ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第49話 ドラゴン娘の囲い込み

えー、分霊箱って便利だと思いませんか?皆さんも長生きしたければ作ってみるのをお勧めします。

 

……と、言ったらお母さんとハリーに一回ずつ怒られました。

 

解せません。

 

えー、校長先生が言っていたことをハリーが私向けに分かりやすくというか、こう…………前提条件を整理してくれたのでよく分かりました。私ほどの理解力があっても、何も教えられていないところから理解するのは流石に大変なので助かりました。

 

分霊箱っていうのはですね、簡単に言うと魂を分けておくことです。魂を分けていると、なんか死んでも死なない感じになって、たまに復活できます。そして、その方法なんですけど、なんと人を殺すことみたいです。

 

びっくりしますよね。

 

もちろん、その辺の人をいきなり殺しても死ななくなったりはしないというか、意図的に分霊箱を作ろうとしないと作れないということみたいですけど。

 

なんでも、人を殺すとなぜか魂が傷つくとか…………よく分かりません。なんで人を殺しただけでそんなことになるんですかね。一応、誰かを助けるためとかはセーフらしいんですけど、友達とかじゃなくて、普通に敵を殺してもそうなんですよね。その傷ついたタイミングで、そこから剥がれ落ちた魂を閉じ込めたら分霊箱の出来上がりということらしいです。

 

いや。魂って意外と脆いんですね。

 

もっとこう、頑丈なものだと思っていました。

 

えー、びっくりしますよね。私の魂も傷ついているんですかね。

 

でも、私の場合ってわりとうっかり相手が死んじゃった系なんで…………セーフかもしれないです。

 

少なくとも、分霊箱を作ろうと思ったことは一度もありませんし。というか、もし作っていたとしても気付かないと思います。

 

私、部屋の掃除すら忘れることありますし。そんな重要なもの管理できません。

 

ただ、ここで問題があります。

 

分霊箱って便利そうに見えるんですけど、どうも作った人はだんだん変になるらしいんですよ。

 

魂を何回も切り分けると頭にも悪いのかもしれません。大変ですね。やっぱり健康第一です。

 

それに、ちょっとコストパフォーマンスが悪い気がします。もっと便利で作りやすい分霊箱が開発されるべきです。

 

そう思いませんか?

 

だって、みんなが予備の命を持っていれば、私がうっかり大広間を吹き飛ばしても復活できるはずですし。

 

たまにありますよね。

 

うっかり。壁がなくなったり。天井が吹き飛んだり。建物が燃えたり。そういうこと。

だから私は切実に魔法界の進歩を願っています。

 

分霊箱じゃなくてもいいんです。

 

もっと安全で。もっと平和的で。もっと気軽に復活できる何か。そういう研究に予算を回すべきだと思います。

 

少なくとも、私が何かを壊した時に「まあ復活できるし」で済む世界になれば、みんなもっと幸せになると思うんですよね。

 

 

 

ふう、はぁ。

 

どうも皆さん。

 

親友、いや恋人と二人きりでフクロウ小屋に来ているラシアンナです。

別に怪しいことをしているわけではないですよ?本当です。信じてください。

なんかその目は信用していませんね。

 

でも仕方ないんです。だってハリーがここに来ようって言ったんですから。

私は悪くありません。

 

そう、事の始まりはですね、授業が終わったあとにハリーが珍しく暇そうにしていたんですよ。少なくとも私にはそう見えました。私の言うことは大体正しいんです。

 

最近は七年生ですからね。みんな進路だの何だので忙しいんです。スリザリンのみんなも試験勉強で忙しそうですし、ハーマイオニーなんて本と結婚する勢いです。ロンも…………結構忙しそうです。何で忙しいかは分かりません。

 

なので今こそハリーを確保するべきだと私は思いました。ということで捕獲しました。

でもフクロウ小屋に行こうと言ったのはハリーなんですよ。本当です。

私は証人がいなくても主張します。

 

それで二人でフクロウ小屋まで来たんですけど、まず最初にやったのがヘドウィグのお世話でした。皆さんも知っていると思いますけど、ハリーのフクロウです。真っ白で綺麗なんですよね。私のことも結構気に入ってくれているみたいで、頭を撫でても怒りません。

 

まあ、食べたりしませんからね。

 

流石に。

 

その辺の信用は得られていると思います。

 

それで餌をあげたり羽を整えたりしていたんですけど、ヘドウィグって結構賢いんですよね。私が近付くと微妙にハリーの方へ寄るんです。最初は偶然かと思ったんですけど、何回もそうなので絶対に分かってやっています。

 

賢いですね。そして生意気です。

 

でも可愛いので許します。あと、私も可愛いのであらゆることを許して下さい。

 

そうやって一通り終わったあと、二人で窓際の方へ行ったんです。

フクロウ小屋って高いところにありますからね。

 

眺めが凄いんですよ。

 

湖も見えるし、再生しつつある禁じられた森も見えるし、遠くの山まで見える。

夕方だったので空も綺麗でした。オレンジ色というか金色というか、なんというか、見ているだけでぼーっとする感じです。

 

それで私たちはしばらくそこで話していたんです。ハリーは予言で元帝王と殺し合うことにされていたみたいな本当にどうでもいい話ばかりですけど、私にとってはそれがやりたかったんです。

 

昔の私だったら、誰かと二人きりで何時間も話すなんて想像もできなかったと思います。というか、一時間も持たなかったと思います。

 

そういう日々を過ごして、お母さんにも改めて二人で挨拶しに行きましたし、ハグリッドにも祝福してもらいました。

 

お母さんからは絶対に逃がすなって言われましたけど、もちろんですよ。ハリーは卒業しても一緒にいようって約束してくれたんです。本当に嬉しかったです。

 

 

 

 

 

 

そういうことで、絶好調の私なんですけど最近私はある厄介おじさんとバトルをしているんです。皆さんの無い知恵も絞りたいくらいに。

 

そう。その相手というのはシリウス・ブラック。

 

あのワンちゃんですね。元アズカバンの。

 

正直なところ、私はシリウスのことは嫌いじゃないんですよ。気前は良いですし、実家の修理代も出してくれましたし、ハリーのことも本当に大事に思っているのは分かります。

でもですね。

 

最近やたらと面倒なんです。事の発端は卒業後の話でした。

 

まあ、その、えーっと。

 

卒業したらどうするかって話になったんですよ。

 

ハリーはあの親戚の家に戻る気はあんまりないみたいです。そりゃそうですよね。私も話を聞く限りあんまり住みたいとは思いません。あのお漏らし君こと従兄もいますし。

 

だから新しく家を借りるとか建てるとか、そういう話になったんです。

 

私は普通に思いました。うちに来ればいいのでは?と。

 

だって、どうせ一緒に住む話はしているんですよ。

 

別に不自然じゃありません。お母さんもハリーのことは気に入っていますし。

 

たまに来る大叔母さんも多分気に入っています。まあ、大叔母さんは気に入ると食べようとするので少し問題ですけど。

 

それはさておき。そこでシリウスがなんか当然みたいな顔で。俺がハリーの後見人だから一緒に住むとか言い出したんです。

 

なるほど。確かに後見人です。

 

そして、ゴドリックの谷に家を建てるとか言い始めたんですよ。

 

いやまあ、それ自体はいいんです。ハリーのお父さんとお母さんの家もあった場所だし、でもそこにシリウスも住むらしいんですよ。

 

なんで?と思いました。

 

なのでいらいらした私は非常に合理的な提案をしました。「ペットの犬としてならいいですよ」と。

名案ですよね。

 

昼間は犬。夜も犬。散歩もできます。みんな幸せ。ところがシリウスは激怒しました。

意味が分かりません。私はかなり譲歩したと思うんですけど。それでしばらく揉めていたんです。

 

ただ、シリウスの言うことにも一理あるんですよね。

 

確かに闇の帝王は消えました。でもデスイーターが全員消えたわけじゃありません……たぶん。中には逆恨みしている人もいるかもしれません。

 

そうなると、私以外にも戦える人が一人くらいいたほうが安心です。シリウスが強いかどうかは知らないですけど、肉盾としてはちょうどいいです。まあ、シリウスには別館に住んでもらいますけどね。

 

それならむしろ実家のほうが安全なのでは、とも思ったんですけど、シリウスはそこも考えていたらしいんですよ。

 

なんと、家を建てるなら本気で建てるらしいです。

ドラゴンが突っ込んでも壊れない家。ブレスでも燃えない家。多少の爆発では揺れもしない家。そういうのを作るんだとか。

 

お金持ちって凄いですね。

私はその説明を聞いて、割とあっさり賛成しました。

 

だって家の強度って大事じゃないですか。本当に。

 

今はまだいいんですよ。壊しそうなのはせいぜい私だけですし。でも皆さん、未来をみましょう。だから皆さんは皆さんのままなんですよ。

 

でもですね。

 

もし…………、その………… えーっと、そうですよ。

あー、将来的に…そのっ、子供とか生まれたらどうするんですか。

 

普通の家だと危ないじゃないですか。

 

飛び回るかもしれませんし。壁に突っ込むかもしれませんし。ブレスを吐くかもしれません。

 

そのたびに建て直していたらお金がいくらあっても足りません。

だから丈夫な家は大事です。

 

ということで最終的にはOKしました。

 

ただし、シリウスには今でも言っています。

「犬小屋くらいは作りますよ」って。すると毎回ものすごく嫌そうな顔をします。

不思議ですね。

 

 

 

それは置いておいて、そろそろ卒業も近づいてきて最後の試験の季節です。

そう。いもり試験とかいう変な名前の試験です。

 

いや、本当はもっとちゃんとした名前があるんですけど、略称だけ聞くとどうしても爬虫類とか両生類の仲間みたいですよね。

 

まあ、幸いなことに私はそんなにたくさんの教科を受けるわけじゃありません。もちろん勉強はしていますよ? していますけど、ハリーたちに比べるとだいぶ気楽な方だと思います。

 

本当に大変そうなのはハリーです。

なにしろ、将来やりたい仕事が決まっているんですよ。

 

闇払いです。……ドラゴン使いではないですよ。

 

なんか格好良いですよね。闇の魔法使いを追いかけて捕まえる仕事らしいです

私としては、わざわざ危険な人を探しに行く仕事という時点でだいぶ理解できないんですけど、ハリーは昔からそういうところがありますからね。危ない場所へ行くなと言われると行きますし、逃げろと言われると向かっていきますし。たぶん職業選択としては自然なんだと思います。

 

それで、そのためには試験で良い成績を取らないといけないらしく、最近は結構必死です。

 

なので、ここしばらくは勉強する時間が増えました。

 

場所は天文台の塔。その途中にある小さな空き部屋です。

最初は偶然見つけたんですけど、意外と居心地が良くて、そのまま二人の勉強場所みたいになりました。

 

窓からは湖も見えますし、人もあまり来ません。

それに静かなんですよ。

 

私が本を読んでいても怒られませんし。

 

ハリーが問題集を広げていても邪魔されませんし。

たまにハーマイオニーが様子を見に来て、「ちゃんと勉強してるのね」と安心した顔で帰っていきます。失礼ですね。私だって勉強くらいします。

 

そして、そうやって机を並べていると、たまにハリーが将来の話をするんです。いろいろニマニマしてしまいます。

 

一応、校長先生が私についてもいろいろ考えてくれているみたいなんですけど。

なんでも、魔法省で私にもできそうな仕事を探してくれているらしいです。

ありがたいですね。本当に。

 

ただ、その話を聞いたマクゴナガル先生は頭を抱えていました。

 

どういう意味なんでしょうか。失礼ですよね。

私はちゃんと働けます。

 

多分。きっと。……働けますよね?

 

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