ここだけレグルスに弟がいて、幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線   作:ねえ、おなまえは?

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6話 粉砕!

 

村は壊滅していた。

あれぇ……いや、たった3日でどうしてこうなった?

 

 

襲撃にあったのだろうか、魔獣の群れはこの前潰したばっかりなのにと思った。

 

そんなことよりも、兄さんとお姉さまは無事なの?

 

 

 

 

 

死んじゃっていたら、どうしよう。

 

 

 

 

時空を操るって言っても、ボクは物や人の構造を理解していればある程度巻き戻して直せるし治せるけれど、死んだ者を生きかえらせることはできない。

 

ヨグちゃんの力が全部使えたら話は別だと思うけど、ボクにはソレが使えないから。

 

 

 

 

 

 

ぐちゃぐちゃになった死体たちを横目に、探していく。

 

 

違う、違う、コレも違う。

うーん、居ないな。特徴に当てはまる死体はなし。

 

 

2人とも上手く逃げられたのかな。

 

 

 

 

 

 

 

家へ入る。

 

もはや家と呼べないくらい瓦解していたけれど、気にせず自分の書庫だった場所へ進む。

 

あー、魔導書焼けちゃってるや。

仕方ない。じゃあ、兄さんたちを本格的に探そうかな。

 

 

 

 

空間転移は、行ったことのある特定の場所にしか転移できない。

 

これが、残念なことに人物には適応できないのだ。

 

 

 

 

こうして大切な兄と、大切なお姉さまを探す旅にぼんやり、ぽやぽやとした弟は出たのでした。

 

 

とりあえず、逃げるとしたら近くの村とかでしょ。

ということで、付近の村から聞いて周ることにした。

 

 

よーし!しゅっぱーつ!

 

 

町に行く道すがら、横目で見た近くの村には立ち寄っていないから、行った判定にならないらしい、飛ぼうにも飛べない。

 

 

だから道に沿って歩いて行って、見つけた村でこんな特徴の2人を見ませんでしたか?と聴いて周った。

 

 

 

 

 

 

ボロボロの服に、枷のついた裸足。

 

 

 

 

 

どう見ても逃げ出してきた奴隷のボクに取り合ってくれる人はあまりいなかったけれど、探し続けた。

 

居ない、居ない、ここにも居ない。

 

 

うーん……

 

 

 

 

時々、村で困っている人が居たら魔法で手助けしてあげて、お礼に食べ物とか、お金とかをもらったりして過ごした。

ありがたいことだった。

 

でも食べ物よりボクは魔導書とかの方がうれしいんだけどね。

 

なかなか魔導書って手に入らないんだよねぇ。

時々、お礼のかわりに、要らなくなった本をもらうこともあった。

なんでも識りたいし、読みたいから助かるな。

 

 

 

あぁ、知識の吸収ってなんて楽しくて、愉しくてしかたないんだろう。

この感情はヨグちゃんと共有されているからとっても強く感じる。

 

 

 

 

 

 

そんなに沢山本とかもらって、旅の邪魔にならないの?とか、どうやって持って歩いてるの?って思うかもしれないけど、そこは、ほら。

 

 

 

 

指をすっと一振り回すと、ギュルン、と音を立てて周りの景色を呑み込むように空間が捻れて黒い空間が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

異様な光景だった。

 

 

 

 

 

 

そこだけぽっかりと穴が空いたように見えるソレは日常風景とはかけ離れた異質な空気を孕んでいる。

 

 

 

そこへ貰った本をどんどん入れていく。

 

こうして、時空を歪めて虚数空間で造られた倉庫に入れておけば、大丈夫。

出し入れ自由ですごく便利なんだよ。

それに、時間の流れが止まっているから食べ物とか飲み物なんかも腐らなくてとっても助かるんだ。

 

 

 

そんなこんなで、村を渡り歩いたんだけど、ふと思った。

あ、逃げる時、もしかしたら、村とかじゃなくて、大きな町の方へ行ったんじゃないかなぁ、って。

 

 

この近くの町って、あぁ、なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボクが売られたあそこじゃないか。

 

 

 

じゃあ"識っている"から飛べるね。やっぱり何事も経験しておくべきだな、と思いつつ、指をついっと縦に動かす。

 

 

空間に裂け目が現れ、そこへゆったりと歩いて消えていく。

 

 




ざっくり弟解説
ヨグちゃんパワー
行ったことのある場所になら、空間を裂いて飛べる(自分のみ)
マークした人の元に物を届けることができる
30秒前までなら目の前で指パッチンすると時空歪めて相手の記憶消せる(時空を歪めて巻き戻せる、が正しいかもしれない。基本的には対象の記憶以外で起きた出来事は戻らない、というかボクの出力だと記憶くらいしか戻せないかも、これ使い勝手があんまりよくないと思って全然使っていないから分かんないや。例えばある地点でボクが1分前に部屋でAを殺めたとする。その後偶然通りかかったBが、死んでいるAと佇むボクを見て驚く→見られちゃったから指パッチン!→30秒前に戻る。Aは1分前に殺したから、死んだままで、この後Bが部屋の前を通ることを知っているボクはその前に廊下に出て部屋の鍵をかけて、Bと会話して部屋の中でAを殺したこと、死んでいることに気付かなくすることはできるみたいな)
物や人など、ある程度原型や、その対象に対する知識があれば時空を歪めて元に戻せる。
指でついっとやったところが捻り切れる。
大勢を捻り切ったり時空巻き込んで痕跡なしで消し飛ばしたい時はヨグちゃんにお願いする呼びかけが必要。
「いぐな、いぐな、とぅふるとぅくんが」
銀の鍵はここに。さあ、扉は開かれた。

+α……?
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