ここだけレグルスに弟がいて、幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線   作:ねえ、おなまえは?

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12話 しあわせ生活

 

その日から、3人での暮らしが始まった。

 

これまでのことが嘘の様に穏やかな生活だった。

 

朝起きて、お姉さまがボクの長い髪の毛をとかしてくれて、三つ編みにしてくれて、一緒に料理を作って、貯まった本や魔導書を読んで、兄さんとお姉さまと色々お話ししたり、お散歩したり、魔法の練習をしたり、完成した魔法を見せてあげたり。

 

 

ボクは本や魔導書が尽きそうになると、知識欲が爆発して死んでしまいそうになるので、兄さんとお姉さまに言って、少し遠い所の村や、町や、国へ出向いて新しいものを調達していった。

 

兄さんとお姉さまはボクが思っているよりずっと心配症で、なかなかお許しがでなかったんだけれど、ボクが空を踏み固めて、飛んでいけば平気だよ、それに、上からの方がどこに村とか、町とかがあるのか分かりやすいし、暮らしていく為のお金の調達とか、消耗品の買い出しも兼ねて行ってくるよ、と説得してなんとか許可してくれた。

 

 

かわりに、きちんと行ってきます、ただいまのハグをすること、と言われた。

あとは、1日1通報告の手紙を書くこと。

 

ヨグちゃんの空間転移は、物体には有効なんだ。

 

手元にある物なら思い描いた場所へ送ることができる。あ、剣をあの人の体内に、なんて物騒なことは…きっとできるだろうけどそんなことはしないよ。

平和が一番だもの!で、そんなことでいいのかぁ、2人ともかわいいなぁと思いながら、もちろんよろこんで、と返事をした。

 

 

 

 

僕の時間停止は2秒が限界だから、一瞬で空気を止めて空中をとん、と蹴って、ヨグちゃんの時空を操る魔法を借りて、縮地みたいにして距離をどんどん詰めて、また空気を止めて、と繰り返す方法で空を飛ぶんだ。

 

 

 

 

行った村や町で手伝いをしたり、魔獣の討伐や、国や町までの道中の竜車の護衛など、お金を稼ぐ手段は沢山あった。

 

 

 

魔法を沢山集めているんです、と言うと時々お礼に魔導書や、魔導書じゃなくてごめんねぇ、こんな物しかないけれど、と普通の本をもらえることもあった。

 

行った先々で権能を使って、人々の記憶を追体験していく。

 

学びが多い時も、少ない時もあったが、それでもお金ももらえて、知識欲も満たされていく。うはうはだ。

 

 

 

 

 

 

 

ボクはくだらない魔法も、強大な魔法も等しく好きだ。

魔法はとても美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの村の人たちの心より、ずっと、ずっと。

 

あの村で過ごした時間を時々思い出して、気持ちが少し沈んだりすることもある。

でも、ボクには兄さんやお姉さまが居る。居てくれる。

 

2人ともボクの気持ちの変化に、ほんの些細な落ち込みにすら気づいてくれて、そういう時には何も言わずに抱きしめたり、頭を乱暴に撫でてくれた。

 

そのお礼に、できることが少ないボクは色んな魔法を2人に見せた。

 

お皿の汚れがさっぱり落ちる魔法とか、服のシワが綺麗に消える魔法とか、くだらないものばかりだったけれど、2人ともよく褒めてくれた。

 

 

 

 

特に兄さんとお姉さまのお気に入りの魔法は、昔に見せた自分たちの周りを月夜で包んで流れ星をたくさん降らせる美しい魔法だった。

 

だからボクもこの魔法がお気に入りの魔法なんだ。

 

 

 

昔といえば、そうだ。

2人はボクが魔法で作り出したあの宝石のカケラを肌身離さず持っていてくれたのだ。

 

僕は、それがとてもうれしくて、町に行った時に職人さんにお願いして、それぞれ真紅、深みのある青、輝く黄色のイヤリングに加工してもらい、2人に、お揃いだよ、ってプレゼントした。

とても喜んでもらえて、うれしかった。

 

兄さんは青、お姉さまは黄色、ボクは赤のイヤリングをつけた。

 

 

 

穏やかなそんな日がずっと続くと思っていた。

 

何年先も、何十年先も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっとずっと、3人で、幸せに暮らしていけると思っていた。

 

 

 

 

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