ここだけレグルスに弟がいて、幼馴染ちゃんも幸せな結末を迎える世界線 作:ねえ、おなまえは?
少し落ち着いたころ、兄さんが権能の話を、簡単に聴かせてくれた。
"強欲"の権能、特別な力を授かったと。
これで僕は完璧で、完全に、完成された、満たされた存在になれたのだと。
え、権能?
何それ気になる、超気になる!!!!!
詳しく聞きたい。
知識欲が、欲しい、欲しい、知りたい、"識りたい!!"と暴れ出す。
分かるよ、ヨグちゃん。君の欲しいは、ボクの欲しいでもあるから。
でも今は一旦引こう。
だって蹂躙が始まるからね。
「これから僕はこの国を完全に落とすけれど、お前も、こんな所で突っ立っていないで一緒について来る方がいいんじゃないかなぁ?無論、僕としてはお荷物が増えるから、あぁ、彼女は別さ。妻をお荷物扱いするなんて、人としてあり得ないことだからね。お前は少なくとも自分の身は守れるくらいの魔法が使えるだろう?でもまぁ?それも必要ないさ。つまり、弟っていうお荷物が増えたとしても、僕は完璧なんだから、全く何の問題もなくアイツらを殺せるんだ。だから、お前は僕の活躍を見て、わぁ、兄さん、すごいねぇ、なんて間の抜けた感想を言ってくるだろう。お前にはこの力を手に入れた僕の活躍を見せてやってもいい。僕にはその選択をする権利がある。それに、他の奴らにされたとすれば唾棄すべきことだけれど、"僕の弟"なら無条件に兄を健気に応援して、賞賛する義務があるし、無論僕はそれを受け取る権利があると思うのだけれど?あぁ勘違いしないでほしいんだけれど、完璧で完全に完成されて満たされている僕は普通、賞賛なんて必要ないんだ。だけれど、お前がどうしても、と言うなら仕方がない、寛容な僕はそれを受け取ってあげるよ」
と自信に満ちた顔でお誘いを受けた。
弟はお荷物扱いしていいんだ、と内心笑った。
活躍を見て欲しいんだ、応援してもらいたいんだ、かわいい兄さんだなぁ。
それに、あぁ、この崩れかけの国にはきっと新しい発見や見たことのない魔導書があって、それから兄さんに対する迎撃のためのたくさんの魔法を見られることだろう。
「もちろん、着いていきたいな」
「僕たちに、かっこいい所を見せてね、兄さん、がんばってねぇ」
そうして、兄さんがバチバチに国を攻め落とす一方でボクはお姉さまと一緒に、本や魔導書をたくさん虚数空間ににしまって、兄さんに放たれるたくさんの攻撃魔法を見て、すごい体勢で、面白い叫び声をあげながら吹っ飛ばされる兄さんに「兄さん〜!!さっきの、地面まで切り裂いた攻撃かっこよかったよ〜!すごかったなぁ!また見たいなぁ〜!」と黄色い声援を送りながら兄さんの権能も観察できて、とてもいい経験になったな、と思った。