ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第16話 ドラゴン娘と母の怒り

はい、皆さん。おはようございます。

この世において、ブチ切れた母親ほど恐ろしいものは存在しません。

その真実を改めて知ったラシアンナです。

 

ホグワーツに到着したその日。

私が校庭の真ん中で炎に包まれたまま眠りに落ちていた件については、皆さん既にご存じですよね。

……あったかいんですよ。

仕方がないじゃないですか。

 

もっとも、これを第三者の視点から見れば。

校庭の中央に、巨大なドラゴンが横たわり、火炎にその全身が包まれたまま、悠然と眠りこけている。そういう光景になります。

ええ。

冷静に考えると、なかなかの惨事ですね。

 

 

さらに、私ってドラゴンのまま寝てると、時々寝言みたいな感じで火を吹いたりしがちなんです。特に、眠りを妨げられた場合は尻尾と併せて、周りのものを追い払ったりしちゃいます。皆さんも私の眠りを妨害したら焼いてあげますよ!

 

いや、これはしょうがないですよ。人の眠りを邪魔する奴は、ドラゴンに蹴られて死ねっていうあれです。そういうものです。

 

結果として私を起こしに来たハグリッドは、危うく丸焼きになるところだったらしいです。

らしい、というのは。そのあたりの記憶が、あまりないからです。後で謝っとかないと。

 

そして、これは手に負えないという、極めて妥当な判断のもと。

 

よりによって、よりによってお母さんが呼ばれました。

……酷い話だと思いませんか。新学期初日に親呼び出しですか?

 

 

その後のことは、断片的に覚えています。

激しい衝撃。視界を埋め尽くす炎。そして、容赦のない殺意。

 

寝ぼけたまま反撃に出た私と。一切の躊躇なく制裁を下すお母さん。

 

火球が百?正確な数は知りませんが、体感としてはそのくらい。さらに、視界を狙って突き込まれる、尾の毒針。……あれ、本気で当てに来てましたよね。お母さんと私とでは体格差があるとはいえ、本気でやられたらさすがに辛いです。

 

しかも、最悪なことに。その一連の騒動はちょうどホグワーツ特急が到着した、その瞬間に展開されていました。

 

結果、人間の姿に戻されたあとに、私は校庭の中央で頭を箒でぶっ叩かれるという屈辱の場面。その一部始終を新入生を含む、ほぼ全員に目撃されることになりました。何しろ、周囲が燃え盛って私たちを映し出すようにライトアップしていたのでばっちりです。

 

ちなみに被害はハグリッドの小屋が全焼したのと、最初に燃やした木だけでした。良かったです。良かったのかな?本当にハグリッドには謝りにいこう…………皆さんも一緒に謝ってくださいよ!

 

でも少なくとも校舎は無事だったんです!!まずはこれを喜びましょう!!

 

まあ、そのあとで、先生たちからもなんか怒られました。ってかハリーとロンはって聞いたら、低酸素なんとかで結構危なかったみたいです。もしかして普通の人間って空飛んだら死んじゃうんですかね。みんな箒にのっているし、私も流石に飛行機よりは低いとこ飛んだと思うんですけど。皆さんはどうですか?

 

 

 

そういえば、授業も始まりました。なんとですね。

闇のなんとかかんとかの授業。あの教科書を書いた、あのロックハート先生が担当されるらしいのです。

 

ええ。

 

あの本ですよ。棚に並んでいるだけで、なんとなく強そうに見えるあの本です。いやー、私が英雄になるための道を示してくれた本ですよ。

 

なので当然、思うわけですよ。今年の授業は安心だな、と。去年は変な臭いのするテイオーくっつき先生だったので…………

 

それがですね、初回の授業でいきなりピクシーとかいうコーンウォールの小妖精?を教室に解き放ったんですよ。いや本当にそのままです、箱?檻?から出して、はい捕まえましょうって。授業ってそういうものなんですか?私の認識が間違ってるんでしょうか。

 

で、そのピクシーたちがまた無駄に元気でして、本棚ひっくり返すわ、カーテン引き裂くわ、インクぶちまけるわで、教室の中が一瞬で戦場みたいになったんですよね。しかも先生が制御できてないんです。というか途中でいなくなりましたよね。あれは高度な戦術的撤退なのか、それとも単に逃げただけなのか、私は判断に困っています。

 

そうなると当然残されるのは私たち生徒なわけで、まだ一年生?いや二年生なんですけどね。どうしろと、っていう話なんですが、正直なところ悪霊の火で一掃したかったです。もしくはせめてフリペンドでも乱射してまとめて吹き飛ばしたかった。そっちの方が早いし確実ですし。でもそれをやると多分怒られるんですよね、主にお母さんに。あと、多分三人くらいは死にそうです。

 

なので仕方なく、本当に仕方なくなんですけど、杖で一匹ずつ叩き殺すことにしました。飛び回ってるのを狙って、確実に落としていく感じです。ええ、地味です、とても地味です。でも一番確実でした。

 

結果として教室はまあまあ壊滅しましたけど、ピクシーはだいたい死にました。何匹かは当たり所が悪くて生き残っていたかもですけど、あれはもう誤差でいいと思います。それにしてもあれが闇のなんとかかんとかの授業って、今年大丈夫なんですかね。

 

 

 

 

そうそう、それからですね。最近ちょっと素晴らしいことがありまして。いやほんとに、これは皆さんにも共有しておくべき案件だと思うんですよ。なにかって?って顔してますね。いいですか、ちゃんと聞いてくださいよ、ここ結構重要ですからね。

 

折角もらった新しい箒でですね、ちょっと飛んで遊んでたんですよ。ええ、別に訓練とかじゃなくて、普通に気分転換です。空っていいですよね、ドラゴンになって飛ぶと怒られるのであれですけど。で、まあ適当に飛び回ってたらですね、声をかけられたんですよ。スリザリンのクィディッチチームのキャプテン、フリントに。

 

チームに入らないかって。

 

いやちょっと待ってくださいよ、これすごくないですか?私、大大大大大出世ってやつじゃないですか?ほら、そこ、「お前暴れてるだけだろ」とか言わない。いいですか、評価されるって大事なんですよ。たとえ理由が何であれ。

 

まあ正直に言うと、運動そのものが好きかと言われると、うーん、って感じなんですけど。でもほら、チームってことは友達が増える可能性があるじゃないですか。ねえ、そこ大事ですよね?友達。あなたたちもそう思いますよね?思いますよね。思ってください。

なので、頑張ることにしました。

 

で、そのあとですね、はじめての練習のために競技場の方に向かっていたんですけど、途中でなんか揉めてるんですよ。どこかの寮と。まあ、スリザリンってロンが言ってたみたいにあんまり好かれてないらしいので、そういうのもあるのかなって感じなんですけど。ねえ、でも嫌われるってことは目立ってるってことでもありますし、必ずしも悪いことではないですよね?……違う?いやまあいいです。

 

でもですよ。これから私はスリザリンの花形であるクィディッチチームの一員として華々しくデビューする予定なんですよ。予定ですけど。なら、ここで黙って通り過ぎるのはどうかと思うわけです。ほら、チームの一員としての責任感ってやつです。大事ですよね、そういうの。なので、ちょっと顔を出してやろうかなって。

 

喧嘩なら私、結構やれる方ですし。

 

で、近づいたんですよ。

 

そしたらですね、なぜかすっと目の前が開いたんです。人の流れが、こう、左右に。ああ、これは通してくれるのかなって思った瞬間に、何か飛んできました。

 

呪文です。ええ、普通に。

 

それが私の頭に当たりまして。まあ弾いたので何が来たのかよく分からないんですけど、でもほら、ああいうのって危ないじゃないですか。死の呪文とかなら、普通の人なら死んでてもおかしくないやつですよね。ねえ、そうですよね。ですよね?

それにですね、私ちょっと最近イライラしてたんですよ。

 

なので。

はい。

 

はっきりと、ぶち切れました。

 

いやもうこれはしょうがないですよね?理不尽に攻撃されたら反撃するのが世の常ですし、しかも私はちょっと強いので、うっかりしていると反撃の規模もそれなりになるだけの話です。

 

ということで、思いっきりフリペンド連射をぶち込んでやろうとした、その瞬間。

 

横から、ぐいっと衝撃が来まして。隣にいたドラコがですね、脚で私の杖を蹴り上げたんですよ。いやちょっと、あの反応速度どうなってるんですかね。

 

そのせいで、というかお陰で、私の呪文は真上に逸れまして。結果として、空にとんでいきました。ええ、空です。空でよかったです。

 

で、よく見たらですね、目の前にいたのロンだったんですよ。

 

しかも。

あの。

えーっと。

どう言えばいいですかね。

 

ぶち切れた私のオーラに当てられたのか、普通におもらししてまして。

 

いや、そんなに怖かったですか?

だって、ロンが下手したら人殺すようなことを…………ナメクジの呪い?じゃあ私が一方的に殺しかけたってことですか?

あれ、またやっちゃいましたかね。

……ねえ、これ、私が悪いんですか?

…………悪いかなぁ。

 





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