ドラゴン娘とハリー・ポッター 作:ゴールドルナ
どーも、クィディッチの複雑怪奇なルールがどうにも頭に入ってこないラシアンナです。
いやほんとに、あれおかしくないですか?知ってます?反則の数がとんでもないんですよ。えーっと、何個でしたっけ、すごい沢山あった気がします。
数えようとしたら途中で諦めました。だって増えてる気がするんですよ、見てるうちに。ねえ、あれ絶対あとから誰か足してますよね?
基本的なのは分かるんですよ、一応。要するに、他人をあんまり攻撃してはいけないってことらしいです。うん、まあ分かります。分かりますけど、じゃああのブラッジャーっていう人にぶつけるための鉄球は何なんですかね?あれはいいんですか?いいんでしょうね、ルールに書いてあるなら。なんか納得いかないですけど。
まあ私は平和主義者なので、多分大丈夫です。ええ、本当に。あなたたちも知ってますよね、私がどれだけ穏やかな存在か。
……え?違う?
いやいや、そんなことないですよ。
ちなみにですね、その大量のルールの中に「試合中に変身してはいけない」っていうのがありました。いや、書く必要あります?普通そんなことしませんよね?流石にドラゴンになって暴れ回ろうとは思いませんよ、いくら私でも。……思いませんってば。ねえ、疑ってます?疑ってますよね。
で、キャプテンのフリントの話によるとですね、私の強みっていうのは、ブラッジャーに当たっても平気なことと、コントロールはともかく箒の速度とボールを投げる速度がやたら速いことらしいです。なんかこう、いいんだか悪いんだか分からない評価ですよね。コントロールはともかくって何ですか。ともかくって。
それでですね、チェイサーっていう役割になりました。たぶん一番クィディッチっぽいやつです。ボールを持って、飛んで、わっかに入れるやつ。シンプルでいいですよね。細かいこと考えなくていいですし。まあ入れるだけなら簡単そうに見えるじゃないですか?まあ、実際はいるかどうかはノーコメントで。
他にもですね、なんかブラッジャーを人にぶつける専門の人たちと、あとハリーがやってるシーカーっていうのがあって、ちっちゃい金色のやつを追いかける役らしいです。あれ、見てると楽しそうなんですけど、私にはあんまり関係ないみたいです。なんで関係ない人が試合に来るんですかね?
で、ですよ。
早速なんですけど、今度のグリフィンドールとの試合に出してくれるらしいんですよ。
よーし、いっぱい点を取って友達だらけにしてあげりょう。……あ、今ちょっと噛みましたね。気にしないでください。勢いです。
ちなみにドラコはですね、シーカーの座を返上したみたいです。なんでも実力不足って言ってました。あのドラコが自分からそういうこと言うんですね。ちょっとびっくりしました。そういうこともあるんだなって。明日はきっと空から槍が降りそうです。
さあ、クィディッチ当日です。皆さん、そこから私の雄姿を見ていてくださいよ。いやほんとに、ちゃんと見ててくださいね、後で感想聞きますからね。寝坊してたのであんまり練習はできてないんですけど、キャプテン曰く「とりあえずゴールに向かって飛んで投げつければいい」らしいので、まあ大丈夫でしょう。ねえ、シンプルって大事ですよね。複雑なこと考えると失敗しますし。
あっちのチームはロンのお兄さんの双子の……ジョージと、えーっと、もう一人、それからハリーがシーカーやってるので、ちょっとだけ複雑です。いや別に遠慮はしませんけどね?試合は試合ですし。
というわけで試合開始です。皆さん見ててくださいね、ここからですよ。
いきなりですね、幸先よく私にパスが来ました。ええ、ちゃんと来ました。落としませんよ、私は。がっちり受け止めます。いい感じです。で、普通ならここで味方が近くにいて、守ってくれて、その間に攻めるって流れになるらしいんですけど、私の周り、誰もいません。
……あれ?
いや、これ聞いてたんですよ。キャプテンが「お前はそのまま突っ込んで投げろ」って、それで他の人はハリーの邪魔と私が外したボールの回収にいくみたいです。なるほど合理的ですね。合理的ですけど、これ、私ちょっとぼっち感ひどくないですか?ねえ、あなたたちもそう思いますよね?ちょっとくらい並走してくれてもいいじゃないですか。
とか考えてたらですね、来ました。
ブラッジャーです。まずは右から、これは双子のどっちかが打った奴だと思います。そして反対から、これはハリーを追いかけながら丁度私の進路上にくるかんじです。ハリーもなかなか上手です。
でも大丈夫です。言われてましたから。「当たる前に殴れ」って。なので、思いっきり殴ります。右、左、まとめて。
そしたらですね、あら不思議。
木っ端みじんになりました。一応鉄らしいですけど、まあ思いっきりって言われたので思いっきりやったらこれです。
で、その破片がですね……あれ?なんか私の周りにまとわりついてきてません?ちょっと待ってください、これなに?うざい。すごくうざい。でもまあ、刺さったりはしてないのでいいです。見なかったことにします。
で、二つとも壊したら、遠くからキャプテンの「いいぞ!」って声が聞こえてきまして。なんか観客も盛り上がっている感じです。
私、やれてる!!
いやちょっと楽しくなってきましたねこれ。
ちなみにクアッフルっていうこのボールは壊すと怒られるらしいので、大事に抱えます。はい、ここ大事です。壊しちゃダメなやつはちゃんと区別できますからね、私。
で、グリフィンドールの人が何人か近づいてきて、これを奪おうとしてくるんですけど、両手でしっかり持ってれば落としませんし、問題ないです。というかですね、なんかぶつかってくるんですよ、向こうが。何回か当たられたんですけど、そのたびに「あっ」とか言って手を引っ込めてて、多分指とか痛めてました。なんででしょうね。私そんなに硬くないと思うんですけど。箒とかに当たったんですかね?
まあいいです。
そのまま箒をぐっと加速させて、一気に突っ込みます。これ、速いですね。視界が流れて、風が顔に当たって、あっという間にコートの反対側です。
気づいたら、目の前にはもうキーパーとゴールだけ。
いいですね、分かりやすい。
ここで決めればいいんですよね。よーし、いきますよ。見ててくださいね。と、振りかぶろうと思って、両手を箒から離したんです。そしたらですね。
あれ?バランスが。左右に、ぐらっと。
いやちょっと待ってくださいこれまずくないですか?
と思った瞬間に、そのまま体が回転しまして、ぐるっと一回転して、勢いそのままにゴールの柱に激突しました。頭突きで
柱がへし折れた気がしますけど、でもボールは持ってます。そこはえらい。
問題はその後で、そのまま減速せずにスタジアムの中に突っ込んだんですよね。
木材がですね、顔に当たるんですよ。バンバンって。観客席の一部とか、支柱とか、看板みたいなのとか。どこ飛んでるのか全然分からないんですけど、とにかく何かに当たり続けて、壊しながら進んでる感じです。
これ、方向変えたほうがいいですよね?でもどっちが上でどっちが下か分からなくて、とりあえず前に進んでます。いや止まりませんこれ。どうやって止まるんでしたっけ。ねえ教えてくださいよ今。
で、やっとですね、どこかの隙間から外に抜けまして、フィールドに出たんです。顔についた木くずを払って、振り返ったらですね。
スタジアムが…………だいぶ無くなってました。幸い観客席は殆ど壊れてないんですけど、ゴールがそれぞれ三本あったはずなのに、スリザリンのゴールが1本しかありません。グリフィンドールのゴールに至っては全部倒れています。
そして、手の中をみると、見るも無残なクアッフルの残骸が…………。いつのまにか、ボールの大半が無くなって、只の革になっていました…………。
あー、クアッフルを壊すのって反則でしたっけ…………これ私が悪いの?
悪くないよって思ったら高評価いれるのが皆さんの仕事ですよ!