の車が爆発する。後方のバルメ達が乗ってる車は、敵のバンに攻撃している。
バルメ「すっごく硬いんですけど。あのバン。反撃ウザいですし」
レーム「キッチリふさいでやがるなぁ」
バルメ「私達が急がないと、前方にいるココが挟み撃ちになってしまいます!」
レーム「そのつもりだろ~よ!」
バルメ「・・・あの人がいてくれれば、あんなバン等あっという間なのですが」
レーム「ま~な」
バルメ「・・・レーム、バンにピッタリくっつけてもらえますか?」
レーム「マジですか」
俺は、渋々バルメの言う通りバンにつけようとしたその時、突然バンが真っ二つ切れた。
バルメ「なっ!?」
レーム「何がどうなってるんだ!?」
俺達は、何が起きたか分からなかった。唯一分かったのは、突然何かで切られた。それだけだ。
レーム「ん?・・・何か見えるぞ」
バルメ「あれは!?」
俺とバルメが見たのは、赤いスーツ黄色いネクタイをつけてる男だ。しかし、二人はそれを見て驚いたのではない。その男が持っている刀を見て驚いていた。あれは…
バルメ「あの刀は!」
レーム「あぁ、アイツが持っていたのと似ている」
バルメ「しかし、持っている人物の顔が違います!」
そう。その刀を持っている人物の顔は、全く違う奴だった。そしてその男は、ポケットからリモコンらしき物を取り出すと、横に車がやって来た。そのまま乗り込んで、何処かへ行っちまった。
「「・・・・・・」」
俺達はそのまま、黙って見るしかなかった。
バルメ「・・・ひとまずココと合流しましょう」
レーム「あぁ」
そして俺達は、ココと合流してコンテナを確保した。そのままホテルに戻ってヨナがキッチンで料理をしている間に、俺達は今日あった事をココと一緒に話していた。
ココ「・・・それ本当なの?バルメ、レーム」
レーム「あぁ。確かにあの刀は、アイツが持っていた物と似ていた」
バルメ「ですが、所持していた人物は違いました」
ココ「でも、結局は相手のバンを真っ二つにして、貴方達には手を出してこなかった」
レーム「どういう訳かな」
ココ「・・・トージョに、その人物の情報収集を頼んでおくわ」
バルメ「そうですね」
ヨナ「・・・ご飯」
ヨナが卵料理を持ってやって来た。
ココ「これが私の隊の入隊儀式だ。君は今日、軍・国家・組織・家族を一新したタマゴ君だ。頼もしい仲間を、歓迎するよヨナ♪」
そして、全員でヨナ作った卵料理を食べた。感想は・・・
『まっず~!!』
どうやらヨナは、料理が出来ないようでした♪けど、ホントにまずい…彼の料理が懐かしいよ。