ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第17話 ドラゴン娘と秘密の食事

えー、皆さん。緊急事態です。

 

いやほんとに、ちょっとふざけてる余裕がないかもしれないやつです。なんかですね、やばい気配がするんですよ、空気がこう、じわっと重い感じの。

 

ほら、分かりますよね?分かりますよねって顔してないですね、ちゃんと感じてください。

 

で、何があったかっていうと、継承者が現れたらしいんですよ。継承者。

 

ほら、名前からしてもう嫌じゃないですか。いやまあ私もちょっとは知ってるんですよ、そのへんの話。なんかこう、言ったらいけないやつというか、口に出すと現実になりそうなやつというか。だからまあ、詳しくは言いません。あなたたちのためですからね。優しさです。決して私が知らないわけじゃないです。

 

それでですね、秘密の部屋ってのも開かれたらしいんですよ。

 

……あの、ちょっといいですか。ここ大事なところなんでちゃんと聞いてくださいね。去年の話なんですけど、私がぶっ壊した部屋、覚えてます?あの廊下の奥のほうにあった、なんか妙にそれっぽいのにやたら脆かった部屋。悪霊の火をちょっと使っただけで綺麗に吹き飛んだやつです。

 

……いや、ちょっと待ってくださいね。あれ、もしかして秘密の部屋だったりしません?え、違いますよね?違うって言ってくださいよ。あんな簡単に壊れる秘密とかちょっと嫌

なんですけど。秘密でもなんでもないじゃないですか。

 

……違いますよね?

 

あれ、でも開かれて困るのかな?

 

まあいいです、とりあえず経緯の話をしますね。ハロウィンのときですよ、大広間の外で、ちょうど去年私が壊した廊下の真上あたりだったと思うんですけど、歩いていたら、なんか石になった猫がいましてね。えっ、状況が分からない?見ての通りですよ。馬鹿なんですか?

 

それだけでも十分嫌なんですけど、さらに血で書かれた言葉があって、で、なぜかそれをハリーが読み上げてたんですよ。いやなんで読むんですかねああいうの、普通ちょっと距離取りますよね?ねえあなたたちならどうします?

 

私ならとりあえず燃やしますけど。まあ、でもいきなり燃やすのはまずいのかなって思って杖を向けた段階で、なんか知ってそうだったハリーに聞いたんですよ。

 

ほら、親友ですし。これくらい聞く権利ありますよね?ありますよね。

 

そしたら何も知らないし継承者じゃないって言ってたんですけど、そのうちにどんどん人が集まってきて、なんか空気がおかしくなってきて…………気づいたらですよ、私が継承者なんじゃないかみたいな話になってたんですよ。いやちょっと待ってくださいよ、ただの通りすがりなんですけど私。

 

せめてハリーを疑いましょうよ。

 

いやでもですね、ちょっとだけ納得しそうになったのも事実なんですよ。

 

ほら、うちの家ってまあドラゴンを継承してるようなものじゃないですか。継承者って言葉と相性よくないですか?よくない?いや、よくないほうがいいんですけど。

 

で、秘密の部屋がもしあれだったら、確かに開いてることになりますし、そう言われてるうちに、なんか、ああそうなのかもって気がしてきてですね。

 

なのでつい、軽く頷いちゃったんですよ。いや仕方ないですよね?あんなに人に見られてたらそういう気にもなりますよね?あなたたちだってなりますよね?ならない?ほんとに?

 

 

そしたらそこにドラコが来ましてね、私を見ていうんですよ。こいつが継承者だったからなんなんだって。いや、これは驚きです。確かに、私の今までの所業と比べたら、猫を石にするなんて笑えるお遊びですよね。自分で言ってて悲しくなりますけど。

 

さらに、秘密の部屋の化け物より明らかにヤバいのがいるだろ、とか部屋の中の象から目を離して牛対策を話し合ってもしょうがないぞとか無茶苦茶言ってきます。

 

誰のことですかね。いやまあなんとなく視線の向きで分かるんですけどね。いや例えが雑すぎません?象と牛ってなんですか、私どっちなんですか。

 

で、周りの人たちもですね、確かにあいつならこんな回りくどいことしなくてもホグワーツごと壊すとか言ってくるんですよ。ねえこれ擁護ですか?擁護なんですか?評価としては一周回って信頼されてる感じもしますけど、内容だけ聞くとだいぶ酷くないですか。

 

まあそんなこんなで先生に色々聞かれたんですけど、怒られはしませんでした。そりゃそうですよね。私、猫を石にするとかああいう繊細なこと、多分できないと思いますし。やるならもっとこう、分かりやすくやりますよね。ねえ、そう思いません?

 

 

 

 

でですね、これの数日後の話なんですけど。話すの忘れていました。皆さんちゃんと聞いてくださいよ、ここちょっと変なんで。

 

そのときは廊下を普通に歩いてたんですよ。ええ、本当に普通にです。別に暴れてもいませんし、何も壊してません。珍しいこともあるものですね。

 

 

いま、同意した人はいませんよね?

 

私はめったにものなんて壊しません。普通にごはんをもらいに行こうとしていただけです。

その時、なんか妙な感じがしたんです。こう、視線というか、見られている感じ。後ろから……這うような視線っていうんですかね。

 

で、そっちを見たらですね。

いたんですよ。

 

蛇が。

 

まあ、人間くらいは食べれそうな感じのキモイ蛇です。

 

誰かのペットかと思ったんですけど、それにしては下水臭くて嫌な感じです。そういえば最近なんかどっかで下水臭かったような…………。どうせハグリッドあたりが持ち込んでたんだと思います。皆さんもそう思いますよね。だから私もそう思いました。

 

で、そんな蛇がこの乙女たる私をジロジロみてくる嫌な感じで、見られると…………なんというかちょっとかゆくなるあれです。分かりますよね。分かってください。

 

虫が這ってるときのあの感じに似てるんですけど、実際には何も触れてないのに、内側からじわっとくる感じ。首とか腕とか、あと背中のあたりがぞわぞわして、ああこれ嫌だなって。

 

で、ちょっと距離取ろうとしたらですね。

 

向こうも動いたんですよ。で、口を開けたんです。

 

まあ、多分噛みつこうとしてたんでしょうね。あの距離の詰め方、完全に獲物を見る動きでしたし。ねえ、あれはもう仕方ないですよね?専守防衛ってやつです

 

それに、私ってドラゴンなので、どうも蛇には嫌われるらしいんですよ。理由はよく分からないんですけど、なんなんですかねあれ。種族的な何かですか?あっちからすると上位互換みたいな存在だから嫉妬してるとか?……いや、それはちょっと言い過ぎですかね。

でもほら、私から見ても蛇ってあんまり好きじゃないんですよ。こう、脚も翼もないドラゴンみたいで、中途半端というか。進化の途中で諦めた感じがして。ねえ、分かりますよねこの感じ。

 

とまあ、そういうことで。いいじゃないですか。私が襲われた、ということで。

 

はい、確定です。

 

なので、ドラゴンになって丸焼きにして、美味しくいただきました。ええ、流れとしては非常に自然です。ちょうどしもべ妖精にご飯をもらいに行く途中でお腹も空いてましたし、補給としては悪くなかったですね。ちょっと硬かったですけど。あと舌が痺れる感じでしたね。

 

で、ここからが大事なんですけど。

 

証拠、ですよ。

皆さんも気を付けてくださいね、こういうとき一番問題になるのは証拠ですから。残ってると面倒ですし、説明が必要になりますし。なので、最近覚えた証拠隠滅魔法を使いました。

 

スコージファイ。

 

便利ですよねこれ。床に残った焦げ跡とか、血とか、そういうの全部きれいさっぱり消えてくれるので。食べた痕跡も含めて、まあ完璧と言っていいでしょう。匂いはちょっと残ってた気がしますけど、そこは気のせいということで。

 

なので、ハグリッドに何か聞かれたら、しらを切る予定です。それに、もし蛇が生徒を襲ったのがばれたらハグリッドもクビになるかもですし、決して保身のためではないです。

 

ええ、何も見てませんって。何も食べてませんって。

 

……ただですね。

 

ちょっとだけ、気になることがあるんですよ。

あれ、普通の蛇にしては大きすぎませんでした?それに、あの視線。あれ、単に襲うっていうよりは、何かを見定めてる感じもあったんですよね。なんかかゆくなるし…………。

 

……あれ?

 

もしかして。

 

あれ、秘密の部屋の怪物対策だったりしません?

 

ほら、侵入者を排除するための、防衛用の何かとか。そういうのってありそうじゃないですか。古い施設ですし。去年のワンちゃんもハグリッドの飼い犬で四階を警備してたじゃないですか。

 

で、そこにたまたま私が通りかかって。まあ、私って結構怪物に近いので間違いでもないというか…………。それにしても、私みたいなのと戦うにしては弱すぎるのでよくわからないですよね。皆さんどう思います?個人的には、あれはこう…………おとりみたいな感じなんじゃないかなって…………。

 

まあ、そのあと、特に怒られることも、なにかの被害みたいなのはなかったらしいので大丈夫だと思いたいです。

 






感想ってわかります。皆さんもたまには書かないとイマジナリーフレンドから追放しちゃうかもしれません。
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