僕が、ココの部隊に入ってから数日が過ぎた。
ヨナ「・・・・・・」
ミシッ
「起きろヨナ」
ヨナ「!?」
床が軋む音と、声をかけられて僕は拳銃を抜く。
「巡回の時間だよ。交代してくれ。レームのおっさんと組め。お前ちゃんと寝てる?」
声をかけてきたのは、アールだった。
「寒ィからちゃんと着ろな。・・・超ねみ!」
僕は巡回の準備をして、レームと合流する。
レーム「おはよう」
ヨナ「・・・はよ」
そして、廊下を巡回する。
ヨナ「レーム、聞きたい事がある」
レーム「珍しいね!君から質問とは。要するにこうだろ?俺のような凄腕・百戦錬磨な超・絶・傭兵が、ココって言う小娘・武器商人に従ってるのが不思議」
ヨナ「あんたを褒めた覚えはないよ」
レーム「まだ行動を共にして数日のヨナ君には、難しいだろうがな。俺の答えは面白いからだ」
レームはそう言う。
『ココ!痛いです!!寝惚けてますね!?』
『バルメゴメーン』
部屋の中から、ココとバルメの会話が聞こえた。
レーム「他の連中だって、それぞれ理由があるんじゃね~の?君だって、理解が出来てくるし分かってくる。小隊に自分がいる意味、ココってのがどれだけ優秀な・・・」
すると、ココ達の前のドアが開いた。出てきたのは、Yシャツ1枚のココだった。どうやら、寝惚けているみたいだ。
レーム「・・・優秀な・・・なんだっけ?トイレは中だぜココ」
ココ「ウムム・・・」
そんなこんなで、僕達の巡回は終わったのであった。そして翌朝、ココに呼び出されて集まっている。
ココ「緊急事態だっ!!!3時間前、北の国境から入国した輸送団。情報とカウントが正しければ、コイツの中には戦闘ヘリコプターMil24D。即ち《ハインドD》、これの15機分が分解され予備部品一式と共に詰まっている!これはこの間の私達の成功を聞いた誰かが、『俺にも1枚噛ませろ』と参入したものに他ならない!タイミング的に!!」
かなり熱く語るココ。
ココ「でも、こんな事はよくあること。問題は・・・この情報が《本部》から送られてきたこと。ヘマすると給料減らされる。うお~!ヤバイヨ~」
そう言いながら、テーブルの上で転がる。
ワイリ「あの転がりっぷりは、相当ヤバイって意味だぜ」
僕に説明してくれるワイリ。転がっていたココが起き上がる。
ココ「状況を開始する!敵商品の納入阻止!!この国での私達の仕事がブチ壊しになる前に!邪魔者の排除を含む、ハードネゴシエーションになる確率は高い。気を引き締めろ」
『ウェ~イ』
全員がだらけた返事をする。
ココ「いや、やっぱ引き締め方は各自に任せる。バルメ、トージョと共に国防軍司令部で
ココの掛け声で、皆動き出す。
ココ「ココ・ヘクマティアルだ!
ココ達が動き出してるのを遠くから見ている人物がいた。
「動き出したな。なら、俺も行動開始しますか」
男は、何処かのビルの屋上から移動した。男の姿は、赤いジャケットと黄色いネクタイを着けていた。そして、手にはスナイパーライフルと刀を持っていた。
「あれから数年経ったけど、ココもバルメも元気そうだな。二人とも随分と育っちゃってま~♪」
果たして、この男は何者なのか?ココはヨナと一緒に、ハインドDの元に来ていた。
ココ「初めましてミスター・クロシキン。ヘクマティアルと申します」
クロシキン「ウン。H&Cロジスティック、ミス・ヘクマティアル・・・知ってるよ。ゴメンね、越したばかりでさ。ゴチャってて此方の名刺埋もれてる。まあ掛けて下さいよ。紅茶なら出せる。ボクはコーラがいいかな?って言うか、その坊っちゃんは何?」
ココ「私の弟です」
クロシキン「あぁ、弟さん?ふ~ん」
そう言いながら、お互いソファーに座る。
クロシキン「ま~、何しに来たかは分かってるつもりだよ。ヨロシク♪」
そしてココと会話をしていた。その現場をココが護衛として置いている連中以外で、一人の男が見ていた。そう、先程ココ達を見ていた男である。
「う~!流石に屋上は冷えるな」
俺はスコープを覗きながらそう言う。
「ん?ココが電話で話してるな。何話してるんだ?」
俺はココの服や携帯に仕込んでいる、盗聴機の音声を入れる。
『いいぞ♪それは食い付いているんだ。空対空ミサイルのカードを切れ。・・・失礼』
クロシキン『何それ?イキナリカッコイイね。安売り合戦始めちゃうんだ!?もはや喧嘩腰じゃん?兵器を扱う者同士って考え方はなしかい?』
ココ『ないね。そんな優しい思考は持ち合わせがない。貴方がやったのはつまりこうだ。私が育てた牛の豊かな牧場にこっそりと、羊を放って育てようとしている』
クロシキン『俺だ!!・・・』
男も何処かに電話を始めた。
ココ『誰に唆されたか知らんが、カウボーイに撃たれても仕方ないな』
ココがそう言うと、男は珈琲メーカーでココの頭を殴った。
クロシキン『ッざけんじゃねえゾ?』
すると、ヨナが男に拳銃を向ける。
ココ『撃つな!!』
しかしココがそれを止める。
クロシキン『そうだ。撃ってもロクな事ないからな。情報通りかよ。少年兵なんぞ連れやがって。アンタ俺以上のクソかもな!?』
男はそう言いながら、銃に入っている弾を抜いていた。
クロシキン『男前になったじゃん?お嬢ちゃん。アンタ、結構な数の私兵を持ってるらしいが、妙な真似すんなよ?スナイパーだ!アタマ消し飛ぶぜ!?』
「何言ってんだコイツ?」
男の行動に、少しイラッとした俺だが、まだ撃つことはしない。それから一時間が過ぎた。スコープを覗くと、ココは腕時計を確認していた。
『ん?帰りたくなりました?帰っていいですよ。ハインドも順調に移動してます。ただ、今後もビジネスパートナーとしてやっていく、口約束くらいは欲しいですなぁ』
ココ『フン、おめでたい男クロシキン』
クロシキン『・・・アァ?』
ココ『ヒント、私の目。私の目をよく見ることだ。この目にはお前が反射しているが、悪いが私はお前等見ていない。武器という鋼鉄の殺人機械を扱う我々だが、その取引は人と人の駆け引きなのだよ』
クロシキン『!!』
すると、ココの携帯に連絡が入る。
クロシキン『テメェ !!なんなんだそりゃ!!』
ココ『最近の携帯は、防水で良かった』
クロシキン『言ったぜ!!妙なマネしたら・・・』
ココ『スナイパーか?掛けてみたら?』
そしてココは、自分の携帯を男に渡した。
「なるほど。既にレームが始末してたか。なら、そろそろだな」
俺はスコープを覗き、撃つ準備に取り掛かる。そして・・・
ガゥン!
俺が撃った銃弾は、男に眉間に命中した。当然ココは驚いている。
「驚いてるな。さて、俺も行くかな」
俺はライフルをしまうと、屋上から移動したのであった。
ココ「いったい誰が」
ヨナ「ココ、取り合えず今はレーム達と合流するよ」
ココ「・・・そうだねヨナ」
そして私は、ヨナと一緒にレーム達のところに向かったのであった。果たして、ヨナが撃つ前にクロシキンを仕留めたのは誰だろう?レーム達には既に撤退命令を出していた。私やレームにも気が付かれずに・・・