ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第3話 ドラゴン娘のホグワーツ第0歩

こんにちは!! 皆さん。

 

重大発表です。重大発表!!!

 

なんと、なんと、この私、ラシアンナ、ついに――ついにお友達ができました!!!!!

ハイ拍手!!!もっともっと、もっと褒めて湛えてください!!!

ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうなんていくらあってもいいですからね。

 

いやー、守護霊の呪文を練習しておいたのが功を奏しましたね。

わかります?エクスペクト・パトローナムってやつです。

 

あー順番に説明しますとね。

ホグワーツ特急にのってコンパートメントで丸まってたところに、ハリーが来たんですよ。あのーなんとかいう制服屋さんで話してくれた。

 

そしたらですよ。そのハリー、フルネームはハリー・ポッターなんですけど。なんとあの帝王ってのを倒したらしいんですよ。すごいですよね。帝王を倒すなんて。

魔法族なら知らないものがいない、あの超絶強くて超絶有名で、なんかすごいことをしたあの帝王です。ねえ、皆さんも当然知ってますよね。私ですか、……ノーコメントで。

 

お母さんがそんなの言ってたの聞いたことないけどな……。いやいや、嘘ですよ、知ってますから。まさか、私と同世代の子に倒されていたとはね。ハリーが新帝王なんでしょうか。

 

ちなみにこの辺のことは一緒のコンパートメントに入ってきたロンって子から聞きました。ロンの口ぶりからするに額の傷が帝王の証とかなんだと思います。

 

そうそう。それから、帝王トークで盛り上がる中、ハーマイオニーっていう女の子がやってきて、ネビルって子のカエルを探してるって言ってきたんですよ。で、ですね。そのころにはもう黙りこくってた私はここだって思いましてね。

 

「それなら、私が」っていって杖を構えました。

 

そう、ここで守護霊ちゃんです。呪文を唱えて守護霊ちゃんを出した瞬間、みんなのテンションが一気に上がって大成功。ネビル君のカエルも無事に見つかって、本人から「ありがとう!」なんて感謝されちゃいました。あの瞬間、心の中でガッツポーズですよ。

 

 

その後はもう、みんなで車内販売のお菓子を分け合ってワイワイ。これってもう大親友レベルって言っていいですよね? いやー、皆さんのことはもう用済みかもしれません。……うそうそ、まだ一緒にいてください。

 

しかもさらに、ハーマイオニーちゃんっていう女の子とも友達になったんですよ。初対面からして頭の回転が速すぎて、何やら高速詠唱していたんですが、友達になってしまえばこっちのもんです。笑顔がまぶしい。おしゃべりの量もまぶしい。私も嬉しくて守護霊の出しやすいこと出しやすいこと。

 

 

コンパートメントって制度、きっとこういう出会いを促すためなんですね。

人数が増えるほど私がしゃべらなくてすむので、とてもありがたい。

 

特にロンってすごいんですよ。お兄さんがたくさんいて全員ホグワーツに通っているらしく、情報量が半端じゃない。ホグワーツの授業や寮の評判から、こっそりやっていいこと・ダメなことまでずらずら教えてくれます。お母さんも卒業生のはずなのに全然話してくれなかったから、もう宝の山です。

 

ちなみにロン情報によると――

レイブンクローはがり勉、ハッフルパフはまぬけ、スリザリンは嫌な奴、グリフィンドールは勇敢。……おや、なんかグリフィンドール以外みんな微妙な評価じゃないですか? お母さんにスリザリンに行くかもって言われてた私、ちょっと不安になってきたんですけど。

 

私の知ってるホグワーツのルールといえば、まず「壊すな」。何回も言われました。校舎を壊すな、塔を吹き飛ばすな、湖に落とすな、などなど。まあ、実家の城のことを考えると何も言えませんけど。……でも念押しされると逆に不安になるやつ。

 

あとは、備品を壊すなと、動植物を勝手に食べるなってのがメインでしたかね。他もあったけど忘れました。

 

あとお母さんが言ってたこととしてはですね。さっきも言った「あんた、たぶんスリザリンに入るわよ」ってやつです。紋章が蛇なのが気に入らないって言ってたけど、まさかロンの「嫌な奴」情報と一致するとは……。私、嫌な奴に囲まれて生活するんでしょうか。ううむ。

 

とはいえ私、どう考えても勇敢でもないし、グリフィンドールには向いてないのは分かります。勇敢さって何かと試されるらしいですし。

 

そんなことを考えつつ、不思議なお菓子を食べていたとき。コンパートメントの扉が開いて、三人の少年が現れました。……あれ、あのいつも私から逃げてた子じゃないですか? 名前なんでしたっけ。そうそう、ドラコくん。あ、ファミリーネームはマルフォイって言うんだっけ。

 

彼らは私に用があるというより、入り口の席に座っていたハリーに話があったようです。

ロンの陰に身をひそめて耳をすませていると、「付き合う友達は選ぶべきだ」なんて言葉が聞こえてきました。……え、それって、私から友達を奪おうとしてるってことですか? 「家柄」とか「血統」とか、それっぽいワードもちらほら。うわ、絶対ろくでもない話ですよこれ。

 

これは、私がガツンと言ってやらないといけないやつですよね?

 

心の中で「よし、今だ!」と決意した私は、思わず立ち上がりました。

 

――その瞬間。

 

ドラコくんが私に気づいて、目を見開いたまま固まりました。

 

まるで目の前に巨大な化け物が現れたかのような顔。

 

ひどくないですか!? こっちはただのドラゴン娘ですよ!?

 

そのあとはというと、ドラコくんは一瞬で態度を立て直し、しかし先ほどよりもずっと真剣な顔でハリーに向き直り、低い声で「友達は選べ」とだけ告げて去っていきました。……なんだろう。警告というより脅しに近いというか、家名を背負ったセールストークというか。

 

 

うん、話の雰囲気からして彼もスリザリン予備軍っぽいですね。ああ……同じ寮になったら気まずそう。

 

私、何か悪いことしましたかね? ただ席でおとなしくしてただけなんですけど。

まあ、もし私がスリザリンに入ってぼっちになったら――また皆さんに泣きつくかもしれません。そのときはよろしくお願いしますね。見捨てないでくださいよ。

 

 

 

 

 

 

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そして! 気づけばホグワーツに到着です。長かった長かった。鉄道ってなんでこんな煙まき散らしながらチンタラ走るんですかね。暖炉みたいにもっとスマートに飛んでくれるとありがたいんですけどね。

 

気が付けばもう、夕方を超えてほぼ夜っていう時間です。途中からただの置物でしたけど、なんか疲れた気がするのは、単純に時間が長かったからかもしれません。

私はそろそろ眠くなってきています。あとちょっと寒いのもマイナスポイントです。早く寝床にはいりたいなぁ。

 

それはともかく――、なんか意外と皆さんの登場回数が多い気がするんですよ。友達ができたはずなんですけど、別にずっと会話が続くわけじゃないから、こうして語りかけないと間がもたないんですよね。皆さん、まだ用済みにはなってませんよ。良かったですね。寂しかったと思いますけど、こうして話しかけられると喜んじゃうあたり、私をもとめてるんですね。

 

でもね、皆さん。着いたということは目の前にあるんですよ。ホグワーツ城が!!!

凄いですよ。城ってものを見慣れたってかいつも住んでる私的にもこうした夜の城、めちゃくちゃ壮大ですごいです。なにしろ、塔がいくつも残ってますし、漏れ出る光が優しくつつんで暖かい雰囲気を出しています。うちの城もちょっとはこういう雰囲気になってほしいものですが。

 

いやー、どうですかこのお城。壊れてないお城を見るの、私にとっては初めてかもしれません。実家の城は半壊状態ですからね。私が生まれたころはまだ塔が残ってたらしいんですが、魔法でも直せないほどにぶっ壊した人がいたとか。世の中とんでもない奴がいるもんです。

 

 

 

 

あと聞いてくださいよ。ここに来るまでの移動が、もう謎だらけなんです。

 

駅で列車を降りたと思ったら、次に案内されたのが――まさかの小舟!

夜の湖を、月明かりだけを頼りに、波ひとつない水面をすいすいと渡るんです。いや、ロマンチックって言えばロマンチックなんですけどね?

 

正直、途中で巨大生物が顔を出すんじゃないかと期待してました。湖面が一瞬ゆらぐたびに、美味しそうなイカだといいなとか考えてました。でもまあ、夜風は気持ちよかったです。少し冷たいけど、空気が澄んでて、

 

船の灯りが水に反射して……なんだか、これから始まる“物語の一章目”って感じがしました。よくないですか。これが私の友達ロードの始まりなんですよ。

ただ、上級生たちは別ルートで行くらしいんですよ。つまりこの湖渡り、完全に一年生向けの演出。観光ツアーか何かですかホグワーツ。どこにそんな予算があるのか、本気で気になります。

 

さらにさらに、荷物の扱いがまた謎。杖以外は全部運んでもらえるのに、杖だけは自分で持ってこいって言われたんですよ。しかも私の杖、馬鹿でかい上にドラゴンの飾りまで付いてるんです。みんなが手ぶらで歩く中、私だけ巨大な杖を抱えて移動。完全に勘違い観光客です。恥ずかしい……。

 

なのでホグワーツ到着後は、ひたすらハーマイオニーのおしゃべりにうんうん相槌を打ってやり過ごしました。おしゃべりな子がそばにいると、自分がしゃべらなくていいんですよ。どうです? これが私の処世術!さっきもそんなこと言っていた。なら過去の私も賢かったんですね。流石です。

 

ところで、これから何をさせられるんですかね?

ロン曰くすごく痛いとか熊と戦うみたいなことを言ってましたけど……バトル系ならうっかりドラゴンにならないように気をつけなきゃ。

 

そこでうっかり暴れちゃったり、城を吹き飛ばしちゃったりしたら「どこの寮にも入れてくれない」未来、わりと現実味あります。そうなったらどうなるんですかね。そとで野宿?ってこと。

 

……あ、そういえば、寮って絶対入らなきゃダメなんですか?できれば家から通いたいんですけど。朝の通学時にドラゴン形態で飛んで来ちゃダメかな……目立つか。

 

結局、組み分け方法はなぞでした。ハーマイオニーが呆れてたので、たぶんロンの言うことは半分以上デマなんでしょうけど。

 

 

 





皆さん、感想って知ってますか。なんか皆さんでも出来るらしいですよ。あと、お気に入り登録ってのもしといてください。えーっと、あと高評価とか、なんとかとか。やっといてくださいね!
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