ここだけレグルスに弟がいて、幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線   作:ねえ、おなまえは?

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一旦完結です、お付き合いいただきましてありがとうございました!
感想や評価、とても、本当にとても嬉しかったです。す
次作もよろしくお願いいたします。
みなさまに幸あれ〜!!


22話 やり直しのお話し

 

……は?

投降する?

 

信じられないものを見る様な目で発言の真意を探る。

ぽやぽやと笑う弟からは敵意を感じない。

 

何だコイツは。

 

突然腕に抱かれていたレグルスが、ぱちりと目を覚まして、憤りながら地面に降りる。

 

「…まずは、僕を助けてくれて、ありがとう。本当に助かった。助かったんだ。僕はきちんと感謝を述べられる人間だからね、そこのところしっかりとしておかないと常識がない野蛮なやつらと同じだと言っているのと一緒だ、それは、そんなことは完璧で、完全で満たされた僕を侮辱する赦されざる行為だからね、それにお前はきちんと僕の願い通り動いて、彼女の祈りの通りに判断して、助けてくれたからね。そこには本当に感謝しているよ。でもさぁ、そこから先は全く同意できない発言ばかりだったよ、まったく、聞き捨てならないなぁ!自分の権能をぺらぺら喋るだけに飽き足らず、言うにことかいて、投降します!?あのさぁ、自分が何言っているのか分かっているの?いや、分かっていないね、お前は急にこの場に呼ばれて混乱しているんだろう。そうじゃなきゃそんな馬鹿みたいな考えが出てくるはずがない。ありえない。考えてみなよ、僕とお前が居れば少しずつでも押せるだろう!?コイツらだって永遠じゃあないんだ!消耗線に持ち込めば、或いは、剣聖だけでも別の場所に引き離すことができれば勝てる戦いだ!そうだ、お前の空間転移で剣聖を遠くへ飛ばせばいい。そうすればその間にコイツらを処理して、非常に不服だけれど、また1から始めればいい。だから、投降するなんてくだらない考えを今すぐ辞めるべきだよねぇ!」

 

「あのね、兄さん。ボクの空間転移は自分にしか適応されないんだ。そうじゃなきゃとっくに兄さんを連れてどこか遠い場所に移動しているよ。ボクだって少しは戦えるけれど、兄さんを守りながらだとこの状況では難しい。いや、兄さんが足手纏いと言っている訳じゃ決してないよ、ボクは兄さんの為なら命だって惜しくないんだから、信じて欲しい。ラインハルトくんには不死鳥の加護とか、初見の加護とか、再臨の加護だってあるんだよ、ボクは"識っている"んだ。ヨグちゃんの力は制限されているし、権能の方が加護よりも強いことを加味しても、攻防で考えたらこちらが不利……というか永遠に戦い続けることになるのは目に見えている。もし、ボクの失態で大切な兄さんが死んでしまったら?大切な兄さんを失いたくないから、僕は兄さんが死んでしまうなら、かわりに死ねるくらい、大切に思っているから、徒労に終わる戦いはしたくないんだ。試しに、1発攻撃してみようか?それできっと分かってくれるでしょう?」

 

 

こちらに向き直った弟が、ラインハルトに向けて

「多分効かないから1発入れてもいいですかぁ?」とのんびり聴く。

 

「あぁ、構わない、受けて立とう」

 

スバルたちの前に出て、堂々と構えるラインハルトにありがとう!と無邪気な笑みを浮かべながら、およそ、ラインハルトの首の位置であろう場所に向けて指を横にすいっと動かす。

 

瞬間、周囲の空間ごとラインハルトの首が捻り切れた。

 

頭がゴトリ、と落ち、体が倒れる。

 

「……え?……は?」

ラインハルトの首、首が……

遠距離からの攻撃だ、斬撃でもない、魔法なのか、なんだ?

攻撃の正体が掴めない。

 

底知れない恐怖が襲ってくる。

 

意味がわからねぇ。理解ができない。膝が笑うのが分かる。

 

 

しかし、倒れてから何秒かすると、何事もなかったかの様にラインハルトが立ち上がって、パンパンと服の汚れを払った。

 

「攻撃、受けてくれてありがとう。服を汚しちゃってごめんなさい、服の汚れ、落としておきますね」

 

ぺこりと頭を下げ、ラインハルトはいや、気にしていないと答える。

 

弟は続ける。

「ほらね、ヨグちゃんの魔法でも、抑え込めて数秒だよ。権能で加護ごと殺したとしても何度も何度も再臨されちゃうだろうし、ずっとずーっと戦うことになる。面倒臭い。ボクの最優先事項は兄さんが生きていてくれることなんだよ、だからね、投降するのが1番いいでしょう?ボクは兄さんと一緒に居られればそれで、それだけで満足なんだ。でも、兄さんは、違ったかなぁ?」

 

 

ぐぬぬぬぬ、と怒りと憎しみの感情を露わにしながら一連の流れを見ていたレグルスは、弟の最後の言葉を聞いて、ふっ、と無表情になった。

 

それから、くしゃりと不器用に弟の頭を撫でて、スバルたちに言った。

 

「あのさぁ、はぁ。あぁ分かったよ。仕方がない、これは、仕方がなく、本当に本当に仕方がなくやってやるんだ。ボクの大切な弟に感謝するべきだ。感謝する義務がある。感謝しろ。この僕が、寛大な心で話をのんでやるんだ、僕にも感謝するべきだね。弟と僕にはその権利がある。で?どうするの?投降した僕たちを殺すの?捕まえておくのかな?ふん、どっちも建設的とは言えない愚かな行為だね」

 

馬鹿にするような、しかし苦々しげな顔をしているレグルスとは対照的に、にっこり満足そうに笑った弟が言う。

 

「そうだね、建設的とはいえないと思う。だから、もし君たちがよければ一緒に着いて行ってもいいでしょうか?ボクは盾にも剣にもなれるし、色々収集して"識っている"から細々とした知識もある。君たちに危機が降りかかればそれを払い除けます。ボクの命をかけて約束します。兄さんは必ずボクが見ておきます。だから、同行を許可してもらえるでしょうか……?」

 

胸に手をあてて敬意を示し、頭を下げて首を差し出してお願いをする。

 

 

 

 

 

スバルたちはかなり長い時間悩んだ。

 

確かに捉えておくのも、殺すのも、彼らが暴れれば甚大な被害が出るだろう。

その点、同行を許可すれば、監視するのには、うってつけだ。

 

最悪、死に戻りがある。

 

何か不穏なことがあればインビジブル・プロヴィデンスもあるし、エミリアにこっそり伝えて、先手を打って対処できるはずだ。

 

エミリアからも、話があった。

 

「あなたが、花嫁さんたちが言っていた弟さま、なのよね?花嫁さんたち、あなたのこと、すごーく信頼していたわ。優しくて、思いやりがあって、あなたがいると安心するって。だから私は信じてみようと思うの、同行に賛成するわ」

 

エミリアからの後押しもあって、2人とも同行を許可された。

 

 

 

弟は、兄さんと一緒に居られるんだね、暴れなくていいんだね、殺さなくていいんだ、殺されちゃわれなくていいんだね、と言いながらよかった、よかった〜と笑いをしながらレグルスに抱きついている。

 

レグルスも満更でもない様子だ。

 

あ、そうだ。と思い出した様に弟がスバルたちに向かって言う。

怪我しているでしょう、治すよ。言うが早いか、瞬時に回復魔法がかけられる。と、いうか回復魔法にしては効果が早すぎないか?まるで巻き戻っている様な……いや、今はそんな事考えている場合じゃない。

おう、ありがとな、答える。

 

 

 

あとそれから、花嫁さんたちを氷から出してもらって……きっと彼女たち、すごく怒っていたんでしょう?だから貴女の作戦に協力した。

 

じゃあ、死なない程度にレグルスに対する思いをぶつけてもらうことにしましょう!と続ける。

 

 

 

 

氷漬けの教会に戻る。

沢山の花嫁たちが美しく凍っていた。

レグルスは何が起こるか全く予想していなかった。

 

だって僕は妻たちを愛していたから。

 

わあ、旦那さま無事でよかったですって思われるだろう、そうに違いない。

妻たちからその気持ちを受け取る権利があるよね、なんてのんきに構えていた。

 

エミリアに魔法を解除してもらって、そこからは、怒涛の花嫁さんによる攻撃、口撃祭りだった。

くすりと苦笑いする。しかたないよねぇ。

 

スバルたちはビンタを受けるレグルスの情けない声に笑っていた。

 

後で聴いた話、ラインハルトさんが風見の加護を授かって、ボクたちの言葉に嘘はないと判断して、それをスバルくんに伝心したからというのも後押しして同行を赦してくれたみたい。へぇ、加護ってやっぱり面白いねぇ!

 

 

 

あぁ、よかった。これでよかったんだ。

 

みんなで旅をしながら、また沢山の知識が得られるし、兄さんも無事。

 

うれしいなぁ、よかったなぁ、ぽつりとこぼす。

 

なんだ、涙を流すくらいうれしかったのかよ、とスバルが言う。

あれ、ボク……あ、本当だ。

涙を拭いながら、改めて、スバルと、エミリアと、ラインハルトに向き合って礼をする。

 

あ、ラインハルトくんとは握手をしてもらったよ。わーい!

 

ありがとう、やり直す機会をくれて、ありがとう。

 

これは、そんな兄弟のお話し。

 

 

 

美味しいものを食べてん〜っ♡て尻尾ぶんぶんする幻覚が見えて、大型犬かな、こいつってなる弟くんとか、弟さまと結婚したかった弟さま親衛隊の圧がすごくてレグルスの後ろに隠れて、それを見てさらに圧がつよつよになって困ったなぁって笑う弟くんにズキュンされる花嫁さんたちとか、その人ごとに好きな美味しい料理を振る舞ってくれてレグルスと同じもの食べているから、やっぱり双子って味の嗜好も似るのか……?ってなってたら、ううん、ボクは兄さんが好きだから、兄さんが好きなものを一緒に食べたいんだ〜っていわれてクソ得意げになるレグルスとか、野営で自分は寝なくて大丈夫だからみんな寝てていいよ、って穏やかに、寝ているみんなのことを優しく見つめていた時に野盗集団のうちの1人が静かに殺しに来る。けど、振り返りもせずにヨグちゃんの力でスパッと首を落として、しー、静かに。みんな寝たところだから。って言ったり、それに動揺した残党の位置を音で判断して、ヨグちゃんに1人ずつ音もなく消してもらうというホラームーヴする弟くんとか(最初の1人は空間ごと消し去らないでわざと死体が残る様にして、死体に話しかける=馬鹿にすることで、仲間を殺された動揺とか、馬鹿にされたと思って武器をぎりりってにぎったり、クソ、とか呟いたり、葉擦れを起こしたりさせて音で位置を把握する為の行動なんだよ)

水浴び中に人攫いに囲まれた時に、ん〜?この中にはリーダー格が居ないなぁ、自分だけ安全圏に隠れて様子見なんてずるいねぇ、って仲間たちを死なない様に、大腿とか腕とか狙って貫いて、死なないけれど超痛い、血が沢山出る叫びまくるところを攻撃しまくって、ぐりぐりしたりしてみんな助けてくれ!とかぎゃああとか、騒ぎまくる。でもまだ出てこないから、そっちがその気ならボクにだって考えがあるよぉってのたうち回っている奴ら一人一人にねぇ、キミたちの頭(カシラ)の場所はどこ?って顔を優しく撫でながら聴いて回って、何人も殺した後についに痛みと恐怖から頭の場所を吐いた人がいたら、ありがとう、でも仲間を裏切るなんてサイテーな行為だねぇって結局みーんな殺して、逃げる頭を捩じ切って、有り金回収して何食わぬ顔でみんなのところに返り血まみれでね〜臨時収入だよ〜!って帰っていく弟くんとか、エキドナにお茶会招かれたけど、何これすごい、お空きれい!え!すご〜いエキドナさまだ〜!握手してください!わ〜!!お茶ありがとうございます〜!!優しい味がします、え?体液なんですか?"識る"ことができていい体験でした、とニコニコする弟くんにちょっと嬉しくて照れるエキドナとか、欲しい魔法は素敵な夢を見られる魔法です!だって兄さんとスバルが怖い夢見るって言うから、と言われてずっこけるエキドナとか、お礼に甘い焼き菓子を出しますよ、と出すけど、あれこの空間で出せるの何それ知りたい!知りたい!え?ヨグちゃん?ヨグちゃんの倉庫?何それ!?と興奮するエキドナを置いてばいばいして待ってよ〜!ってされる弟くんとか、行く先々で柔らかい笑顔にスタイルはいいし、優しいし、ちゃんとしていたりふにゃふにゃ喋るから好きぃ……ってなる人を生み出していく無自覚メロ弟くんとか、福音書無視しまくっているから様子を見に来たパンドラにわぁ、かわいい!と無邪気に接してワイワイしていたり、双子の兄弟愛……とてもすばらしいことですね、と言われてえへへ、ってしていたけれど、レグルスはずっと警戒していて、そうですね、私も弟というものが欲しくなりました。では、"コルニアス司教には双子の弟などおらず私の弟……"の双子のふの時点で調子に乗るなよ女ァ!!って爆散させるレグルスと事象の書き換えって面白い"識りたい"とキャッキャして、じゃあ、アレしてください、コレしてみてください、わぁすごい!!ってして分かりました、では私の弟でもあるということで、と書き換えなしで言ってなんか懐かれるし懐く弟にギリィするレグルスと、興味があるだけだよ"識りたい"だけ、ボクには兄さんしか居ないし、兄さんが1番好きだよ、で機嫌がなおるレグルスとか、転生前に見たアニメの影響でイメージできることは大体できると思っているし、できる。主にフリーレンの魔法のイメージ。青のイヤリングを無くして死ぬほど激落ち込んでいるレグルスを見て、大丈夫、夜に見つかるよ、と夜を待ち無くした装飾品を見つける魔法で見つけて寝ているレグルスにそっとつけてあげる弟くんとか、分身魔法で増えて、ハグとなでなでをされるがままに受け入れるレグルスとか、雨が降っている時に水を操る魔法リームシュトローアで自分たちの進む道を晴れにして不思議な光景を作ったりほら、虹が出たよとぽやぽやする弟くんとか、ラインハルトの一撃を見て模倣する魔法エアファーゼンを使ってみるも、魔力の操作じゃないからがっかりして落ち込んでぐでぇって溶ける弟くんとか、そういえばレグルスの弟くん、なんて呼べばいい?弟くんでもいいけど、やっぱり名前も知りたいよね、って言われて、弟くんには名前がないから(New!両親から名前をつけてもらえなかったから誰も知らず、ずっと弟くんのことをお前とかコイツとかなぁ、とか、ねぇ呼びだった。本人たち無自覚な模様)でも名前ないことで別に苦労していないし、真名系の呪いの類にもかからないから便利だよ〜って笑っていたらレグルスに弟呼びに慣れすぎていて今まで気付いてやれなくてごめんって珍しく謝られるし、スバル達に悲しみ呆れ叱られて、みんなに名前を決めてもらう話とか。(名前決まっているので安心してね、獅子座繋がりの名前で、████・コルニアスになります)

最初に兄さんから勝手に権能を分けてもらった時に魔女因子の解析が済んでいるから、あ、そうだこれあげるねって、スバルに魔女因子を分けてあげる弟くんだったり

旅の途中で、あの村には価値のあるものが沢山あるだろうけど、手を出さない方がいいよ、身のためだよと言われるも、"識る"価値あるもの=本や魔導書1冊でもあればうれしいなぁってるんるんと村を1つ壊滅させる弟くん。村にあった魔導書等を手にいっぱい抱えてニコニコする狂気。レグルスはじっと黙っていて、スバルたちはなんでこんな酷いことをって怖いけど怒るんだけれど、弟くんは最初にこの村のことを聴いた人の記憶を"識った"ことで結局村は奴隷商で生計を立てている村だと分かっていて魔導書をもらうのと元奴隷繋がりで奴隷だった子たちを解放してあげていたんだよ〜ってぽやぽや言う弟くんに、ほらコイツは無駄な殺しをしないんだと後方彼氏面するレグルスとか、みたい、みたいよ。




スバルくんたちが優しくてよかった、よかったねぇ。
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